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北条かりんの幸運はゲーム開始前からつくられていた。

時は遡りゲーム開始時に戻る。



「かれん、私頑張るから。あなたは私の帰りを待っているだけで良いんだからね」

北条かりんの血の繋がった妹北条かれん。
彼女の家族は自分1人。
彼女を守れるのは自分1人。

自分の想い、かれんの想い。
かりんは最初から、いやずっと2人ぶんの想いを重ね生きている。
だからこのバトルロワイアルでも生き続けなければならない。
どんな汚い手段を使ってでも。
たとえ人を何人も殺す事になっても。

「私の命より優先させても必ず」

かりんは決意を固める。
人生で一番頑張らなくてはいけない瞬間が来たと言っても過言ではないだろう。
かれんの喜ぶ顔がまた見れると考えると自分が負けて死ぬ姿が思い浮かばない。
たとえ人殺しをかれんが許さないとしても。

(黙っていれば良いかな)

そう心に秘めて心を入れ替える。
自分は参加者全員を殺す修羅とならなければならない。
情け、容赦なく。
私利私欲の為。

「これがデイパックね。かなり軽いな」

この中に武器が入っているのかと疑問を抱く。
水筒1つしか入っていないと言われても信じてしまうほどに。

「わ、確かにごちゃごちゃ入っているみたい」

地図や参加者名簿を目に通す。
地図は無人島にしては街とかがあるらしい。
では無人島をバトルロワイアルの為に改造したのだろう。

「お金の話は本当みたいね」

小さなところから証拠に近い根拠を見つけていく。

「武器は何があるのか」

支給品が入ったデイパックを開いて武器を確認していた。
これが良いか悪いかで難易度がぐっと変わる。
祈る気持ちで取り出す。
幸運な事にかりんの支給品の中に役立つ支給品が2つに役に経たない支給品が1つあった。

S&W M37 エアーウェイト。
回転式の小型拳銃。装弾数5発。
初心者にも扱いやすい反動が少ない拳銃らしい。

そしてアゾット剣という短剣。
鋭い輝きを放っている。

最後の1つはカードが1枚。
デザインがまったく成されていない。

「拳銃に剣。私は武器に恵まれている」

だが自分ばかりが優遇されているわけではないだろう。
火炎放射機、サブマシンガン、毒ガス。
こんなものも支給されているとしたら?
そう考えた場合自分の拳銃も短剣もおもちゃ同然だろう。

もしかしたら効かない相手とかも居ないとは限らない。

慢心だけはせず、常に危険を確認する事は忘れない様にしよう。
何日こんな状態になるかわからない事もある。
1、2日くらいで終われば良いがこればかりはなんとも言えない。

「さて、殺す人を探さないとね」

そしてゲーム開始から2時間と少し。
北条かりんは最初の参加者、巽完二を見つける。
彼は雰囲気からゲームに乗ったマーダーではないだろう。
敵意がないなら殺すのは楽だろう。

「よし、殺す」
「ん?」

引き金を引く。
結果は完二が銃撃を避けてペルソナにより自らが撤退という酷い有り様であった。
その後、巽完二はサーヴァントであるキャスターに殺される事を彼女は知らない。



―――――



「マスター、ニンフ、アストレア」

殺し合い。
平和が好きなマスター。
マスターは必ず殺し合いなんかしないだろう。

ニンフ、アストレアは地蟲(ダウナー)と呼んで見下している。

でもマスターの影響により数々の戦いと数々の日常に触れた。
あの子達は大丈夫。
殺し合いには乗らない、と思う。

「マスターは護る」

しかしマスターを害になる相手には。
力が溢れ出す。
が、それを抑える。

『空の女王』(ウラヌス・クイーン)。
今はその時ではない。

「銃声……?」

空の女王を解除した瞬間聞き慣れた音がイカロスの耳がキャッチした。
マスターの学校の生徒会長がよく扱う銃声にとても似ていた。

「羽根があるのに飛べない?」

もしマスターがあの場に居たら?
普段のマッハ24の空中移動は出来ないから走ってその場へ向かう。



―――――



「襲う側の少女不明、襲われる側の少年不明」

今すぐに私は少年を助ける為、戦いに乱入しようとする。
が、足の動きを止めてしまう。

「あれは……?」

少年がカード、タロットカードを空中に出し割った中からはエンジェロイドの様な戦闘能力が高い従者が現れた。

「マハジオ!」
「ぐぅ……」

電撃が少女近くを攻撃する。
少年に殺意がない。
威嚇攻撃という事に気付く。
マスターに近い考えの主かもしれない。

「予想外……。ただの幸せ者だと思ったのにまさかのスタンド使いなんて。撤退……」

威嚇が成功した。
少年は安心した表情。
少女は泣きたくなる様な表情。

「…………」

本来なら安全な少年と一緒にマスターを探すべきだろう。
私の脳もそう告げる。

「でも、マスターは……?」

マスターは優しい。
日和さんが車に轢かれ、そはらさんやマスターのマスター、会長の記憶から消える中、ニンフが泣きそうだからと忘れた振りをしたマスター。
そんな優しいマスターなら必ずあの少女を助けるだろう。
年もマスターとさほど変わらない。

