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「悪がもう一人の自分をつくる(後編)」(2014/05/05 (月) 17:38:13) の最新版変更点
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時は少し遡った話。
街の病院を訪れた男が居た。
死んだ世界戦線メンバーの二番の古株の男、日向秀樹。
一番最初にリーダーの仲村ゆりの仲間になった日向は今まで数々の無茶をやってきた。
死ぬわ、殴られるわ、死ぬわ、襲われるわ、死ぬわ、飛ばされるわ、死ぬわ、落ちるわ、死ぬわ、撃たれるわ、死ぬわ、死ぬわ、死ぬわ……。
とりあえず彼は何回も死にまくった。
「ってよくよく考えれば死にまくりだな俺!?」
バトルロワイアルなんて事に巻き込まれ、ようやく死の事を日向は考えていた。
「死んで蘇る奴ほどバトルロワイアルに不必要な参加者は要らないよな……。能力制限……とか言ってたけど俺らが何回も蘇るのが能力と見なされていたら……。こえー、命粗末に出来ないじゃないかよ!?」
普通はしないのが当たり前なのだがリーダーのゆりはそういうのに執着心がない為、事あるごとに殺されている。
自分の命令は絶対、他人の意見は聞き流す。
迷惑な女王様上司である。
「でも殺し合いとか言ってもこんなのじゃ死なないしな。俺はてっきり銃や剣で殺し合うもんだと思っていたんだが、まさか食料を取り合って餓死するのを待つなんて地味な殺し合いだな」
日向は1つアホな勘違いをしていた。
何故こんな思考に思い当たったか、理由は支給品にあった。
チーズ君というキャラクターのぬいぐるみ、新聞紙ブレード(ただ新聞紙を丸めただけ)、花びらという殺し合いとは無縁な小道具ばかり出たのが理由だった。
つまり、みんなはこんな小道具で食料を取り合って飢え死にしないかのゲームと勘違いしていた。
そして、ルールを守れない奴は首輪で爆発させられるというだけだった。
「眠くてなんとかさん3人の話も聞き流したし、人死ぬのもなんか最近ネタみたくなってたからそんな気してたし」
確かに仲間達はいつもいつもバカをして死ぬ事が多々あり笑いのネタになる。
しかし、いくら人間の死に慣れていてもいい加減な解釈をしたのは多分この男のみであろう。
リーダーのゆりや天使の奏、親友の音無、人を見下す直井、人の話をまともに聞いているのかわからない椎名ですら話をまともに受けていたというのにである。
「自給自足ゲームなんだな」
思考が意味不明である。
だが、死んだ世界戦線メンバーは基本はこんなバカな者ばかり集まる組織なので仕方ないと言えなくもない。
そんな日向はとりあえず自給自足でも誰か協力出来る仲間が居ないかと他の参加者を探していた。
ゆりか音無か椎名、天使だったら良いなと願望を持ちながら。
直井は勘弁だった。
だが……。
「誰も居ねー!」
広すぎる島探索は疲れただけであった。
「俺だけが参加者の自給自足ゲームじゃないよな?」
疑問を口にしながら、地面に腰を降ろして地図を広げ、デバイスを見る。
現在【B-3】の位置に自分は居たらしい。
「なら主要な場所なら誰か居るだろ」
一番近いのは病院であった。
病院なら自給自足で怪我した人も勝手に集まるだろうと病院に向けて歩く事にした。
―――――
「結構時間かかったな……」
病院が目の前にそびえたっていた。
キレイそうで施設も整っていそうな病院だった。
「病院なんて生前ぶりに見たなー」
そもそも死んでいるし、行くとしたら保健室でどうにかなる死後の世界。
日向は少しばかり生前を思い出した。
「ん?あの女の子参加者じゃね?」
日向は参加者=被害者だと思っていた為、人に話しかける事に躊躇いがなかった。
それに誰とも壁を作らない性格というのもあった。
日向が話しかけたのは長い髪を2つに結った女子高生で、先程マリアに罠を引っ掛けマリアを撃退した精神崩壊者の優勝狙いマーダー篠崎あゆみであった。
果たして自給自足ゲームと勘違いしているこの男は、まだ気付かぬ危険にどう動くのだろうか。
無惨な事に声をかけてしまっていたのだった。
「おーい、そこの彼女!」
あゆみが日向の声に驚いたもののすぐに状況を理解する。
「あの人、私がゲームに乗っていると思っていないんだ、バカみたい……」
小さな声で呟き、彼女の口は右上につり上がる。
殺せる、あの女の人よりも簡単に。
マリアから奪い取ったキャリコ短機関銃を隠しながら日向に近付く。
「あんたも参加者だろ、自給自足ゲームに巻き込ま……」
ダ、ダ、ダ、ダ。
サブマシンガンの銃声が響いた。
ようやく日向は自給自足ゲームではなく本当に殺し合いのゲームだと理解する。
日向は当たる前にたくさんの花びらをヒラヒラと投げ、視界を狭めて逃げ出す。
「なんで俺ぬいぐるみと新聞紙と花びらしか渡されなかったのにあいつキャリコなんか持ってんだよ!?」
逃げる、どこへ?
