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  ――ざわっ。 音を殺したかの様な素早い音が風と混ざり合い、弱々しい音となる。 本来なら聞き逃すくらいの小さい音。 だがただ戦いを傍観する者の耳にはしっかりとその音をキャッチしていた。 それからはしばらく変化という変化がない。 つまり、それは誰かが自分を監視しているという事。 なかなかに計算高い者といえる。 「参加者のご到着か」 問いかける。 そんな口調で女は隠れた人物に投げかける。 そこの木に隠れているのはわかる。 そんな表情で女は問題の木を眺めていた。 「まさか私の接近に気付く者が居るとはな」 降参とばかりの女の声。 だが……。 「貴様は無警戒の様で警戒を誰よりもしておるのだな」 黒くて長い髪に鋭い目つき、長身の女であった。 その女が右手で、ぶら下げていた鞘から取り出す日本刀。 その刃先を女目掛けて突き出す。 「流石、変わった夢の住人とでもいうのかな?」 態度は降参する気など微塵も見せない。 闘争。 彼女の瞳には強くそれが浮かび上がっていた。 「ゲームに乗っている参加者だな。シャルルの駒め」 「……貴様はあの主催者と知り合いという口振りだな」 「察しが良いな。私はシャルル・ジ・ブリタニアの共犯者だった女だ ――そして、魔女だ」 前髪に影がかかって表情は読み取れない。 真偽が読み取れない。 来ヶ谷唯湖は目の前の女の言った言葉の意味を整理していた。 「(うむ、お姉さんでもこの女の事は読み取れんな……。でもやはりこの夢は面白い。遊び場の宝庫だな)」 電撃使い、スタンドの召還師、果ては魔女とまできた。 もはや一般人である自分自身の方の人間の方が少ないのではないだろうか? 「魔女か……。しかし、貴様は何も魔女らしい事などしないではないか。ただの電波か?」 「電波……?この何百年と生きたC.C.を電波扱いか」 詳しく言えばC.C.はコードの所持者であり、不老不死である。 死んでは蘇る。 何度も何度も、もはや数え切らぬほどその数は膨大だ。 長い年月をかけての人間の歴史の移り変わり、様々な人間を彼女は見てきた人生をおくっていた。 名簿にC.C.とだけ書かれてあったはただのイニシャルでしかない。来ヶ谷はそう思っていたのだがどうやら違ったらしい。 「だから私の方が年上だと言っている。それになんてお前を呼べば良いかわからん。お前も名ぐらい名乗れ」 「どうせ殺す参加者なのだがな。まぁ良い。私の名は来ヶ谷唯湖だ」 「その名前だと日本人(イレブン)だな。覚えたぞ唯湖」 「……名前で呼ぶな……」 来ヶ谷唯湖は海外生まれの純日本人である。 そして彼女は『エリザベス』というミドルネームを持ち、海外では『リズベス』との愛称で呼ばれている。 その為、名前である『唯湖』と言われるのには慣れていないのだ。 「おしゃべりは終わりだC.C.。私はお前を殺すぞ」 とそこで刀を抜く。 だがC.C.は慌てた様子もなく「まぁ、待て」と制止する。 本来は不老不死。 だが今回は恐らく殺されればそこで自分が死ぬ事はC.C.はわかっていた。 だが、それ故の命の懇願の為の制止ではなかった。 「私を共犯者にしないか?」 「……共犯者?」 わけがわからない。 来ヶ谷の本心であった。 何を突然にこんな事を言うのか? 「お前はゲームの優勝ではなく楽しむ為にこのゲームで遊んでいるのであろう? なら私が貴様に面白い力を授けよう」 「面白い力?」 とても魅力的な事を言う。 ただ殺し合いに乗るだけでなく、それ以上の事があると彼女は続ける。 「少し危険な力ではあるがあの主催者のシャルル・ジ・ブリタニアらが持つ力でもある」 「ほぅ」 危険など承知の故。 既に自分は戦闘を行ってしまっている。 「契約するんだこの私と。 この力は王にもなれる力だ」 C.C.の額に赤く輝く紋章が浮かび上がる。 来ヶ谷はその光景をずっと眺めているのであった。 ―━―━―━ ゲームに乗った参加者から逃げ出し、未だ森を探索する2人の影があった。 1人は普通の少しがたいの良い男の学生であった。このバトルロワイアルの進行役である郷田真弓を知る参加者の中でもたった1人の知り合いである。というのも彼は、少し前にも殺し合いの舞台に招かれた者である。つまり、この様なゲームの体験者という様になる。 もう1人は忍者の様な格好をしている女性であった。彼女はとっくに死んでいる者であり、死後の世界にて『死んだ世界戦線』のメンバーとして活躍している。普段は無口で彼女は今もこうして無口を通しており、少年と少女の間には気まずい雰囲気が流れていた。 「椎名さーん?」 「……」 というのも少年、御剣総一がいくら話かけても同行者である椎名はまったく返事を返さない。 だが、急に彼に襲いかからずにいたり、先ほどの襲撃者である川澄舞と国崎往人から総一を逃がしたりと信頼は出来る相手である。 「(椎名さんが無口なのはよくわかった)」 総一は何度か話しかけても反応1つしないので諦めた。 なので彼は別の事を考える。 「(今回のゲームだって、絶対に殺し合いはするもんかっ!)」 第一の事であった。 前のゲームの参加者にて脱出を果たした彼であるがゲームに乗った事どころか、乗るという揺らぎすら彼にはなかった。 ただ真っ直ぐに、出来るだけの参加者との脱出を目指していた。 「(俺には麗佳さんが居る。だけどあいつの約束だけは絶対に守り通す)」 総一の幼なじみにて元彼女である『桜姫優希』との約束。 『卑怯な事はしない』。 ゲームに巻き込まれる少し前に事故で他界した今でもそれだけは突き通している。 なお、総一は知るはずもないがこの元彼女である『桜姫優希』とそっくりな参加者が実はこのゲームにも参加している事を知らない。 いや、その人物は前のゲームの参加者でもあるのだが総一と遭遇する前にゲームのルールを破り亡くなった人物である。 『姫萩咲実』。 さて、彼はその『姫萩咲実』を目の前にしたらどんな反応を起こすかはわからない。 だが、今はその元彼女に似た『姫萩咲実』と遭遇する事になるのか、ならないのかはまた別の話である。 「む……」 と、遂に助けた直後以降まったく口を開かなかった椎名に異変が起きる。 何かを警戒したかの様に立ち止まり辺りを見渡しだした。 「どうしたの椎名さん?」 「……人だ」 椎名が木の影を睨み付ける。 総一もそちらに目を向けるがそんな気配はまったくしていなかった。 「だ、誰も居なくない?」 そう言った直後木の影から2人の人物が顔を出す。 総一は驚くと同時に誰も居ないと判断した自分が恥ずかしくなった。 「さっきから気配を察知出来る者が多過ぎるな」 「唯湖の気配などすぐにわかる」 「……だから唯湖と呼ぶな」 どちらも女性であった。 2人共髪の長い、ミステリアスと表現出来そうであった。 だが、2人は協力し合っているしやり取りからも仲が良さそうだった。 故に総一は2人に気を許すのであった。 「私はC.C.。こちらは唯湖だ」 「お嬢さん、だから名前と呼ぶな。私は来ヶ谷唯湖だ」 「だから私の方が年上だ」 自己紹介だけでもなかなか揉めている。 そんなやり取りがバトルロワイアルに相応しくなく、自然と総一の顔に頬が緩んでいた。 「俺は御剣総一、こちらは椎名さん。よろしくお願いします」 無口な椎名の変わり。 彼も自己紹介を終えた。 「そうか。君は椎名さんというのか」 と来ヶ谷は椎名と目を合わせる。 椎名はこの2人の人物からは不穏な何かをキャッチしていた。 来ヶ谷は隙がある様に見えて、ものすごくガードが堅い、C.C.は何かわからない力で溢れている様な感じであった。 「椎名さん」 来ヶ谷が目を閉じ、下を向く。 急にどうしたのだろうか? 「来ヶ谷唯湖が呪う」 左目に紋章が浮かび上がり椎名に向かって黒い光りが通過した。 ―━―━―━ ギアス。 『王の力』と呼ばれる他者の思考に干渉する力。 その力は個人差によってギアスの効果はあり方によって変わる。 