「話を聞いてあげよう」

私は逃げ出した少女を追った。



―――――



「何よ今の!?ふざけんじゃないわよ!スタンド使い!?ずるいじゃないのよ!こんな小型拳銃よりよっぽど強いじゃない」

さっきまでの強い決意が揺らぐかりん。
嫌な予感がさっそく当たってしまった。
だがこのゲームクリアを諦めるという事は……。

「い、いややっぱりダメ……。このゲームに参加しないのはかれんを見捨てるという事……」

かれんを失う以上に怖い事なんかない!
かりんは手を握り締める。

「そう誓ったじゃない……」

怖かった。
まだまだ彼女は幼い。
10と少しの年齢の少女は強いわけがない。
弱くて当たり前なのだ。

助けて、助けて、助けてっ!
誰か1人くらい私とかれんを護って!

願った。
かりんは自分と妹を護ってくれる存在を願ったのだ。
そしてその願いは聞き届けられる。

イカロスという参加者がかりんを護る様に必然が起こった。
かりんの側に居たイカロスの記憶を改ざんしてしまっていた。
そして、マスター『桜井智樹』のインプリンティングも壊された。
つくられた偶然によって。



―――――



マスター、マスター、マス……。

私を護ってくれていた――?

ニンフ、アストレア、カオス、日和、イカロス=メランの襲撃を体を張って助けて、くれ、……。

……、…………、……。
………………、……。
、…………、…………、………………。
……、……、……。
…………………………。

ザーーーーー。
――ザーッ。
ザッ、――。



―――――



「私がアナタを護ります」
「え……?」

インプリンティングを壊され30秒。
イカロスの記憶のデータも壊され、雑音に消えた。
そして新しいマスターとして北条かりんの鳥籠になる。

(新しいマスター?前のマスターは……)

ない。
そんな情報はイカロスのデータに存在しない。



―――――



北条かりんが引き起こした奇跡。
しかしこれはつくられた偶然。
つくられた偶然は『必然』である。

そして、かりんの『必然』は参加者の1人御剣総一を蘇らせる事にまで至る。

だがかりんは御剣総一の変わりに、奇跡の『必然』を失う事になる。
それがかりんにとっては良い事か悪い事に繋がるかわからない。

「あ、ありがとう。ありがとうございます、総一」

しかしこの彼女の嬉し涙を見ると良い事に繋がった事に思えてしまうだろう。



―――――


「……ゲームオーバー、ってことかな。はは…」

崩れる少年の体。
イカロスは護る為、人殺しをした。
御剣総一は護る為、人殺しはしてはいけないと言ってくれた。

揺れる天秤。
御剣総一が死ぬ瞬間に傾いた天秤。
だが結果が遅かった。

「あ、あ……、あ……」

イカロスという凶器を使ってこの手を差し伸べた少年を殺したのは――私……?
人を殺す。
こんな事をして得たお金をかれんは喜ぶか?

むしろ、一生嫌われる。



―――――



「私が望んだ?こんなのを……?違う、嘘……」

なりふり構っていられなくただ走り逃げ続ける。
足元は森なので整理されていない。

「あっ!?」

逃げたくて足元がお留守だったらしい。
倒れる瞬間木の根っこが映る。

(あぁ……、もし御剣さんが死んだ事が夢だったら……)

私はぼやけて閉じる視界の中くだらない、覆し様のない事を考えて、気を失う。




「ぐっ……」

どこに私は向かっていた?
イカロスも黒神めだかさんも居ない。

森の中。
確かにそうだ。

でも違う。
私自身どこに向かっている?

