ケイダン

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ケイダン アレンコ


エレメントゼロ汚染の被爆者

ケイダン アレンコは、2151年に地球のシンガポールで生まれた。
彼が母親の胎内にいる時、エレメントゼロの輸送事故が起き、生まれる前に被曝したことで、
彼は生まれながらにバイオティクスの体質になった。

訓練後にバイオティクスになったケイダンは、アシュリー ウィリアムズと比較されるシェパード チームの
クルーである。

BioWareによると、プレイヤーが彼を使用した割合は非常に低く、クルーの中で最低率だったが、Mass Effect1
のヴァーマイアにおいて、アシュリーと彼とどちらかを残す選択をする必要があったために、そこで死亡する
ケースが多いという数字による統計だ。

ケイダンを残した場合、女性シェパード少佐とはロマンスになれる。また、Mass Effect1と3ではロマンスの
場面があり、DLCシタデルにおいてもロマンス場面が用意されているほど、セクシーな場面に事欠かない。

ただ、ケイダンの口調には特徴があり、声優ラファエル スバルジの声の響きを気に入れば問題ないが、
繊細で感性の強いケイダンは、ギャレスと比べると若干トーンが低く、重い感じがあり、あまり明るい性格
とはいえない。

女性シェパード少佐でケイダンを取るか、男性シェパード少佐でアシュリーを取るか、
あるいは他のパターンにするか…。ここは好き嫌いの範囲内である。

Mass Effect1のケイダンとの会話の中で、彼は過去について話すことがある。
彼はまだ10代で、ジャンプゼロと呼ばれていたガガーリン ステーションにいた頃の話だ。

コミック「ファウンデーション」で、そのジャンプゼロ時代の話が語られている。
今回も、会話と場面を多数追加してのお話。




ガガーリン ステーション(ジャンプ ゼロ)

2142年、ガガーリン ステーションの建設が始まった。名前は、あのユーリ ガガーリンから来ている。

2149年にカロン マスリレイが発見されるまでの間は、このガガーリン ステーションが星系の間の中継地点と
なっていた為に、このステーションは「ジャンプ ゼロ」と呼ばれていた。

このガガーリン ステーションは、地球から離れた遠い深宇宙を調査するため、様々な実験を行う施設として
作られた。

2149年にカロン マスリレイが見つかって、連合が発足して以来、このガガーリン ステーションには9000人を
超える人間が常駐するようになった。また、各星系を結ぶためのゲートウェイの役目も果たし、人類が新しい
入植地を探すのに大変役立った。


BAaTトレーニング

2160年に、人間のバイオティクスを育成するためのプログラムである、BAaTトレーニングが、
ガガーリン ステーションにて開始された。

これを受けるBAaT学生は、誰もがまだ10代前半だった。
バイオティクスの素養があると認められた子供達だけがここに集まった。

ケイダンのように、エレメントゼロ汚染の被爆者の子供が含まれていたが、基本的に15、16歳位までの
間に訓練を行わないと、バイオテック能力が著しく成長しないとされている。

アサリやクローガンも同様に、バイオテックが使えるようになるには誰しも訓練が必要だが、人間の
バイオテック能力はまだ未知の領域だった。

2168年。

ケイダンは、父親の望みでBAaT学生になり、彼も、父親の期待に応えようとここに来た。

BAaT学生になったケイダンは、すぐに親しい友人が出来た。
それが、ラナという女子のBAaT学生だ。

ラナは、ケイダンに比べると、そのバイオテック能力は未発達だったが、2人はたまたま
教官からチームで一緒にされ、いつも一緒にいるようになった。

ケイダンは、誰よりも強いバイオテック能力があることを皆に披露していたために、
一目置かれ、ラナはケイダンを好きになった。また、ケイダンもラナを好きになる。

ある日、ケイダンとラナは、バイオティック アンプを管理する部屋で、アンプの調整をしていた。

ラナのアンプの調子がよくないようだ。まだ、コナティクス社のこのアンプは、BAaT学生用として作られて
いなかったので、彼女の体にマッチしていなかった。

ケイダン「このL1アンプを別なものと取り替えよう」と、ラナに促すと、ラナはユニフォームを脱ぐ。

ラナは、下着姿になると、少し気恥ずかしかったが、ケイダンは何度もこうしてラナのアンプを
取り替えていた。しかし、ラナにとって、このひと時がとても幸福感に満ちていたことを、ケイダンは
知らない。