遠くならどこでも良い。
「あははははははははは。逃げてもダメですよ。時間の問題だから」
走りながら笑っている。
『気持ち悪い』、日向は始めて人間にそんな感情を抱いた。
「ウォーッ!足鍛えられていて良かったー!」
あゆみは足の速さは一般な女子高生のもの。
日向は生前から野球をしており、死後も天使から逃げたりしていたし、ミッションでも逃げていたので足はとにかく速い。
だがサブマシンガンを持っている相手に逃げられるのだろうか。
「なんで諦めないんだよぉ!」
目は血走り、口からは涎を垂らし、傷だらけ。
足は日向が速いといっても、あゆみに会う前から無駄に歩いており、体は疲労している。
マリアを仕留める為に疲労はしたが狂乱している為、疲労という物を彼女は失っていた。
体は壊れそうなのに自覚がないのだ。
徐々に差は追いついている。
「こっちに逃げんじゃなかったー!」
日向は病院からの逃走劇を思い出した。
街に逃げれば障害物はたくさんあった。
今逃げているのは木1本ない草原。
今日の日向は全てがついていない。
「確か近くには教会があったはずだ!」
日向は地図を思い出す。
思い出したのは偶然であった。
「逃げられるか……」
教会に逃げられればそれで良い。
だがまた後ろの彼女の様な狂人が居たら……。
「ゲームオーバー……」
やり直せる死後の世界なら諦めて殺されたであろう。
だが、やり直せるかわからないこんな世界では死ねない。
日向は手に力が籠もる。
そして、吉が出るか凶が出るか教会が見えてきた。
ものすごい距離を走りきった日向とあゆみ。
「うわっ!?明らかにヤバい奴居るじゃねーか!?」
日向が教会入り口で見た者。
黒い鎧姿の青白い女騎士、セイバー。
「あんな奴に構ったら殺されるじゃねーか!」
嫌な予感しかしなかった。
まだ追いかけられるしかないのか……。
「あははははははははは」、彼女の笑い声が不気味で頭に響く。
日向は悔しそうに歯を食いしばる。
「逃げ切ってみせる」
と、決意した時、日向の耳からは彼女が自分から遠ざかる足音がした。
「ん?」
後ろを振り向く。
なんと彼女は日向から離れて、教会入り口の騎士目掛けて方向転換していた。
「ば、バカかあの女!?殺されるだけだぞ!?ユイ以上のアホなのかあいつは!?」
追いかけられ、殺されそうになっても相手を気遣う。
日向はお人好しであるのだ。
――結果なんて見る必要はない。
複雑な気持ちのまま日向は女の子から目線を外して彼女を見捨てた。
「死んだ世界戦線の仲間だったら……助けていただろうな……」
ゆりっぺ、音無、ユイ、直井、椎名、野田、高松、ひさ子、藤巻、岩沢、大山、松下、TK、遊佐、入江、関根、竹山――そして天使。
彼ら、彼女らと戦い、遊んだ日常は楽しかったから……。
【日向秀樹@Angel Beats!】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 チーズ君のぬいぐるみ@コードギアス 反逆のルルーシュ 新聞紙ブレード@リトルバスターズ!】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:逃げる。
2:仲間に会えたら良いな。
3:バトルロワイアルって本当だったのかよ!?
