――どうなってんだよ、こりゃ!
今、自分はどんな状況なのか整理をしろ俺!

肩で息をしている俺はぼんやりだが大体の事を思い返してきた。

―――――

おまじないを俺達9人が行ったんだ。
だがそこで俺達は友人を何人も亡くしてしまい最終的には5人で『逆打ち』という方法で脱出をした。
戻ってきたのはもちろん学校。

だが、俺達がおまじないを行った自分の学校ではなく、室内でもない屋外に戻ってきた。

そこはグラウンドだった。
脱出をして俺達が見た最初の色は見慣れた赤色、『血』の色であった。

赤色の景色からまた赤色の景色へと移り変わり、また1人死んでしまった。

――どこまで俺達は死と隣り合わせなんだよ!

眠らされた俺は目を覚ますと砂浜。
制服に付いた砂浜の砂を落としていると、髪の長いおしとやかな女性が話しかけてくる。

「あなたもあの光景を見た人ですか?」

あの光景。
彼女の言うあの光景とは、子供が実験と称してただ乱暴に動物を殺す様な、中身も意味もないくだらない殺しに巻き込まれた3人が死んだ事件の事だろう。

また、人が死ぬのは心が痛むな。

おそらくこの島には篠崎あゆみ、持田哲志、中嶋直美も来ているんだろう。
哲志なんか妹を殺されている。
今回は怒りの矛先があるぶん主催者にかなりキレているところなんじゃないか。
――それは主催者の思うツボなんぜ、哲志。

「あぁ。しかも死んだ奴の中に知り合いが居たんだ。やり切れないぜ」

主催者に対して憎しみが湧き出る。
俺のこの考えもきっと主催者に踊らされているんだろうな。

「私にも知り合いが居ました。私が好きな人の妹さんです」
「……ぁ」

あの由香ちゃんと一緒に死んだもう片方の子の知り合いか。

「くっ……、ぐぅ……」

下を向き、歯を食いしばり、憎しみをさらけ出しての声が響く。

「死んで当然なんだよ、あんな奴!」

全てを見下す目だった。

「あ、あんた死者をバカにするんじゃねーよ。そういうのは卑怯だ!」

今の言葉は聞き捨てならなかった。
死んだ者への侮辱。
返される事のない仕返し。
卑怯だ。
そんなの卑怯じゃないかっ!

「なんで?だってあいつが悟史君がしてきた事の方が卑怯じゃない!」

サトシ……。
由香の兄貴の名前もサトシだったな。

じゃあ死んだ2人の子達の兄貴は両方サトシって名前なんだったんだな。
偶然にしても気持ち悪い偶然だぜ。

―――――

沙都子がすぐに泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子が新しい親に対して反抗しては泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子がご飯をこぼしては泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子が村の人に悪口を言われては泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子が転ぶと泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子が悪い事をしては怒られて泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子が怖いと泣くから。
助けて、にーにーって。
それを悟史君が助けて。

沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、沙都子が、

にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、にーにーって、

すがりつくから。

悟史君が優しいのを誰よりも知っている沙都子だから。
沙都子をいくらでも守ろうとする悟史君だから。

何度も何度も悟史君が沙都子を守り、悟史君が傷付く。
悪循環の無限ループ。

そして、悟史君は……。

――消えた。

―――――

な、なんだよ。この女。
完全に狂っているじゃねーか!

俺は出来る限り彼女から逃げ出したく――逃げた。

「あいつらは言った。元の世界に返して、20億円を渡すって。その金を使えば望みを叶えると」

むしろこのゲームに喜んでいるとしか思えない。

「だから死ね!」

何故かは知らんが彼女は『止まれ』の標識を持っている。
だが破壊力だけはありそうだ。

「止まれ、トまれ、止マレ、トマレ、止まれっ、止マれ、止まれっ!」

まるでこの標識が見えないのかと言わんばかりの止まれコール。
だが止まった瞬間死んでしまうじゃないかよ!

