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#center(){&color(blue){&size(20){&u(){&bold(){番長GSS ごきげんようで始まるDP戦略}}}}} &font(i,20px){累積点数 点} ---- #contents ---- **幕間SS「 ごきげんようではじまるDP戦略 02-B~breakfarst―断食を中断するという意味の英語~」 「 ごきげんようではじまるDP戦略 02-B       ~breakfarst―断食を中断するという意味の英語~」 妃芽薗の朝は早い。全寮制で有るこの女子校では悠長に寝坊を仕出かすもの等 そうそういない、それぞれが朝食までの時間、思い思いの早朝を過ごす。 ガ―ディングに水をやる者、早朝武芸に勤しむ者、清掃に心がける者、ニンジャ。 そう、それぞれが思い思いの朝を過ごす。 そして昨日から新たに加わった寮生がまた一人。新たな日課をこの寮に持ちこんでいた。 響く軽快なラジオ音、夏の定番・ラジオ体操だ。 ~ちゃんちゃらちゃちゃちゃちゃ♪~ ~ちゃんちゃらちゃちゃちゃちゃ♪~ちゃちゃらちゃちゃちゃちゃーー♪~ ~ラジオ体操ぉJOJOいち~ようーい~ 「ワインが入ったグラスを一滴もこぼさずに、北風のバイキングの運動ッ!」 ピタリとグラスを掲げたポーズでフリーズする新入生。その名は”阿野次のもじ” 何ももっていないはずのその手にパントマイマーばりにワインが幻視される。 ……その動作精密さは正にA。 ~「次に大きく胸を反らして!時を止める WRRRRRRRRRRRRYのポーズッ          1、2、3、4…、 5, 6 , 7… 8」 ~ポーズを変え頭をぐりぐり指で押す仕草ぁ~ 「…くくくく、9秒も止められたぞ。ついでに能力休みも回復させておこうか? まあ残っているターンがあれば、だがなッ!」 朝から絶好調のようで何よりである。 そしてその横を「ごきげんよう朝から精が出ますね。」とスル―して通り過ぎる 女子生徒達。ラジオは壊れていないが、世界の何かが壊れかけている… だがその時! 「ぐるるるるる。がうがう~」 「!?」 のもじに向かい弾丸のような勢いで飛びかかる影が一体。 それを日の光を避ける吸血鬼のような動きで回避するのもじ。間一髪! 「体操中に飛びかかってくるとは貴様っ!新手の早朝習慣か!」 「うん、ちぎり、そうちょうしゅうかんになる。」 謎の影の回答にのもじは回避のため飛び立ったそのままの勢いで回転スピン。 チューブわさびメイタ動きで地に降り立つ! そして両腕を広げると、彼女は牽制の為、威嚇の構えをとった。  パワワ\「荒ぶる鷹(のもじ)のポーズ!!」/パワワ それは正に天を掛ける大鷹のごとし。相手も気押されぬため、これに応じる。 少女の影をしたそれは、四つん這いのまま、しなやかにそりを作る! ~上目視線「めひょーのぽーず!(注:ただし谷間はまだない)」上目視線~ ごごごごごごごごごごごごご。       龍。                      虎。 睨みあう両者。二人は悟る、sakiに動いたものが負けると。 だがここで意外な3人目が動く。のもじの頭上に鎮座するアキカンクイーンヘッドだ。 『ふん野生児といったところか、ならば生態系ピラミッド―力量で押し切るまで。 たかが10歳や100歳の小娘!ニワカは相手にならんよ。』 グオオオオオオオオオオオ。開かれる眼(なんかチャクラ的に) 『ひれ伏すがいい。生態系100億の頂点に立つ―王者の風格にッッッ』 クワ!放たれる君主級キハク眼光! ガウ。 でも、あっさり齧りつかれた。 ガウガウガウ。 『…グワワワワ。テメー、空気読め。ソコハ空気読め』 ガウガウと齧られる黒帽子、危うしクイーン。ハルマゲドンを前にウチゲバとして 処理され散ってしまうのか? だが、その時! 「ちぎりさん、朝食の時間ですよ。」 ―!?×3― 寮側。遠方よりかかった声に彼女は救われる。 野生少女はその声に言葉より先に腹でグーと生理的返答を行うと 「ごはん☆。わかったー」 とすげー笑顔で嬉しそうにかけていったのだ。 「…。」 『…。』 残される二人。 無言のまま、ぱたぱたぱたと、のもじは服の埃を払う。 「(お澄ましして)…なんだったのでしょう?今の方?」 『しるか…とりあえず今日は基本的な調査。ガイシャの件、聞き込みするぞ』 「アラーほらサッサー!」 それが、この野生少女、獅子口チギリとのファーストコンタクトであった。 彼女らが姓を知るのはこれより後のこと。 そして今日も一日が始まる。 ================================= 100面ダイズにてランダムエンカウント「17」番 獅子口チギリさんをお借りしました。 ●登場人物&時代設定流れ 「阿野次のもじ」 アキカンクイーンヘッドの宿主。 歌ったことが実現するという「完奏現世術(フルソンブリンク)」の使い手。 性格、はいよれ混沌。便宜上、学園内はこちらメインで動きます。 死亡しない場合、 のもじtheアキカンクイーンヘッド(ダンゲロスSS) ⇒ゆらぎtheアキカンクイーンヘッド(流血少女2) ⇒のもじtheアキカンクイーンヘッドねんどろいど(第9次)という時期系列になります。 ---- **「ごきげんようで始まるDP戦略-02-A」 ―深層世界―ユラギの表層― 閉ざされた門。そして路なりに続く土壁。 妃芽薗「薔薇の園」より、阿野次のもじとアキカンクイーンが降り立ったその場所は ―迎えたソレは無限に続く壁を左右に従え、無言のまま佇む門であった。 外から中を伺うことはできないが門を見やるに、寂れた古寺という様子で 人気や人の手が入った様子もなく、如何にもな、ものさびしさを醸し出していた。 『やはり、拒むか。』 閉ざされた門に手をやった少女が呟く。その台詞に軽さはなく外見にそぐわぬ 重々しい響きを持っていた。今の彼女は妃芽薗の制服姿ではなく黒のハイレグスーツに 黒マントという井出達に、その衣装を変化させている。 現実世界と精神世界では、のもじとアキカンクイーンの主導権が逆転する。 今いる世界は安全院ゆらぎの精神世界、つまり彼女のコントロールは女王アキカン クイーンが担うのだ。 彼女の門の前に立ち10秒ほど立った後、反応がある。 ―そもさん― どこからともなく謎の声が響く。声は閉ざされた門の中から響いてきている!?。 『せっぱ。』 恐門自体が発する声に動じることなく応じるクイーンのもじ。謎の声は続けた。 ―右手と左手でパチンと叩きました。さて痛いのはどちら?― 頓知。 ここでまさかの謎かけである。古代スフィンクスよろしく通るための『解』を求める ということであろうか?。クイーンは眼を細め、目の前の門を注意深く見やる。  門には「のんべぇセールス厳禁」「蘇生押し売りお断り」「番犬注意」など 縦書きが張られ、扉には両側にはそれぞれ「罪」「罰」と大きく文字が書かれている。 … … …なるほど。 それで合点したのかクイーンは軽くステップを踏むと、力強く、 踏みこみ、華麗なる回し蹴りで「罪」と書かれているほうの木扉を吹き飛ばした! IYAAAAAAAAAA! なんたるキック力。手入れ不足か緩くなっていた扉はその一撃で内側に吹き飛ぶ。 それを踏みつぶし内部に侵入をはたす、蛮賊的来客者アキカーン・クイーン。 『――鐘を撞木で思いっきり突きました、HAI痛いのはどっち?』 (質問を質問で返した揚句、ダイナミックおジャマしますだよ、このヒト…ん?) 呑気な感想を抱いていたのもじ(の内部意識)が何かを捉え、砂煙をたて倒れた 扉のほうに向く。「のんべぇ厳禁」「蘇生御断り」の文字がふわふわと宙に浮かび 彼女たちに健気に追いすがってきたのだ。そう器用にも文字だけが。 クイーンはそれをガン無視していたが、今度は新しいワードが眼前に突如現れた。 「追記:ウ○コも駄目です。」 (うんk…?…おわっ) 目線より少し上に突如現れたその文字を読んでいた彼女は、跳躍した自分の身体の 動きについていけず視線を揺さぶられる。慌てて意識を下に向けると3mほどの 広さの落とし穴が用意されていた。深さは全く見えない…そこをクイーンが飛び越えたのだ。 『これは表層から深層まで共有のゴミ捨て場だな。”外”―集合的無意識までの ダストシュートといったところ。準備もなく落ちたら自我をすり潰されて一生、 帰ってこれなくなるぞ。』 この台詞に内部意識ののもじが青ざめる。最後に見たのが「ウ○コという文字」とか まさに死んでも死にきれない展開だ。クイーンがぼやく。 『子供だましの視線誘導だぞ…。お前はどうもムラっけが多すぎるんだな…。 能力使えん以上、動作制御は全てわらわに任せろ。特に戦闘はな』 ――。 『今、領域に入った。すぐ「番犬」が来るぞ』 彼女らが着地をすると周りの風景は一変していた。そこは今までの寂れた御寺ではなく 白い十字架が均等に延々と並ぶ西洋式の墓地が続いていた。見渡す限りにおいて。 その数は優に数百m四方に及ぶ。 そしてその合間を縫うように飛来する影たち。墓場の人魂を思わせる発光物の正体は、 青白く光る少女の腕たちであった。 ”イグノアド・レジストリ”! 『…のイメージ体というところか。自分を殺しにかかった相”手”を番犬 代わりに使ってるとか中々いい性格してんじゃねぇか。一つ”手”合わせ願おうか』 クイーンが嗤う。 かつて、この地の主を襲った凶手―蒼く光る腕達が、牙をむき襲いかかった。 ††† 勝負はものの数分も立たずあっさりとついた。 現れたイグノアド・レジストリは4体。 クイーンは最初の襲撃を滑り込むように躱すと手元の鞭をふるう。 『なかなか速い、だが遅い。』 旋回しもう一度攻撃しようと反転減速したところをその鞭が捉える。 2体が捕捉され、あっさり四散する。 残り2体は、再突進したところを彼女の右手と左手でがっつり受け止めた。 各々2つが、手と手で組み合う形となる。彼女は1m近く身を後退させ つつもファイト一発、腕達の突進を綺麗に抑え込んだ。 停止と共に霧散するイグノアド。その”手ごたえ”を分析するクイーン。 (本当に手合わせしやがったよ、この人) 『実力を知るには直接接触したほうが早いからな。』 (で結果はどう?) 『オート操作だった。パワーは強いが侵入者撃退を命じられた”トラップ”の一種だ。 さっきの落とし穴の時と同じ原理。こりゃ十中八九、本人「寝てやがる」な。』 忌々しげにつぶやくクイーン。 『防衛特化で完全に要塞化してる。こっから下の階層に降りていくと多分 コイツの”お友達”の影がわんさか出てくるぞ。位置づけは各階のボスってところで』 (お友達?) 『旧生徒会陣営の主要メンバー…かな。