私は夢と現実どちらの世界に居るのだろう?

確か昨日は私の通っている如月学園の文化祭だったはずだ。
ウチのクラスはおしるこ屋をする事にして「その一杯に愛を込めろ」とスローガンにコスプレをしたり大はしゃぎの接客など盛り上がった。
そしてそれが終わるとクラス委員長である篠崎さんが『幸せのサチコさん』というおまじないを、鈴本さんと別れになるからとそれを行った。
『サチコさんにお願いします』と私を含め、みんなで唱えてそれを――千切った。

それを行った瞬間、外では雷が落ちて、それが合図とばかりに机が倒れる程の強い地震が起きた。

そして目が覚めるとそこに広がっていたのが、このバトルロワイアルの舞台であった。
シャルル・ジ・ブリタニアたる者達が見せしめとして選んだ少女。
その片方に見覚えがあった。

私の好きなクラスメート、持田哲志の妹である由香ちゃんであった。

体内の胃から何か吐きそうになる様な衝動を私は耐えて、耐えて、耐えて、耐えて耐えて耐えて……。

次に目が覚めるのは夢?現実?

―――――

目を覚ます。
そこは真夜中で路上で寝かされていた。

起きると若干の息苦しさを感じた私は首に手を回すとやはり夢で見た首輪が今の私に装着されていたらしい。

――ここは、夢であり、現実であった。

「……ふぅ」

深呼吸をする。
由香ちゃんの死に激しく動揺していたが、眠らされた今落ち着きだけは持っていた。

こんな小さな事ですら主催者側に踊らされた気分で良い気はしない。

デイパックも律儀に置かれており手を伸ばす。
まずはどんな事より名簿を確認する事しか頭に入っていなかった。
他の果物ナイフやテストプリントが数枚などのランダム支給品と呼ばれる物をどかして名簿を引っ張る。

「哲志、岸沼君、篠崎さんの3人もこのバトルロワイアルに巻き込まれたのね」

他にもおまじないをしたメンバーはどこに行ったのか?
それはわからない。

でも私以外にも巻き込まれたというのならば1つは確実に言える。

――これは非常な現実である。と……。

―――――

デイパックを漁り支給品の確認やノートにまず起きた事を整理しながら書き込んでいた。
ノートにはこれからの方針も考えていた。
そして私がくだした方針は『殺し合いには乗らない事』であった。
ここで殺し合いに乗ってしまえば犠牲になってしまった由香ちゃんが浮かばれないと思ったからだ。

「よぅ、やっぱりあんたも巻き込まれた参加者って事かい?」

誰か人と協力する事を決めてここから動こうとした時、タイミング良く人の姿が見え、向こうから話しかけられた。

背の高い男だった。
赤いハチマキをしていて、体も大きい男。多分筋肉とかすごいのだろうと初対面からそんな事を考えてしまう。

いや、話しかけられたのが1人の男だっただけでもう1人の女が居た。

長い金髪の可愛らしい人であった。
そして何故か白い羽根が生えている。
コスプレ?

「うん。私は中嶋直美ね。よろしく」
「俺は井ノ原真人、そしてこっちの女はアスパラガスだ」
「違うって、アストレアだからー」
「どっちでも良くね?」
「良くない」

井ノ原真人とアストレアと名乗った2人の自然な自己紹介を聞いて驚いたのは2人はついさっき知り合ったばかりという事らしい。
まぁ自然なやり取りにびっくりしただけで、最初から知り合いに会える人など絶対少ないのだろう。

「俺達は殺し合いをするつもりはないから安心しな。お前もバトルロワイアルなんかに乗らないだろ?」
「うん。それに乗ったら私の親友の妹さんが浮かばれないよ」

井ノ原君とアストレアさんがそこは察した顔をしてくれた。
少し悪い空気が流れ始め、それを変えようとしたのかはわからない。

「はい!ところで質問あるんですけど良いですか?」

アストレアさんが手を挙げていた。

「ん、何だ?」

井ノ原君がアストレアさんに視線を移すと自信満々にアストレアさんがみんなの口をポカンとさせる一言を口に出した。

「バトルロワイアルってなんですか!!」

―――――

「よし、これから動いて仲間になってくれそうな奴を探すか?」
「待って、それならここで待機していた方が良いと思うわ」
「え?どうして?」

井ノ原君の意見に私は反対をする。
因みにアストレアさんは周りに任せる事にさせた。

「まだ先は長いのよ?動いて体力を使ったら、殺し合いに賛同する人から襲われた時に逃げるのに一苦労すると思うの。だからここで人を待っていた方が良いわ。あなた達みたいに仲間になる人だって居るかもしれないし一石二鳥じゃない」
「なるほどな。『石の上にも当たる』って事だな」
「なんか混ざってるよ?」

