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とりあえず。
先に言っておこう。


人ってものは何時でも狂うことが出来る。


いくら正義を貫こうと。
いくら王道を歩もうと。
いくら良心が働こうと。
いくら公正で在ろうと。
いくら正しく、より正しく生きたところで、狂うこと自体は容易いのである。

ただ、ここで狂うという言葉を使うと。
このバトルロワイアル内で「狂う」という単語を使うとどうしても負のイメージが先行してしまうものだが。
ここで言う「狂う」は別に負のイメージとは限らない。

要するに。
今までの「存在証明」という名の志から逸れることを「狂う」と使わせてもらおう。
例えば、今まで軽犯罪を繰り返してきた男が真っ当に生きているのも一つの「狂い」だろう。
例えば、ずっと引き籠って不登校生活していた学生が学校に行こうとするのもまた一つの「狂い」。

ただ一つ。
一つの切っ掛けにおいて、人間は良くも悪くも変わることが出来る。染まることが出来る。
友情。恋愛。使命。責任。勘違い。罠。
種ならば幾らでもある。
だからこそ。
人というものは変わるのだろう。


この「バトルロワイアル」という促進剤を前にして、より健やかに。


まあ。
そしてここに。



どういった意味でかはさて置いて。
この一件を境にしてかはいざ知らず。
それでも「狂った」人間が数人。


そんな人たちの物語を見てゆこう。



 × × ×



「情報統合思念体にこの件についてコンタクト開始――――コンタクト失敗」

長門有希は、言うまでもなく宇宙人だ。
正確には対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスというのだが、ここは宇宙人と統一させてもらう。
ともあれ彼女は宇宙人というだけあり、人ではない。人に擬態した人外。
何て言い方を言うと害あるものかと思われるとこちらとしては思うことがあるのでここにきっぱりと言っておく。
少なくとも普段の彼女は害あるものではない。

彼女はいわば監査員だ。
対象者は、『神』涼宮ハルヒ。

「………どうして」

涼宮ハルヒは『願望を現実に変える能力』をその身に秘める。
今回の件、「バトルロワイアル」においては尤もな流れとして封印されてはしまったのだが。

ともあれ、その力は言うまでもなく膨大だ。
影響力、強制力ともに使う本人の如く傲慢だ。
その力に、通称キョンを始め彼女も振り回されている。
かつての八月の件なんて最もな例だろう。

それでも。
せめてもの救いを言うのであれば、彼女がその力を存じていないこと。

たとえ唐突に桜が変色しようとラッキーで済ませ、
たとえ突然灰色の空間に招かれ青色の怪人に襲われたのも夢オチで済ませる。
そんなこんなで今までその力を知らずして過ごしてきたのが、救いだ。

そして――――彼女らの成果ともいえる。

人間。
そんな力を自分がもっていると知ったらどう動くか分からない。
信じようにも信じ切れなくなる。
故に彼女らは、その力を隠匿しながら平穏で波瀾なが苦戦生活を今までは送っていたのだ。

「再度情報統合思念体にこの件についてコンタクト開始――――コンタクト失敗」

さて、そんな紹介も程々にしておいて。
今現在の彼女を見ていこうと思う。

彼女が先ほどから行っているのは、言葉通りに情報統合思念体コンタクト―――接触だ。
先ほどから専門用語が多くて困るが、情報統合思念体とはいわば彼女ら宇宙人の元締め。親玉とも言い変えられる。
彼女が文字通り宇宙人並みにいかれた力を使えるのはこの存在あってこそと言い変えても差支えは無い。

まあ、ともあれ。
彼女は先ほどからずっとそのように接触を試みていた。
しかし、結果はことごとく失敗の一路を辿っている。
いや正しく言うならば、接触は出来る。最低限の要請もできる。