たしか20名くらいいたらしいが…』 (…そうだね…キン肉まんの映画って丈の関係上、ブロッケンとウルフマンの 戦闘シーンはしょられされすぎだと私も思う! 出すキャラが多すぎるんだよ。) 人数を聞いて、のもじは素早く現実逃避した。しかも今回友情パワーはない。 単独踏破が前提となっている。できるだけ冷静にクイーンが言葉を続ける。 『2時間枠だしテリーマンも怪しいな。出口も隠されてるし、それも探さんと。 なにが”説得も”だ。アホ依頼人め。わらわもヤニナッチャってきたぞ。オイ』 が、速攻で切れた。 彼女も、まさかノーコンティニューで横スクロールの無理ゲーをやらされるなど とは全く予測していなかった。ここの「眠り姫(ピーチひめ)」はきっとサドの ブッタに違いない。きっと8-4まで用意してやがる。彼女は決断した。 『しょうがない…次善策といこう。端折る、つまり”ワープ”を使う。』 彼女の口から出た言葉は「WARP」―なんと宇宙人めいた心躍る台詞であろうか。 彼女は踵を返し、来た道を戻る。そして門のところで先ほど自らが蹴り倒した、 木扉を見聞。バキボキ、トンテンカンと何度か加工を連想させる音を立たす。 (女王?) 意図が読めず首をかしげる、のもじの意識。 そして向かう先は先ほどウ○コに誘われた「落とし穴」―意識外へのダストシュートだ。 焦るのもじ。 言葉では残念そうに次善策といってた。だが、この女王様のウキウキとした足取りは 一体なんだろうか、果てしなく嫌な予感がする。 『いや波乗りは久しぶりだなー。時にお前、サーフィンの経験あるか』 (2回くらいなら、いやそうじゃなくて…まさか…まさか) いかだに乗って大海原に乗り出す気じゃと言いかけた言葉を肯定するように クイーンが言葉を続ける。 『この穴、”たぶん”全階層と繋がってるから、こうザーっと落っこちていって 深層付近で”ひょい”とこっち側に飛び込めばいい。それでいっきに最下層までワープ成功だ。』 それは一般には「ワープ」とはいわないだろう。どちらかというと「地獄への 片道キップ」「世紀の大脱出」といったほうが適切なワードで有った。 『為せばなる為さねばならぬ何事も。 お前が信じるお前よりもオレが信じるオレを信じろ。という格言もある。 ”たぶん”大丈夫だ。大船に乗った気でいろ。ちなみに貴様に拒否権はない。」 (なんたるジャイアニズムッ) 『ってことで、”ひゃうい、ごー~。”』 (えええええええええええええええええええええええええええええええええ) そして、彼女は世界で一番有名な配管工ぽい、かけ声をあげると 罪と書かれた即席ボートに身を踊らせせ、そのまま穴の中に乗りこんでいった。 そして一組の少女と帽子は、その場から姿を消す。 DOKAN・WARP より深き意識の中にへと。 **「ごきげんようで始まるDP戦略-03b ~安全神話・消失事件~」 さて、危険なドサンコとの遭遇の後、のもじ達が朝食を終え、部屋に戻ると『荷物』が 届いていた。彼女自身が送った荷物ではない。外部からの配達であった。 「差し出し人名は【赤いバラの依頼人】…?」 『……。アイツかよ』 「しかも、これ差し出し人住所どころか消印すらないよ。どうやって届いたの。」 差し出し人も相まって、胡散臭さ大爆発の小包で有った。 「えーと、同封で二通手紙が入っている。まず女王様宛に一通。 『山吹色で表面に粉吹いたお菓子をお送りします。袖の下用、軍資金としてお納めください。」 だって。おお、これはエチゴヤ展開、エチゴヤ展開ではござらぬか?お代官様。」 『ふん、付け届けか彼奴もなかなか判っているではないか。』 とたんに機嫌が良くなる女王様。何がそんなに嬉しいのか、くくくくく、では中を 改めさせてもらおうかと悪の代官様ぽく、ほくそ笑む。 その言動に連動し、ハハーと平伏すると素早く中身を見聞、あらためる。のもじ。 パカッ。 そこには、みんな大好きな御菓子「うまか棒~コンポタージュ味~」が確かにぎっしりと 詰め込まれていた。山吹色で粉ふいてる!ヤッター!。 『…。』 「…。」 『ザケンナ燃やせ。』 切れた上司に即座に執り成し、助命を乞う部下。 「平に平に~。食べ物を粗末にしたのが、もし露見すれば我が母に折檻されます、 主婦オコラセルコワイ。ヨクナイ」 『はぁ、次。もう一通のほうは?』 「【読者への挑戦状】さて賢明なる読者は(中略)挑戦する。 私の今回の真のターゲットが一体何であったか、うんたらかんたら…あーこれってまさか誤配…」 途中まで読み上げたのもじはちらりと上目で女王の様子をうかがう。 女王はうっすら笑顔を浮かべたまま、指示を出した。 『そっちのほうは間違いなく燃やせ。異論はないな』 「イエッサー」 のもじは即答した。 ††† ―――――――――――――――――――――――― 『安全神話』(モア・エンディング・ストーリ) 蘇生対象、安全院ゆらぎの魔人能力。 「自分に都合の悪いことを拒絶しその世界から抹消する」能力。 常時発動タイプだが 意識して特定の行為に影響を及ぼすことも可能。効果範囲5m。 他人の敵意や警戒心を奪ったり(自分も含め)都合の悪い記憶を消すことも可能なため 彼女はこの力を用いて、学園内の不穏分子の『洗脳』『抹消』『懐柔』をひそかに行っていた。 表向きは『お茶会』の開催と言う形で。 