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個人が自分と家族の被曝の量を減らすにはどう考えるか?

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glasscatfish

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もとになった tweet 【glasscatfish】
『考え方のノウハウ』が大事じゃないかと。放射線を半分にする方法が A, B, C とあるとき、それぞれの個人への被曝の原因が A>B>>C なら C に必死になっても仕方ない。自然被曝との比較も一考して

こう書いたとき頭にあったのは次の3種類の被曝です。

A) 原発事故由来の環境放射線の増加。現在では主に 137Cs からのγ線と考えて仮に 10mSv。
B) 自然被曝。典型的には年 2.4mSv。宇宙線・食品・人体の構成成分・大地に由来する空気中のラドンのα線やγ線など。
C) 原発事故由来の食品中の放射性物質(規制値未満)。総計しても年 1mSv以下に規制。

この A, B, C だと、最大値なら A>B>C という感じですし、実際の量なら A>B>>C でしょう。

「いや、外部被曝より内部被曝の方が怖い」というクレームがつきそうですが、B の自然被曝の中に必ず含まれているラドンの被曝は内部被曝です。平均的な日本の木造住戸では 1mSv 前後と見積もられていますが、住宅のタイプや土地によっては10倍以上、時には100倍にもなります。飲水中にも含まれますし、自然被曝の中には食品成分や体の構成成分(主に放射性カリウムの40K)による被曝も 0.3mSv 含まれるので、外部被曝・内部被曝の差の問題はクリア済みということで。

典型的な個人の被曝は上の A, B, C だと10mSv + 2.4mSv + 1mSv = 13.4mSv となります。
ここで明らかなように、個人にとっての被曝の総量を低下させるには A の 10mSv を低下させるのが最も効果的です。
地表に降下した 137Cs から放出されるγ線の寄与が大きいと言われますが、実際は地域・家族・個人によって、その 10mSv の内訳である被曝の原因と量は当然変わってきます。
例えば、
 地表に降下した放射性物質(主に 137Cs )由来のγ線
 晴天時に舞い上がる土埃に含まれる放射性物質
の他にも、公的な出荷基準と無関係に摂取される可能性がある放射性物質として、
 飲用に用いる水道水以外の放射性物質 (湧き水・井戸など)
 自家製の野菜に含まれる放射性物質
 山野草や野生のきのこに含まれる放射性物質
などがあります。

ですから、理想的には個々の家庭の個々の構成員について生活パターンや年齢をもとにそれぞれの原因による被曝量を先ずは計算、次に実測する必要があります。個人個人についてできなければ、いくつかのライフスタイルについて公的機関が計測し、数値を提供してそれを元に個人個人が自分の被曝量を減らす方策を考えるようにできたらいいのだと思います。

この時、誤解しやすそうなのが、「何でも放射線・放射性物質を防ぐ方策をとったらよい」とは限らないのがちょっと判断に注意が必要なところかもしれません。
例えば、空気中に原発事故由来の放射性物質が多く浮遊しているときは、マスクで防護することは有効ですが、降下してしまって、巻き上がりが少ないような場所では不要でしょう。
不要なだけならまだ良いのですが、屋外からの放射性物質を防ごうとして部屋の換気を止めると、建物のタイプと部屋の位置によっては放射性のラドンが蓄積します。
食品についても、野生のきのこはその地域のサンプルをだれも測定してなかったら避けるとしても、栽培もので出荷基準のあるものまで避けるかどうかは、その食品由来の被曝がどの程度かを個人個人がしっかりとした測定値を元に判断するしか無いでしょう。
この際には、自然被曝の量を知って、それと比較することも判断の基準として有用かと思います。

更には、放射性物質や放射線以外が健康に及ぼす影響も(しばしば低線量の放射線以上に)あるので、それとの兼ね合いも考えることも必要になるでしょう。例えば、微量の放射性物質を嫌うあまり栄養バランスが崩れては本末転倒になりかねません。
[2011/08/01(月)] [02:24:49]

【Yasushi】外から現地に、避難すれば?疎開させれば?というのはいいのですが、現実に子供を手元から離して、他人の手に委ねるリスクというのも無視できないほど大きいのが現実です。

気軽にサイエンスで少し触れた、子供環境から、土を剥がしたり、アルファルト敷設するより、「自然の篩(ふるい)」である玉砂利を敷設した方が、再飛散抑制、土だまりなどのミニ・ホットスポット防止に意味あるんじゃ内だろうか?というツィートをちょうどしたところでした。動画付きです。参考まで http://twitter.com/#!/yasushi64/status/97720034847232000
http://twitter.com/#!/yasushi64/status/97722058926067712

※関連、実演動画

[2011/08/01 2:50]

【Balsamicose】内部被曝の評価法で述べていただきたいと思いますが、「体の構成成分(主に放射性カリウムの40K)による被曝も 0.3mSv」は本当に正しいのでしょうか? 希ガスのラドンは体内と言っても肺の中くらいかと思うのですが、体液中にあるKと同様な評価方法だとしたら間違っていると思います。[2011/08/01(月)] [12:35:26]

【glasscatfish】
シーベルトは放射性物質ごとに体への吸収や排泄、組織分布まで考慮した上で換算した単位です。体への影響という意味では同じ数字が同じくらいの危険度を表していても、そもそも体内分布が違ったりするのですから、個々の臓器への影響まで同じになるわけではありません。

Yasushi さん
小豆と米、あまりに見事でびっくり。

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