「ねぇ……、ちょっと……」
「どうした御坂?」
「なんであんたはそんなに落ち着けるのよ……。あんたさぁ、私もあんたも殺されかかったのよ?それなのにこんなに堂々としてる?怪しさ挽回の人じゃない」
「……そっとしておこう」
「あぁ!ムカつく!」

  ■  ■  ■

先程、殺し合いに乗った謎の女と交戦になった2人、御坂美琴と鳴上悠は民家に入り込みお互い話をした。
テーブルに向かい合い沸かしたコーヒーを飲みながら話をしていた。

自分は超能力者である事、ペルソナ使いである事。
上条当麻と白井黒子、花村陽介と天城雪子と巽完二と白鐘直斗は信頼出来る事。
一方通行と足立透は信頼出来ない事。

お互いとお互い。
2人は自分達がわかる有益な情報の1つ1つを出し合った。
こんなふざけたバトルロワイアルを生き抜き、ゲームをぶっ壊す為に。

「んで鳴上は街で起きていた殺人事件がテレビで行われたっていうの?」
「あぁ」
「いや、自信満々に言われても信用しないわよそんな話」
「……ですよねー」

因みに俺の方が年上で高校生なのに何故中学生からタメ口なんだろうか?

「ペルソナ使いなんてそんな能力すら見なければ信用しなかったし」
「それはお互いじゃないかビリビリ」
「ぶっ殺すわよあんた……」

いや、冗談とはわかるんだけどそんなビリビリとした電撃俺に向けんな……。

ビリビリは禁句。
悠は軽口を反省した。

「しかし鳴上は番長みたいね。あのさっき見たペルソナとかいうのも番長みたいだったし」
「え?」

初めて言われた……。
悠は番長という響きがからかわれているみたいで、悪そうな名前に少しがっかりした。

「では真面目な話をしよう御坂」
「よくあんたこの流れで『真面目な話をしよう』なんて言えるわね……」
「あの女と交戦になった原因はなんだ?」
「うわっ、スルー!?」
「真面目に話をしろって言ってんだろ!」
「キれるタイミングがそこっ!?」

お互いが積極的な性格なので冗談の言える仲にまで発展していた。

「急な闇討ち。私がのんびりした性格だったら多分やられてたわ」

何故か美琴の頭には親友の初春飾利が思い浮かんでいた。
誰ものんびりしているなんて言ってないのに。

「そうか……。それは危なかったな。俺が止めなかったら戦闘が続いていたわけだし。確かにお前はのんびりしている様な奴には見えないしな」

何故か悠の頭には仲間のクマが思い浮かんでいた。
誰ものんびりしているなんて言ってないのに。

「とりあえず注意して信頼出来る様な奴を仲間にしていこう」

花村陽介、里中千枝、天城雪子、巽完二、久慈川りせ、クマ、白鐘直斗。
悠は今までの冒険も信頼出来る仲間が居たからこそ足立を追い詰められたんだとわかった。
自分だけなら全員命を失っていてもおかしくはなかっただろう。

と。
――ガチャ。
誰かが民家に入る音がした。



「ちょっ!?誰か来たわよ鳴上!?」
「そっとしておこう」
「バカ!隠れるわよ!」
「うわわっ!?」

美琴に引っ張られながら悠は引きずられていった。

  ■  ■  ■

「ここも誰も居ないか……」

白くて黒い戦士が民家に入り込んだ。

「既に30件ぐらい入ったんだがな」

ゲームの参加者の破面の十刃No.4ウルキオラ・シファーであった。
ウルキオラはとある目的の為参加者を探していた。
それは誰でも良かった。
腰にぶら下げた剣の鞘がとにかく怪しく見える。

「だが来たのは無駄ではないらしい」

コーヒーの入ったマグカップが2つ向かい合う様に置かれていた。

「それにイスには体温が残っている」

先に美琴が座っていたイス、悠が座っていたイス、その隣の誰も座らなかったイスの順で触っていく。

「これは寸前に行き違いになったか、それとも――」

「俺達と話をしないか?」

誰かが隠れたのかとウルキオラが呟こうとした時、鳴上悠が自ら姿を現した。
そして後ろには怒った茶髪の少女、御坂美琴の姿も見えていた。

そして2人の反応は冒頭に遡るのであった。

  ■  ■  ■

「明らかにあいつ怪しいじゃない!人間ですらないわよ!」
「でもあいつだって参加者だ。だよな?」
「確認を求められても困る」

ウルキオラは予想していなかった振りを冷たくあしらった。

「普通なら俺の近くに寄ると人間の魂魄が保たないのだが……。これが能力制限か」

もっともOP時で、ウルキオラの近くに居た者がピンピンしていたから理解は出来ていた。

美琴と悠に出会いその答えが確定された。

「男、お前に問う。何故堂々と姿を現した?言っておくが俺は人間でもないし、元の世界ではたくさん人間も殺している化け物だぜ」
「え?化け物なの?」
「…………」
「…………」

