放射性セシウムが南本牧最終処分場から横浜港へ放出されている事について

2012/3/6 午後5時前から始まった、横浜市予算委員会の井上さくら議員の「放射性セシウムが南本牧最終処分場から横浜港へ放出されている事について」の質疑の様子を文字起こししました。井上議員の持ち時間は、無所属なので5分です。
(映像は何日か後に公開されますが、当日文字起こししたものです。正式文章ではありませんので、誤字等の可能性があります。)

要点:
  • 26日間のみゼオライトを使用、ゼオライトは5000Bq/kgになった
  • 総量で2750万Bq、一日あたり100万Bqを超える放射性物質が除去できたのに、今は垂れ流し
  • 住民には、ゼオライト流水を止めた後も、使っているように説明してきた

ビデオが公開されました:
http://bit.ly/yWHseq 横浜市正式版
http://bit.ly/weLKlA Utube ( http://www.youtube.com/watch?v=ttsrADIm_Bs&feature=youtu.be )

2012/03/09 hamaosen対策協議会では、流水再開要請文を提出し、その後、担当局担当部長、課長との話し合いを行いました。詳細はこちらhttp://www18.atwiki.jp/hamaosenmatome/pages/168.html



次に井上さくら委員の質問を許しますー。井上委員。

井上委員:
えー、南本牧最終処分場のことで伺いますけれども、
はじめに、ここで現在行われている放射能対策どのようなものか、
お願いします。

大熊局長:
焼却工場で、飛灰にゼオライトやベントナイトを混入
する対策をすすめるとともに、南本牧最終処分場におきましては
しめりきてい(?)を設置して、飛灰ゾーンの***作業を進めております。
また、飛灰につきましては、
??上で、水に触れないような埋め立ての方法を実施しております。

井上委員:
排水処理施設というのありますけれども、この必要性と概要、その
放射線対策がどのようになっているか伺います。

大熊局長:
南本牧処分場は一般廃棄物および産業廃棄物の処分場でございまして、
えー、廃棄物に含まれる汚染物質の外部への流出を防止するため
凝集沈殿、生物処理、砂ろ過、活性炭吸着という処理フロー等で
排出処理を実施しています。
また放射線対策としましてすでに
活性炭吸着塔内でゼオライト吸着剤を充填させるとともに
24年度には凝集沈殿槽を設置かいじょういたしまして、
ゼオライト粉末による吸着処理を導入することで、
さらなる安全性の向上をはかってまいります。

井上委員:
活性炭層の一部にゼオライト導入という話ありましたが、
これですね、
で、このうちの2つにゼオライトをいれてると、入れていた、ということですが、
今現在はどのように使われているんでしょうか?

大熊局長:
昨年10月におっしゃるように6塔ある活性炭吸着塔
のうち2塔にゼオライト吸着剤を充填しまして、その
その1塔について試験的に通水をしまして、
ゼオライトの吸着能力があることを確認しまた。
現在使用したゼオライト吸着剤の入れ替え作業を行っておりまして、
他の一塔とあわせまして、
必要な時に対応できるように万全の対策をとって・・

井上委員:
要するに、通水した、稼動したのはどれだけの期間だったんですか?

大熊局長
26日、約1ヶ月の期間と。

井上委員:
いつから何時まで?

(間)

大熊局長:
10月5日から11月1日までです。

井上議員:
ま、その約1ヶ月足らず動かして、通水をして、
その後は一切止めてしまっているわけですね?
で、そのことは、私はこの
質問の準備をする中で始めて気が付きました。
当然使っているのだと思っておりました。
今、10月から11月2日までとおっしゃってたけれど、
その後に行われた常任委員会の資料
「実施中の対策」という資料でね、
えー、6本のうち2本にゼオライトを充填する対策を
10月からはじめています。
それから2月に行われた地元の住民向けの資料でも、
排水処理対策でゼオライト、吸着剤を充填しました。
確かに充填してますよ。
でもこう書いてあったらですよ、使っていると思うじゃないですか。
どうして止めたんですか?