2人とも、いずれ連合士官なれば、離れ離れになるだろうと覚悟はしていた。
それでも今だけは、この思春期のときめきをずっと続けていたいと、そう思っていた2人だった。


バイオティック アンプは、脳の神経と直接つなぎ、脳波がダイレクトにアンプに反映されるため、
使用者の精神状態をよく反映する。

この為、強い怒りが、バイオティック アンプに著しく強い影響を与える。

BAaTトレーニングでは、精神状態をわざと高揚させるようなプログラムになっていて、
中には、突然怒り出したり、わめいたり、奇声を上げたり、様々だった。

冷静に訓練する、ということは、ちゃんとやってない、ということになるが、
ケイダンは、どんな精神状態においても、強いバイオテック能力を示した。

誰よりも、重力をコントロールする力に優れ、誰よりもダークエナジー放出量が多く、
誰よりもダークエナジーを集中させて爆発させる能力を持っていた。

もちろん、他のBAaT学生にも、ある程度はできたが、ケイダンはまさに特別クラスだった。

BAaT学生達は、ケイダンについて、多くのうわさをしていた。
「彼は神童だ」「彼は人の3倍エレメントゼロで被曝した」「彼の親は本当はアサリだった」など。

さすがに「赤い彗星のケイダン」というあだ名はなかったが、人の3倍以上の能力を持つケイダンは、
教官より優れ、まさにBAaT学生の手本だった。


怒るラナ

ある日、休憩室のラウンジで、男子のBAaT学生2人が、ケイダンをからかった。

男子BAaT学生「なあ、ケイダン。お前強いのは分かってるけど、その力を少し俺にも分けてくれないか」
男子BAaT学生「頼むよ、俺にもさ。ほら、100クレジットあげるから。200はどうだ? 300!」

男子BAaT学生「いや~いや~。ケイダンが強いのは、きっとラナのせいだろう。いつもラナと一緒でさ。
ラナと一緒に訓練して、終わればまた一緒に食べて、寝て、お風呂入って…。そんでもって…。」

男子BAaT学生「それじゃ、女のせいで強いってわけか? そりゃ反則だろう~」

ケイダンは、栄養ドリンクを飲みながらそれを聞いていたが、確かに彼の言う通りかもしれない、と
うなずいていたケイダン。ラナがいなければ、今のように楽しくないだろうとそう改めて思った。