【備考】
※奏と和解後からの参戦。
※セイバーを危険視。
―――――
あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
あはははははははははははははははははははははは。
わざわざ逃げる人を追ってたんじゃ疲れるだけだし時間もかかるだけだし。
あそこにただぼーっとしている女を殺した方が手っ取り早いじゃない。
「あははははははははは、死んじゃえ、死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ」
私がこんなに堂々としているのに逃げる気配が全くない。
「あはははははははははははははははははははははは、次で2人目っ……!?」
なんで……?
……おかしいよ、どうして?
なんで私の目の前に私が履いていたスカートが見えるの?
あ、そっか私が履いていたスカートじゃなくて同じスカートなんだ。
確か直美ちゃんもこの島に居たんだっけ?
なんだ、直美ちゃん私より先にリタイアしていたんだ。
「死んだ感想はどう?」
あれ?死んだのって直美ちゃん……なんだよね?
&color(red){【篠崎あゆみ@コープスパーティー 死亡】}
―――――
「頭がいかれていただけか」
騎士はキャリコ短機関銃の引き金を引く瞬間に近寄り体を左肩から斜め下に振りかぶって真っ二つにした。
殺した女はまだ自分の死がわかっていないらしい。
だが別にわからせる必要はないと、女には興味なさそうに、デイパックすら拾おうともせずに騎士は離れた。
「殺し合いか……。それは楽しそうだ」
セイバーであった者。
アーサー・ペンドラゴンが真名の黒い悪のセイバークラスのサーヴァントは楽しそうに呟いた。
「エクスカリバーがあれば良かったが、まぁ強い武器の殺戮などつまらない。この安い刀だからこそ面白い」
セイバーは人格、思考も別人のそれだけであった。
セイバーオルタと呼ばれるこのサーヴァントはどんな影響を及ぼすだろう。
まだ誰にもわからない。
――BAD START
【セイバー(セイバーオルタ)@Fate/stay night】
【装備:浅打@BLEACH】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:バトルロワイアルを楽しむ。
【備考】
※Fate編のギルガメッシュ戦終了後から参戦していました。
※記憶はまだ覚えているかもしれません。
※【C-2】にマリアとあゆみのデイパック(キャリコ短機関銃(45/100)@現実支給品一式、キャリコ短機関銃予備弾薬(200/200)、ランダム支給品×3)が落ちています
【チーズ君のぬいぐるみ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
ピザ屋のマスコットキャラクターでC.C.のお気に入り。
【新聞紙ブレード@リトルバスターズ!】
ただ丸めた新聞紙。名前負けしてるぜ。
【花びら@ハヤテのごとく!】
タイガ坊ちゃんがヒムロの登場の際に演出として撒いてもらう。
【セイバーオルタについて】
セイバーが『この世全ての悪(アンリマユ)』に囚れた姿でマスターは本来の衛宮士郎から聖杯である間桐桜に移った姿。
性格が暴君に、秩序が悪になり、本来のセイバーより強いですが風王結界が使えなくなるなどデメリットもあります。
だがこのバトルロワイアルではマスターなしで他サーヴァント同様能力が制限されています。
その能力制限は次以降の書き手さんにお任せします。
|041:[[僕は/俺は友達が少ない]]|時系列|046:[[三千院ナギの驚愕]]|
|036:[[天城雪子は笑えない]]|投下順|038:[[クールになれ、刻命裕也!]]|
|000:[[それはとても眩しい夜]]|郷田真弓|079:[[第1回定時放送【『脱出を目指しているあなたに問います。』『ゲームに乗っているあなたに問います。』】]]|
|017:[[破面の告白]]|セイバー(セイバーオルタ)|082:[[光と絶望の境目]]|
|~|グリムジョー・ジャガージャック|072:[[錯乱、・・・]]|
|&color(cyan){START}|日向秀樹|073:[[繰り返し]]|
|[[汚染残留]]|&color(red){篠崎あゆみ}|&color(red){DEAD END}|
時は少し遡った話。
街の病院を訪れた男が居た。
死んだ世界戦線メンバーの二番の古株の男、日向秀樹。