「思い通りにならない世界を思い通りにしたい」と願った『絶対遵守の力』のギアスの持ち主ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。 「人の心が分かりたい」と願った『人の思考を読み取る力』のギアスの持ち主マオ。 「今のままでありたい」と願った『絶対停止の結界』のギアスの持ち主ロロ・ランペルージ。 「過去・歴史を変えたい」と願った『記憶を書き換える力』のギアスの持ち主シャルル・ジ・ブリタニア。 ――では来ヶ谷唯湖は何を願い、何のギアスを発動させたのだろうか……。 ―━―━―━ 「お姉さんはな、この夢を楽しむ為に「人々を狂った様に私の手の平で泳がせたい」と願ったのだよ」 C.C.と共にギアスのかかった椎名と総一をほっといてそのまま元来た道を歩いて引き返していた。 「あれはルルーシュの力に少し似ている能力だな。『強制狂人』とでも言ったところか。だがあのギアスの力は弱いな。おそらく持って30分から1時間くらいだろうな」 「ははは。この手の平で泳がせた感が気持ち良いな」 最初のギアスの力に喜ぶ者。 はじめは誰もがそうであったが慣れてくるとつまらなくなっていく者を何人も見てきたC.C.。 実際に自分も「愛されたい」と願った『愛される力』の持ち主だったC.C.。 王の力は人々を孤独にする。 この来ヶ谷唯湖もそれに該当するのか、C.C.は来ヶ谷の姿を良く瞳に映していた。 【E-4 森/黎明】 【来ヶ谷唯湖@リトルバスターズ!】 【装備:宗像形の日本刀@めだかボックス】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】 【状態:愉快】 【思考・行動】 1:今までにないこの『夢』を楽しむ 2:お嬢さんと行動し、人々を手の平で泳がす 【備考】 ※参戦時期は不明です ※御坂美琴、鳴上悠の容姿のみを把握しました 【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:ゲームを傍観する 2:唯湖を傍観する 【備考】 ※本編最終話後からの参戦。 ―━―━―━ 「し、椎名さん!?やめてくれっ」 来ヶ谷と向き合った後に、狂った様にこちらにサーベルの刃を向け始めた椎名。 総一の体にはサーベルに斬られた痕があった。 「操られているのか……。なら、俺が食い止めてやる」 武器など何1つない。 羽根の付いたランドセルとこけしのみ。 それでも自分を救った椎名の為、総一は椎名を救ってみせると決意をした。 「!?」 と、決意と同時にサーベルが総一の頭を狙っていた。 【椎名@Angel Beats!】 【装備:サーベル@ハヤテのごとく!】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】 【状態:健康、ギアス】 【思考・行動】 1:……。 【備考】 ※ユイ消滅前からの参戦。 ※ギアスの影響により総一に刃を向けています。30分から1時間くらいでギアスは解けます。 【御剣総一@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式 羽根の付いたランドセル@Kanon こけし@そらのおとしもの】 【状態:???】 【思考・行動】 1:??? 【備考】 ※麗佳ルート(EP2)終了後からの参戦です。 【来ヶ谷唯湖のギアスについて】 このロワイアルオリジナル能力で目を合わせた人物を狂わせる能力。狂い方は人により千差万別で30分から1時間で解けてしまう。 |[[偽善正義]]|時系列|[[Lの殺意]]| |[[魔神が 目覚める 日]]|投下順|[[終わりのクロニクル]]| |[[夢想曲]]|来ヶ谷唯湖|[[]]| |[[魔女の惨劇会]]|C.C.|[[]]| |[[少女の戦]]|椎名|[[]]| |[[少女の戦]]|御剣総一|[[]]|