からかわれていても、楽しいと感じるケイダンのそばに、ラナが来て、突然怒り出した。

ラナ「ケイダン、ちょっとは怒りなさいよ! 何スルーしてんのよ!」
ケイダン「あ…。いや…。別にそんな…。」

男子BAaT学生「ラナ…。ちょっと言ってみただけさ…。冗談さ、冗談」
男子BAaT学生「そうそう、ただの世間話さ」

2人は、これで退散しようとしたが、部屋のドアが突然閉まった。
男子BAaT学生「ひ!」
男子BAaT学生「まさか!」

ラナが怒ると、ある意味、ケイダンより怖い。
男子BAaT学生の周囲にあった機械や道具が浮き始め、2人の周囲を回り始めた。

男子BAaT学生「助けて!」
男子BAaT学生「ど…どうか命だけは!」
男子BAaT学生「ゆ…許して~」

ラナは、しばらくの間、訓練と思って、怒りが鎮まるまでそうしていた。

ほどなくして、そこに一人の美しい女子BAaT学生が現れた。
ケイダンとは別のチームにいるシルヴィアがドアを開けてやってきた。

シルヴィア「ん? 何? 休憩室で訓練なの? 真面目なのね…。」
彼女も栄養ドリンクを取って飲み始める…。

ラナは、シルヴィアを見ると集中が切れて、浮かせていたものを落としてしまった。

男子BAaT学生「すいませんでした~!」
男子BAaT学生「また今度ね~」

2人はそう言って逃げた。

ラナは、シルヴィアを見ると、おかしな感情が巻き起こった。「嫉妬」というやつだ。

ケイダンは、シルヴィアを見ないで部屋を出るが、シルヴィアの目は、じっとケイダンの後姿を追う。

ラナとシルビアの間に火花…ではなく、ダークエナジーが走った。

シルビアは心の中で「ケイダンを私に振り向かせてやる、絶対に」
ラナは「シルヴィアにとられてなるもんですか」

女の戦いが始まった。


恋敵

ケイダンは、まだ開発段階ではあるが、コナティクス社のL2アンプを使っていた。
だが、まだケイダンに合っておらず、時々頭痛が起こった。

ケイダンの脳波を、アンプの受容量が少ないために、受け止められずに逆流するために起こる頭痛。

頭痛が起こると、いつもは、ラナがケイダンに付き添う。

だが今回は、シルヴィアはケイダンをずっと見ていたために、シルヴィアがラナより先手を打った。

シルヴィアがケイダンに付き添って、またラウンジへ向かう2人。
ラナは、2人を追ってラウンジへ。

ラナは、バッグからいつもの痛み止めを出すと、シルヴィアがそれを奪い取って、コップに入れた
水に混ぜると、ケイダンに飲ませた。

再び、シルヴィアとラナは目が合うと、またダークエナジーが溢れ出る。

ケイダンはそれに気づいて「2人とも、ここはラウンジだぞ? やめないか…。やるなら訓練室で…。」
頭痛が治らない彼は、少しベッドに横になった。

この光景を、他の男子BAaT学生や女子BAaT学生が見ていて、ひそひそと言い合っている。

女子BAaT学生「シルヴィアが勝つわ!きっと…。」
男子BAaT学生「ばかいえ、ケイダンはラナが好きなんだぜ」
女子BAaT学生「あんなに美人でセクシーなんですもの、断然シルヴィアよ」

男子BAaT学生「美人で胸がでかくていいケツしてるだけで、ケイダンが好きになるかな…。」
女子BAaT学生「愛の強いほうが勝つ…。いえ、ダークエナジーの強いほうが…。」
男子BAaT学生「ダークエナジーか…。あ~あ、もう見てらんないな。訓練行こうぜ…。」

BAaT学生は皆、ケイダンが気になったが、人間の教官は、見て見ぬふりである。
コナティクス社の社員からは、一刻も早く成果を出せ、と言われ続けていたのだが。
間もなく、この教官はクビになる。


シルヴィアは、チームの男子BAaT学生が迎えに来たので、ラウンジを出ようとする。
出る前に、ケイダンに一言「ケイダン、また後で来るわね」と言って投げキッス。

シルヴィアは、この男子BAaT学生とラウンジを出たが、彼はシルヴィアに、「なんでケイダンがいいんだ?」
と聞くと、「あんた、ケイダンみたいに強くないでしょ?」と答えた。

男子BAaT学生は「俺の家は金持ちだぜ。俺と一緒になったら、お前を幸せにしてやれる!」
といってふんぞり返った。

シルヴィアは「あんたなんか、月とリーパーよ。自惚れないでよね、フン」
男子BAaT学生「リーパー?! わかった。リーパーみたいになってやる! ぐぉぉぉぉ!」

シルヴィア「リーパーが、ぐぉぉぉぉ…なんて言うわけないでしょ? がぁぁぁぁ!…よ」
男子BAaT学生「同じじゃねぇかそれ…。げっひゃっひゃっひゃ…。」と、冗談を言いつつ、2人は訓練室に向かう。



ラウンジで、ケイダンとラナは2人っきりになった。

ラナは、ケイダンの顔を見ながら「ねぇ、ケイダン。シルヴィアのこと、どう思ってるの?」と聞いた。

ケイダン「言いたいことは分かってる…。ラナ…。僕は君がいればいい…。君だけが…。」

ケイダンが言いかけたが、ラナは唇でケイダンの唇をふさいだ。


ケイダンとラナ、この2人の恋は、やがてジャンプゼロにいるBAaT学生達の運命を変えることになる。


コナティクス社の企み

2169年。

BAaTトレーニングで使うバイオティック アンプを提供するのは、コナティクス社である。

コナティクス社は、元々エレメントゼロの開発会社だったが、エレメントゼロがバイオティクスの体質の原因であると
分かってからは、バイオティック アンプを製造する会社になった。

主に人間用のバイオティック アンプを作ることを目的としていたため、ガガーリン ステーションにおける
BAaTトレーニングに乗り、BAaT学生に使わせながらテスト開発されていた。