局長:
通水することによりまして、その
ゼオライトの吸着能力を確認し(聞き取れず)

井上委員:
なぜ止めたのか、と聞いています。

大熊局長:
このー、放流水のですね基準がございます。
それが、あのー
セシウム134につきましては、えー 60Bq
137につきましては 90Bq、
そういう基準がございます。
また、今現在ですね、検出してから、
ずっと不検出いうことになっております。
ま、そういったことから
え、ま、実験をしたということで取りやめてございます。

井上委員:
今この、放流水もそれから流入水も不検出ふうにおっしゃったけれど、
今、放射性物質について不検出という言葉はあまり使いません。
健康福祉局でも、下限値以下とか、検出限界値以下という風に
言っています。
というのは、不検出というのは、取れなかった量入っているという
ことも含まれるからです。

検出限界値はいくつですか?

大熊局長:
20ベクレルです。

井上委員:
大量の海水がこの処分地の中にあるわけですね。
それが、その検出基準値以下であったからと言って
ないわけではない。
実際に、ではゼオライトを26日間通水した。
そのゼオライトはどの程度吸着をしたんでしょう。

大熊局長:
測定結果は、ゼオライト1Kqあたり5000ベクレルです。

井上委員:
キロあたり5000ベクレルって、
局長はこの数字を聞いてどう思われましたか?

大熊局長:
ゼオライトに非常に吸着能力があるという感想でございます。

井上委員:
それはね、26日間で5000ですよ。
今、飛灰でもですよ、
先ほどもやりとりありましたけれど、
もっとも濃度が濃く出た
ま、もっと前にははもっとあったかもしれないけど、
測り始めて一番たかかったのが2400です。
それの倍以上にゼオライトに付いていると。
ゼオライトがそれだけ高濃度になってしまったとういことは
水の海水の濃度では薄まっているけれども、
絶対量としては、相当程度内水の、汚染がですね、
セシウムの溶け出しが進んでいるんだということではないですか?

大熊局長:
我々としてはですね、放流水につきましては
国の定めた基準、濃度限界というのがございます。
それ先ほど申し上げたとおり
それがセシウム134が60ベクレルです。
そして、137が90ベクレルとなっております。
我々はそれを絶対に超えないようにするために、
これまで、今も対策を練っておりますけれども、
これからも対策をねります。
でき限りの万全の対策をとるということでございますので。
その基準自体は、国が、これは外国の国際的な基準、考え方に基づいて
この基準が安全であるという基準でございますんで、
それに向けて、
それが超えないような対策を打っているということでございます。

井上委員:
今ね、力説している基準というのは、原発の放流水の基準ですよ。
原発が横浜港の中にできてね、
それが放流をする際、それの
基準がしょうがないから当てはめているにすぎないんです。
そんなことを、資源循環局長ね、
これ、市民がそれを心配しているんじゃないんですか。
だから止められるということを、
とめるためにできるだけのことをやってくれということで
昨年は、下水汚泥で問題になって、
それでゼオライトを充填します、という説明を、
その後も何度もされている。
それなのに、止めていたわけですね。
止めた後も、充填してますという、充填してますとっていうのは
使っていますと思うに決まってるじゃないですか。
なぜこういう説明をします?
隠しているという風に、通水を止めたということを
隠しているという風に思われますよ。

大熊局長:
今、委員がおっしゃっていた国の基準でございますけれども、
これは原発のための基準ということではありませんでですね、
国際放射線防護委員会という、ICRPというのがございます。
国はこの考え方に基づいて、
もちろん安全であるという考え方に基づいて、
国の基準ができているわけです。
それの基準に守るために我々はその管理をしているということで
ございますので、
そこはあのー、きっちりと理解して頂きたいと思います。

井上委員:
先ほどの、5000ベクレル、5500キロで、とれた。
26日間ですから計算すると、これ、2750万ベクレル
とれているんです。
26日間ですから、ざっと一日あたり100万ベクレルとれるんです。
それを今は通水をしていない。
あるのに通水しないで、スルーして、横浜港に出しているんじゃないですか。
それは一日100万ベクレル横浜港に出しているっていうことですよ。
いいんですかこれで?