だが。
このバトルロワイアルの壊滅を許してはくれない。

許してくれなければ、何もできないのが彼女の能力。
それは彼女としても理解しているし、無論のこと彼女はそれを由としている。
されど、場合が場合。


この場に置いて、情報統合思念体が、要請を拒否する理由などあり得ない仮定の一つを抜きにすると、そもそも皆無なのだ。


朝倉涼子というバックアップといえる存在ならいざ知らず。
この長門有希となればそうはいかない、いかせない。
けれども現実では、接触に滞る。

幾ら相手側に、「朝倉涼子」という存在があろうとも、というよりかは在ること自体がおかしいのだがさておいて。
「朝倉涼子」にはそれだけの力は、情報統合思念体に関する力は先の通り長門有希の方に分がある。

けれども、何故だか。

この「バトルロワイアル」が始まって以降、ずっと不調なのだ。

理由は分からない――――わけでもない。
しかしそれはあり得ない仮定なのだ。


「涼宮ハルヒ――――?」


そう、その一つのあり得ない仮定。
考えるまでもない、一つの可能性。


それは、涼宮ハルヒがこの状況を望んだという可能性。


理由は別に思い返せば幾らでも思いつける。
元々なにかしらに感化されやすい涼宮ハルヒのことだ。
サバイバルゲームをやってのことから発展していったのもかもしれない。
テレビの特集で戦場についてのことをやって何かに期待して胸躍らせていたのかもしれない。
ふとして、唐突に突拍子に思いついただけなのかもしれない。

しかしそれでも。
それだけの切っ掛けにおいても、涼宮ハルヒを前にすれば実現する。

けれど彼女なりにそれは無いと見込んでいた。
普段の彼女の生活を見ると、そんなことはねじ曲がっても考えないだろう。
そういう評価を下し観察していた。
少なからず、昨日までの彼女にはそうした挙動などは見受けられなかったのだから。