BAaTトレーニングの費用も、全てコナティクス社が負担し、BAaT学生は一切無料でガガーリン ステーションに
滞在することができた。

無料といえば聞こえはいいが、選ばれたBAaT学生は一握りである。


コナティクス社は、これまでBAaTトレーニングに多数のバイオティック アンプを提供してきたが、L1、L2アンプともに、
性能の改善は遅々として進んでいなかった。

コナティクス社の開発者は、BAaTトレーニングで得られるデータに、とても不満を持っていた。

人間の能力は、やはりこの程度のものなのか、体にエレメントゼロを負わなければ、より多くのダークエナジーは
出せないのかと。

コナティクス社の社員は、開発部が困っていることに業を煮やし、ついには、バイオティクスの専門家を呼ぶことにした。

呼ぶことが可能なバイオティクスといえば、トゥーリアンからで、トゥーリアンは、一人適当な人物をジャンプゼロに
送ってきたのである。


ガガーリン ステーションに、トゥーリアンのBAaTインストラクターである、ヴィルナスが到着した。

ヴィルナスは、トゥーリアンの傭兵だが、階級は指揮官だった。

そして彼が到着した翌日から、すぐに新たなBAaTトレーニングが始まった。

彼の組んだプログラムは、これまでに比べると非常に厳しいもので、精神力と体力の劣るBAaT学生は、
1~2時間もすれば、倒れて動けなくなるほどだった。

ヴィルナス「こら! 動け! 休んでいる暇はないぞ! 人間のバイオティクスはトゥーリアンより弱いんだ! 動け!動け!」
と、ビシビシ鍛える鬼インストラクターだった。

元々トゥーリアンの指揮官で、トゥーリアンの兵士を厳しく育ててきた彼にとって、人間はひ弱で、
バイオティクスにはとてもなれないと見ていた。

こうして、ヴィルナスによるBAaTトレーニングが、数日続いたが、コナティクス社の社員が期待したほど、
厳しい訓練の成果は上がっていないようである。

コナティクス社の社員は、ヴィルナスにもっと厳しい訓練をするよう、指示した。

ヴィルナスは、もしBAaT学生が死んだらどうするのかと尋ねると、死ぬほどの苦痛がバイオティクスを育てるのだと
詭弁を言って、ヴィルナスにそれを実行させた。


怒るケイダン

ヴィルナスによる、さらに厳しいBAaTトレーニングが始まった。

300kg以上の重い金属を、部屋の中でぐるぐる移動させたり、硬い岩塊をダークエナジーで
破壊したり、バイオテックを使うあらゆるプログラムをBAaT学生に実行させていた。

自分の放つダークエナジーで浮いて飛ぶ、というのはとても難しい技だったが、
ヴィルナスは、これくらい出来なくてバイオティクスとは言えないといって、できるまで
休ませなかった。

すると、1日しただけで、とてもついていけないBAaT学生の2人は、トレーニングに来なくなってしまった。

それでもヴィルナスは「来ない奴は、今日で退学だ! 続けたい奴だけ続けろ!」と言って強行した。

あと14~15人ほどしかいないBAaT学生達に、ヴィルナスは、より厳しいトレーニングを強いる。


2日め。

訓練開始から2時間ほど経過すると、シルヴィアが倒れて意識を失った。

ヴィルナスは、シルヴィアに「お前も今日で退学だ」と言うと、ケイダンはこのヴィルナスに怒りを覚えた。

ケイダン「まだ今日で2日目でしょう。早すぎます」
彼はそう言って、シルヴィアの傍に行って様子を見ようとした。

だが、ヴィルナスは、今度はラナに対して「ラナ! お前もシルヴィアのように退学になりたいのか!」
と言って、ラナをバイオテックで突き飛ばした。

それを見たケイダンは怒って「ヴィルナス! 何をするんだ!」と叫んで、すぐにラナの傍に駆け寄る。

怒ったケイダンの体中からダークエナジーが湧き出る。


ヴィルナスは、BAaT学生らに対してわざと怒らせるように言い続けてきたが、ケイダンが怒ったことで
BAaT学生がやっと本気になったと、ヴィルナスは安心した。

ヴィルナス「その調子だ。もっと怒れ! 怒りがパワーを引き出させるのだ! 」と、ケイダンの怒りを煽った。

ケイダンは、もはや我を忘れて、このヴィルナスと対決する姿勢をとる。

ラナは、この見知らぬ鬼教官にケイダンがやられたらと思うと不安になり、彼女も体からダークエナジーが吹き出る。

ヴィルナスは、さらにケイダンを本気にさせる為にナイフを出し、ケイダンと相対した。


ケイダン「やるのか?! 俺と…。ラナを侮辱したらタダではおかない。たとえ教官でもな!」

ヴィルナス「さあ、ケイダン。もっと本気になれば、いいバイオティクスになれるぞ、さあ、かかってこい!」

後方から見ていたラナも、訓練で使っていた道具を持ち上げて、ケイダンが危なくなったら、
ヴィルナスにぶつけてやろうと思っていた。

意識を失っていたシルヴィアは、目が覚めると周囲が騒がしいので起き上がると、
「な…。なに? どうしたっていうのよ?!」と慌てて、ケイダンとヴィルナスの対決に驚いて壁にたじろぐ。

