皇帝と伯爵


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

人は、平等ではない。
生まれつき足の速い者、美しい者、親が貧しい者、
病弱な体を持つ者、生まれも育ちも才能も人間は皆、違っておるのだ。
そう、人は差別される為にある。
だからこそ人は争い、競い合い、そこに進歩が生まれる。
不平等は悪ではない。平等こそが悪なのだ


神聖ブリタニア帝国第98代皇帝、帝国の象徴と言えるその男は「黄昏の間」と呼ばれる空間にその身を置いていた。
神を殺す、ラグナレクの接続により全人類を集合無意識へと回帰させ「嘘のない世界」を創生するという
人の身にとって大きすぎる野望をこの男は抱いていた。

「皇帝陛下!」
自らの野望に半陶酔していた所にきた突然の来訪者に眉をひそめる。
見ればその男はギアス嚮団に所属する研究員のようだった。

ギアス嚮団
ギアス能力者を誕生・研究するべく、シャルル自らが結成した組織であり
その存在は秘中の秘とされている。

「エリア11の冬木市地下大空洞に新たに発見された遺跡奥の黄昏の扉が異常な反応を示しています!」
そう研究員が告げたとほぼ同時に黄昏の間に大きな揺れが発生する。
黄昏の間は思考エレベーターであるアーカーシャの剣と呼ばれる人間に干渉するシステムの置かれる仮想空間であり外界とは断絶された場所である。
その黄昏の間にこのような地震めいた揺れが起こるなど本来ならば考えられない事態であった。
戸惑うのも一瞬、皇帝陛下シャルル・ジ・ブリタニアの脳内に思考エレベーターからありえない来客からのメッセージが流れてくる。

その説明はこんな一文から始まった
──Apocrypha(アポクリファ)運営チームの最高責任者キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグじゃ。

説明は至って簡単かつ明瞭なものであった。
1つ、並行世界における冬木市で近い未来に聖杯戦争が起きるということ
1つ、聖杯戦争とは7人のマスターとサーヴァントが最後の一人になるまで殺しあうバトルロワイアルだということ
1つ、勝者にはあらゆる願いを叶えるとされる万能の願望機『聖杯』を行使する権利が与えられること
1つ、その聖杯戦争のマスターの一人に神聖ブリタニア帝国第98代皇帝、シャルル・ジ・ブリタニアが選ばれたということ

「なんでも・・・と言ったな。それは文字通りどのような願い事でも叶えるということか?」
数十秒の思考の末発した問いに声の主は肯定の意を伝える。
「ふはははははははは。面白い!未だ実現せぬ我が願望、それがまさかこのような抜け道で達成される日が来ようとはな!」
皇帝は疑わなかった。
その声の主の持つ異常なまでの説得力もあったが、何よりも自身の信念によるものだった。

世の中は不平等であることを。
自分は選ばれた人間であることを。
聖杯戦争で勝ち抜きその悲願が必ずや達成されることを。

「人は平等ではない。不幸な境遇に生まれたものが幸福を享受したいならばそれ相応の努力が必要である。
ならば皇族として生まれた者は努力しなくてもよいのか?・・・否ぁ!
選ばれし者はその境遇に甘受することなく更に高みに昇らなければならない。
人生は、上がるか下がるか。現状維持などない。なぜなら、自分が成長しなくても時間だけは過ぎていくからだ。
なればこそ、此度与えられたこの境遇、試練、現皇帝陛下であるこのシャルル・ジ・ブリタニアが必ず乗り越えて見せようぞ!」

威風堂々と宣言する皇帝陛下の姿を見て、声の主は
冬木市に発見された黄昏の扉をシャルルのみに通れるよう限定的に並行世界へと繋いだことを告げその存在を消していった。
シャルルの手に痣のように浮かぶ令呪を残して。

その日の晩、時の皇帝陛下シャルル・ジ・ブリタニアは扉の先へと向かっていった。





月の綺麗な夜だった。
それはエリア11に似て非なる世界だった。
人気のない広場の真ん中でシャルルは告げる。
己の悲願を叶えるべき半身となるサーバントを告げる言葉を。

「神聖ブリタニア帝国第98代皇帝、シャルル・ジ・ブリタニアが告げる。
我が悲願、我が野望を叶えるために此度の聖杯戦争を勝利に導く誇り高き騎士よ。
我が望みに応えて今、この時を持って我に忠誠を誓い現界せよ!」

その言葉に応えて一筋の光が生まれる。

その者の存在感は圧倒的だった。
その存在は赤、圧倒的な赤だった。
見た目だけではない、全身に漂わせる血の香りがそう思わせたのだろう。
英国貴族、ヘルシング家に使役されている吸血鬼であり、対吸血鬼組織『英国国教騎士団(ヘルシング機関)』の対化物の切り札、殺し屋にしてゴミ処理屋。
その真名をアーカードとする化物がそれだった。

「問おう、貴様が私のマスターか?」

ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。