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決意」(2006/11/23 (木) 00:39:13) の最新版変更点

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燐、帆希、そして白卿… あの森から戻っても、ローティスはずっとそればかりを考えていた。 不思議な森は、自分に過去を思い出させた。 そして、過去の自分を取り戻させたのだ。 「ちょっと嫌な感じですね…」 独り言を呟きながら椅子に座っても、まだ考えから抜け出せない。 そもそも、自分がここに来たのは何故だったかと考えて。 ……突然、立ち上がった。 「今、何と?」 自分より上層の者に対面したローティスは、真剣な面持ちでもう一度言った。 「聞いて頂けるまで何度でも言いましょう。私は、今日を持って闇雲を去ります」 「何故だ!」 「…私はここにいるうちに麻痺してしまいました。 何故ここに来たのか、何故向こうを裏切ったのか。 それを忘れてしまったのです。 私は白蓮で通り名を持つ者。それを取り戻して思い出しました。 "ローティス"でなくなった私が、ここにいる価値はなくなったんです…」 「……そうか」 「はい。だからと言って、向こうに戻る気もありません。 見てみたいんです。中からではなく外から。 …いろいろご迷惑をお掛けしまして…」 「なら、自分の目で見つけてみると良い」 「え?」 「組織というのは、そこにいればそれに従わなければならない。 だから、私も形式上は君を止めなければならない。 だが、そういう者じゃないからね、君は。 君は一人になって何を見つけるのか…見てみたいと不覚にも思ってしまった。 ただ、これからは敵が多くなる。我等も君を野放しする事はしないだろう」 「…心得ております」 「行くと良い。君の抜けた穴は大きいが、どうにでもなる」 「今までありがとうございました」 特に誰にも別れは告げなかった。 建物を出て、一度だけ振り返る。 頭上の窓から知った顔が幾つか覗いているのが見えた。 少し笑った顔でエールを送って、ローティスはまた歩き出した。 end.

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