  ――ざわっ。 音を殺したかの様な素早い音が風と混ざり合い、弱々しい音となる。 本来なら聞き逃すくらいの小さい音。 だがただ戦いを傍観する者の耳にはしっかりとその音をキャッチしていた。 それからはしばらく変化という変化がない。 つまり、それは誰かが自分を監視しているという事。 なかなかに計算高い者といえる。 「参加者のご到着か」 問いかける。 そんな口調で女は隠れた人物に投げかける。 そこの木に隠れているのはわかる。 そんな表情で女は問題の木を眺めていた。 「まさか私の接近に気付く者が居るとはな」 降参とばかりの女の声。 だが……。 「貴様は無警戒の様で警戒を誰よりもしておるのだな」 黒くて長い髪に鋭い目つき、長身の女であった。 その女が右手で、ぶら下げていた鞘から取り出す日本刀。 その刃先を女目掛けて突き出す。 「流石、変わった夢の住人とでもいうのかな?」 態度は降参する気など微塵も見せない。 闘争。 彼女の瞳には強くそれが浮かび上がっていた。 「ゲームに乗っている参加者だな。シャルルの駒め」 「……貴様はあの主催者と知り合いという口振りだな」 「察しが良いな。私はシャルル・ジ・ブリタニアの共犯者だった女だ ――そして、魔女だ」 前髪に影がかかって表情は読み取れない。 真偽が読み取れない。 来ヶ谷唯湖は目の前の女の言った言葉の意味を整理していた。 「(うむ、お姉さんでもこの女の事は読み取れんな……。でもやはりこの夢は面白い。遊び場の宝庫だな)」 電撃使い、スタンドの召還師、果ては魔女とまできた。 もはや一般人である自分自身の方の人間の方が少ないのではないだろうか? 「魔女か……。しかし、貴様は何も魔女らしい事などしないではないか。ただの電波か?」 「電波……?この何百年と生きたC.C.を電波扱いか」 詳しく言えばC.C.はコードの所持者であり、不老不死である。 死んでは蘇る。 何度も何度も、もはや数え切らぬほどその数は膨大だ。 長い年月をかけての人間の歴史の移り変わり、様々な人間を彼女は見てきた人生をおくっていた。 名簿にC.C.とだけ書かれてあったはただのイニシャルでしかない。来ヶ谷はそう思っていたのだがどうやら違ったらしい。 「だから私の方が年上だと言っている。それになんてお前を呼べば良いかわからん。お前も名ぐらい名乗れ」 「どうせ殺す参加者なのだがな。まぁ良い。私の名は来ヶ谷唯湖だ」 「その名前だと日本人(イレブン)だな。覚えたぞ唯湖」 「……名前で呼ぶな……」 来ヶ谷唯湖は海外生まれの純日本人である。 そして彼女は『エリザベス』というミドルネームを持ち、海外では『リズベス』との愛称で呼ばれている。 その為、名前である『唯湖』と言われるのには慣れていないのだ。 「おしゃべりは終わりだC.C.。私はお前を殺すぞ」 とそこで刀を抜く。 だがC.C.は慌てた様子もなく「まぁ、待て」と制止する。 本来は不老不死。 だが今回は恐らく殺されればそこで自分が死ぬ事はC.C.はわかっていた。 だが、それ故の命の懇願の為の制止ではなかった。 「私を共犯者にしないか?」 「……共犯者?」 わけがわからない。 来ヶ谷の本心であった。 何を突然にこんな事を言うのか? 「お前はゲームの優勝ではなく楽しむ為にこのゲームで遊んでいるのであろう? なら私が貴様に面白い力を授けよう」 「面白い力?」 とても魅力的な事を言う。 ただ殺し合いに乗るだけでなく、それ以上の事があると彼女は続ける。 「少し危険な力ではあるがあの主催者のシャルル・ジ・ブリタニアらが持つ力でもある」 「ほぅ」 危険など承知の故。 既に自分は戦闘を行ってしまっている。 「契約するんだこの私と。 この力は王にもなれる力だ」 C.C.の額に赤く輝く紋章が浮かび上がる。 来ヶ谷はその光景をずっと眺めているのであった。 ―━―━―━ ゲームに乗った参加者から逃げ出し、未だ森を探索する2人の影があった。 1人は普通の少しがたいの良い男の学生であった。このバトルロワイアルの進行役である郷田真弓を知る参加者の中でもたった1人の知り合いである。