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「(よし、射程距離にヨーヨーを持った少年が踏み出した)」 ワルサーP38を構えた、全身を黒く着飾っている男―衛宮切嗣―はまさに暗闇の中の暗殺者といった風貌であった。 真っ暗闇な黎明な空に溶け込んでいる様でもあるのであった。 彼の目の前の男―六道骸―の先程のヨーヨーから針を出した攻撃を切嗣は威嚇判断捉えた。 皮肉にも骸の先程の攻撃は敵意が無い事を示すはずの攻撃が、逆に切嗣の神経を逆撫でさせてしまっていた。 だが結局切嗣にとって威嚇してくる者に問わず、怯える者、助けを請う者、仲間に勧誘する者、無条件で息子の衛宮士郎以外の参加者は敵と見なされるのではあるのだが。 「そんな銃を構えないでくださいよ」 一方、切嗣の心理を知るはずのない骸。 交渉をする者ではあるのだがその目は圧伏させる様な鋭い目つきで、どんな者に対してもこの警戒心は解かないであろう。 「僕の名前は六道骸です。以後お見知りおきください」 骸は自らの名を名乗る。 まずは信頼。 その信頼を得る順序をなぞる。 「…………僕は衛宮切嗣。よろしくね六道骸」 順番をわざと踏ませて油断をさせる。 案の定、骸は少し警戒心を落とした。 「(――恰好の獲物だ!)」 切嗣はワルサーを降ろすどころが、堂々と少年に狙いを定めた。 【COUNT-3】 僕の脳内に葛藤が生まれる。 今まで僕は命の天秤は1人でも重い皿が傾いた方を救う救済をした。 つまりは多数を生かす為に少数を殺すのだ。 生前の聖杯戦争においてもケイネス・エルメロイ・アーチボルト、雨生龍之介を自ら手を下した。 だが僕は今までの自らの行動に反してしまう行為をするのだ。 本来戦うべき相手は目の前の六道骸でも僕と士郎以外の98人ではない。 103人の人生を変えてしまったシャルル・ジ・ブリタニアの方であろう。 それが、今までの僕であったなら。 だが、今は違う。 僕が助けた子供、衛宮士郎を生かす為に多数を切り捨てる。 僕の生き方全てを批判する行い。 だがそれでも僕は戦うんだ! 【COUNT-2】 ――衛宮切嗣。 いまいち信頼は出来なさそうですが、彼は多分僕が見てきた憎むべきマフィアから見てもベスト3に入るぐらいの人物であるでしょう。 そんな人物を仲間に出来れば、主催者への対抗も渡りあえるはずでしょう。 本当は沢田綱吉、雲雀恭弥、古里炎真など仲間に率いれたくはないのですが実力は本物。 出来ればこのバトルロワイアル内だけでも利害の一致で協力した方が良いのかもしれませんね。 【COUNT-1】 衛宮切嗣。 六道骸。 2人の思考は交わるどころが永遠の平行線を辿っていた。 それぞれの思いを胸に切嗣はワルサーの引き金を慣れた手付きで、自分の手足を扱う様に引くのであった。 【SHOT!】 銃声がなり、撃たれた側が倒れる。 そして撃たれて倒れた者は頭を撃ち抜かれピクリとも動かなかった。 「よし、まずは1人目だ」 低く、年季の入った渋い声。 切嗣の声であった。 地面にくっついた様に動かない屍の骸。 調べるまでもない。 六道骸は死んだ。 切嗣は少年を殺した事に、もはや罪悪感はなかった。 自分はもはや人間を手にかけ過ぎた。 もう洗っても落ちないほどの血、そして鉄の様な血のにおい。 全てが手遅れであるのだ。 生き方を決めた人間は引き返せない。 『死』と隣り合わせの戦いを繰り広げた切嗣にとってはどこでも戦いの場であり、抜けられない『宿命』でもあった。 「クフフフフフ……。僕を殺したとは思わない方が良いですよ」 「何っ!?」 先程に消えた声の主。 いや、ありえない。 彼は先程頭を撃ち抜かれた。 では誰だ? いや、六道骸のはずがない! 横たわって動かなかった屍。 だが全てが霧に囲まれ、やがて霧は少年の姿を象った。 「なんだこの魔術は?見た事も聞いた事もないっ……」 死んだ体が霧になる魔術? いや、そんなの魔術と例えられても良いのだろうか? 「いやはや、僕はなかなかしぶとい性格でしてね。因みにこれは魔術などではありません」 相手に不快を思わせる『クフフ』と笑う骸。 切嗣の警戒心は最高潮に達した。 「これは六道輪廻の戦闘能力です」 「な、なんだと!?」 