シルヴィア「ケイダン…。だ…だめよ…。負けないで!」と、そう言う彼女にもダークエナジーが吹き出ていた。
彼女の周囲にある道具が浮き始める。

ヴィルナスは、ケイダンだけでない、ラナやシルヴィアもやる気を起こしていることにことに満足し、
ケイダンにナイフで斬りかかった。

彼としては、これはBAaTトレーニングのつもりだったが、ケイダンには違った。

ケイダン「ヴィルナス、覚悟!」と、彼は、怒るダークエナジーをヴィルナスに飛ばすと、ヴィルナスは
避けようとしたが、そのダークエナジーは彼を追ってぶつかり、ヴィルナスは吹き飛ばされて、壁に激突した。

ケイダンはこの時、取得して2ヶ月ほどのワープを使ったが、威力はまだまだ足りないと感じたケイダン。

ケイダンの数値は、コナティクス社の社員の合格点だったが、肝心のバイオティック アンプの容量が小さく、
ダメージが小さかった。もはや、L2ではなく、L3やL4アンプが必要になっていた。

この時点では、ジャンプゼロにはそんな高価なバイオティック アンプはまだない。
後にグリソム アカデミーのカーリー サンダースと、ジャックが開発したアンプはより強力だが…今はない。


吹き飛ばされたヴィルナスは起き上がると、ニヤっと笑う。
(笑ったといっても、それが笑いかどうか判別不能)

ヴィルナス「ふん…。やるじゃないか…。人間にしては…。だが、アサリに比べたらまだまだヒヨっこだな!」
彼はケイダンに、もっとやれやれと合図した。

ヴィルナスは、ナイフを捨てて、長いソード剣を持ち出してきて、それをケイダンに向けて振り始めた。

ケイダン「いいだろう、これを戦いと見ていいのかい? 教官…。」

ヴィルナス「ああ、いいとも。私を殺すつもりでかかってこい!」

ラナもシルヴィアも、そんな2人の姿を見ると、とても心配になってきた。
影から「ケイダン! しっかり!」と応援している。

ケイダンは、まだ取得していないバイオティックだが、スラムを使ってみることにした。
まだ訓練不足だが、それに近いものが使えると彼は思っていた。

ヴィルナスがジャンプして、ケイダンに飛びかかる時、ケイダンは、初めて、その巨大なダークエナジーを
集中して放出し、ヴィルナスにぶつけた。

シルヴィアもラナも、何が起こるのか不安だったが、ヴィルナスが吹き飛ばされて、天井に激突し、
床に転がって動かなくなるのを見て、こんな凄いバイオテックがあるのだと初めて知った。

ケイダンも、自分がこのようなバイオテックが使えると知って驚いていたが、倒れたヴィルナスの
傍に駆け寄り、彼を起こそうとしたが、既に彼は虫の息だった。

ヴィルナス「ケイ…ダン…。み…ご…と…だ…。」と最後にそうつぶやいて、この名指揮官は息を引き取った。

ケイダンは、ヴィルナスを助けようと、メディジェルを使って蘇生を試みたが、彼は助からなかった。

彼が初めてバイオテックで死なせた人物が、このトゥーリアンのヴィルナスだとして記録された。


ラナとの別れ

よもや、BAaTトレーニング中にインストラクターが死亡した、という事実は、連合をも驚かせた。

それも、トゥーリアンの指揮官で、ガガーリン ステーションは慌しくなった。

コナティクス社の社員は、それを知って驚愕した。トゥーリアンを人間が殺した、という事実が
今後どうなるか注目された。

2157年のファースト コンタクト戦争以降、人間とトゥーリアンは協力していくはずだったが…。

2169年、ガガーリン ステーションでは、コナティクス社の社員と、連合士官、BAaTトレーニングの責任者らの間で
今後、BAaTトレーニングを継続するかどうかで議論が行われた。

