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#center(){&color(blue){&size(20){&u(){&bold(){流血少女エピソード-TEX2-コ89-}}}}} ---- 1. TEX2-コ89 AD2014。関西総督府において、さる計画に基づいた複数種の試作AL(Armed Limbs:被兵装肢群)、TEX2シリーズの開発が完了した。 TEX2系の機体は、本来汎用性を至上としていたALに、単一の目的達成のための機能を附帯させるかということを主眼においており、 そのために他系列と比してそのバリエーション、開発構想プランは非常に膨大である。 TEX2-コ89は、その中のコ型――高速強襲型に分類されるALである。 瞬間推力を駆使した敵陣突破能力の獲得に特化し、単騎先行しての制圧作戦を主眼としている。 機体腰部の超推力スラスターによる一撃離脱戦術により、 敵魔人及び敵兵器の「反撃を受ける前に接敵、攻撃、撤退を行う」という戦術ドクトリンの採用を想定しているのだ。 TEX2-コ89の基本構想はAD2008年9月に完成しており、そこから89番のナンバリングが与えられている。 しかし、要求性能の高さとは裏腹に、本機の開発には大きな問題が残っていた。 一つが、既存の装甲材では耐久性と重量の両立が不可能であったことである。 この要求は設計上非常に高水準であり、本計画を長らく机上の空論たらしめていた要因の一つであった。 この問題はLE9C合金の供与により、自壊しないだけの最低限の堅牢性と、類まれなる軽量化を高いバランスで実現することに成功している。 そしてもう一つが、エネルギー出力の問題である。TEX2-コ89は一撃離脱戦術を主眼においており、一瞬時間における高出力の確保は急務であった。 しかし、高出力を維持するためには通常稼働時から相応の出力を維持しておく必要があり、 稼働時間および排熱、耐久性の観点から、兵器として全く現実的ではない性能しか発揮できなかった。 この状況を打破したのが、マトリクスストーンの入手である。 J.A.L(ジェット・アウェイクニング・ロータス)と呼ばれるそのマトリクスストーンの生み出すエネルギーは、無尽蔵供与であることに加え、 最高出力への過渡即応性に非常に優れ、TEX2-コ89にとってまさに救世主であった。 マトリクスストーンの採用による副次的な効果として、大幅な小型化も実現され、TEX2-コ89は設計段階の全高の半分ほどにまで変更されている。 結果、人間とほぼ同等のサイズを実現し、人間用の手持ち武器の利用が可能になるなどといった本機の汎用性向上に大きく寄与している。 一説では、人間サイズまでの小型化により、理想サイズに比べた純粋性能は若干落ち込むにもかかわらず、 本機は意図的に人間サイズとされ、魔人コミュニティへの潜行という方法での防衛突破能力を見込まれたとも言われている。 しかしながら、後のsrrシリーズ等の隆盛を鑑みれば、人間型ALの開発は本機を最後に下火となっていることは明らかである。 「関西最後の人型兵器」TEX2-コ89は、時流に取り残された時代の徒花であると言えるのかもしれない。 TEX2-コ89の最終的な生産数は不明であるが、戦場における目撃数の少なさから、その数は多くはないはずである。 妃芽園制圧任務への投入が確認されている個体もあるが、その後の所在は不明である。 また、TAL系列と思われる機体に随伴する姿がとある戦場で撮影されており、他組織に技術供与なり流出等があったものとも考えられる。 2. HEAD UNIT TEX2-コ89のヘッドモジュールは、火器及びスラスターの一体型管制システムが最大の体積を占めている。 高度な制御システムであるそれは、一見統一性のないTEX2シリーズおいて唯一と言っても過言ではないほどに、 共通のシステムが採用されており、その信頼性が伺える。 また、前方のカメラアイ以外にも、視覚に限らない多種多様のサブセンサーが搭載されており、周囲の状況をいち早く探知する。 特に敵機に先んじて機動せねばならない本機においては、索敵性能の有無はまさに生命線となる。 頭部に限った話ではないが、本機を構成する流線型のフォルムが、たおやかな印象を与えることに成功している。 これは制圧後の慰撫的運用も期待しての措置ではないかと言われていたが、実際は軽量化した装甲で 最低限の対弾性を維持するための曲面形成であるという説が現在では有力である。 また、オプションとして頭頂部に“カチューシャ”と呼ばれる弾頭発射装置をマウントする計画があり、 それを可能とするためのアタッチメントが存在するが、オプション開発自体は凍結となっている。 