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「破壊と再生のオープニング」(2011/10/29 (土) 01:09:22) の最新版変更点
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世界戦変動率(ダイバージェンス)1.130205。
「あ、オカリンだ~。トゥットゥルー♪」
「相変わらず厨二過ぎるだろJK」
β世界線。
SERNによるディストピアも築かれず、まゆりが運命に殺されることもない、平和な世界。
「失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した……」
「死んだんだぞ!もう戻ってこないんだぞ!」
「バイバイ、パパ……」
「たった四日間だけ恋人だったボクのこと、覚えていて……くれますか?」
「私は……あなたの、大切な人を……殺したから……罰よ……ごめんなさい」
「お前は、15年後に殺す。それまで怯えて待ってなさい」
「まゆしぃは、オカリンの役に立てたかな」
仲間の願いを犠牲にして。
数々の悲劇を乗り越えて。
ようやく辿り着いた「俺が望んだ世界」
「さよなら」
だけど、
「私も、岡部のことが――」
牧瀬紅莉栖が、そこにはいない。
俺が愛した助手、クリスティーナは、いなかった。
だから。
ほんの、出来心のつもりだったんだ。
まともな答えなど得られるわけがないと、分かってはいても。
馬鹿馬鹿しいと、心の底から思っていても。
突然やってくる胸の空虚さに耐えきれず。
俺は、禁断の扉を開けてしまった。
■■■
某@ちゃんねるより一部抜粋
人を生き返らせることは出来ないんだろうか
1:鳳凰院凶魔:2010/11/20(金) 14:24:37.82 ID:BOwKdA4e
みんなの意見を聞かせてくれ
8:名無しさん:2010/11/20(金) 15:21:08.18 ID:kFVi878u
人が生き返るわけないじゃん、馬鹿じゃねーのw
14 :名無しさん:2010/11/20(金) 15:30:38.54 ID:kJki75tU
これは良い厨二病スレ
23:名無しさん:2010/11/20(金) 15:55:01.23 ID:Bdi8R5uj
俺に百万よこせば甦らせてやってもいいぜ
44:名無しさん:2010/11/20(金) 16:22.75 ID:qYfg76Cw
出来ないから医学は日々進歩してろんだろうがクソ
53:名無しさん:2010/11/20(金) 16:54:58.75 ID:hjr6rKio
生き返らせる方法ありますよ
詳しくは↓をクリック
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
■■■
天王寺裕吾の供述より一部抜粋
そうだな、あれは確か五時前くらいだったか。
客もこねーし暇だからテレビでもつけてたんだよ。
そしたら急にゴゴゴゴ、って店が揺れ出してな。
岡部の野郎がまたなんかやらかしたのかと思って、怒鳴りに行こうとしたんだ。
ウチのブラウン管がぶっ壊れたらどうすんだ!家賃上げるぞ!ってな。
「また」って?ああ、ちょっとした事情で岡部ってガキにウチの上を貸してるんだがな。
いつも仲間と一緒に馬鹿なことしてんだよ。未来ガジャットだかガジョットだかの研究所っつってな。
今日は昼から一人で来てたっぽいな。腑抜けた顔でよ。
275 :破壊と再生のオープニング ◆/a2shNJBkY :2011/10/26(水) 18:48:06.58 ID:lJfws5iK
……なに、そいつはいつも店を揺らすほどのことをしでかしてるのか、だって?