学園側の能力通称は「ATフィールド(after tea field)」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ―空手部― 彼女たちが最初に訪れたのは真野一族の寡黙な少女だった。 真野彼方。 質実剛健、実直有言な彼女は決して多くを語らない。 (最初インタビューすら断ろうとしたが彼女は「うまか棒コンポタージュ味2本」で手をうった。) だが、安全院の親しい友人であったらしい真野片菜の同族であり、生徒会メンバーであり、 そして彼女はいまだ行方不明のままの真野片菜の失踪の『真相』を知る数少ない一人である。 「アンゼンイン=サン?知らないな。」 タオルで汗を拭きつつ、それが彼女の言葉だった。 そして彼女は稽古に戻る。 彼女は安全院ゆらぎの親しい友人である真野片菜の同族であり、 現在の生徒会メンバーであり、 そして彼女はいまだ行方不明のままの真野片菜の失踪の『真相』を知る数少ない一人である。 彼方が生徒会に属しているのも、その彼女の代わりという側面もある。 片菜の不在の学園を自分が守る。彼女が守れなかった…10110を今度は守る。 守る。 それが彼女が自分に課したルールだった。 「え?ちょ、知らないの~」 それが皮切りだった。 以下午前中のインタビュー・ダイジェスト。 Q:安全院さんって知ってますか? A; 「いたような居ないような何してた人でしたっけ?」 「ああ、安全院電力ですか。昔、重大事故起こしたという」 「よく御菓子貰いに行きます! え、口舌院さんではなくて?」 「ふむところでその彼女はメガネをかけているのかね?なら探すのに協力するのにやぶさかではない」 「でっかいネジさしてる人」 妃芽薗関係者、誰も彼もが彼女のことを記憶に留めていなかった。 仮に覚えていたとしても名前だけ知っているというものや校内文章で見たという程度のもの 二人はこの予想外の事態に顔を突き合わせ、作戦を練り直すことにする。 ― 妃芽薗中庭 lunchtime― 購買部で買ったサンドイッチを齧りながら、のもじは午前中のインタビューを纏める。 「情報ゼロ。うわぁ、きれいさっぱり過去の人になっている。」 『いや、もはや過去の人というレベルじゃないぞ…資料とアンサーが全然喰い違っている。 依頼人からの資料だと半年前まで生徒会メンバーで”困った時の安全院さん”という 駆け込み無敵バリアーポジだったはずだ。この資料間違っている可能性は?』 「資料に報道部の印入ってるよ。妃芽薗方面なら塩素さんが情報元だと思う。」 なら”誤情報”と言う線は消える。あの小野寺塩素ならば間違うはずがない。 無論。その彼女が意図的に情報操作しない限りという前提ではあるが。クイーンは頷く。 『なら安全院が自身の能力で干渉して”都合の悪いもの”として記憶を消していったか 学園上層が”都合の悪い存在”として存在自体を抹消したのかどちらかになりそうじゃな。」 「学校がそんなことする必要あるの?」 首をかしげる少女に黒帽子が上から言葉を重ねる。 『資料が正しければない話ではない。資料の能力のところ見ろ、貰った段階で気になってたんだが、 コイツの能力、他の学園生徒と比べ明らかな差異があるんだ。『矛盾』と言っていいレベルで」 「差異?異常なまでの評価点数の低さとか―今回の安全院さん枠ですね!見たいな!」 『…違う。こいつの常時発動型能力「安全神話」。学園生活において発動していない時がない。 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 学園の最大の売りの『高二力フィールド』を常に打ち消している。』 「うわ、本当だ。」 今更ながらの指摘に驚くのもじ。しかも当時も「安全院さんだから」「お茶会!幸せです」 という理由から誰も疑問に思ってない。恐らく禍々しい認識操作のジツの結果に違いなかった。 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 『転校生すら抑え込む無力化結界がコイツにはまるっこ通じていない。裏を返せば、 コイツの能力の範囲内なら、現れうる。ここではキャンセルされる”あの連中”が。 今回の蘇生の一件も、欲しいのは恐らく安全院本人ではなく奴の能力が目当てだろう。』 ―そして学園側から見れば『高二力フィールド』が通用しない事実があることは非常に よろしくない。記憶操作と言う形で存在自体もみ消しにかかっても不思議ではないだろう― クイーンのこの推理にのもじは考え込む。そうだろうか?確かにこの理由なら後半増援 オンリーという設定をも活かしきることになるだろう。だが― そして彼女は視界のはしに映った生徒を見つけると、そこで考えるのを辞めた。めんどい。 「あ、あんなところに銅(あかがね)さんだ。ちょっとあの人にも聞いてみること にしよう。塩素さんの右腕だし。」 『てめぇ。ちったは自分の頭で考えろ。』 てこてこてこ。 「…。」 「流石、塩素さんの懐刀せいが出ますね!」 「……。」会話中。 「………。」会話中。 ―3分後― 「じゃ、今の話を参考に午後は[ココ]で話を聞いてみましょう。うほーこれは楽しみ」 『まあ、異論はない。そこなら生徒会の資料残っている可能性もあるし、お前が言うように 「本職」の意見を聞きに行こうではないか?』 のもじがさし示した構内地図。 指さした先にはこうあった ―「妃芽薗探偵部」―と。 追記。 