3. BODY UNIT TEX2-コ89の胸部モジュールは、同系統の機体の意匠が継承されており、本機を“女性型”たらしめるフォルムを形成している。 各四肢モジュールの統合とポジショニングのみならず、制御ユニットや緊急回避司令ユニット、リンケージシステム、といった 第二の脳となるシステム及び、バーニアスラスターなどの機動装備、ひいては本機の文字通り心臓部となるジェネレータ“ジェットペタル”を 内蔵しており、前面の肥大した歪なシルエットとなっている。 ジェットペタル ジェット・アウェイクニング・ロータス(J.A.L)から精製された、実体化エネルギー結晶である。 精製元のJ.A.Lと同等程度の膨大なエネルギーの供給が可能であり、特に最高出力への過渡即応性に非常に優れるといった利点から、 本機のメインジェネレータとしてお誂え向きであったと言えるだろう。 ただし使い捨ての運用となり、使用時に体積を失うため、本機が全力で戦闘活動をとれる時間は非常に短い。 しかし、本機の運用形態を考えればさほど問題ではないレベルではある。 ちなみに、胸部の体積が失われることにより本機のシルエットも平坦に変化する事実をここに特記しておくものとする。 4. ARM UNIT TEX2-コ89の腕部は、徹底した軽量化とともに、肩部に高性能のサブスラスターが二門ずつ増設され、圧倒的な機動性能をもたらしている。 さらに、肘部にも一門のサブスラスターが仕込まれ機体全体の姿勢制御のみならず、腕部自体の駆動能力向上にも寄与している。 その駆動速度は凄まじく、白兵兵装を振り回すことによる高い攻撃力確保を可能としている。 徒手空拳での戦闘行動はその耐久力から期待されていないが、並の魔人を上回る膂力から、 非常時の攻撃オプションとしては十二分であろう。 可動域は広く、AIさえ許せば拳法オプションの採用が可能であるほど、その動きは人間じみた領域まで高められている。 5. LEG UNIT TEX2-コ89の脚部は、基本的にTEX2シリーズの基本フレームを採用、同等程度の可動範囲を有しているが、最も特徴的なのは可動部分の露出の高さである。 これは実は対魔人兵器ティアーズの普及を見越して取られた措置なのである。対魔人兵器戦闘において、ティアーズの影響を完全に排除することは不可能である。 開発当初の機体は露出部を出来るだけ減らすように設計されていたが、ティアーズなどの必殺級の直撃を受ければそれもほとんど無意味であることが予想されたのだ。 そこで、どのみち攻撃を受ければ耐えられないのなら、機体を軽量化することで致命的な命中自体の可能性を逓減させようといった設計思想である。 それは人間型ALの基本機能である歩行機能を維持するための股関節や膝関節の防護を最小限にするといった意味であり、従来の機体とは一線を画す処置であった。 とはいえヴァイタルエリアにはLE9C合金をふんだんに採用し、対弾性はともかく耐衝撃性および剛性に優れた構造がとられている。 さらに、クリアランスを大きく確保することに成功したため、人間を模した運動性能の実現が高いレベルでなされており、 将来的な格闘型魔人による遠隔フィードバック操作システムの開発においても、本機は一定の先見的な役割を果たしたといえる。 6. WEAPONS TEX2-コ89の武装については、本機の最大的特徴である専用武装以外には、固定武装を一切持たない。 手持ち武器については、基本的に人間の装備を流用することを前提としている。 銃器や刀剣はおろか、携行型の対魔人兵装やマジックウェポンに至るまでの使用も見越した措置であり、 特に潜入任務など、武器を持ち込めない環境下での運用を念頭に置いた設計である。 ただし、オプションという形で追加武装の使用も視野に入れた開発計画がなされていたとの報告もあり、 TEX2-コ89開発時のコンセプト迷走の一端が見受けられる。 試製十一式誘導光輝発射環“フレアスカート” TEX2-コ89最大の特徴をなす専用兵装。 腰部に外周状に多段配置されており、本機の独特のシルエットを形作っている。 ジェットペタルにより生成された高密度魔粧プラズマ体を排出し、本機に埒外の推進力を与える。 その推力をもって、本機は走行ではなく、跳躍や飛行と言うに相応しい戦闘機動をとり、 全方位に対する強力な回避力と接近および離脱能力すべてを兼ね備えることに成功している。 あくまで機動力確保のための装備であり、攻撃力の存在は副次的な効果であるため、 本装備は武器としてカテゴライズがされておらず、それを巧みに突いた運用を狙ったのでは、という専門家の意見もある。 ----