コナティクス社の社員の言い分は、「人間はバイオティック アンプの開発にあまり寄与しない。
期待していた結果には程遠い。」というものだった。

ま、ケイダンを除いてだが…。
彼一人では、開発は進まなかったことは事実だ。

連合側は、これを切っ掛けにトゥーリアンと揉め事を起こしたくなかった。

もし新たな外交問題に発展すれば、連合の未来が危ういものになり兼ねない。


BAaTトレーニングの責任者は、ラウンジに、BAaT学生達全員を集めてこう言った。
「諸君、これまで、厳しいBAaTトレーニングをよくがんばってきてくれた、私は君達に感謝したい。
 だが、先日、ヴィルナス教官は訓練の途中で命を落とした。これは連合とトゥーリアンにとって、
 非常に厄介な出来事だ。まことに残念ではあるが、コナティクス社からの出資停止が決まり、
 本日ただ今を以って、ガガーリン ステーションにおけるBAaTトレーニングを終了し、学生諸君は
 本日付で卒業、とする。なお、諸君のこれからの進路については、連合が責任をもって預かる。
 以上だ。解散。」

BAaTトレーニングの学生達は、一度親元に帰されることになった。
以後、就職先などを連合が手配する。

男子BAaT学生「いきなりかよ…。」
女子BAaT学生「あの…ばかトゥーリアンが死んだだけでなんで終わりなの? 信じらんない…。」

男子BAaT学生「ケイダンが教官やってくれりゃよかったのによ」
女子BAaT学生「ケイダンが教官なら、私、絶対残る残る~」

ケイダンの顔は曇っていたが、彼ももっと続けたい気持ちでいっぱいだった。
ラナは、まだここに残りたい気分だったが、親元に帰るとどうなるのか、それも心配になる。

シルヴィアは、ケイダンと一緒についていきたかったが、それは無理だと分かっていた。

BAaT学生は全員、荷物をまとめようと、自室へ向かう。


ラナは、すぐにケイダンの部屋に行くと、まず彼にキスをして、彼にこう言った。
「もっとあなたと、こうしていたいけど…。きっとダメなのね」

ケイダン「君のご両親は…。そういえば…。」
ラナ「ええ、分かってる。帰らなくちゃいけないことくらい…。分かってる…。」

ケイダンは、地球のシンガポールへ帰るが、ラナは、実家のコロニーに帰ると、ケイダンとは違う
人生が待っている…。

ケイダン「残念だよ。せっかく親しくなれたのに…。」
ラナ「私もよ…。ケイダン。私のこと、決して忘れないで、絶対よ」そして再び長いキス。


ケイダンは、女性シェパード少佐と親密になるまでは、ラナのことをひと時も忘れたことはなかった。


ケイダンは、シルヴィアや、他のBAaT学生達にも別れを告げ、ガガーリン ステーションを去った。

約2年のBAaT学生生活だったが、数多くの思い出が詰まった2年間だった。

連合は、ケイダン アレンコの成績のみを合格処分として、地球に報告書を提出した。
もはや、ケイダンの前には、連合士官の道が大きく開けていた。

センチネルのケイダン アレンコは、すぐそこまで迫っていた。

ラナとの別れは辛かったが、今後は連合で活躍できると胸に秘めて、彼は地球に帰還した。


連合は、BAaTトレーニングを閉鎖した後は、ジョン グリソム アカデミーを設立し、そこで新しい
バイオテクス訓練プログラムを再開した。サーベラスから送られてきた「アセンション プログラム」がそれ。



地球にて

ケイダンは、地球のシンガポールにある、父親の家に帰ってきた。

久々の実家に、彼は戸惑ったが、懐かしい匂いと、懐かしい母親の肉料理に、彼は、本当に家に戻ったんだと実感した。

ケイダンは、父親と共にビールを飲み、語り合った。

父親は、ガガーリン ステーションであった出来事を教えてくれ、と息子にせがむ。

ケイダン「いろいろあったんだ、いろいろとね…。」

彼は、父親にラナについて話し始める。

父親「ほぉ、そんな女の子がいたのかね。是非、うちに連れてきて会わせてくれよ」
ケイダン「そうだね、いずれ機会があったら…。」

コミック「ファウンデーション」では、ラナとケイダンは、別れた、ということになっている。




この後、ケイダンは、センチネルのバイオティクスとして、アンダーソンの配下となる。

SSVノルマンディーSR1に乗艦し、シェパード少佐と共にエデン プライムへの任務に就く。

フェロス、ノヴェリア、ヴァーマイア、アイロスと戦い抜いたケイダン。
(ヴァーマイアで生きていれば)

シェパード少佐と共に、ソヴリン襲撃を防衛する。

彼は3年後に、再びシェパード チームのクルーとなって、リーパーとの紛争で活躍する。



コミック「ファウンデーション4」


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