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蝶の幻夢」(2006/11/23 (木) 00:23:01) の最新版変更点

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これは夢だ。蝶の見せる幻夢。 『呼んで…貴方だけの私の名を……』 声が… 「…ぃ…おい…おい、帆希!」 「…奏摩…瑪瑙…」 **************************** 帰ってすぐ、白卿の元へ向かった。 「早速だが、仕事だ。これから遠征してもらう」 その後、卿がチャーターしておいたヘリで、瑪瑙、奏摩と共に目的地へ向かった。 着いた場所は、山。少し不思議な感じのする場所だった。 「では、5時間後に迎えに来る」 そう言い残して別の場所へ卿は向かい、僕達3人はそれを敬礼して見送った。 …のだが。 プルルルル 「はい」 『少し手違いが起きた。闇也が数名そちらに向かっているようだ。健闘を祈る。プツッ』 「…とりあえず、手分けして探そう。2時間後にここで。何かあったら合図をしてくれ」 「「了解(しました)」」 そして、そのまま僕は森へ入った… (薄暗い上に頭が痛い…) 森に入ってすぐ、頭痛がした。 この不思議な雰囲気に、頭が持って行かれそうだ… その時、何かが目の前を横切った。 「蝶…?」 この時期には飛んでいる訳がない。なぜ蝶が… 魅入られてしまったのか、自然と僕の足は蝶を追いかけていた。 その頃集合地では… 「遅い。何処まで行った?あの坊ちゃんは」 「奏摩」 苛ついている奏摩を宥めるように瑪瑙が呼ぶ。 「分かっている。でも、もうとっくに2時間は経ってるんだ。言い出したのは帆希だろう?何処まで行ってるんだ、まったく…」 「御身に何かあったのでしょうか?」 「待っていても埒があかない。探しに行くぞ」 あの蝶を追いかけていたら泉に出た。 こんな所があったのか、と驚き、ただただ神秘的な光景に目を奪われていた。 「蝶…」 さっきの蝶がまた目の前を横切り、泉の中央に飛んでいった。 そして、水面に触れるか触れないかの所で、輝き出す。 「…っ」 あまりに眩しくて、僕は目を開けていられなかった。 そんな中で声がした。 『帆希……』 「蝶姫?!」 それで夢を…いや、その時、倒れたんだと思う。 ***************************** 「それで、気がついたら、瑪瑙と奏摩がいたんだ」 「まったく心臓に悪い。瑪瑙なんて、お前が目を覚ますまで、 泣きそうな顔でオロオロしっぱなしだったんだぞ」 「奏摩!…ちゃんと知らせてくださいね。心配ですから」 「すまない…」 「あの…帆希様、さっきから気になっていたのですが、そのペンダントは…?」 「ペンダント?」 胸元を見やると、確かにペンダントが掛かっていた。 銀色をしたシンプルなもので、ロケット式になっている。 中を開けてみる。 「これは…!…このペンダント…蝶姫の物だ」 「「?!」」 ―貴方に幸せと平和の祈りを― 扉の裏にはそう書かれていた。 そして、反対側には写真。 瑪瑙も奏摩も、何も言う事は出来なかった。 沈黙が暫く続いた。 が、その沈黙は意外な形で破られる事となる。 「そのペンダント、渡してもらいましょうか」 「……闇也…随分と早い到着だな」 「急がせていただきました。お久しぶりですね、坊や」 「…」 「さあ、渡しますか?渡しませんか?」 「…渡さない」 「でしょうね。では、頑張ってください」 何を頑張れと言うのか。 そう思った瞬間、横から人影が飛び出してきた。 飛んできた刀を瑪瑙が受ける。 その間にも帆希は、紅嵐でローティスを遠ざけながら、入り口まで走る。 「奏摩!」 「ああ!そっちは任せた!」 少し遅れて、奏摩も帆希を追って走り出した。

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