#center(){&color(blue){&size(20){&u(){&bold(){流血少女エピソード-TEX2-コ89-}}}}} ---- 1. TEX2-コ89 AD2014。関西総督府において、さる計画に基づいた複数種の試作AL(Armed Limbs:被兵装肢群)、TEX2シリーズの開発が完了した。 TEX2系の機体は、本来汎用性を至上としていたALに、単一の目的達成のための機能を附帯させるかということを主眼においており、 そのために他系列と比してそのバリエーション、開発構想プランは非常に膨大である。 TEX2-コ89は、その中のコ型――高速強襲型に分類されるALである。 瞬間推力を駆使した敵陣突破能力の獲得に特化し、単騎先行しての制圧作戦を主眼としている。 機体腰部の超推力スラスターによる一撃離脱戦術により、 敵魔人及び敵兵器の「反撃を受ける前に接敵、攻撃、撤退を行う」という戦術ドクトリンの採用を想定しているのだ。 TEX2-コ89の基本構想はAD2008年9月に完成しており、そこから89番のナンバリングが与えられている。 しかし、要求性能の高さとは裏腹に、本機の開発には大きな問題が残っていた。 一つが、既存の装甲材では耐久性と重量の両立が不可能であったことである。 この要求は設計上非常に高水準であり、本計画を長らく机上の空論たらしめていた要因の一つであった。 この問題はLE9C合金の供与により、自壊しないだけの最低限の堅牢性と、類まれなる軽量化を高いバランスで実現することに成功している。 そしてもう一つが、エネルギー出力の問題である。TEX2-コ89は一撃離脱戦術を主眼においており、一瞬時間における高出力の確保は急務であった。 しかし、高出力を維持するためには通常稼働時から相応の出力を維持しておく必要があり、 稼働時間および排熱、耐久性の観点から、兵器として全く現実的ではない性能しか発揮できなかった。 この状況を打破したのが、マトリクスストーンの入手である。 J.A.L(ジェット・アウェイクニング・ロータス)と呼ばれるそのマトリクスストーンの生み出すエネルギーは、無尽蔵供与であることに加え、 最高出力への過渡即応性に非常に優れ、TEX2-コ89にとってまさに救世主であった。 マトリクスストーンの採用による副次的な効果として、大幅な小型化も実現され、TEX2-コ89は設計段階の全高の半分ほどにまで変更されている。 結果、人間とほぼ同等のサイズを実現し、人間用の手持ち武器の利用が可能になるなどといった本機の汎用性向上に大きく寄与している。 一説では、人間サイズまでの小型化により、理想サイズに比べた純粋性能は若干落ち込むにもかかわらず、 本機は意図的に人間サイズとされ、魔人コミュニティへの潜行という方法での防衛突破能力を見込まれたとも言われている。 しかしながら、後のsrrシリーズ等の隆盛を鑑みれば、人間型ALの開発は本機を最後に下火となっていることは明らかである。 「関西最後の人型兵器」TEX2-コ89は、時流に取り残された時代の徒花であると言えるのかもしれない。 TEX2-コ89の最終的な生産数は不明であるが、戦場における目撃数の少なさから、その数は多くはないはずである。 妃芽園制圧任務への投入が確認されている個体もあるが、その後の所在は不明である。 また、TAL系列と思われる機体に随伴する姿がとある戦場で撮影されており、他組織に技術供与なり流出等があったものとも考えられる。 2. HEAD UNIT TEX2-コ89のヘッドモジュールは、火器及びスラスターの一体型管制システムが最大の体積を占めている。 高度な制御システムであるそれは、一見統一性のないTEX2シリーズおいて唯一と言っても過言ではないほどに、 共通のシステムが採用されており、その信頼性が伺える。 また、前方のカメラアイ以外にも、視覚に限らない多種多様のサブセンサーが搭載されており、周囲の状況をいち早く探知する。 特に敵機に先んじて機動せねばならない本機においては、索敵性能の有無はまさに生命線となる。 頭部に限った話ではないが、本機を構成する流線型のフォルムが、たおやかな印象を与えることに成功している。 これは制圧後の慰撫的運用も期待しての措置ではないかと言われていたが、実際は軽量化した装甲で 最低限の対弾性を維持するための曲面形成であるという説が現在では有力である。 また、オプションとして頭頂部に“カチューシャ”と呼ばれる弾頭発射装置をマウントする計画があり、 それを可能とするためのアタッチメントが存在するが、オプション開発自体は凍結となっている。 