石の上にも三年、犬も歩けば棒に当たるの2つがごっちゃになってる。
初めて見たよ、そんな人。

「ところでアストレアさんのその背中の事聞いても良いかな?」
「背中?」

アストレアさんは背中を見る。
私は誰も突っ込まない羽根の事を聞きたいと思う。

「え?アスファルトの背中になんかあるのか?」
「アストレアだってば!でも何も変な物なくない?ねぇ真人もそう思わない」
「あぁ、確かにこいつの背中には何もないぜ中嶋」
「いやいやいや……」
「お前理樹みたいだな」
「いや、誰よそれ?」

そういえば名簿にそんな名前があった気はするが……じゃなくて羽根の事だよ羽根。

「井ノ原君は不思議じゃないの?アストレアさんの羽根」
「羽根?そんなの生えて……た!お前その羽根はなんだよ!?天使なのか!?はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。4わけわからんポイントだぜ!」
「いや、本当にわけわからんよ」

井ノ原君のその反応を含めて。

「私は地蟲(ダウナー)じゃありませんから。局地戦闘用エンジェロイドタイプΔ(デルタ)、アストレアですから」

聞き慣れない単語が多すぎる。
でも聞き慣れない単語が多いからこそアストレアという変わった名前なのではないだろうか?

「つまりお前は未確認生物ってわけだな」
「はい。ただ制限とからしくて飛べないみたいですけどね」

普段は飛べるらしい。
もしかしたら彼女は異次元の世界とかから来たのかもしれないわね。

「他にもそのエンジェロイドっていう知り合いは参加しているの?」

カタカナの名前をざっと思い出してもウルキオラ・シファーとかキョンとかライダーとか居た気がする。

「イカロス先輩とニンフ先輩が参加しています。あとは知り合いで……桜井智樹って奴も居ます……」

何故かアストレアさんは『桜井智樹』という名前を出した瞬間赤くなった。
好きな相手だろうか?

「お前顔赤いぜ?その桜井って奴が好きなのか?」
「うるさいわよ真人」

というか井ノ原君も気付いていた。
そういうの鈍そうなんだけど。

「因みにみんなの知り合いを聞いとこうぜ。俺の仲間には棗恭介、宮沢謙吾、直枝理樹、棗鈴、来ヶ谷唯湖って奴だ。中嶋は?」
「篠崎あゆみ、岸沼良樹、……持田哲志」

うわー。
哲志の名前を出しただけなのになんか恥ずかしいー。

「お前顔赤いぜ?その持田って奴が好きなのか?」
「うるさい井ノ原君」

というかそんな無駄な鋭さを冴え渡らせないで良いから。

―――――

「ただ待っているのも暇だなー……。筋トレでもしてっか」
「それ体力温存している意味ないから」

「はい!筋トレってなんですか!!」
「おっ!?お前も筋肉に興味があるのか」
「人の話聞いてる!?」

なんというか……。
2人共頼もしいんだけど……。

――ただのバカだよね?



【B-7 野原/未明】

【中嶋直美@コープスパーティー】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 果物ナイフ@現実 テストプリント@Angel Beats! ランダム支給品×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:殺し合いに乗らない。
2:ここで待って体力温存しながら仲間勧誘。
3:ゲームに乗った人が居たらすぐに逃げる。
【備考】
※おまじないをした直後からの参戦です。
※アストレアと真人をバカと認識しました。


【アストレア@そらのおとしもの】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:真人と直美の方針に従う。
2:殺し合いには乗らない。
【備考】
※カオス戦(1回目)からの参戦です。


【井ノ原真人@リトルバスターズ!】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:殺し合いには乗らない。
2:ここで待って体力温存しながら仲間勧誘。
3:待っているのが暇だから筋トレしたい。
4:アストレアを筋肉仲間に誘えるかも!?
【備考】
※Refrain開始直後からの参戦です。


【果物ナイフ@現実】
家庭様の果物の皮を向く小さなナイフ。

【テストプリント@Angel Beats!】
ゆり達が罠を仕組む時に使用されたテスト用紙。奏が生徒会長を辞めさせられるぐらい相当ふざけた事を解答欄に書かれる。


024:神のみぞ知るセイカイ 時系列 022:生徒会の一存
010:その男ら、凶暴につき 投下順 012:皆の世界をまもるヒト
START 中嶋直美 062:悠久の旅人〜Dear boys
START アストレア
START 井ノ原真人

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最終更新:2012年12月29日 20:40