数時間前、俺はローティスに付いていくことを決定した。
その後、アリスもくっついてくることになった。
しかし、不満点が一つ。
「ローティス、着替えたいのだが?」
「なんですか、こんなときに。」
「いや、そんな気分なんだ。白使とも会うだろうし、気分を変えたい。」
「アナタも変わった人ですねぇ。では、3分以内に着替えてきてください。
それが出来なければ置いて行きますから。」
「あぁ。」
「ロー兄さんは相変わらず無茶なことを言うのね。」
「そうか?無理なのか?」
それと同時にこちらを見やる。
「いや、無理でない。」
「じゃあ、3分後な。」

そして、俺は部屋へ。残りのものは入り口へと向かう。

しかし、3分はキツイ。
ローティスはいつもそうだ。
無理難題を出して喜んでいる。
変態が。

そんなことを思いつつ自室へと走って行く。
その間に何に着替えるかも考えなくてはならない。
まったく、疲れる…。
そして、自室へと到着する。
ここまでの間、約1分30秒。
我ながら早く走れたようだ。
そして、決めてあった服に着替える。
と言ってもこの時間で着替えるには着流しぐらいしか無理だ。
どう考えてもそれ以外無理だ。

そして、最大限の速さで着替える。
ここまでの時間、約1分50秒。
藍色の着流しに着替え、着替えるとは別に必要なものを手に取る。
そして、自室から飛び出し、入り口へと向かう。
しかし、着流しを羽織っただけで帯はしていない。
「こんな姿を見られたらローティスより俺のほうが変態か?」
そんなことを呟くが、時間が無い。
部屋まで1分30秒だった。残り1分10秒。
一瞬の気の緩みも許されない。

そこからは正に無我夢中だった。
走った道を覚えてない。
とりあえず、「間に合わなければ」ということしか考えられなかった。

そして、入り口へと着いた時。
「2分59秒・・・43。
ギリギリですが間に合いましたね。さ、行きますよ。」
疲れた俺を尻目にローティスとアリスは進んで行く。
間に合ったが、次の一歩が出せれない。
疲労・・・
疲労・・・
疲労・・・・・・・・

「そんなところにいては出発出来ません。早くしてください。」
「っ・・・ハァ・・ハッ・・お・に・・。」
疲れた体に鞭打ち、歩を進めた。
最終更新:2006年11月23日 00:27