100面ダイズにてランダムエンカウント「33」番 真野彼方さんを借りしました。次回は探偵さんです(注:ランダムではありません) ---- **「ごきげんようで始まるDP戦略-03-A ―深層世界― シロイコユキ・テンプル ― 」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。 「ドウモ侵入者サン。ヤモト=コキです。ここは通行ドメです。ヨソアタレ。」 『ドウモ、ヤモト=サン。アキカンクイーンです。否、ユラギ起こすべし。」 睨みあう両者。 イヤー! イヤー! 戦いの火ぶたが切られた! ††† はげしいイクサがあった。 その勝者が大股で、城の通路を進む。 だがその様子に勝利の余韻はない。 『何がサヨナラだ。』 影法師が呻く。その身体には大量の折り紙が刺さったままだったが彼女は気にする様子はない。 『アイツ自爆しやがった。ふざけやがって!』 (・・・・。) 『主のほうは安全なところに引きこもって、悲劇ヒロインぶっておいて、オトモダチは特攻? ハッ、そういう上から目線が一番気にいらねぇんだ。 蘇生前にハラパン一発かますぞ。いいな?』 (いや、上から目線に関しては女王も全く…ハイ沈黙します。) 鋭い怒気を浴び、沈黙を選択するのもじの思念。 正直何がこの女王様の逆鱗に触れたか全く判らなかったが、触らぬ神に祟りなしだった。 やがて大きな扉の前に行きつく。 本来は堅固に閉ざされているだろう扉は彼女が軽く突きだしただけで大きな音を立てて開く。 何の抵抗もなかった。 手の中の何かを宙に一度投げ再び握りこむ。 彼女の手にはそれぞれ文字が書かれた将棋の駒大の小さな木片が2つあった。 文字は「罪」「罰」。 『お前が、この2つから眼をそむけ向き合ってない以上、それを握っているわらわ達の道を 塞ぐことなどできない。初手から間違ってんだよ。さて。』 赤絨毯が敷き詰められた部屋中央にはガラスの棺が安置されている。 中には白いワンピースを着た少女が一人。今回の「眠り姫」(スリーピングビューティ)。 クイーンの『記憶』にある安全院ゆらぎだ。 (ようやくゴール?) 『まだだ。本陣は抑えたが最後の敵将が残っておる状態。次で終りだ。次で詰めだ。 手こずらされた礼に心だけでなく身ぐるみも全部綺麗に引っぺがして、素っ裸にして全国津々浦々に晒してやんよ。 さあ、 お前の「罪」と「罰」みせてみろ。』 蘇生の押し売り始めましょう。彼女は自らの腕を振り下ろした。 ††† 探偵は話を聞き終えるとほぅと息を吐いた。 「なるほど、お話はだいたい判りました。 結論からいいますと”消失”は学園側による工作ではないと思われます。 ”その”彼女、安全院ゆらぎさんの能力『安全神話』の可能性が高いですね。」 そういい、ティーカップのスプーンをかきまわす。 「ただし、説明をしようとすると途中で『証明』も入りますし 少し長いお話になると思います。それでもよろしいですか?黒帽子のお嬢さん。」 相手の同意を得、彼女は微笑む。 「よかった。実は不安で。では順を追って行きましょう。 今回は恥ずかしながら、わたくしの魔人能力の面目躍如となりそうです。」 **「ごきげんようで始まるDP戦略-04-B ~afternoon tea~」 1) ―妃芽薗探偵部― その部屋は個人事務所という態をとっていた。 そこからはハードボイルド小説の探偵にみるような乱雑さは欠片も感じない。 あるのは知性を感じられる整頓された道具、そして入れたての紅茶と砂糖菓子の匂い。 妃芽薗学園潜入生徒・阿野次のもじは午前に判明した学園全域記憶喪失事件の「解説」 (注:解決ではない)を依頼すべく妃芽薗の探偵部を訪れていた。 彼女を出迎えた、この部室の主、現役女子高生探偵加藤・佐藤は話を聞き終すと 自らがいれた砂糖を一杯、二杯…依頼人がどんだけ入れるんだと見守る中、9杯まで目入れ 優雅にかきまわす。そしてそのままごきゅと一口紅茶を飲む。 おお小さく感嘆の声を上げるのもじ。奇人だ、変態でなく奇人さんの部類だと。 それから彼女は席を立ち後ろの棚からファイルを何枚か取り出し中身を確認すると 「所謂”組織”による犯行ではありませんね。恐らく後者の『安全神話』の影響でしょう」 そう断じた。 「守秘義務に反するので詳しくは申し上げれませんが、生徒会関連のファイルの中に その方の名前が存在します。半年前、生徒会関係者だったという痕跡がそのまま 残っているんです。組織的犯行ならザルすぎます。 記録を改ざんするほうが全員の記憶を消して廻るより、容易いですから。」 次にご自身の御手持ちの資料を見てください。 のもじは指さされ、自ら持ちこんだ”極秘資料集~NO13どこまでいっても13”を広げる。 微妙なラインで自己主張してくる秘密結社である。 無論、そんな秘密結社の存在など一般生徒が知っているわけがなく、両者ともに綺麗にスル―される。 「報道部、この場合、小野寺さんが作られた資料になりますか。安全院ゆらぎさんに関する 情報が持ちだされています。これをみても学園側は『ATフィールド』(「安全神話」の学園側 通称)に関してそれほど注目していなかったと見るべきでしょう。能力原理も完全に誤解してたよう ですし、生徒会側は戦略上、かなり重点をおいていた能力みたいですが…」 ここで加藤は一つの重大な見落としに気づいた。箇所は生徒会のファイル、探偵部への依頼人の 名前は……酷い。