というのも彼は、少し前にも殺し合いの舞台に招かれた者である。つまり、この様なゲームの体験者という様になる。 もう1人は忍者の様な格好をしている女性であった。彼女はとっくに死んでいる者であり、死後の世界にて『死んだ世界戦線』のメンバーとして活躍している。普段は無口で彼女は今もこうして無口を通しており、少年と少女の間には気まずい雰囲気が流れていた。 「椎名さーん?」 「……」 というのも少年、御剣総一がいくら話かけても同行者である椎名はまったく返事を返さない。 だが、急に彼に襲いかからずにいたり、先ほどの襲撃者である川澄舞と国崎往人から総一を逃がしたりと信頼は出来る相手である。 「(椎名さんが無口なのはよくわかった)」 総一は何度か話しかけても反応1つしないので諦めた。 なので彼は別の事を考える。 「(今回のゲームだって、絶対に殺し合いはするもんかっ!)」 第一の事であった。 前のゲームの参加者にて脱出を果たした彼であるがゲームに乗った事どころか、乗るという揺らぎすら彼にはなかった。 ただ真っ直ぐに、出来るだけの参加者との脱出を目指していた。 「(俺には麗佳さんが居る。だけどあいつの約束だけは絶対に守り通す)」 総一の幼なじみにて元彼女である『桜姫優希』との約束。 『卑怯な事はしない』。 ゲームに巻き込まれる少し前に事故で他界した今でもそれだけは突き通している。 なお、総一は知るはずもないがこの元彼女である『桜姫優希』とそっくりな参加者が実はこのゲームにも参加している事を知らない。 いや、その人物は前のゲームの参加者でもあるのだが総一と遭遇する前にゲームのルールを破り亡くなった人物である。 『姫萩咲実』。 さて、彼はその『姫萩咲実』を目の前にしたらどんな反応を起こすかはわからない。 だが、今はその元彼女に似た『姫萩咲実』と遭遇する事になるのか、ならないのかはまた別の話である。 「む……」 と、遂に助けた直後以降まったく口を開かなかった椎名に異変が起きる。 何かを警戒したかの様に立ち止まり辺りを見渡しだした。 「どうしたの椎名さん?」 「……人だ」 椎名が木の影を睨み付ける。 総一もそちらに目を向けるがそんな気配はまったくしていなかった。 「だ、誰も居なくない?」 そう言った直後木の影から2人の人物が顔を出す。 総一は驚くと同時に誰も居ないと判断した自分が恥ずかしくなった。 「さっきから気配を察知出来る者が多過ぎるな」 「唯湖の気配などすぐにわかる」 「……だから唯湖と呼ぶな」 どちらも女性であった。 2人共髪の長い、ミステリアスと表現出来そうであった。 だが、2人は協力し合っているしやり取りからも仲が良さそうだった。 故に総一は2人に気を許すのであった。 「私はC.C.。こちらは唯湖だ」 「お嬢さん、だから名前と呼ぶな。私は来ヶ谷唯湖だ」 「だから私の方が年上だ」 自己紹介だけでもなかなか揉めている。 そんなやり取りがバトルロワイアルに相応しくなく、自然と総一の顔に頬が緩んでいた。 「俺は御剣総一、こちらは椎名さん。よろしくお願いします」 無口な椎名の変わり。 彼も自己紹介を終えた。 「そうか。君は椎名さんというのか」 と来ヶ谷は椎名と目を合わせる。 椎名はこの2人の人物からは不穏な何かをキャッチしていた。 来ヶ谷は隙がある様に見えて、ものすごくガードが堅い、C.C.は何かわからない力で溢れている様な感じであった。 「椎名さん」 来ヶ谷が目を閉じ、下を向く。 急にどうしたのだろうか? 「来ヶ谷唯湖が呪う」 左目に紋章が浮かび上がり椎名に向かって黒い光りが通過した。 ―━―━―━ ギアス。 『王の力』と呼ばれる他者の思考に干渉する力。 その力は個人差によってギアスの効果はあり方によって変わる。 「思い通りにならない世界を思い通りにしたい」と願った『絶対遵守の力』のギアスの持ち主ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。 