六道輪廻。 人間は死ぬと地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天界道のいずれかへいくと言われている。 それが戦闘能力となっている。 完全に異常(アブノーマル)な話だ。 「今のは第一の道『地獄道』です。相手に幻覚を見せて精神を破壊していくスキルです」 「ふざけているのか……?」 「どうなのでしょうね?」 六道輪廻はどうであれこんなの対処出来るものであるのか? 幻覚なのに幻覚濃度が強すぎる。 「本当は協力を仰ぎに来たのですがそれも交渉決裂みたいです」 相変わらずに「クフフ」と笑いを止めない少年。 切嗣はやっとこの少年の危険さが伝わってきた。 恐らくあの言峰綺礼に匹敵する厄介さかもしれない。 「第三の道『畜生道』」 突如、右目に『三』の字が浮かぶ。 切嗣は深くワルサーを持ち直す。 「毒蛇か!?」 切嗣の周りに10匹相当の毒蛇に囲まれる。 うじゃうじゃと絡み、絡み、絡みあった蛇の大群。 「これも幻覚か?いや、これは危険な毒蛇本物だ。」 「クフフフフ、気付いたみたいですね。こちらは本物の毒蛇ですよ」 「(こんなの魔術なんてものを通り越している。確かに六道骸は天才な様だ。……だが若すぎた天才故にまだ彼はけつが青い。)」 切嗣はニヤリと勝利の笑みを浮かべた。 下を向いての笑みの為、骸はその余裕さに気付いていない。 「君は油断のし過ぎだ!」 毒蛇に関わらずに少年へ銃弾を放つ。 予想していなかったのか冷静な骸の態度が若干乱れた。 「クフフフフ……。流石に経験の差というものが見えましたね」 少年の左肩に銃弾は掠っていた。 油断していた割に骸の反射速度は早かった。 というのも、たまたま骸が歩こうとした瞬間だったから逃げられた運でもあったのだが。 「……わかりました。あなたがマーダーであるなら僕が倒します」 ヨーヨーを構え先程の様に大量の針が放出される。 恐らくこれも経験上毒針とでもいったところであるのだろう。 切嗣は素早く次の有利な展開を作り上げる。 「だが僕にはまだ能力がある」 『時間操作』 衛宮家の魔術であり、体内の時流を操作する能力。 僕は体内時間を早め、高速移動で逃げられる様にした。 「遅いっ!」 毒針から素早く避ける。 地面に次々と突き刺さる毒針の雨。 「(さて、僕は選ばなくてはいけないか……)」 ここで危険な少年を殺してしまうか。 それとも危険などせずに『時間操作』をしながら逃げて、また装備を整えてからや、偶然会ったら殺すべきか。 今、考えている時間もそうない。 ――よし、僕は行動に移す。 僕は大きく跳んだ。   ◆  ◆  ◆ 「逃げられてしまいましたか」 部下の武器であるヨーヨーを器用に回しながら武器をしまい込んだ。 戦いの跡というものも特にないまま、切嗣の撤退という結果にこの戦いは幕を閉じた。 「しかし、これはこれである意味助かりました……」 骸の顔色が悪い。 制限により六道輪廻の戦闘能力の体力の減少がいつもの何倍以上取られてしまったからであった。 いずれ無理も出来なくなるとただの少年化してしまう骸にとって長時間は戦っていられない。 流石に自分が都合良くは動かないらしい。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 切嗣の脚はふらついていた。 こちらのふらつきは骸との戦いには起きなかった現象。 「くっ!?『時間操作』の負担か……」 こちらの切嗣も骸同様能力制限の対象であった。 だが今起きた事はポイントになる。 悔しがる事はせず、むしろ能力制限を知れた事に安心した。 「よし、負担の量は大体計算出来た。使い過ぎは良くないなこれは」 これからの先も長い。 切嗣はまだまだ戦い続ける事を――やめない。   ◆  ◆  ◆ 「クフフ。しかしスタンスは変えた方が良さそうですね」 骸の予想通り、ある程度力のある人間が参加者であるという考えを思い出す。 切嗣の『魔術』という言葉を繰り返し使ったのを見ると、魔術師であるらしいと結論に至る。 またそういった参加者に自分は狙われるかもしれない。 だから骸はスタンスの変更を考えた。 主催者に対抗する仲間を集める。 このスタンスは絶対。 