自らのセンスのなさに苦笑しつつもひとまず続ける。 2) 「問題はむしろ、小野寺さんが記憶を失っていない点です。」 ??と首をかしげる依頼人に言葉を重ねる探偵。 「”失っていた”のなら、言い換えれば彼女に少しでも危害が及んでいる可能性があるなら、 彼女の狂信的信奉者である古谷さんが、貴方を無条件で放置したりはしませんよ。 今頃は質問が拷問に変わっているはずです。ですので彼女の身には何も起こっていないのか、 逆にその件に関しては問題解決済みと見ていいでしょう。 そして塩素さんの入れ替わりで学園に入った古谷さんも記憶を失ってないご様子ですが… これは後者の説に立てば問題ないですね。彼女は安全院ゆらぎさんと面識がない― 『安全神話』に一度も”接触していない”―からという理解で済みます」 ここで依頼人も気がつく。なら小野寺塩素が例外となる理由はなんなのか。 探偵も頷く。 「なんなんでしょうね。 魔人能力での事件を考える上に置いて重要なファクター『原理』『効果』『制約』『範囲』 などがあります。これらを順番に丁寧に追っていけば必ず辿りつけるというのがわたくしの 持論なんですが、今回は対象が故人で有り、そして事件が過去。 しかも”過去を知る者が誰もいない”状態です。 手持ちの情報では、ここまでが限界でしょう。正式な御依頼があれば改めて― ――などとといえればよかったんですが。…気づいてしまいました…」 何故か息を吐いて、前言を翻す探偵。 テーブルに手を伸ばし角砂糖を数個ほうばる。 まるでこれからの困難に立ち向かう覚悟を決めたかのように、戦略的咀嚼を行う。 「生徒会のファイル読みなおして『過去』を証言できる人物の心当たりが出てきました。 続行です。なんというか『大当たり』かもしれません。」 盛り上げに欠けますが。 ††† 彼女は幾つかのファイルと資料、 そして彼女個人の過去の手帳・ノ―トなどテーブルに順においていく。 「探偵部は生徒会から受けた調査の仕事も請け負っていたのですが、当時の生徒会長、 外渉面で色々と問題がある方でして、多くは周囲の人たちが実務を分担して担っていたんです。 でこの名前を見かけました。」 依頼人名:銭由良・凪 「生徒会側の依頼人(クライアント)として銭由良・凪という名前あります。 ただこの名の生徒は生徒会どころか学園どこを探してもいません。架空というか単純な アナグラムです。ええと、こう並びかえれば誰を指してるかは一目瞭然ですね。」 銭由良・凪 =zeniyura nagi ⇒ anzenin yuragi  -n 「安全院ゆらぎとなります。 彼女は毎日お茶会を開いていたとのことなので、この手の折衝にはうってつけだったん でしょう。1文字足りませんけど、 そうですねNが足りません。だと、どこかで補わないといけない。ああ、ありました。 … … …で、これがNです。」 彼女が持ちだして来たのは依頼人ファイル『な行その他』。 ちなみに依頼人のリアクションはちょっと薄い。盛り上げようと頑張っているのだが なかなか上手くいかないようだ。 開けると。そこにはセロテープで止められた金平糖。 そして ―恨むな、受け入れろ、わたくし― 彼女自身が書いたであろうメモ。 ”都合の悪い記憶を奪ってしまう”能力者に対して”記憶を物質化して保存する”能力者。 彼女は事実を嚥下する。 わたしたちの相性はよかったのだろう。そう彼女は推測する。 そう、わたくしは彼女の個人的な依頼も受けていた。 探偵ファイルに工作し、記憶の保険をかけておいたのも自分自身だ。 このことを予期していたからだ。 探偵・加藤は安全院ゆらぎの学園における協力者だったわけだ。 そしてそのことを今まで”忘れていた”。だが今は― 探偵・加藤は再び席に着く。 「さて、話の続きをしましょう。ご期待に答えれればいいですが」 3)『秘密の花園』 クイーンが降り立ったのは名もない花が咲き乱れる、小さな御花畑だった。 それは彼女の小さな御花畑。 「貴方はだあれ?」 そこには10歳に満たない一人の少女がいた。 4)「流れよ泪と探偵はいった」 探偵は時代を回顧する。 ―あの頃の安全院さんは事態の鎮静化に躍起でしたね。 模倣犯、便乗犯が学園を跋扈し、風紀治安、生徒たちのメンタルも最悪。 風紀委員や自警団も頑張っていましたが表からの力ではどうにもならない状態でした。 なので彼女は「裏」方を選択しました。 ただそのやり方は非常に悪辣で、道徳的には眉をひそまれる行為でした。 まず学院生徒全員、能力の影響下に収めつつ、問題点を”都合の悪いもの”として 片っぱしから消し去りました。誰それへの殺意なら殺意ごと吹き飛ばしましたし 痴情の縺れなら「恋愛感情」ごと痴情吹き飛ばしましたし、 不安を抱える生徒には、不安を消し飛ばしお茶会と言う安心空間を与え、疑似的な 精神安定―依存症ともいいますか―を、構築していったんです。 治安悪化の原因となった踊り場事件の犯人探しも同様で。 生徒教員関係者、虱潰し。”安全院さん”がお茶会で相手の警戒心を奪うと ぽろっと犯人が過去の犯罪の殺害動機とか滔々と談笑(じはく)しだすんだから そこのところ探偵稼業は楽で良かったですが― 「”死亡者・行方不明者を除き”当時の生徒はほぼ全員にあたりました。ただ、 それでも血の踊り場事件の真犯人は見つからない。引っかかるのは模倣犯ばかり。 