なにをやっても人並み以下の、魔法少女サティ。
勉強もしている。努力もしている。
それでも何故か、彼女の火炎魔法はステーキのひとつも焼けやしない。
魔法学校において、サティの魔法は悲惨なものだった。
落ちこぼれはすぐに苛めの対象にされる。
苛めは日増しに酷くなり、
やがてサティは、夜、まったく眠れなくなってしまった。
だからこそ気付けた。
夜、サティの自宅には妖精が訪れていたことを。
妖精が、サティの魔力を日夜盗んでいたことを。
彼女は大いに憤慨して、妖精からすっかり魔力を返してもらった。
その翌日。
サティはとても満足した面持ちで、すべて灰になった校舎といじめっこを見下ろしていた。
空中へ浮いた彼女はそのままどこかへ飛んで行き、二度と街に戻ってくることは無かった。
豪炎の魔女サティの、若かりし頃のエピソードである。
最終更新:2007年09月29日 23:56