中国の水墨画アニメ。牛飼いの子供と水牛が自然の中で遊ぶ様子を描く。
背景美術だけでなく、セル画にも水墨画のにじみを活かした手法が使われている。(水墨画の濃淡の境界を見極めて線をひいて彩色し、フィルターやマスクをくみあわせて複雑なにじみを表現している)
水墨画という極めてアジア的な文化を高度なアニメーション技術をもって動画化し、牧歌的な風景、音楽と相俟って、静謐とした美しい短編アニメになっている。
中国といえば質の悪い日本の下請け動画というイメージばかりが広まっているが、文化大革命によってまさに文化が革命的に破壊される以前の、中国の良質なアニメ文化を見ることができる。(ただし後述のように、文化大革命が終結した1977年より後にも同手法の作品が制作発表されている)
特偉監督の作品は、他に1960年の『小蝌蚪找媽媽』、1988年の『琴と少年』がある。抗日漫画宣伝部隊に所属していた。
脚本・監督 盛特偉
1963年 中国 20分
1980年 アンデルセン賞受賞