人を殺す武器が2つに変なカードが1つ。
気を失った時間は5分か10分か。
もしかしたら30分以上超えたかもしれない。
だがもう関係ない話だ。

「最低な私はもうかれんに会う資格なんかない」

もう死のう。
剣で心臓を貫くより、拳銃で頭を貫いた方が一瞬で死ねそうだ。

この引き金を引くだけで……。

「俺はそんな事望んではいないっ!」

そんな声と私から銃を奪う手が来るのは同時だった。

「だから人殺しなんてやめてくれって頼んだだろう北条かりんさん」
「なんで……?」

あれ?
私名前名乗った?
いや、私の名前を知られていた。
黒神めだかさん。
そうだけど違う。

彼は御剣総一さんだ。
イカロスと私が殺してしまった罪の象徴。

「俺……、御剣総一は絶対に君を救うから。今の君にはわからないとは思うけどさ……。二度と君を孤独にはさせないよ」

しかし実体だ。
幽霊ではないし、優しそうで強そうな声も同じ。
がたいが良い体も本人に間違いない。

「どうして、御剣総一さんは生きてるの……?」

泣いていた。
超えた私を優しい目で見てくれる事が。

「な、泣くなよ。麗佳さんに勘違いされるだろ」

慌てて頭を撫でてくれる御剣さん。
そんなに私に優しくしないで。

「罪とか気にするな。俺にも君に対して罪はあるんだから」



―――――



「いつの間にか復活していた……?」
「そうそう、ほら反復横飛びが出来るほど元気さ」

冗談混じりの御剣さん。
ずっと真面目な御剣さんの姿しか知らなかったからか意外な御剣さんが見れた。
もしかしたらこれが素の御剣さんかもしれないが。

「信じられないです……」
「ええー?説得力無かったかな?」

説得力が無い。
聞いた説明を整理すると急に目を閉じて、私が居なかったから死にながら消えた背中を思い出して走ってきたらしい。
同行者の椎名さんって人は気絶していたが桃色の髪の女の人に護られたからこちらを優先したとの事。

「説得力って……、死亡者の名前がありましたよ?」
「俺放送聞いてないからな。その時はまだ死亡者だったんだな」

しかし御剣さんの刺し傷がない。
血も全く出ていない。
これが妙だ。

「あなた本当に御剣総一さん?」

疑っている私が居る。
彼が生きていて嬉しいはずなのにこれのせいで素直に喜べない。

「…………」

御剣さんは真面目な表情へと戻ってこちらを見た。





「俺は――本物さ」

彼は言い切ってみせた。



―――――



「そんな事より俺も言いたい北条かりんさん」
「な、なんですか?」

御剣さんが私に頭を下げた。
わけがわからない。
これが御剣さんの罪?

「あの時は護れなかった。救えなくてごめん」

涙を流しながら彼は謝り続けた。

ごめん、ごめんと。
私はバトルロワイアル以前は御剣さんと出会っていないのに。

「俺は少し前殺人ゲームに巻き込まれた事があった」
「え?」

普通の学生に見えた御剣さんの告白。
それは前にも殺人ゲームに巻き込まれた事であった。

「そこには13人の参加者が居た。全員の名前は知らないけど実はその内俺を含めないで最低4名がバトルロワイアルに関係している」
「4名?」

高山浩太、長沢勇治。
この2人は私は知らない。

「……郷田真弓」
「えぇっ!?」

主催者の郷田真弓!?
まさか御剣さんが知っていた?
驚きは大きすぎた。
次に誰の名前が出ても驚かないだろう。

「北条かりん」
「……は……?」

殺人ゲームに、私が関係していた?
しかも参加者としてであるらしい。

「そんな記憶……ない」
「だろうな。でも多分君本人だ。北条かれんという妹が病気をしている。ケータイの待ち受けは妹とツーショットの待ち受けがされていた」
「……」

彼は冗談は言っていないだろう。
こんな事自分しか知らない事だ。

「俺は君を護れなかった。救えなかったんだ。かれんちゃんの元へ返せなかったんだ……」

後悔の言葉。
さっき私が自殺してしまったらまた自分はかれんの元へ帰れなかったということだろう。

「北条さん、俺は君を助けたい」
「御剣さん……」

自分に修羅は似合わない事に今更気付いた。

「これがシャルル達が言っていたパラレルワールドなのかもな」

御剣さんはそう呟いた。



―――――



「俺の事さ、御剣さんとか畏まらないでくれ」
「私も北条さんなんて呼ばれなれてないから変えてよ」

お互い、総一とかりんと呼び合う事になった。

「総一、これを預けておく」

拳銃を総一に渡すかりん。
初対面の時の拳銃を預ける話を思い出したのだ。

「でも今考えるとかりんが襲われた時の武器がないか」
「大丈夫、短剣があるから。人は殺さないよ」

そう言ってかりんはアゾット剣を総一に見せた。

(あれ?カードが無くなってる)