俺は後ろを振り返らずに逃げる。
チクショ、砂浜という地形が悪い。

走るにも砂で埋もれるので上手く走れないのだ。

――バーンッ!

だが、俺から見れば救いの神が現れたのだ。

―――――

「お止めなさい」

そこには如何にも貴族という格好をした女性が居た。
日本人には見られない気高さや気品さがあった。
それもその筈。
彼女はこのゲームの主催者のゲームマスターであるシャルル・ジ・ブリタニアの娘、反抗を見せたルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの異母妹であるのだから。
世間知らずで、純粋で行動力のあるお姫様だ。
名はユーフェミア・リ・ブリタニア。
通称ユフィである。

その手には自分の因縁のある銃、竹とセラミックで出来たニードルガンを持っていた。
充分に威力だけはある。

ユフィはそもそもゲームには乗っておらず、父親を止めるつもりだ。

―――――

バン、バン。
2発彼女は銃を放つ。

それはあくまでも威嚇の為であり。

「ちっ、覚えていなっ!」

彼女を撤退させた。



【A-7 砂浜/未明】

【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
【装備:止まれの標識@めだかボックス】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×2】
【状態:健康、雛見沢症候群】
【思考・行動】
1:優勝して悟史君の元に帰る。
2:みんな殺す!
【備考】
※目明し編からの参戦です。
※彼女は雛見沢症候群にかかっていますがどの程度なのかは次の書き手さんにお任せします。



「ありがとうございます」

俺は助けてくれた少女に駆け寄った。
その少女はあまりにも可憐でキレイだった。

(い、いやっ、俺は篠崎が好きで……)

助けられてしかもこんなにキレイだと惚れてしまうのはしょうがないというか……。

「……ナィと」
「ん?」

何か呟いたかと顔を見る。
目が赤くなっているだけでなにもおかしな事はない。

「アナタ……は、日本人ですか」

少々歯切れが悪い。
それにどうしてそんな事を訊ねるのか?
深く考え過ぎか?

―――――

「あぁ、日本人だが?」
「日本人はコロさないと」

頭を銃に突きつけられて……。

バーン!

彼女のニードルガンからトゲが出された。

彼女の意志とは関係なく日本人を根絶やしにしてしまう呪い(ギアス)が彼女を蝕んでいる。

彼女――ユーフェミア・リ・ブリタニアが追いかけっこに割って救ったのは岸沼良樹なのか、園崎詩音だったのか。
その答えは誰にも答えられない。



【岸沼良樹@コープスパーティー】
【装備:なし】
【所持品:支給品一式 ランダム支給品×3】
【状態:???】
【思考・行動】
1:???
【備考】
※本編クリア後からの参戦。


【ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【装備:ニードルガン2/6@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【所持品:支給品一式 ニードルガンのトゲ12/12@コードギアス 反逆のルルーシュ ランダム支給品×2】
【状態:健康、ギアス】
【思考・行動】
1:父親を説得し、バトルロワイアルを終わらせる。
【備考】
※死亡後からの参戦です。
※彼女は現在『日本人を殺す』ギアスの呪いにかかっています。このギアスは人を強制させるものなのでユフィに抑える事は不可能です。



【止まれの標識@めだかボックス】
牛深柄春の武器(?)。本人が弱すぎていまいちよくからない。標識だからってデュラララ!なわけじゃないんだから。


【ニードルガン@コードギアス 反逆のルルーシュ】
ユフィが日本人殺害に使った竹とセラミックで作られた銃。装弾数不明なので装弾数の6発というのはこのロワイアルオリジナル。



047:魔女の惨劇会 時系列 023:夢想曲
018:バトルロワイアル狂奏曲 投下順 020:ラブコメディは突然に
START 岸沼良樹 064:1人の逃走劇/暴走劇/復讐劇
START ユーフェミア・リ・ブリタニア
START 園崎詩音 050:剣ツルギ物モノ語ガタリ

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最終更新:2012年12月28日 10:39