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私、『水瀬名雪』は復讐をしたい。
このゲームに私を巻き込んだ主催者。
このゲームに私の恋人の『相沢祐一』を連れ込んだ事。
――そして、私を殺した相手にも。

私は知った。
殺される前に殺さなくてはいけない。
先程1度油断して殺されてしまった。
もう生き残りと祐一の守護だけを、私は守り通したい。

―――――
――――
―――
――

  ◆  ◆  ◆

「祐一……怖いよ……」

彼女は怯えていた。

殺し合いに?
人が死んだ事に?
暗闇に?
武器に?
非現実が始まったから?
命を失う可能性があるから?
敵と味方がわからないから?
参加者を信頼しても良いかわからないから?
自分はただの女の子だから?
この場が危険だから?
頭の整理が落ち着いてないから?
『自分』の『死』が怖いから?
『相沢祐一』の『死』が怖いから?

わからない。
全部当たりだし、全部外れ。

「ぅぅぅ……人なんか殺せるわけない……。お母さんのところに帰りたいよ……」

日常に帰りたい。
そこには香里、北川君、あゆちゃん、お母さん、祐一達との楽しかったあの日常に帰りたい……。

「お母さんじゃなくてすまないが少し良いか少女?」
「ぇ……?」

顔を上げると背の高い執事服を着た人物が立っていた。
中々の美形で女からはモテそうな容姿である。

「落ち着きたまえ、私は殺しをする気はない。だから安心して構わない」
「……はい」
「ほらハンカチで涙を拭きたまえ」
「……ありがとうございます」

男の支給品であった白いハンカチを名雪に手渡すと、すぐに彼女は涙を拭くとそれで落ち着いたのか泣かなくなった。

「ようやく落ち着いたか?」
「はい」
「まず君の名前はなんて言うんだい?」
「私は……、水瀬名雪です」

男が名雪の顔をじっくりと見て名前と顔を一致させる。
よし、と次は男が名乗りを挙げた。

「私の名前は岸沼良樹だ。見ての通り執事だ」
「本当に執事なんているんだぁ」

名雪の頭には広いお屋敷にお嬢様の隣で座っているイメージが浮かんでいた。

「じゃあ岸沼君が仕えているお嬢様って上品で頭が良いお金持ちのお嬢様?」
「ん?いやお嬢様というか双子の妹なんだが……、残念ながら上品でもなければ頭もすこぶる悪い……」

疲れた顔をして岸沼は答えた。
その表情から岸沼の苦労がわかる様であった。

「じゃあ知り合いの話をしようか水瀬」
「うん。えっと……祐一と北川君が私の知り合いだから信頼出来るよ」
「つまりこの2人は信頼出来る、と?」
「うん。ばっちりだよ〜」

気の抜けた返事が岸沼の声に響く。
まるで自分の主に似た様なところがあると思った。

「ゲーム開始から既に3時間ぐらい経ってしまったわけだが誰か見つけたりはしたか?」
「ううん。まだ岸沼君だけだよ」
「そうか」

岸沼が少しがっかりした様な顔をして下を向く。

「まぁ頑張っていこうよ岸沼君」
「……そうだな」

と、彼女の右手が無くなっていた。

「……え?」

本来あるはずの5本指やそれが繋がっている掌。
全てが無くなっており、それがあった部分はただ血が流れ出ているだけであった。

「イヤ、イヤ、イャ、ィヤイヤィャ、イャイヤイヤィャィ」

死にたくない。
彼女の必死の目の前の男、岸沼良樹に訴えている死への許しの乞いだった。

「すまんな水瀬。だが私は愛する者を生かす為ゲームを生き残らなくてはいけないんだ」

パン、パンと無機質な銃声が辺り一帯に響き渡った。

「死ニたァぐなぃ」
「まだ生きているのか……。次で楽にしてやる」

4発目。
倒れた名雪の頭に銃を突きつけ引き金を引く。

イヤな感触が手に広がった。

  ◆  ◆  ◆

「はぁ、はぁ、はぁ……」

人間に手をかけた。
人間の超えてはいけない一線を私は超えてしまった。

――名前まで偽装してまで私は罪を犯したのだ。

水瀬には適当に名簿で見つけた『岸沼良樹』と名乗った。
殺すつもりの人間なのだから本名を名乗ったって構わないのだが、誰かが隠れて見ているなんて状況になっていた事や殺し損ねたなんて状況になっていた時の保険だ。

