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011


そんなこんな僕が知らない展開が繰り広げられていただろう。
これは少し長かった前章とでも言うのか。

僕という人間が終わる物語。
阿良々木暦の物語である。


012


「C-7からC-5まで来たわね。もう少しでC-4ね」
「でもあっちも東側から合流して来るとは限らないけどな」
「でも言ったでしょう。こうなった以上再会するのは不可能に近いとね」

誰かが死ぬ事。
普段なら考えられない事なんだけど……いや僕は吸血鬼ハンターやら神原やら死と隣り合わせな事もあったがそんな事考えたくは無いな。
いずれ僕が死ぬ事になっても、死ぬ瞬間まで希望は持ちたい。

そんな事はただの寄り道であり、この話はA-7に居るであろう井ノ原達の話である。
確かに西側からの方が合流しやすいだろう。

『あっちだと禁止エリアから逃げて来る人が居るかもしれない』

マーダーが居る前提な話だがやはり危険な橋は渡りたくないのは物騒な仲村も同じらしい。
それを口にしたら睨まれた。

『こんな美少女を物騒とは酷い話だわー。それに結局仲村って呼び方に戻ってるじゃない』

なんだろうか。
フラグ建ててるくせにとかなんとか言われている気がするが、僕はあまり名前で呼ぶ習慣がないからな。

『綺麗なバラにはトゲがあるってね』

戦場ヶ原然り、忍に然り、仲村も例外でないと。

『生意気言うな、死ね!』
『横暴だな、オイッ!?』
『死んだ世界のジョークよ』
『性質が悪すぎる』


何故か半分以上本題と無関係な話の謎の回想終了。


「このまま墓地へレッツゴー!」
「なんで元気そうなんだよ」
「だって墓地とか正直誰も近づかないでしょう」

それでは仲間との再会出来ないのではないだろうか?
でも戦いたくもない。
このバトルロワイアルはジレンマとぶつかりにぶつかり合う選択に溢れ過ぎている。

「死んだ奴化けてたりするかもよ」
「んじゃあ、私も化けているって事か」

…………。
………………。

「そうだったな!?」

完全に生きた人間扱いしてた。
何回も死んだ世界の話をされていたのに。

「なんかこの辺殺気に満ちている気がしない?」
「わかるわけねーよ」

話に興味が無くなったとばかりに仲村は話を変えた。
というか殺気に満ちているってなんだよ。

「いや……」

キン、キン、キン。

嫌な音が、する。
嫌な予感。が。する。
嫌な。何かが。起き、て居、る。

日常的にも聞きなれた様な、音。

「これは、」

ガンッ!