「人の心が分かりたい」と願った『人の思考を読み取る力』のギアスの持ち主マオ。 「今のままでありたい」と願った『絶対停止の結界』のギアスの持ち主ロロ・ランペルージ。 「過去・歴史を変えたい」と願った『記憶を書き換える力』のギアスの持ち主シャルル・ジ・ブリタニア。 ――では来ヶ谷唯湖は何を願い、何のギアスを発動させたのだろうか……。 ―━―━―━ 「お姉さんはな、この夢を楽しむ為に「人々を狂った様に私の手の平で泳がせたい」と願ったのだよ」 C.C.と共にギアスのかかった椎名と総一をほっといてそのまま元来た道を歩いて引き返していた。 「あれはルルーシュの力に少し似ている能力だな。『強制狂人』とでも言ったところか。だがあのギアスの力は弱いな。おそらく持って30分から1時間くらいだろうな」 「ははは。この手の平で泳がせた感が気持ち良いな」 最初のギアスの力に喜ぶ者。 はじめは誰もがそうであったが慣れてくるとつまらなくなっていく者を何人も見てきたC.C.。 実際に自分も「愛されたい」と願った『愛される力』の持ち主だったC.C.。 王の力は人々を孤独にする。 この来ヶ谷唯湖もそれに該当するのか、C.C.は来ヶ谷の姿を良く瞳に映していた。 【E-4 森/黎明】 【来ヶ谷唯湖@リトルバスターズ!】 【装備:宗像形の日本刀@めだかボックス】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】 【状態:愉快】 【思考・行動】 1:今までにないこの『夢』を楽しむ 2:お嬢さんと行動し、人々を手の平で泳がす 【備考】 ※参戦時期は不明です ※御坂美琴、鳴上悠の容姿のみを把握しました 【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:ゲームを傍観する 2:唯湖を傍観する 【備考】 ※本編最終話後からの参戦。 ―━―━―━ 「し、椎名さん!?やめてくれっ」 来ヶ谷と向き合った後に、狂った様にこちらにサーベルの刃を向け始めた椎名。 総一の体にはサーベルに斬られた痕があった。 「操られているのか……。なら、俺が食い止めてやる」 武器など何1つない。 羽根の付いたランドセルとこけしのみ。 それでも自分を救った椎名の為、総一は椎名を救ってみせると決意をした。 「!?」 と、決意と同時にサーベルが総一の頭を狙っていた。 【椎名@Angel Beats!】 【装備:サーベル@ハヤテのごとく!】 【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】 【状態:健康、ギアス】 【思考・行動】 1:……。 【備考】 ※ユイ消滅前からの参戦。 ※ギアスの影響により総一に刃を向けています。30分から1時間くらいでギアスは解けます。 【御剣総一@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】 【装備:なし】 【所持品:支給品一式 羽根の付いたランドセル@Kanon こけし@そらのおとしもの】 【状態:???】 【思考・行動】 1:??? 【備考】 ※麗佳ルート(EP2)終了後からの参戦です。 【来ヶ谷唯湖のギアスについて】 このロワイアルオリジナル能力で目を合わせた人物を狂わせる能力。狂い方は人により千差万別で30分から1時間で解けてしまう。 |[[偽善正義]]|時系列|[[Lの殺意]]| |[[魔神が 目覚める 日]]|投下順|[[終わりのクロニクル]]| |[[夢想曲]]|来ヶ谷唯湖|[[朝霧の幻影殺人鬼]]| |[[魔女の惨劇会]]|C.C.|[[朝霧の幻影殺人鬼]]| |[[少女の戦]]|椎名|[[運命は、英語で言うとデスティニー]]| |[[少女の戦]]|御剣総一|[[運命は、英語で言うとデスティニー]]|

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