もっとも……水瀬は脳を直接貫通したし、目も上を向き、白目を見せていた。
無くなった右腕ではなく、無事だった左腕の脈を取ったが止まっており、冷たくなっていた。
素人の私でさえ間違いなく死んだと断言出来る。

「それでも私はハヤテを護りたい」

男だって構わない。
私は『綾崎ハヤテ』が好きだ。
彼を生き残らせてやりたい……。

参加者にはハヤテの主である『三千院ナギ』、そのメイド(だっけ?)の『マリア』。
お嬢の親友で私の学校の生徒会長『桂ヒナギク』。
奴らと敵対しようと私は止まる事はもう許されなくなった。

「待っていろハヤテ!」

今すぐ私が全力を尽くしてお前を見つけてゲームが終わるまで護ってやるからなっ!



【A-5 砂浜/黎明】

【瀬川虎鉄@ハヤテのごとく!】
【装備:宗像のS&Wマグナム44(2/6)@めだかボックス】
【所持品:支給品一式 S&Wマグナム44の予備弾30/30 ランダム支給品×1】
【状態:身体的疲労(小)】
【思考・行動】
1:ハヤテを優勝させる
2:偽名を名乗りながら行動
【備考】
※アテネ編終了後からの参戦。
※偽名に関しては『岸沼良樹』と名乗り続けるか別の名前で名乗るかは次以降の書き手さんにお任せします。





  ◆  ◆  ◆

『岸沼良樹』いや『瀬川虎鉄』は最後の最後で詰めを誤ってしまっていた。
もし、彼が彼女のデイパックを回収していたとしたらこんな混乱は巻き起こらなかったであろう。

『水瀬名雪』であった者の死体が無残に砂浜に転がっていた。
だが、それを待っていたかの様に彼女のデイパックは光り出し、やがて『水瀬名雪』の死体を包み込み、最終的にその死体は息を吹き返した。

それどころが無くなった右手さえ治っていた。

支給品であった物の1つ『月神の突羽根』。
死んでしまった者を完全回復して蘇らせるアイテムであった。


「殺す、殺す、殺す!」

息を吹き返した死体は憎しみの感情を背負ったかの様に彼女を動かしていた。

「そうだ。これは生死をかけた戦いなんだ……。参加者の言う事なんか聞いたらいけないんだ!」

全てに憎しみと怒りが比例して湧き出る。
彼女はそれに快感、共感すら抱いた。

「祐一と私以外生きている必要はない!殺してやる!参加者も主催者も!」

そして彼女が一番憎しみを持ったのは言うまでもなく彼であった。

「岸沼良樹だけは私が直接に残酷な方法でぶっ殺してやる!」

瀬川虎鉄から渡された時は優しく見えた白いハンカチであったのに、今見える白いハンカチは憎しみしか湧き上がらないドーピングの様になっていた。



――優しかった少女は憎しみの塊となって蘇った。

彼女は瀬川虎鉄に本当は殺されていて、別人となった誰かが蘇ったのかもしれないと思う程、彼女は別人となり狂ってしまっていた。

「待っていてね祐一……。私が助けてあげるから。
そして次会った時があなたの最後ですよ岸沼君!」



偽名と死者の蘇り。
この2つの異常事態がどの様に影響してしまうのか。
バトルロワイアルはどんどんと混沌に巻き込まれていくのであった。



【水瀬名雪@Kanon】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 白いハンカチ@現実 ランダム支給品×2】
【状態:健康、憎しみ】
【思考・行動】
1:祐一と自身の生存
2:参加者を殺す。特に『岸沼良樹』だけは自分が殺す。
【備考】
※名雪ルート後からの参戦。
※瀬川虎鉄を岸沼良樹と誤認しています。



【白いハンカチ@現実】
普通のハンカチ。

【宗像形のS&Wマグナム44@めだかボックス】
宗像形の二丁拳銃の片方。ちなみにもう片方はデザートイーグル。装弾数6。

【月神の突羽根@ペルソナ4】
主人公(鳴上悠)が死んだ際に使用されるアイテム(ビギナーモードのみ)。死んだパーティーを蘇らせて体力を全回復する。



033:DEAD or ALIVE 時系列 044:傭兵とリフレイン
041:僕は/俺は友達が少ない 投下順 043:白騎士物語
START 瀬川虎鉄 062:悠久の旅人〜Dear boys
START 水瀬名雪 064:1人の逃走劇/暴走劇/復讐劇
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