一番最初にリーダーの仲村ゆりの仲間になった日向は今まで数々の無茶をやってきた。
死ぬわ、殴られるわ、死ぬわ、襲われるわ、死ぬわ、飛ばされるわ、死ぬわ、落ちるわ、死ぬわ、撃たれるわ、死ぬわ、死ぬわ、死ぬわ……。
とりあえず彼は何回も死にまくった。
「ってよくよく考えれば死にまくりだな俺!?」
バトルロワイアルなんて事に巻き込まれ、ようやく死の事を日向は考えていた。
「死んで蘇る奴ほどバトルロワイアルに不必要な参加者は要らないよな……。能力制限……とか言ってたけど俺らが何回も蘇るのが能力と見なされていたら……。こえー、命粗末に出来ないじゃないかよ!?」
普通はしないのが当たり前なのだがリーダーのゆりはそういうのに執着心がない為、事あるごとに殺されている。
自分の命令は絶対、他人の意見は聞き流す。
迷惑な女王様上司である。
「でも殺し合いとか言ってもこんなのじゃ死なないしな。俺はてっきり銃や剣で殺し合うもんだと思っていたんだが、まさか食料を取り合って餓死するのを待つなんて地味な殺し合いだな」
日向は1つアホな勘違いをしていた。
何故こんな思考に思い当たったか、理由は支給品にあった。
チーズ君というキャラクターのぬいぐるみ、新聞紙ブレード(ただ新聞紙を丸めただけ)、花びらという殺し合いとは無縁な小道具ばかり出たのが理由だった。
つまり、みんなはこんな小道具で食料を取り合って飢え死にしないかのゲームと勘違いしていた。
そして、ルールを守れない奴は首輪で爆発させられるというだけだった。
「眠くてなんとかさん3人の話も聞き流したし、人死ぬのもなんか最近ネタみたくなってたからそんな気してたし」
確かに仲間達はいつもいつもバカをして死ぬ事が多々あり笑いのネタになる。
しかし、いくら人間の死に慣れていてもいい加減な解釈をしたのは多分この男のみであろう。
リーダーのゆりや天使の奏、親友の音無、人を見下す直井、人の話をまともに聞いているのかわからない椎名ですら話をまともに受けていたというのにである。
「自給自足ゲームなんだな」
思考が意味不明である。
だが、死んだ世界戦線メンバーは基本はこんなバカな者ばかり集まる組織なので仕方ないと言えなくもない。
そんな日向はとりあえず自給自足でも誰か協力出来る仲間が居ないかと他の参加者を探していた。
ゆりか音無か椎名、天使だったら良いなと願望を持ちながら。
直井は勘弁だった。
だが……。
「誰も居ねー!」
広すぎる島探索は疲れただけであった。
「俺だけが参加者の自給自足ゲームじゃないよな?」
疑問を口にしながら、地面に腰を降ろして地図を広げ、デバイスを見る。
現在【B-3】の位置に自分は居たらしい。
「なら主要な場所なら誰か居るだろ」
一番近いのは病院であった。
病院なら自給自足で怪我した人も勝手に集まるだろうと病院に向けて歩く事にした。
―――――
「結構時間かかったな……」
病院が目の前にそびえたっていた。
キレイそうで施設も整っていそうな病院だった。
「病院なんて生前ぶりに見たなー」
そもそも死んでいるし、行くとしたら保健室でどうにかなる死後の世界。
日向は少しばかり生前を思い出した。
「ん?あの女の子参加者じゃね?」
日向は参加者=被害者だと思っていた為、人に話しかける事に躊躇いがなかった。
それに誰とも壁を作らない性格というのもあった。
日向が話しかけたのは長い髪を2つに結った女子高生で、先程マリアに罠を引っ掛けマリアを撃退した精神崩壊者の優勝狙いマーダー篠崎あゆみであった。
果たして自給自足ゲームと勘違いしているこの男は、まだ気付かぬ危険にどう動くのだろうか。
無惨な事に声をかけてしまっていたのだった。
「おーい、そこの彼女!」
あゆみが日向の声に驚いたもののすぐに状況を理解する。
「あの人、私がゲームに乗っていると思っていないんだ、バカみたい……」
小さな声で呟き、彼女の口は右上につり上がる。
殺せる、あの女の人よりも簡単に。
マリアから奪い取ったキャリコ短機関銃を隠しながら日向に近付く。
「あんたも参加者だろ、自給自足ゲームに巻き込ま……」
ダ、ダ、ダ、ダ。
サブマシンガンの銃声が響いた。
ようやく日向は自給自足ゲームではなく本当に殺し合いのゲームだと理解する。
日向は当たる前にたくさんの花びらをヒラヒラと投げ、視界を狭めて逃げ出す。
「なんで俺ぬいぐるみと新聞紙と花びらしか渡されなかったのにあいつキャリコなんか持ってんだよ!?」
逃げる、どこへ?
