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#center(){&color(blue){&size(20){&u(){&bold(){流血少女エピソード-(ピー)ちゃん-}}}}} ---- 「ヒャッハー モッテルモノヲ オイテキナー!」 『ひぃぃィ、お、お金は差し上げまス。い、命だけは助けてくださイ!』 「ヒャッハー カネダトー! ソーンナモン ケツヲフクカミニモナリャシネエゼー!  ダッテ …………オウムハ ケツナンカフカネエカラナー!(ドヤー)」 ここはダンゲロス本校舎から離れた部室棟の一角、大道芸部の部室だ。 普通の教室ほどの広さを持つそこは、 後ろにあたる側にロッカーを置きカーテンで仕切って更衣の場とし、 カーテンのこちら側、中央部を練習スペースとして空け、 壁際には道具類を積み上げている。 しかし今、前方の壁際は片付けられ、舞台として整えられている。 その中央に置かれた止まり木に掴まり、 声色を使い分けて一人漫才を行っていたのは、 冠羽をモヒカンとして立て、鋲打ちのプロテクターを着けたオウム。 畜生でありながら、歴としたダンゲロスの生徒であり、 大道芸部の部員でもあるピーちゃんである。 彼は観客として向かい合っていた部員達に、挑みかかるような前傾で、 「オモシロカッタラ ワラッテイインダゼー! ヒャッハー」 賞賛を求める。 部員達は互いに顔を見交わしあっていたが一人が徐に、 「今まではピーちゃんがオウムであることを  ネタに持ち込んだことは無かったから意外性はあったね。  ただ、それは世紀末ネタという芸風のブレにもなりかねないから、  実際に使うかどうかは慎重に判断しないとね。」 内容自体を評価したのではない良いとは言えない評価だ。 それを聞いたピーちゃんは冠羽を蠢かせ、そ知らぬ顔で羽を繕いだす。 それは清潔の為ではない。 動物がストレスを解消する為などに行う転位行動だ。 暫くして落ち着きを取り戻したピーちゃんは、 「オモシロカッタラ ワラッテイインダゼー! ヒャッハー」 同じ台詞で再び賞賛を求める。 まるで「聞かなかったことにしておいてやる」と言わんばかりだ。 ピーちゃんはモヒカン雑魚であり欲望に忠実だ。 ゆえに他者に対して自分本位に上から目線で、脅すようなことも少なくない。 相手が仲間でもその姿勢がまったく変わるわけではない。 しかし今回は好評を得る為に脅しとしてあえて同じ台詞を重ねたのではない。 単に忘れたのだ。記憶を。ストレスと共に。 なにしろ鳥である。脳みそがちっちゃいのだ。あるいはちゃっちいのだ。 よくある事だ。 対する部員達も慣れたもので平然としている。 そして彼らは大道芸人である。 大道芸人とはリクエストに応える者である。 しかし自らの芸風に嘘を吐かぬ者である。 部員達は互いに顔を見交わしあっていたが一人が徐に、 「今まではピーちゃんがオウムであることを  ネタに持ち込んだことは無かったから意外性はあったね。  ただ、それは世紀末ネタという芸風のブレにもなりかねないから、  実際に使うかどうかは慎重に判断しないとね。」 面倒がらずに応える。だが偽らぬゆえに再び同じ評価で応える。 対するピーちゃんも再び冠羽を蠢かせ、羽を繕い、 「オモシロカッタラ ワラッテイインダゼー! ヒャッハー」 三度賞賛は求められ、その繰り返しは続き、小一時間が過ぎた。 それを止めたのは、ある中学校から体験入学に訪れた一人のパントマイマーだったという。 ----

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