デイパックの支給品のカードが消えていた。
おそらく気絶した時落としたのだろう。
剣か拳銃が落ちるよりはマシだが。

「俺の支給品は全部最悪だったのに」

甲子園の土、こけし、羽根の付いたランドセル。
何故こんなに差があるのか。

「私の命に変えてもかれんは護る」
「それはダメだ!」

総一はかりんの誓いに一番大きな声で怒鳴られかりんは驚いた。
総一はまたごめんと謝る。

「日常に1人欠けても色褪せてしか見えなくなる。そんな苦しみはかれんちゃんに味わらせたくない。必ずかりんはかれんちゃんに再会するんだ」

自分の彼女、桜姫優希の死から麗佳と会うまでの自分。
誰にもこんな苦しみを知らせたくはないものだ。

「うん。絶対かれんのところに帰る」
「俺もまた麗佳さんに会わないと」
「その麗佳さんって総一の彼女?」
「…………」

かりんが女の目になっていた。
からかわれると総一は嫌な汗が出てきた。



―――――



必然の奇跡。
それはかりんの支給品に秘密があった。
新型の転送装置。
本来の世界では桜井智樹が夢にしてしまった存在しないもの。
これがこの奇跡の正体であった。

かりんとかれんを誰かが護ってとの願いをイカロスの記憶を破壊し、イカロスのマスターになる事。

そして2つの願い。
(あぁ……、もし御剣さんが死んだ事が夢だったら……)
これにより総一の死はかりんの気絶と共に夢落ちになった。
そして新型の転送装置も、正史通りに夢と共に消えた。

かりんは必然の奇跡は無くなった。
だが彼女はそれ以上の大切な者を得ただろう。



―――――



「マスター……?」

新型の転送装置が夢になった今、イカロスの記憶が戻される。
本来の桜井智樹がマスターの記憶と、自らのイカロス=メランを倒した記憶を取り戻す。

しかし問題は。

「私はインプリンティングをマスター(北条かりん)にしたまま……」

インプリンティングはマスターの許可がないと解除出来ない。

「イカロス後輩、戦いの途中は余所見は関心しないな」

楽しそうにイカロスと戦うめだか。
戦う理由を一方的に失ったイカロス。

「マスター、私は……」

(どうすれば良いでしょうか……?)



【E-4 森/朝】

【御剣総一@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】
【装備:S&W M37エアーウェイト3/5@現実】
【所持品:S&W M37の弾丸45/45@現実】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:かりんとゲーム脱出し、麗佳さんとかれんちゃんの元へ帰る
2:殺し合いはしない
3:椎名さんと再会したい
【備考】
※EP2終了後からの参戦です



【北条かりん@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】
【装備:アゾット剣@Fate/Zero】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:総一とかれんの元に帰る
2:殺し合いはしない
3:イカロスを止める?
【備考】
※本編開始前からの参戦。
※黒神めだかの名前と容姿を記憶しました。



【イカロス@そらのおとしもの】
【装備:フランベルジェ@とある魔術の禁書目録】
【所持品:支給品一式、ランダム支給品×2】
【状態:疲労(小)】
【思考・行動】
1:どうする?
2:殺しはあまりしたくない
3:マスター……
【備考】
※本来イカロス=メラン戦終了後からの参戦でした。
※記憶は戻りましたが桜井智樹ではなく北条かりんがマスターです。
※武器は没収、羽根で飛ぶ事は制限です。
※馬鹿力は制限されていません。



【黒神めだか@めだかボックス】
【装備:原初の海@ペルソナ4】
【所持品:支給品一式、ランダム支給品×1】
【状態:疲労(小)】
【思考・行動】
1:桂二年生と行動。
2:主催者から参加者全員に謝らせる。
3:イカロスを捕える。
【備考】
※オリエンテーション開始直前からの参戦。
※参加者全員の顔と名前を一致させています。
※乱神モードは3時間待って10分、改神モードは制限で1日1回の制限です。


【アゾット剣@Fate/Zero】
剣の形をしているが本質は魔術儀礼の杖。見習いを卒業した魔術師が師からおくられる。


【新型の転送装置@そらのおとしもの】
本来はシナプスにあるものを地上へ転送する装置。
だが透明になったりと転送以外の用途にも使える。
しかし現在は桜井智樹が夢にしてしまい存在しない。
作中に度々使われる転送装置はこれの旧式であり、こちらは1枚で色々使えるが旧式は1枚で1つの効果しか使えない。


この大地の果てで(前編) 時系列 翼ある銃
ある日 森の中 球磨川さんに出会った 投下順 零れたカケラ達
HEROES 御剣総一 [[]]
HEROES 北条かりん [[]]
HEROES イカロス [[]]
HEROES 黒神めだか [[]]
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