そのうちに彼女は学園側が何かを画策していること、そして学園地下にあるという 『施設』の存在に行きつきいたんです。」 高二力フィールド発生の施設。 その調査を依頼されたのが、加藤佐藤、自分だったという。そしてその過程で 依頼人は自身の変調に気づく。 「切っ掛けは高二力フィールド。彼女は『安全神話』の欠陥に気がつきました。 彼女の能力特性が「消去」でなく「廃棄」だと気が付いたのです。 臨界点を迎えれば今までためた力がなだれ込み爆発する。それが彼女の結論でした。」 ハルマゲドンの混乱に乗じて施設に侵入、高二フィールドに突っ込み自爆する 計画を立てたようだが、これは小野寺塩素の策略の影響で未発に終わった。 「後の事件の鎮静化を考えると、結果的にはよかったかもしれません。」 彼女は冷静に告げる。 「残りの問題は死後の後始末です。 安全院さん死亡による虚構『安全神話』ブランド崩壊による学園秩序の悪化。 もしくは学園内での彼女の記憶を丸ごと消去しての混乱。 『崩壊』『喪失』どちらがダメージが大きいか。」 選択はどちらだったのかは言うまでもない。 「懸念はあったんです。 例えば古谷さんが塩素さんのことを喪失した場合どうなるか想像もつかないでしょう? 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 そういう子もいたので心配していたのですが、実際の影響は驚くほど薄かったです。 ほとんどの人にとっては『安全院さん』は代替の効くモノだったんです。 話し相手が代わったり、憧れの君が代わったり、全幅の忠誠対象を学園に替えて 模範生になったりと色々でした。 わたくしはそれを見届け、或いはフォローした後、自身の『記憶』を吐き出した のです。それが…わたくしへの彼女の最後の依頼でしたから。」 以上。ご質問はありますか?探偵はここで初めてにっこりと笑った。 ††† わたくしへ。 すべきことを一つ、思い出しました。 ††† 「どう?ヒント見つかった。」 『ああ判った。安全院さんという娘が、かなりのドジっこキャラというのがな。 本人は「消しさる」と認識していたが、依頼人の内容に照らして見ると奴の能力特性は 「奪う」でなく「循環」だ。要するに排出する部分が故障して吸い込んで貯めに貯めた 力の処理に困っているだけだ。 テメエの能力内容取り違えるとか、普通ねぇぞ』 「おお、砂糖と塩間違っちゃった感じ。ドジ娘萌え!」 その箇所を調整し、貯めた力を一気に利用すれば蘇生も可能。依頼通り”彼女の能力を コントロールして”蘇生させることが可能になる。 クイーンはそう結論付けた。 『あの探偵からガイシャの新鮮(?)な「記憶」も貰ったしな。こっちもデカイ。 前準備としてはボチボチ及第点。突入するぞ。夜、抜けるから準備しておけよ』 「アラホラサッサー」                                (「エピソード」へ) ----
#center(){&color(blue){&size(20){&u(){&bold(){番長GSS ごきげんようで始まるDP戦略}}}}} &font(i,20px){累積点数 点} ---- #contents ---- **幕間SS「 ごきげんようではじまるDP戦略 02-B~breakfarst―断食を中断するという意味の英語~」 「 ごきげんようではじまるDP戦略 02-B       ~breakfarst―断食を中断するという意味の英語~」 妃芽薗の朝は早い。全寮制で有るこの女子校では悠長に寝坊を仕出かすもの等 そうそういない、それぞれが朝食までの時間、思い思いの早朝を過ごす。 ガ―ディングに水をやる者、早朝武芸に勤しむ者、清掃に心がける者、ニンジャ。 そう、それぞれが思い思いの朝を過ごす。 そして昨日から新たに加わった寮生がまた一人。新たな日課をこの寮に持ちこんでいた。 響く軽快なラジオ音、夏の定番・ラジオ体操だ。 ~ちゃんちゃらちゃちゃちゃちゃ♪~ ~ちゃんちゃらちゃちゃちゃちゃ♪~ちゃちゃらちゃちゃちゃちゃーー♪~ ~ラジオ体操ぉJOJOいち~ようーい~ 「ワインが入ったグラスを一滴もこぼさずに、北風のバイキングの運動ッ!」 ピタリとグラスを掲げたポーズでフリーズする新入生。その名は”阿野次のもじ” 何ももっていないはずのその手にパントマイマーばりにワインが幻視される。 ……その動作精密さは正にA。 ~「次に大きく胸を反らして!時を止める WRRRRRRRRRRRRYのポーズッ          1、2、3、4…、 5, 6 , 7… 8」 ~ポーズを変え頭をぐりぐり指で押す仕草ぁ~ 「…くくくく、9秒も止められたぞ。ついでに能力休みも回復させておこうか? まあ残っているターンがあれば、だがなッ!」 朝から絶好調のようで何よりである。 そしてその横を「ごきげんよう朝から精が出ますね。」とスル―して通り過ぎる 女子生徒達。ラジオは壊れていないが、世界の何かが壊れかけている… だがその時! 「ぐるるるるる。がうがう~」 「!?」 のもじに向かい弾丸のような勢いで飛びかかる影が一体。 それを日の光を避ける吸血鬼のような動きで回避するのもじ。間一髪! 「体操中に飛びかかってくるとは貴様っ!新手の早朝習慣か!」 「うん、ちぎり、そうちょうしゅうかんになる。」 