3. BODY UNIT TEX2-コ89の胸部モジュールは、同系統の機体の意匠が継承されており、本機を“女性型”たらしめるフォルムを形成している。 各四肢モジュールの統合とポジショニングのみならず、制御ユニットや緊急回避司令ユニット、リンケージシステム、といった 第二の脳となるシステム及び、バーニアスラスターなどの機動装備、ひいては本機の文字通り心臓部となるジェネレータ“ジェットペタル”を 内蔵しており、前面の肥大した歪なシルエットとなっている。 ジェットペタル ジェット・アウェイクニング・ロータス(J.A.L)から精製された、実体化エネルギー結晶である。 精製元のJ.A.Lと同等程度の膨大なエネルギーの供給が可能であり、特に最高出力への過渡即応性に非常に優れるといった利点から、 本機のメインジェネレータとしてお誂え向きであったと言えるだろう。 ただし使い捨ての運用となり、使用時に体積を失うため、本機が全力で戦闘活動をとれる時間は非常に短い。 しかし、本機の運用形態を考えればさほど問題ではないレベルではある。 ちなみに、胸部の体積が失われることにより本機のシルエットも平坦に変化する事実をここに特記しておくものとする。 4. ARM UNIT TEX2-コ89の腕部は、徹底した軽量化とともに、肩部に高性能のサブスラスターが二門ずつ増設され、圧倒的な機動性能をもたらしている。 さらに、肘部にも一門のサブスラスターが仕込まれ機体全体の姿勢制御のみならず、腕部自体の駆動能力向上にも寄与している。 その駆動速度は凄まじく、白兵兵装を振り回すことによる高い攻撃力確保を可能としている。 徒手空拳での戦闘行動はその耐久力から期待されていないが、並の魔人を上回る膂力から、 非常時の攻撃オプションとしては十二分であろう。 可動域は広く、AIさえ許せば拳法オプションの採用が可能であるほど、その動きは人間じみた領域まで高められている。 5. LEG UNIT TEX2-コ89の脚部は、基本的にTEX2シリーズの基本フレームを採用、同等程度の可動範囲を有しているが、最も特徴的なのは可動部分の露出の高さである。 これは実は対魔人兵器ティアーズの普及を見越して取られた措置なのである。対魔人兵器戦闘において、ティアーズの影響を完全に排除することは不可能である。 開発当初の機体は露出部を出来るだけ減らすように設計されていたが、ティアーズなどの必殺級の直撃を受ければそれもほとんど無意味であることが予想されたのだ。 そこで、どのみち攻撃を受ければ耐えられないのなら、機体を軽量化することで致命的な命中自体の可能性を逓減させようといった設計思想である。 それは人間型ALの基本機能である歩行機能を維持するための股関節や膝関節の防護を最小限にするといった意味であり、従来の機体とは一線を画す処置であった。 とはいえヴァイタルエリアにはLE9C合金をふんだんに採用し、対弾性はともかく耐衝撃性および剛性に優れた構造がとられている。 さらに、クリアランスを大きく確保することに成功したため、人間を模した運動性能の実現が高いレベルでなされており、 将来的な格闘型魔人による遠隔フィードバック操作システムの開発においても、本機は一定の先見的な役割を果たしたといえる。 6. WEAPONS TEX2-コ89の武装については、本機の最大的特徴である専用武装以外には、固定武装を一切持たない。 手持ち武器については、基本的に人間の装備を流用することを前提としている。 銃器や刀剣はおろか、携行型の対魔人兵装やマジックウェポンに至るまでの使用も見越した措置であり、 特に潜入任務など、武器を持ち込めない環境下での運用を念頭に置いた設計である。 ただし、オプションという形で追加武装の使用も視野に入れた開発計画がなされていたとの報告もあり、 TEX2-コ89開発時のコンセプト迷走の一端が見受けられる。 試製十一式誘導光輝発射環“フレアスカート” TEX2-コ89最大の特徴をなす専用兵装。 腰部に外周状に多段配置されており、本機の独特のシルエットを形作っている。 ジェットペタルにより生成された高密度魔粧プラズマ体を排出し、本機に埒外の推進力を与える。 その推力をもって、本機は走行ではなく、跳躍や飛行と言うに相応しい戦闘機動をとり、 全方位に対する強力な回避力と接近および離脱能力すべてを兼ね備えることに成功している。 あくまで機動力確保のための装備であり、攻撃力の存在は副次的な効果であるため、 本装備は武器としてカテゴライズがされておらず、それを巧みに突いた運用を狙ったのでは、という専門家の意見もある。 ----

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