だが次からのスタンスは大きく異なる。 「話の通じないゲームに乗った人物(マーダー)に会ったら僕は躊躇いなく殺しましょう」 敵には容赦しない。 間違った正義。 「待っていろよ、士郎。必ず僕が父親として君をゲームで優勝させてやるからな」 また僕が怯える君を助けてやる。 彼の表情は未だに自分の息子の衛宮士郎を助ける為に参加者を全員殺すという闘争心が揺らぎなく見える。 助けるのは正義の味方じゃない、士郎の味方だ。 間違った正義。 切嗣と骸。 両者の掲げる正義は死人を出しても良いと考える悪の混ざった偽善的な正義を象っていた。 「「でも、それが僕の正義だ!」」 考え方が似て異なる2人の誓いがシンクロされた一瞬の出来事であった。 【G-7 市街地/黎明】 【六道骸@家庭教師ヒットマンREBORN!】 【装備:ヘッジホッグ@家庭教師ヒットマンREBORN!】 【所持品:支給品一式、ランダム支給品×2】 【状態:健康、疲労(中)】 【思考・行動】 1:主催者に対抗する。その為に仲間を集めたい。 2:敵は躊躇いなく殺す。 3:沢田綱吉か雲雀恭弥に頼みたくはないが頼る必要になるかもしれません。 【備考】 ※継承式編終了後からの参戦です。 ※六道輪廻の能力は使えますが普段より激しく負担が大きいです。 ※衛宮切嗣に用心。 【衛宮切嗣@Fate/Zero】 【装備:ワルサーP38(残弾4/8)@現実】 【所持品:支給品一式、ワルサーP38の予備弾(残弾24/24)ランダム支給品×2】 【状態:健康、疲労(中)】 【思考・行動】 1:衛宮士郎を優勝させる。その為にはどんな手段をも厭わない。 【備考】 ※死後からの参戦です。 ※「時間操作」は使用できますが、通常時よりも負担がかかります。 ※六道骸を危険視しています。 |[[Departure]]|時系列|[[堕ちないネイロ]]| |[[剣ツルギ物モノ語ガタリ]]|投下順|[[「ミッションスタートだ」]]| |[[神のみぞ知るセイカイ]]|衛宮切嗣|[[アーチャー時を越えた遭遇]]| |[[神のみぞ知るセイカイ]]|六道骸|[[仮面は微笑む。]]|
「(よし、射程距離にヨーヨーを持った少年が踏み出した)」 ワルサーP38を構えた、全身を黒く着飾っている男―衛宮切嗣―はまさに暗闇の中の暗殺者といった風貌であった。 真っ暗闇な黎明な空に溶け込んでいる様でもあるのであった。 彼の目の前の男―六道骸―の先程のヨーヨーから針を出した攻撃を切嗣は威嚇判断捉えた。 皮肉にも骸の先程の攻撃は敵意が無い事を示すはずの攻撃が、逆に切嗣の神経を逆撫でさせてしまっていた。 だが結局切嗣にとって威嚇してくる者に問わず、怯える者、助けを請う者、仲間に勧誘する者、無条件で息子の衛宮士郎以外の参加者は敵と見なされるのではあるのだが。 「そんな銃を構えないでくださいよ」 一方、切嗣の心理を知るはずのない骸。 交渉をする者ではあるのだがその目は圧伏させる様な鋭い目つきで、どんな者に対してもこの警戒心は解かないであろう。 「僕の名前は六道骸です。以後お見知りおきください」 骸は自らの名を名乗る。 まずは信頼。 その信頼を得る順序をなぞる。 「…………僕は衛宮切嗣。よろしくね六道骸」 順番をわざと踏ませて油断をさせる。 案の定、骸は少し警戒心を落とした。 「(――恰好の獲物だ!)」 切嗣はワルサーを降ろすどころが、堂々と少年に狙いを定めた。 【COUNT-3】 僕の脳内に葛藤が生まれる。 今まで僕は命の天秤は1人でも重い皿が傾いた方を救う救済をした。 つまりは多数を生かす為に少数を殺すのだ。 生前の聖杯戦争においてもケイネス・エルメロイ・アーチボルト、雨生龍之介を自ら手を下した。 だが僕は今までの自らの行動に反してしまう行為をするのだ。 本来戦うべき相手は目の前の六道骸でも僕と士郎以外の98人ではない。 103人の人生を変えてしまったシャルル・ジ・ブリタニアの方であろう。 それが、今までの僕であったなら。 だが、今は違う。 僕が助けた子供、衛宮士郎を生かす為に多数を切り捨てる。 僕の生き方全てを批判する行い。 だがそれでも僕は戦うんだ! 【COUNT-2】 ――衛宮切嗣。 