謎の影の回答にのもじは回避のため飛び立ったそのままの勢いで回転スピン。 チューブわさびメイタ動きで地に降り立つ! そして両腕を広げると、彼女は牽制の為、威嚇の構えをとった。  パワワ\「荒ぶる鷹(のもじ)のポーズ!!」/パワワ それは正に天を掛ける大鷹のごとし。相手も気押されぬため、これに応じる。 少女の影をしたそれは、四つん這いのまま、しなやかにそりを作る! ~上目視線「めひょーのぽーず!(注:ただし谷間はまだない)」上目視線~ ごごごごごごごごごごごごご。       龍。                      虎。 睨みあう両者。二人は悟る、sakiに動いたものが負けると。 だがここで意外な3人目が動く。のもじの頭上に鎮座するアキカンクイーンヘッドだ。 『ふん野生児といったところか、ならば生態系ピラミッド―力量で押し切るまで。 たかが10歳や100歳の小娘!ニワカは相手にならんよ。』 グオオオオオオオオオオオ。開かれる眼(なんかチャクラ的に) 『ひれ伏すがいい。生態系100億の頂点に立つ―王者の風格にッッッ』 クワ!放たれる君主級キハク眼光! ガウ。 でも、あっさり齧りつかれた。 ガウガウガウ。 『…グワワワワ。テメー、空気読め。ソコハ空気読め』 ガウガウと齧られる黒帽子、危うしクイーン。ハルマゲドンを前にウチゲバとして 処理され散ってしまうのか? だが、その時! 「ちぎりさん、朝食の時間ですよ。」 ―!?×3― 寮側。遠方よりかかった声に彼女は救われる。 野生少女はその声に言葉より先に腹でグーと生理的返答を行うと 「ごはん☆。わかったー」 とすげー笑顔で嬉しそうにかけていったのだ。 「…。」 『…。』 残される二人。 無言のまま、ぱたぱたぱたと、のもじは服の埃を払う。 「(お澄ましして)…なんだったのでしょう?今の方?」 『しるか…とりあえず今日は基本的な調査。ガイシャの件、聞き込みするぞ』 「アラーほらサッサー!」 それが、この野生少女、獅子口チギリとのファーストコンタクトであった。 彼女らが姓を知るのはこれより後のこと。 そして今日も一日が始まる。 ================================= 100面ダイズにてランダムエンカウント「17」番 獅子口チギリさんをお借りしました。 ●登場人物&時代設定流れ 「阿野次のもじ」 アキカンクイーンヘッドの宿主。 歌ったことが実現するという「完奏現世術(フルソンブリンク)」の使い手。 性格、はいよれ混沌。便宜上、学園内はこちらメインで動きます。 死亡しない場合、 のもじtheアキカンクイーンヘッド(ダンゲロスSS) ⇒ゆらぎtheアキカンクイーンヘッド(流血少女2) ⇒のもじtheアキカンクイーンヘッドねんどろいど(第9次)という時期系列になります。 ---- **「ごきげんようで始まるDP戦略-02-A」 ―深層世界―ユラギの表層― 閉ざされた門。そして路なりに続く土壁。 妃芽薗「薔薇の園」より、阿野次のもじとアキカンクイーンが降り立ったその場所は ―迎えたソレは無限に続く壁を左右に従え、無言のまま佇む門であった。 外から中を伺うことはできないが門を見やるに、寂れた古寺という様子で 人気や人の手が入った様子もなく、如何にもな、ものさびしさを醸し出していた。 『やはり、拒むか。』 閉ざされた門に手をやった少女が呟く。その台詞に軽さはなく外見にそぐわぬ 重々しい響きを持っていた。今の彼女は妃芽薗の制服姿ではなく黒のハイレグスーツに 黒マントという井出達に、その衣装を変化させている。 現実世界と精神世界では、のもじとアキカンクイーンの主導権が逆転する。 今いる世界は安全院ゆらぎの精神世界、つまり彼女のコントロールは女王アキカン クイーンが担うのだ。 彼女の門の前に立ち10秒ほど立った後、反応がある。 ―そもさん― どこからともなく謎の声が響く。声は閉ざされた門の中から響いてきている!?。 『せっぱ。』 恐門自体が発する声に動じることなく応じるクイーンのもじ。謎の声は続けた。 ―右手と左手でパチンと叩きました。さて痛いのはどちら?― 頓知。 ここでまさかの謎かけである。古代スフィンクスよろしく通るための『解』を求める ということであろうか?。クイーンは眼を細め、目の前の門を注意深く見やる。  門には「のんべぇセールス厳禁」「蘇生押し売りお断り」「番犬注意」など 縦書きが張られ、扉には両側にはそれぞれ「罪」「罰」と大きく文字が書かれている。 … … …なるほど。 それで合点したのかクイーンは軽くステップを踏むと、力強く、 踏みこみ、華麗なる回し蹴りで「罪」と書かれているほうの木扉を吹き飛ばした! IYAAAAAAAAAA! なんたるキック力。手入れ不足か緩くなっていた扉はその一撃で内側に吹き飛ぶ。 それを踏みつぶし内部に侵入をはたす、蛮賊的来客者アキカーン・クイーン。 『――鐘を撞木で思いっきり突きました、HAI痛いのはどっち?』 (質問を質問で返した揚句、ダイナミックおジャマしますだよ、このヒト…ん?) 呑気な感想を抱いていたのもじ(の内部意識)が何かを捉え、砂煙をたて倒れた 扉のほうに向く。「のんべぇ厳禁」「蘇生御断り」の文字がふわふわと宙に浮かび 彼女たちに健気に追いすがってきたのだ。そう器用にも文字だけが。 クイーンはそれをガン無視していたが、今度は新しいワードが眼前に突如現れた。 「追記:