遠くならどこでも良い。
「あははははははははは。逃げてもダメですよ。時間の問題だから」
走りながら笑っている。
『気持ち悪い』、日向は始めて人間にそんな感情を抱いた。
「ウォーッ!足鍛えられていて良かったー!」
あゆみは足の速さは一般な女子高生のもの。
日向は生前から野球をしており、死後も天使から逃げたりしていたし、ミッションでも逃げていたので足はとにかく速い。
だがサブマシンガンを持っている相手に逃げられるのだろうか。
「なんで諦めないんだよぉ!」
目は血走り、口からは涎を垂らし、傷だらけ。
足は日向が速いといっても、あゆみに会う前から無駄に歩いており、体は疲労している。
マリアを仕留める為に疲労はしたが狂乱している為、疲労という物を彼女は失っていた。
体は壊れそうなのに自覚がないのだ。
徐々に差は追いついている。
「こっちに逃げんじゃなかったー!」
日向は病院からの逃走劇を思い出した。
街に逃げれば障害物はたくさんあった。
今逃げているのは木1本ない草原。
今日の日向は全てがついていない。
「確か近くには教会があったはずだ!」
日向は地図を思い出す。
思い出したのは偶然であった。
「逃げられるか……」
教会に逃げられればそれで良い。
だがまた後ろの彼女の様な狂人が居たら……。
「ゲームオーバー……」
やり直せる死後の世界なら諦めて殺されたであろう。
だが、やり直せるかわからないこんな世界では死ねない。
日向は手に力が籠もる。
そして、吉が出るか凶が出るか教会が見えてきた。
ものすごい距離を走りきった日向とあゆみ。
「うわっ!?明らかにヤバい奴居るじゃねーか!?」
日向が教会入り口で見た者。
黒い鎧姿の青白い女騎士、セイバー。
「あんな奴に構ったら殺されるじゃねーか!」
嫌な予感しかしなかった。
まだ追いかけられるしかないのか……。
「あははははははははは」、彼女の笑い声が不気味で頭に響く。
日向は悔しそうに歯を食いしばる。
「逃げ切ってみせる」
と、決意した時、日向の耳からは彼女が自分から遠ざかる足音がした。
「ん?」
後ろを振り向く。
なんと彼女は日向から離れて、教会入り口の騎士目掛けて方向転換していた。
「ば、バカかあの女!?殺されるだけだぞ!?ユイ以上のアホなのかあいつは!?」
追いかけられ、殺されそうになっても相手を気遣う。
日向はお人好しであるのだ。
――結果なんて見る必要はない。
複雑な気持ちのまま日向は女の子から目線を外して彼女を見捨てた。
「死んだ世界戦線の仲間だったら……助けていただろうな……」
ゆりっぺ、音無、ユイ、直井、椎名、野田、高松、ひさ子、藤巻、岩沢、大山、松下、TK、遊佐、入江、関根、竹山――そして天使。
彼ら、彼女らと戦い、遊んだ日常は楽しかったから……。
【日向秀樹@Angel Beats!】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 チーズ君のぬいぐるみ@コードギアス 反逆のルルーシュ 新聞紙ブレード@リトルバスターズ!】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:逃げる。
2:仲間に会えたら良いな。
3:バトルロワイアルって本当だったのかよ!?