いまいち信頼は出来なさそうですが、彼は多分僕が見てきた憎むべきマフィアから見てもベスト3に入るぐらいの人物であるでしょう。 そんな人物を仲間に出来れば、主催者への対抗も渡りあえるはずでしょう。 本当は沢田綱吉、雲雀恭弥、古里炎真など仲間に率いれたくはないのですが実力は本物。 出来ればこのバトルロワイアル内だけでも利害の一致で協力した方が良いのかもしれませんね。 【COUNT-1】 衛宮切嗣。 六道骸。 2人の思考は交わるどころが永遠の平行線を辿っていた。 それぞれの思いを胸に切嗣はワルサーの引き金を慣れた手付きで、自分の手足を扱う様に引くのであった。 【SHOT!】 銃声がなり、撃たれた側が倒れる。 そして撃たれて倒れた者は頭を撃ち抜かれピクリとも動かなかった。 「よし、まずは1人目だ」 低く、年季の入った渋い声。 切嗣の声であった。 地面にくっついた様に動かない屍の骸。 調べるまでもない。 六道骸は死んだ。 切嗣は少年を殺した事に、もはや罪悪感はなかった。 自分はもはや人間を手にかけ過ぎた。 もう洗っても落ちないほどの血、そして鉄の様な血のにおい。 全てが手遅れであるのだ。 生き方を決めた人間は引き返せない。 『死』と隣り合わせの戦いを繰り広げた切嗣にとってはどこでも戦いの場であり、抜けられない『宿命』でもあった。 「クフフフフフ……。僕を殺したとは思わない方が良いですよ」 「何っ!?」 先程に消えた声の主。 いや、ありえない。 彼は先程頭を撃ち抜かれた。 では誰だ? いや、六道骸のはずがない! 横たわって動かなかった屍。 だが全てが霧に囲まれ、やがて霧は少年の姿を象った。 「なんだこの魔術は?見た事も聞いた事もないっ……」 死んだ体が霧になる魔術? いや、そんなの魔術と例えられても良いのだろうか? 「いやはや、僕はなかなかしぶとい性格でしてね。因みにこれは魔術などではありません」 相手に不快を思わせる『クフフ』と笑う骸。 切嗣の警戒心は最高潮に達した。 「これは六道輪廻の戦闘能力です」 「な、なんだと!?」 六道輪廻。 人間は死ぬと地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天界道のいずれかへいくと言われている。 それが戦闘能力となっている。 完全に異常(アブノーマル)な話だ。 「今のは第一の道『地獄道』です。相手に幻覚を見せて精神を破壊していくスキルです」 「ふざけているのか……?」 「どうなのでしょうね?」 六道輪廻はどうであれこんなの対処出来るものであるのか? 幻覚なのに幻覚濃度が強すぎる。 「本当は協力を仰ぎに来たのですがそれも交渉決裂みたいです」 相変わらずに「クフフ」と笑いを止めない少年。 切嗣はやっとこの少年の危険さが伝わってきた。 恐らくあの言峰綺礼に匹敵する厄介さかもしれない。 「第三の道『畜生道』」 突如、右目に『三』の字が浮かぶ。 切嗣は深くワルサーを持ち直す。 「毒蛇か!?」 切嗣の周りに10匹相当の毒蛇に囲まれる。 うじゃうじゃと絡み、絡み、絡みあった蛇の大群。 「これも幻覚か?いや、これは危険な毒蛇本物だ。」 「クフフフフ、気付いたみたいですね。こちらは本物の毒蛇ですよ」 「(こんなの魔術なんてものを通り越している。確かに六道骸は天才な様だ。……だが若すぎた天才故にまだ彼はけつが青い。)」 切嗣はニヤリと勝利の笑みを浮かべた。 下を向いての笑みの為、骸はその余裕さに気付いていない。 「君は油断のし過ぎだ!」 毒蛇に関わらずに少年へ銃弾を放つ。 予想していなかったのか冷静な骸の態度が若干乱れた。 「クフフフフ……。流石に経験の差というものが見えましたね」 少年の左肩に銃弾は掠っていた。 油断していた割に骸の反射速度は早かった。 というのも、たまたま骸が歩こうとした瞬間だったから逃げられた運でもあったのだが。 「……わかりました。あなたがマーダーであるなら僕が倒します」 ヨーヨーを構え先程の様に大量の針が放出される。 恐らくこれも経験上毒針とでもいったところであるのだろう。 切嗣は素早く次の有利な展開を作り上げる。 「だが僕にはまだ能力がある」 『時間操作』 衛宮家の魔術であり、体内の時流を操作する能力。 僕は体内時間を早め、高速移動で逃げられる様にした。 