大熊局長:
濃度基準というものは、
他の基準も、先生おっしゃるようにわかると思いますけれども、
例えばダイオキシン、これは放流水に実はごく微量ですが出ております。
で、それは基準を超えないようにですね、
我々はごく微量ですけれども対策を練っている、
ということでございます。
すべての基準、*を測るためには有害である***
それを排出基準以下にしてですね、
それを健康被害に及ぼさない程度にするということでやっております。
やはり基準というのはそういうもので、
国が安全であるという基準でありますので、
それ以下にすることがやはり我々の目標でありますし、
それに向けて、できる限りの**処置をとっているということで
ございます。

井上委員:
基準以下だからいいんだと言いながら、冒頭に聞いたようなですね、
ま、堤、堤防を作ったりとか、先ほどもあったように
ベントナイトやゼオライトを使う、と。
なぜそういうことをします?

大熊局長:
基準を超えないように万全にするためにです。

井上委員:
万全を期すために、まずすぐできるんですから、通水をしてくださいよ。
そしたら今すぐ止められるんです。
まだ堤はできていません。
ベントナイトやゼオライトを使うのも全工場で
まだ始まっていません。
なぜ通水しないんですか?

大熊局長:
現在、検出下限、以下ということで、不検出となっています。
当然、その数字というのは基準を大幅に下回っております。
そういう状況でございますので、今まで***やっております。

井上委員:
そうすると、毎日100万ベクレルね、
南本牧に出ているっていうことになるんです。
それを、ちゃんと説明しましたか?
地元の方や漁協関係者や港湾関係者に
説明していますか?

大熊局長:
不検出として説明させてさせて頂いています。

井上委員:
不検出は欺瞞です。
実際はベクレルが取れているんだから。
そこのゼオライト塔で。
取れるのがわかっているのにスルーしているんですから。
ゼオライトを通すのに、どれだけのコストがかかるんです?

大熊局長:
1塔分で**を含めて約120万かかります。

井上委員:
安いもんじゃないですか。
堤を作るのにいくらかかるんですか?

大熊局長:
1億5000万円でございます。

井上委員:
コストのことだけでこれは決められないんですが、
一番ですね、環境と接している部分です。
浄水棟を通してその後は放水してします。
その後は管理できなくなる。
管理できなくなる手前で止めるしかないじゃないですか。
それをやってください。
お願いします。


補足

(1) 井上さくら議員からの補足情報
「ゼオライト塔は二つあったけど、通水したのは一つだけなのです。
通水してセシウムを吸着したゼオライトは既に南本牧に埋め立てましたが、もう一つは使わずに、サラのままになっています。
だから、通水さえすればセシウムの流出をすぐ抑えられます。」
井上さくらさんの関連ブログはこちら


(2) 11月15日に、横浜市は本牧地区の住民に説明会を開いています。
その時もゼオライトの効果をうたっていました。
http://www18.atwiki.jp/hamaosenmatome/pages/162.html
しかしその時点で、すでにゼオライトは使っていなかった、ということです。




(4) 横浜市の測定結果

南本牧処分場での放流水等の放射能濃度: 
http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-data/data/tyosa/housya/minamihonmoku.html
※流入水および放流水の過去の測定結果
http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-data/data/tyosa/housya/minamihonmoku2011.pdf

余水の処理
埋立地を遮水護岸で囲み、処分場内余水については、排水処理施設により浄化・処理し、周辺環境に影響を与えないようにした後、場外に排出します。
http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-soshiki/jimusho/das7-6.html
http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-soshiki/jimusho/img/haisuiminami.jpg

過去のデーターすべてで、「不検出」と記載されています。
検出限界値は記載されていないようです。
ゼオライト使用の件も、見つかりません。



主灰と飛灰、それに排水、空間線量などの記載があります。
排水はすべて「不検出」と記載されています。
最終更新:2012年03月10日 10:11
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