ただ。


この、情報統合思念体との滞りを受けると。
彼女の中で、その可能性は徐々に肥大化していった。

元々、情報統合思念体とは、彼女の意思が最優先といえるべき個所が見受けられる。
つまりそれが意味するのは、彼女の意思の尊重。
そんな性質を有する概念。

だから彼女はこう考える。
だから彼女はこう思った。


それが、「バトルロワイアル」を打開できない理由なんじゃないのか、と。
この一件には、涼宮ハルヒの意思が一枚買ってるのではないか、と。


だとすると。
長門有希。彼女が思うことはただ一つ。


ある種の失望。


仲間思いで、それ相応の人格者で、太陽の様な彼女。
そう認識していたのも改めなければなるまい。


かつて誰かは涼宮ハルヒに対しこう言った。


神―――と。


しかし、違ったようだ。

と。

彼女は、ふと呟く。


「悪魔………」


その声は、静かに木霊する。





 × × ×



こうして、彼女の中で、歯車は少しずれた。
だから彼女は、この「バトルロワイアル」において


「狂った」。



 × × ×



坂上智代と言えば、元不良の優等生だ。
文武両道の才色兼備。
その銀に煌くなびく髪は、このバトルロワイアルに置いても健在である。

しかし、その目に映るのはいつもの希望に満ちた瞳ではない。
映るのは――――絶望。

「………願い」

一言、静かに呟く。
主催は言った。何でも叶えよう、と。



話変わるが、彼女には叶えたい望みがある。

学校の前に続く長い坂道に咲く、綺麗な桜の花を守りたい。

そんな望みがある。そんな願いがある。
弟と、また再びあの坂の桜の花を。


「――――ふう」

と、考えたところで思考を中断する。
首を大袈裟に横に数回振った後、両手で両頬をパンッと小気味の言い音をたててはたく。

「これでは、朋也の奴へ顔向けできんな」

岡崎朋也。
彼女の――――彼氏。
まあここにいる彼は、違うのだけれども。

言うなれば、この場に置いては彼女は独りなのだけれど、ここではおいておこう。

「…………まあ、惜しくないと言えば嘘にはなるがな。朋也を殺してまで手に入れるものでもない」

自分に言い聞かせるように、独り呟く。
そして、再度決心する。

「………」


殺し合いには乗らない、と。


 × × ×


彼女の場合は、既に「狂っていた」という描写が適切だろう。
人を傷つけるのに躊躇いなどなかった、やさぐれていたかつての日から。
彼女は正義の人に、成り上がった。


だから彼女も「狂った」という言い方をさせてもらおう。


 × × ×



そして、そんな少女らが、邂逅した。



 × × ×


人吉善吉。
彼の体は今は自然と軽かった。

「…………カッ」

が、溜息を吐かざる負えなかったのがこの現状。
ようやくのことで、自身のやりたいことがはっきりしたというのにもかかわらず、この仕打ち。



やっと、自分が、黒神めだかへの恋慕に自覚することに達したのに。



その結果が、バトルロワイアル。

意味が分からない、不条理過ぎる。

そんな事を思いながら、彼は歩いていると。


彼は遭遇した。
二人の人間と。



長門有希と、坂上智代に――――。




 × × ×



長門有希のこの件の対応とすれば、俗に言うところのマーダー化だ。
情報統合思念体が望むのであれば、逆らう術などない。


涼宮ハルヒがそう望むのであれば―――――。


無論好きでやっている訳ではない。
むしろそう言った行動しか取れない自分に苛立ちにも似た感情しか取れない。

けれど、やらなければ。


そう決意したのち、直ぐ様彼女は出会った。
別の色をもった、決意を宿す心強い瞳を。



だから、多少のためらいの後。




彼女は殺戮を始めようと試みた。




 × × ×



「―――――くっ」

坂上智代は、長門有希が自身の姿を発見する数秒後にその姿に気付いた。
大人しそうなその風貌と、武装なき姿を見て、始めは話を掛けようと、近づいた。

そこまでは何の問題もなく進んだのだが、次の瞬間その考えは無下にも抹消される。
何時の間にか握ったのか、ナイフを片手に、ゆっくりとこちらに近づいてきた。

対し智代の元には何ら武装は無い。

まだ確認すらしていなかった。それほどまでにこの現実を受け入れるのに時間をかけてしまったのだ。


それでも敵は待ってくれなかった。
一瞬の空白の間の後、一気に間を詰められる。


上からナイフが振りかざされる。だが、ここまでなら、智代だって場馴れ自体はしている。
辛くも腕を取り、背負い投げの要領で投げ飛ばす。
長門の身体は軽々と投げ飛ばされ、近くにあった木に激突する。

しかし、長門の方はさしてダメージは食らっていない。
さもありなん。なにせ彼女には――――制限はあれども防御壁自体は創れるのだから。


そして、彼女は走って逃げだした。とてもじゃないが、敵う相手ではない。そう本能的に察知したから。
長門有希の方はそれをただ静かに見つめているだけだった。



 × × ×


人吉善吉は考える。
ここで、どちらの方について近づけばいいのか。


人を投げ飛ばして逃げた彼女を追えばいいのか。
人を殺そうとして返り討ちにあった彼女に近づけばいいのか


前者には害意は無かった。
後者には殺意があった。



さて、選択の刻。
彼が、選んだ選択肢とは――――――。




【C-4 森/未明】

【坂上智代@CLANNAD】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:朋也たちと合流
2:とりあえずは逃げておく
【備考】
※智代ルート、卒業式直前からの参戦です


【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】
【装備:ナイフ@現実】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康、本当に乗るべきかの悩み】
【思考・行動】
1:殺し合いに乗る?
【備考】
※参戦時期は今後の書き手様にお任せします
※有希の装備しているナイフは情報操作で出したナイフですのでランダム支給品にカウントされません


【人吉善吉@めだかボックス】
【装備:不明】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:健康】
【思考・行動】
1:どちらの少女と接触するか
2:みんなと合流
3:めだかちゃんに惚れてもらう
【備考】
※めだかと付き合いたいと自覚した直後からの参戦です



【ナイフ@現実】
長門有希が情報操作で出したナイフ。

028:少女の戦 時系列 020:ラブコメディは突然に
017:破面の告白 投下順 019:俺の救世主さま
START 長門有希 053:かみのおとされもの(前編)
START 坂上智代 059:ぜんきちタイガー
START 人吉善吉
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