ゴブリン

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#ref(http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/news/epg/img/0223_02_2.jpg) 今から1万6千年前、ホブゴブリンの帝国ダカーンがコーヴェア全土に覇を唱えていた。しかし、やがてデルキールが攻め寄せてくると、精強をもって鳴るホブゴブリンとその同盟軍もゾリアットの支配者たちには太刀打ちできなかった。“門を護る者”によってようやくデルキールが撃退されたあとも、ダカーン帝国が昔の姿を取り戻すことはなかったのである。サーロナから人間の入植者がやってくるころには、荒廃した帝国は彼らにとって格好の餌食だった。それから長いあいだ、かつて強勢を誇ったゴブリン類の名残といえば、外界との交渉を絶って洞窟や荒れ野に隠れ棲む諸氏族だけという時代が続く。多くの氏族がふたたび表舞台に姿を現しダーグーンを手中に収めたのは、ごく最近のことだ。ダーグーンは今、ゴブリン、ホブゴブリン、バグベアの天下となり、コーヴェアの他の勢力から独立を保っている。  ダーグーンのゴブリン類が営む社会は3つの主要部族に大別され、それぞれがまた数多くの氏族に分かれている。大体において、伝統的な役割分担が今なお息づいている。たとえば、氏族を牛耳るのはホブゴブリンである。なぜなら、彼らほど戦争と政治の訓練を積んでいる種族はいないからだ。バグベアは、氏族で最強の戦士または突撃兵の役割を担う。ほかのゴブリン類から一目置かれる肉体的強さを持ちながら、ホブゴブリンのリーダーを倒して権力の座に就きたいという野心を持つ者は少ない。もっぱら名誉ある戦士の役どころに満足しているからだが、なかには氏族とダーグーンを離れ、遠い異郷で傭兵や冒険者になるバグベアもいなくはない。いっぽうゴブリンは労働者、農民、職人であり、氏族に食料と武器防具を供給する責任を負う。またコボルドは最も卑しい仕事の担い手として、多くの氏族で酷使されている。  諸氏族は冒険者への転身をむしろ奨励している。ダーグーンの評判を広め、ダカーン帝国のレリックを発見し、外国の情報を故郷に持ち帰るべく、今日もゴブリン類の冒険者たちは世界に散ってゆくのである。

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