いや、そう言えばそんなことしてた覚えがないな。
そんなこといつもされてたら、今頃あいつをぶっ飛ばして追い出してるよ。
……じゃあなんですぐに岡部のせいだと思ったのか、か。
そうだな、確かに地震の可能性もあったし、どうしてだろうな。
うーん、なんか良く分からんが、あの時俺は「岡部の仕業に違いない!」と思ってたんだよ。
あいつがそんなことした覚えはないのにあるというか……いや、忘れてくれ、上手く説明できん。
とにかく、俺は肩を怒らせながら上に行ったわけだ。
こら、岡部!てめえ何してる!って叫びながら上がったから、あいつも俺が来てることには気付いてただろう。
だが、二階までは一方通行だから逃げ場なんてねえ、大人しくお縄につけ、ってな感じよ。
時間?そうさな、揺れてから二分もかからずに部屋についたさ。
そしたらよ、いなかったんだ。
まさかすれ違ったわけでもあるまいし、一応、部屋の隅々まで探したんだがいなかったんだ。
だから、俺は屋上にあいつが逃げたのかと思った。逃げ場なんてあそこしか無いと思ってな。
あそこも一方通行だから、そこで捕まえられると思ってた。だけどな。
あいつは屋上にもいなかった。
飛び降りて逃げたってのはちょっと現実的じゃねえな。
あいつはひょろひょろだからあの高さから飛び降りたら絶対に病院行きだ。
それに、そんな向こうみずな根性してるようにも見えないしな。
俺の知らないところに隠れてた、その線もあるかもしれん。
だが、このビルの所有者の俺でも知らん所をあいつが知ってたか、というと疑問が残るな。つまり、突如として岡部が消えちまったってわけだ。魔法みたいにな。
今の話の真相分かるかい、刑事さん。…………はは、冗談だよ。あんたの仕事は名探偵するじゃねえからな。
今みたいに、不審者についての聞き込みをすることだ。ご苦労様な事だぜ。
で、先日の不審者騒ぎと俺の話、どんな関係があるんだい?
……ほお、その黒バイク二人組が始めに目撃されたのがこの辺りだと。
時間も5時ほどか、確かに色々と符合するわな。
うん?しかも不審者の片割れは黒いヘルメットに白衣の男だった……?
なんつーか……いや、ノーコメントだ。何も聞かんでくれ。
しかしご苦労様なこったな。その不審者……黒バイクの二人組はなにをしでかしたんだ?
強盗か?ひったくりか?まさか殺人じゃないだろうな?
……あ?すまん、もう一回言ってくれ。俺の聞き違いじゃなけりゃ、
バイクで建物を「昇って」いった、って聞こえたんだが。
えっとよ、刑事さん。
あんた、本当にその与太話を信じてるのか?
いや、皆まで言うな。あんただって混乱してる、そうだろ?
バイクで建物を昇る、ねえ……そんなことあり得るもんかねえ。
……ん?仮に昇れるのなら「降りる」ことも可能じゃないかって?
あんたまさか、さっきの俺の岡部消失話と繋げてるのか。おいおい勘弁してくれよ。
ん、もう帰るのかい。大体のことは分かった、そうか。
あー……もしも、もしもの話なんだが、俺の知り合いがそっちのご用になった時は、優しくしてやってくれ。
いや、これは何の関係もないただの独り言なんだが、さっき言ってた岡部の野郎最近元気なくてな。
別にあいつのことなんざどうだって良いんだが、辛気くせえ面見てるとこっちまでそんな気分になっちまう。
あ、最後に一つだけ良いか。
なんであんた、このヤマを追ってるんだ?
建物を昇ったって話、嘘くせえ噂話にはなっても罪に問われるようなもんじゃねえよな。
そもそも、そんな話を警察が信じるか、って話だよ。
誰かが通報したとしても、せいぜい幻覚を見ただとか言われて病院を勧められるのがオチだろ。
自分一人で独断専行ってのもあり得るがあんた、そういう感じじゃないもんな。
失礼を承知で言うが刑事っぽくないっつーか、どっちかっていうと……。
それと、最初に出したあんたの警察手帳。
……最近、全国一斉で新しいのに変えた、だから今、闇で流されてるのは要らなくなった「古い方」って話
――――知ってたか?
あんた……本当に刑事(デカ)なのか?