壊れた。
何が。
わからない。

嫌な
音。
消えて。

「金属音よ」

仲村の声がした。
確かに金属音だ。
トンカチで螺子を打っているような金属同士の喧嘩しているような音。

「もしかしたら戦っているかもしれないわ」

方向は北のA地点から。
音が止んだ、という事は負けた人が殺されるかもしれないということ。

「助けなくちゃ……」
「逃げなくて良いの阿良々木君」

違う。
逃げたらだめだ。
忍野なら「自分は助けない、相手が自分で勝手に助かるだけ」と見透かした風に言うだろう。

「僕は助ける。相手を見殺しには出来ない」


013


「格好悪すぎるな、クソッ」

武器を失い見事な程に無様に逃げて朝の原を駆ける岸沼。
そこには焦り。
――そして復讐を遂げる意志があった。

「仇、待ってろよ」

篠崎あゆみが望んでいようが望まないだろうが関係なかった。
岸沼良樹が、自分がそれを望んでいるのだから。

そして目の前に獲物なる2人が見えた。
3人の殺害で首輪が外れるという。
ならば首輪を外しながら、その復讐を遂げるだけだ。


014


助ける意志。
復讐の意志。

2つの意志が重なる。


015


「おい、大丈夫か」

暦の声が心配そうな声だった。
いきなり敵意がない事に察知した岸沼。

ならば最初は敵意を見せない方が良いだろう。

「ああ、大丈夫だ」

疲れた表情(カオ)。
これは岸沼の本心の仮面(カオ)。

そこで暦は金髪の頭を見て1つピンとした名前が浮かんだ。

「あんた、岸沼良樹か……?」

中嶋直美の同級生という特徴に当てはまった、気がした。


016


「なんで、知って……」

その反応は当たっているのだろう。
これは大きな一歩だ。
後ろに居た仲村と目を合わせる。
喜びを分かち合おう。

「阿良々木君!!」
「え……」

後ろから痛みが飛んできた。
倒れて、突進された事に気付く。

「何する岸沼、僕達は危害を加える気なんかないぞ」
「黙れ、貴様拷問でもして篠崎を殺したか?」
「はぁ!?」

違う、そう言いかけたが言う間もなく黒い銃を僕に見せる。

「ならお前は俺の手で殺してやる」

一発。
見えない速度で空気が切り裂かれた。
こんな武器なのかよ。
銃って本当に簡単に人を殺せるではないか。

「――来いっ!」

僕が囮だ。
絶対に説得してみせる。
でも仲村は危険には巻き込めない。

女独り守れない男では戦場ヶ原に笑われてしまう。

「仲村、お前はここで待機だ!絶対に来るな!」
「阿良々木君!?」
「その変わり、戦場ヶ原と会った時僕の格好良さを伝えてくれよ!」

僕はキメ顔でそう言った。


017


もう道なんかわからなかった。
仲村に待機なんて言っちゃたが、もう会えないだろう。
命を軽くなんて考えているわけではないのだが毎回こんな事になるのだろうか。

僕が死んだら忍がキスショットに戻って、参加者を皆殺しとかしてしまうのだろうか。
そんな忍なんか見たくないな。
死ぬときは一緒とか言ったくせに情けない。

おい、妹2人。
僕はお前この姿を正義と言ってくれるか?
いや、強くない僕は正義ではないのかもな。

神原も千石はどうだろうか。
僕はあまり立派では無かった先輩みたに見られているか。

羽川のおっぱいで死ねたら最高だよな。
変態ですみません。

「仲村には手を出さないんだな」
「女を失う気持ちはよくわかるぜ。今の俺そのものだからな」
「ははっ」

根は良い奴みたいだな。
最初から殺し合いに乗っていたわけではないだろう。

「でも俺はお前の名前は中嶋に聞いただけだ。篠崎あゆみは殺していないし会ってすらいない」
「なら、優勝して蘇らせるだけだ」
「……そうなるよな」

僕だってあのとき親しい名前が呼ばれていたら、
絶対に今とは違う事になっていただろう。
運が良かったに過ぎない。

「僕だって武器はある」

FN ブローニング M1910を見せつける。

(いや、引き金なんか引くわけにはいかない)

持ってしまい引き金を引きたい衝動に駆られる。
大きな力は振るいたくなる悪魔がいると聞くがあながち嘘ではないらしい。

「ここで良いだろう」

岸沼がもう仲村から離れた位置にたどり着いたと言いたいのだろう。
脚を止め、辺りを見渡す。
他の場所よりひんやりしていた。
まるで焼かれてしまったあの廃塾のような『終わった』感覚のある地。
そこは墓地であった。

仲村と先程墓地に向かうなんて会話がかなり前に思える。

「お前の最後にふさわしいよな。もう眠れよ」

躊躇いなく僕に銃弾を飛ばす。
2発目の銃弾は僕の頬を掠る。

「ぐぅ……」

痛い。
掠っただけでこの痛さだ。
半吸血鬼ではなく人間である僕だ。
そう何発も耐えられないだろう。

「痛いか?だが怯みの隙が大きいな」

戦場ヶ原。
ごめんよ。
お前は僕の仇討ちなんて岸沼に殺意が湧くだろう。
どうか怒らないで。
このゲームに悪者なんか居ないのだから。
居るとしたら自分のエゴだ。
どうか、幸せに生きてくれ。


――――銃声が鳴った。
独りの少年の想いをかき消す様な壊す音。



「阿良々木君……」

少年の耳に聞きなれたばかりの待機をさせて居るはずのない女の声が聞こえた気がした。


018


「阿良々木君ごときに私が守られるわけないじゃない」

阿良々木と岸沼君が居なくなった私は悩んでいた。
助けるか、このまま帰るはずのない帰りを待つか。

答えは考えたのが馬鹿らしくなる答えだった。
リーダーが部下を見捨てるわけがない。

私はデイパックを強く握る。
体力も脚の速さも鍛えている。

私は戦線をしていて良かったと思う。

遠くから2人が見えなくならない様に追いかける。
速さは地味ながらも私の方が速い。





「あそこは、墓地ね」

そういえば阿良々木君との目的地はここだっけ。
こんな形でここに着くとは。

そして銃声が鳴った。
阿良々木君が掠っている。
速く助けないと。

「ちょっと、待って」

しかし走る私より早く岸沼君が銃声を鳴らした。
時間が一瞬でも止まったりはしなかった。
あと5秒も早ければ助けられただろう位置で阿良々木君が倒れる姿を見た。

「阿良々木君……」


019


「放送か?別にどうでも良いか。おや、そっちの女来たんだ」

岸沼君が私に気付く。
やれやれと言った感じ。
すごくムカッときた。
確かに今は定時放送じゃない放送なんかどうでも良いけど。
こんな奴に阿良々木君は。

「私は阿良々木君みたいに優しくないわよ、殺す」

鉈を抜く。
銃を持っていようがなんだろうがむかつくから殺す。
死んだ世界のジョークではない。
私の本心。

「そうかそうか。しかしお前最低だな」
「お前が言うな」

鉈なんかあまり使わないけど、ハルバードを扱う野田君をイメージして構える。

「だって、そうじゃね?だってこいつ銃向けても俺を殺さなかったんだぜ?俺を殺さなかったそいつの意志を曲げちまうのかよ?」
「――!?」

確かにこんな奴を阿良々木君は……。

「お前も隙だらけ」
「なっ」

考えなかったら振れたかもしれない鉈。
だが振られる事なく銃弾が放たれた。


020


守りたいか。
守りたいか。
守りたいか。
守りたいか。
守りたいか。
守りたいか。

守りたい。


021


「あ……、僕は何を?」

意識があった。
2度とこの世には戻れるとは思わなかった意識があった。
脇腹を撃たれ少し貧血気味になり倒れた、そんなところか。

だが、意識を取り戻した先の光景は何故か置いてきたはずの仲村。
脳みそをまき散らして倒れた岸沼。
これしか目に入らなかった。

時間が経ってもやもやとした視界が復元する。

「ん……?」

そして僕は気付いた。
僕の持つ拳銃から硝煙のにおいと煙が立ち込めていた。

「僕が、やったのか?」

自分を守るために?