「遅いっ!」 毒針から素早く避ける。 地面に次々と突き刺さる毒針の雨。 「(さて、僕は選ばなくてはいけないか……)」 ここで危険な少年を殺してしまうか。 それとも危険などせずに『時間操作』をしながら逃げて、また装備を整えてからや、偶然会ったら殺すべきか。 今、考えている時間もそうない。 ――よし、僕は行動に移す。 僕は大きく跳んだ。   ◆  ◆  ◆ 「逃げられてしまいましたか」 部下の武器であるヨーヨーを器用に回しながら武器をしまい込んだ。 戦いの跡というものも特にないまま、切嗣の撤退という結果にこの戦いは幕を閉じた。 「しかし、これはこれである意味助かりました……」 骸の顔色が悪い。 制限により六道輪廻の戦闘能力の体力の減少がいつもの何倍以上取られてしまったからであった。 いずれ無理も出来なくなるとただの少年化してしまう骸にとって長時間は戦っていられない。 流石に自分が都合良くは動かないらしい。 「はぁ、はぁ、はぁ……」 切嗣の脚はふらついていた。 こちらのふらつきは骸との戦いには起きなかった現象。 「くっ!?『時間操作』の負担か……」 こちらの切嗣も骸同様能力制限の対象であった。 だが今起きた事はポイントになる。 悔しがる事はせず、むしろ能力制限を知れた事に安心した。 「よし、負担の量は大体計算出来た。使い過ぎは良くないなこれは」 これからの先も長い。 切嗣はまだまだ戦い続ける事を――やめない。   ◆  ◆  ◆ 「クフフ。しかしスタンスは変えた方が良さそうですね」 骸の予想通り、ある程度力のある人間が参加者であるという考えを思い出す。 切嗣の『魔術』という言葉を繰り返し使ったのを見ると、魔術師であるらしいと結論に至る。 またそういった参加者に自分は狙われるかもしれない。 だから骸はスタンスの変更を考えた。 主催者に対抗する仲間を集める。 このスタンスは絶対。 だが次からのスタンスは大きく異なる。 「話の通じないゲームに乗った人物(マーダー)に会ったら僕は躊躇いなく殺しましょう」 敵には容赦しない。 間違った正義。 「待っていろよ、士郎。必ず僕が父親として君をゲームで優勝させてやるからな」 また僕が怯える君を助けてやる。 彼の表情は未だに自分の息子の衛宮士郎を助ける為に参加者を全員殺すという闘争心が揺らぎなく見える。 助けるのは正義の味方じゃない、士郎の味方だ。 間違った正義。 切嗣と骸。 両者の掲げる正義は死人を出しても良いと考える悪の混ざった偽善的な正義を象っていた。 「「でも、それが僕の正義だ!」」 考え方が似て異なる2人の誓いがシンクロされた一瞬の出来事であった。 【G-7 市街地/黎明】 【六道骸@家庭教師ヒットマンREBORN!】 【装備:ヘッジホッグ@家庭教師ヒットマンREBORN!】 【所持品:支給品一式、ランダム支給品×2】 【状態:健康、疲労(中)】 【思考・行動】 1:主催者に対抗する。その為に仲間を集めたい。 2:敵は躊躇いなく殺す。 3:沢田綱吉か雲雀恭弥に頼みたくはないが頼る必要になるかもしれません。 【備考】 ※継承式編終了後からの参戦です。 ※六道輪廻の能力は使えますが普段より激しく負担が大きいです。 ※衛宮切嗣に用心。 【衛宮切嗣@Fate/Zero】 【装備:ワルサーP38(残弾4/8)@現実】 【所持品:支給品一式、ワルサーP38の予備弾(残弾24/24)ランダム支給品×2】 【状態:健康、疲労(中)】 【思考・行動】 1:衛宮士郎を優勝させる。その為にはどんな手段をも厭わない。 【備考】 ※死後からの参戦です。 ※「固有時制御」は使用できますが、通常時よりも負担がかかります。 ※六道骸を危険視しています。 |058:[[Departure]]|時系列|055:[[堕ちないネイロ]]| |050:[[剣ツルギ物モノ語ガタリ]]|投下順|052:[[「ミッションスタートだ」]]| |024:[[神のみぞ知るセイカイ]]|衛宮切嗣|070:[[アーチャー時を越えた遭遇]]| |~|六道骸|076:[[仮面は微笑む。]]|

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