…………。
冗談だよ、冗談。大嘘だ。
からかってみただけさ、すまねえすまねえ、この通りだ。
俺だって警察様の邪魔して火の粉を被るのはごめんだからな。つまらねえことに首は突っ込まないさ。
好奇心は猫をも殺す、ってか。ははは、馬鹿がいたと思って忘れてくれや。
それじゃ、今度こそ。お疲れさん。もう二度と会うこともねえだろうよ。
■■■
部屋いっぱいに、闇が吹き荒れていた。
大地が鳴動する。そこらに置いてある小物が、俺と一緒にがたがたと歯を鳴らす。
目の前に広がるのは、質量を持っているかのような影、陰、蔭。
その暗闇の中心に、
ヒトのカタチをした、何かがいた。
「あ、あ、ああ…………」
こんなつもりじゃなかった。
俺はただ、興味本位で。
いやだ、死にたくない。
「…………あ」
こんな化け物に。
殺されたくない。
しゅるしゅるしゅると。
部屋の中心で渦巻いていた影の中から、太い「触手」が伸びてきた。
俺の息がかかるくらい近くまでやってきたソレは、世にもおぞましげにぱっくりと大口を開けて――――。
俺は腰が抜けて、恐怖で麻痺して、蛇に睨まれた蛙のように、動けない。
捕食されるまでの僅かな時間がどこまでも長く、永く感じてしまう。
ああ、我が助手、クリスティーナよ。
俺も今だけはアインシュタインに文句を言いたくなる。
早く、終わってくれ。
永遠に続くかと思われた時間は、客観的には一瞬だったようで。
『問おう』
触手の喉口から迫り上がってきた、モノは。
「携帯……電話……?」
『お前が、私のマスターか?』
携帯電話としか形容できない物体のディスプレイに、そんな文字が書き込まれていた。
暴風と化していた闇は、一人の黒づくめの人間へと凝縮していた。
「こら、岡部!」
ミスターブラウンの声がした。
そこから先のことは、あまり覚えていない。
朧気な記憶の中で、俺は闇から生まれた男の手で屋上まで誰かに担がれて。
何処からか現れたバイクの後部座席に乗せられ、黒いヘルメットを被せられて。
男――いつのまにか黒いライダースーツをまとい黄色いヘルメットをしていた――は、エンジンをかけながら携帯を差し出した。
『つかまってろ』
そのままバイクは、フェンスを跳び越え、文字通り建物を飛び出した。
冗談抜きで、空中に真っ逆さまだ。
「qうぇrちゅいおぱっsっdf!!!」
死んだ。そう思った。形容しがたい悲鳴を挙げていたような覚えがある。
目を閉じる間もなく、走馬燈を見る暇もなく、俺は恐怖で目を見開いて、そして見た。
真っ黒のバイクは「建物の側面を床にして」走っていた。
俺は、気絶した。
■■■
夢を、悲しい夢を見ていた、気がする。
「つっ……」
覚醒した。
乗り物酔いをしたような感覚。少し気持ち悪い。
最後の記憶……ブラックアウトしてからどのくらい経ったのだろうか。
空を見ると、既に夕焼けは消え去り夜の帳が落ちていた。
あの衝撃的展開は……もしかして夢だったのだろうか?
『目が覚めたか?』
寝ぼけ眼に、携帯電話が突き出される。
黒いライダースーツに黄色いヘルメットの男が、俺を見下ろしていた。
やはり、夢じゃなかった。あり得ない展開に頭がオーバーヒートしそうだ。
『すまなかった。登場シーンは出来るだけ派手にした方が良いと知り合いに言われてな。
聖杯戦争に選ばれる魔術師が、まさかあそこまでビビりだとは思わなかった』
そう続けて携帯に打ち込む男の顔は、ヘルメットに覆われて表情が伺えない。
代わりとでも言うように、心なしかションボリ、といった仕草を見せている。
聖杯戦争?魔術師?ビビりというのは俺のことか?全く訳が分からない。
言いたいことや聞きたいことは山ほどあった。頭の整理が追いつかない。
いや、
そんなことよりも――――
「ここは……」
『適当にビルの上に昇ったんだ。誰にも邪魔されずに話をしておきたくてな』
そうじゃない。
「……そうか」
暗くて最初は分からなかったが、意識がはっきりした今なら分かる。
「これが」
ここは、
あの事件の、全ての始まりになった場所。
仲間を一人、見送った場所。
あの日――――紅莉栖と一緒に語らった場所。
ここは――――ラジ館の屋上だ。
「これが――――シュタインズゲート(運命石の扉)の選択か」
それは――英雄をも支配する第七の魔法。
俺が手にした――――偶然の産物。
岡部倫太郎の――鳳凰院凶魔の聖杯戦争は、ここから始まった。
『おーい、私の話聞いてるか?おーい(T_T)』