【備考】
※奏と和解後からの参戦。
※セイバーを危険視。
―――――
あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
あはははははははははははははははははははははは。
わざわざ逃げる人を追ってたんじゃ疲れるだけだし時間もかかるだけだし。
あそこにただぼーっとしている女を殺した方が手っ取り早いじゃない。
「あははははははははは、死んじゃえ、死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ」
私がこんなに堂々としているのに逃げる気配が全くない。
「あはははははははははははははははははははははは、次で2人目っ……!?」
なんで……?
……おかしいよ、どうして?
なんで私の目の前に私が履いていたスカートが見えるの?
あ、そっか私が履いていたスカートじゃなくて同じスカートなんだ。
確か直美ちゃんもこの島に居たんだっけ?
なんだ、直美ちゃん私より先にリタイアしていたんだ。
「死んだ感想はどう?」
あれ?死んだのって直美ちゃん……なんだよね?
&color(red){【篠崎あゆみ@コープスパーティー 死亡】}
―――――
「頭がいかれていただけか」
騎士はキャリコ短機関銃の引き金を引く瞬間に近寄り体を左肩から斜め下に振りかぶって真っ二つにした。
殺した女はまだ自分の死がわかっていないらしい。
だが別にわからせる必要はないと、女には興味なさそうに、デイパックすら拾おうともせずに騎士は離れた。
「殺し合いか……。それは楽しそうだ」
セイバーであった者。
アーサー・ペンドラゴンが真名の黒い悪のセイバークラスのサーヴァントは楽しそうに呟いた。
「エクスカリバーがあれば良かったが、まぁ強い武器の殺戮などつまらない。この安い刀だからこそ面白い」
セイバーは人格、思考も別人のそれだけであった。
セイバーオルタと呼ばれるこのサーヴァントはどんな影響を及ぼすだろう。
まだ誰にもわからない。
――BAD START
【セイバー(セイバーオルタ)@Fate/stay night】
【装備:浅打@BLEACH】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:バトルロワイアルを楽しむ。
【備考】
※Fate編のギルガメッシュ戦終了後から参戦していました。
※記憶はまだ覚えているかもしれません。
※【C-2】にマリアとあゆみのデイパック(キャリコ短機関銃(45/100)@現実支給品一式、キャリコ短機関銃予備弾薬(200/200)、ランダム支給品×3)が落ちています
【チーズ君のぬいぐるみ@コードギアス 反逆のルルーシュ】
ピザ屋のマスコットキャラクターでC.C.のお気に入り。
【新聞紙ブレード@リトルバスターズ!】
ただ丸めた新聞紙。名前負けしてるぜ。
【花びら@ハヤテのごとく!】
タイガ坊ちゃんがヒムロの登場の際に演出として撒いてもらう。
【セイバーオルタについて】
セイバーが『この世全ての悪(アンリマユ)』に囚れた姿でマスターは本来の衛宮士郎から聖杯である間桐桜に移った姿。
性格が暴君に、秩序が悪になり、本来のセイバーより強いですが風王結界が使えなくなるなどデメリットもあります。
だがこのバトルロワイアルではマスターなしで他サーヴァント同様能力が制限されています。
その能力制限は次以降の書き手さんにお任せします。
|041:[[僕は/俺は友達が少ない]]|時系列|046:[[三千院ナギの驚愕]]|
|036:[[天城雪子は笑えない]]|投下順|038:[[クールになれ、刻命裕也!]]|
|000:[[それはとても眩しい夜]]|郷田真弓|079:[[第1回定時放送>第1回定時放送【『脱出を目指しているあなたに問います。』『ゲームに乗っているあなたに問います。』】]]|
|017:[[破面の告白]]|セイバー(セイバーオルタ)|082:[[光と絶望の境目]]|
|~|グリムジョー・ジャガージャック|072:[[錯乱、・・・]]|
|&color(cyan){START}|日向秀樹|073:[[繰り返し]]|
|013:[[汚染残留]]|&color(red){篠崎あゆみ}|&color(red){DEAD END}|