美琴もウルキオラも口をポカンとしていた。

「でも俺に似た声だったから興味が出ただけだ」
「バカかお前?」

と言いながらウルキオラは悠に腰の剣を鞘ごと投げ渡した。

「なんだこれは?」
「俺を殺せ」

ウルキオラは無抵抗のまま両手を挙げた。
嘘、偽りなく死ぬ気だと美琴と悠は目を見て理解出来た。

「バカかお前?」
「お前曰わく『俺に似た声』の奴と同じセリフを真似するな。あと早く俺を殺せ」
「…………。自分で殺すのはイヤだ」



「ペルソナっ!」



「ほぅ。そのスタンドの持った刀で俺を殺せ」

悠のペルソナであるイザナギが刀を奮ってウルキオラの首を狙う。

「ちょっと鳴上!?」

美琴の制止も虚しくイザナギは刀を振り下ろした後であった。

  ■  ■  ■

俺は黒崎一護に敗れた。
完全虚化して暴走した黒崎一護の攻撃をまともにくらい、超速再生すら無効になるまでの巨大な力に圧され敗れた。

俺は戦いに満足した。
今更このバトルロワイアルで優勝して願いを叶える気にすらならない。

――俺はこの男の謎の能力のスタンドに斬られてお終いさ。






  ■  ■  ■

「何故殺さん、スタンド使い」
「え?」

ウルキオラの突然の言葉に美琴が驚き、悠は無言で立っていた。

「……いいや、殺したさ」

ペルソナであるイザナギの姿がゆっくりと空気と同化し、見えなくなった。

「殺した。お前は俺が殺した参加者と同じ場所に居た新手だ」
「……なんだよ、それ」

ウルキオラは悠の都合良い解釈に笑った。

「俺は鳴上悠、こっちは御坂美琴、お前は誰だ!?俺達と協力しゲームをぶっ壊してくれないか」

「ウルキオラ・シファー。お前の好きにしてくれ」

黒崎一護。
井上織姫。
そして鳴上悠。

どうして人間はこんなに面白くてわからない奴らなんだ。





こいつらの辿り着く先が見たいと本気で思ってしまったではないか。





【E-5 民家内/黎明】

【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:身体的疲労(小)】
【思考・行動】
1:殺し合いの打倒、ゲームをぶっ壊す
2:鳴上とウルキオラと行動
3:上条当麻、白井黒子を探す、一方通行を危険視
【備考】
※原作3巻終了後より参戦です
※制限により御坂妹達と同じ程度の威力しか出せません
※来ヶ谷唯湖の容姿のみを把握しました



【鳴上悠@ペルソナ4】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:ペルソナ召喚による疲労(小)】
【思考・行動】
1:殺し合いを止めて、ゲームをぶっ壊す
2:御坂とウルキオラと行動
3:仲間との合流、足立はどうにかする
【備考】
※ゲーム版、足立戦後より参戦です
※ペルソナはイザナギ(初期)と言った低レベルの物しか出せません
※ペルソナの攻撃の威力は低下しています
※来ヶ谷唯湖の容姿のみを把握しました



【ウルキオラ・シファー@BLEACH】
【装備:朝風家の剣@ハヤテのごとく!】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:鳴上悠の行き先を見る
2:御坂美琴もついでに見る
3:2人に協力してゲームをぶっ壊す
【備考】
※死後からの参戦
※能力制限は次以降の書き手さんにお任せします



【朝風家の剣@ハヤテのごとく!】
朝風理沙の家に伝わる剣。神社なのに刀じゃなく剣が伝わっているのがポイント。珍しいな。



046:三千院ナギの驚愕 時系列 058:Departure
039:fallen down 投下順 041:僕は/俺は友達が少ない
023:夢想曲 御坂美琴 075:学園黙示録
鳴上悠
START ウルキオラ・シファー

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2014年11月22日 15:01