「僕は、こんな事望んでなんかいない」


023


「僕はもう人間じゃないな」

人を殺した、そんな奴は人間の世界では生きていけない。
吸血鬼の時でも超える事のなかった一線を越してしまった。

もう戻れない。
僕は人間でも、吸血鬼でもなんでもない。
僕は何者なんだ。



「あなたは、人間よ」

抱きしめられた。
女の子らしくない性格の彼女でも石鹸の良い香りがした。

「違う。僕は、人間じゃなくなった」
「苦しめるからこそあなたは人間なのよ。
そんな人だからバトルロワイアルを生き残る資格があるの。それを理解しなさい阿良々木君」

そんな資格が僕なんかにあるかよ。

「それに見てなさい阿良々木君」

仲村は僕から離れ、落ちた鉈を拾う。
なにをするのか、問うても答えはない。

数歩歩き仲村は岸沼の心臓目掛けてその鉈を振り落す。
血がぐしょ、と溢れる。

「何してんだよ仲村!?」
「阿良々木君は岸沼君を殺してないわ」

仲村は僕に振り向いた。
優しく僕にあやす様に笑う。

「今、私が岸沼君を殺したの。だから阿良々木君は心を痛める事はないわ」
「仲村……」

僕はこんな女の子に罪を着させてしまっても良いのか。
いや、最悪だ。

「違う僕がやったんだ」
「私の手柄を横取りするな!」
「むしろ横取りしたのはお前だ!」

そんな子供みたいな言い合いをして僕は改めて、仲村ゆりのすごさを知った。

「罪を償って、バトルロワイアルを終わらせよう」
「そうね」
「偽善だとしても僕は……、負けない。着いて来てくれるかな仲村?」
「当然じゃない」

今まで以上に、僕は胸に刻む。
口だけではなく、必ずこんな悲劇は起こらせない。



【岸沼良樹@コープスパーティー  死亡】



【C-4 墓地/午前】

【阿良々木暦@物語シリーズ】
【装備:FN ブローニング M1910(6/7)@現実】
【所持品:支給品一式、FN ブローニング M1910の弾丸(42/42)、ランダム支給品×2】
【状態:腹部に貫通した銃痕(致命傷ではない)】
【思考・行動】
0:バトルロワイアルを終わらせる。
1:ゆりと行動、殺し合いには乗らない
2:仲間探し。特にゆり、中嶋、アストレア、井ノ原の仲間探し
3:みんなとの合流、特に忍野忍、戦場ヶ原ひたぎを最優先
【備考】
※鬼物語で八九寺真宵が成仏してからペアリングが戻る前までのどこかからの参戦
※ペアリングが切れているため、吸血鬼性は限りなく低いです
※死後の世界について凡そ聞きました
※午前の放送を聞いていません



【仲村ゆり@Angel Beats!】
【装備:鉈@ひぐらしのなく頃に】
【所持品:支給品一式、ランダム支給品×2】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:阿良々木君と行動してバトルロワイアルを終わらせる。
2:別の作戦を考える
3:仲間探し。特に阿良々木君、中嶋さん、アストレアさん、井ノ原君の仲間を探す
4:気にいらないから主催どもを殺す
【備考】
※ユイが消えるまでのどこか
※ここが主催者達が作りあげた未知なる世界だと推理しました。またゲームの世界という案が一番強く感じています。
※午前の放送を聞いていません



※岸沼良樹の支給品(コルトパイソン(3/6)@現実)とデイパック(コルトパイソンの弾丸(30/30)@現実、3のPDA@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-)はC-4墓地に転がっています。



【刻命の回収したサバイバルナイフ@コープスパーティー】
本来は島田快の所持しているナイフ。ネット通販で買った物らしい。だが、刻命が使っているイメージの方が強いだろう。

【コルトパイソン@現実】
コルト社のマグナム弾対応型高級リボルバー。

【3のPDA@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】
長沢勇治に支給されるPDA。解除条件は参加者3人の殺害。当然このロワにてこのルールは適用されない


君達に届け 時系列 [[]]
翼ある銃 投下順 君達に届け
1人の逃走劇/暴走劇/復讐劇 岸沼良樹 DEAD END
水瀬名雪 [[]]
語られなかった想い 直井文人 [[]]
白鐘直斗 [[]]
例外の方が多い法則 阿良々木暦 [[]]
仲村ゆり [[]]
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