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ある日の午後、その男は丘にいた。
「雀も大変だな。人間と変わらないんだな。」
「ピチッ、ピチチチチチ」
「ふーん、寂しくなったら俺が癒してあげるよ。
暇な時は此処にいるからまたおいで。」
「チー」
そう返事をすると雀は去っていった。
この男、黒龍は口寄せを得意とする。
霊・動物…。実在するものとなら大概心を通わすことができる。
なぜこのような能力が身についたのかは不明。
子供の頃の体験なのではないかと本人は言う。

「さて、雀の悩み相談も終わったし、本部にでも帰るか。」
そう言い、立ち上がる。
「白使の野郎が来なければ平和なんだがな。」
その瞬間の彼の目には狂気を浮かべていた。

丘を下り、市内を通る。
腰に下げた日本刀さえなければ、彼も立派な一市民だ。
「今日は順調に帰れそうだ。」
その言葉通り本日は気分よく帰っているようだ。
いつもならば、白使のお出迎えがあるはずだろうに…。
「不自然だな、白使がいないのも。」
確かにそうである。

「それほど今日は重大な任務でもあるのだろうか?」
ぶつくさと独り言を言いながら歩みを進める。


そして、何事も無く本部へ到着。
真っ先に向かうのはローティスのもとである。
しかし、何か会議を開いている様子だったが、俺は迷わずに口を挟む。
「おい、今日はやけに白使が大人しいぞ。」
「そうですか?今日の白使は忙しいようですよ。」
「そんなことはないだろう?現に俺は白使と接触していない。
毎日のように会う、白使にだぞ?」
「少しは静かにして下さい。アナタらしくないですよ。」
そこでふと我に返り、呼吸を整える。

「黒龍、大人しく聞いて下さいね。
これから私は坊やに接触すると思われます。
しかも、あちらは数名の能力者を連れています。
私は今から挨拶しに行きますが、アナタは残っていて下さいね。」
数分の沈黙が流れる。
「ローティス、本当に俺は待機なのか?」
「強制はしませんが。」
何か、言っていることが矛盾しているが俺は俺を信じることにした。
「よし、俺も付いて行くからな。今日は一日中暇だったしな。」
そして、俺は強制的にローティスについて行くことにした。