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どうにかこうにか間に合った俺は着衣の乱れと汗、呼吸を整えた。 「ローティス、もし俺が間に合ってなかったらどうする?」 「言うまでも無いでしょう?アナタなら分かるはずです。」 「それもそうだな。変なことを聞いた。」 そして、暫くの沈黙。 「そういえば、龍の兄さんが持っている其れは何?」 「あぁ、これか?」 そう言って手に持っていたものを差し出す。 「これは、顔を隠すためのもの。 取りあえず巻いておけば分からないだろ?」 それは、インドの女性がよく顔に巻いているものと酷似していた。 「なぜ顔を隠す必要がある?」 「…なんとなく、か?」 「なんとなくで顔を隠す必要があるなんて、龍の兄さんも変わった趣味をしているのね。」 「まぁ、気にするな。」 アリスはふーん、と訝しげな返事を返すがそれ以上は聞いてこなかった。 そんなアリスの返事を気に留めずに、俺は持ってきた布をグルグルと巻きつける。 取りあえず、左目と鼻の部分は空けておいた。 自分の命の為にも。 準備が整った頃、徐々に目的地が見えてくる。 すると、ローティスが徐に口を開く。 「さぁ、仕事の準備はいいか?狩りが始まるぞ。」 俺とアリスはそれぞれに返事をし、気持ちを切り替える。 そして、目的地の森へと入っていった。

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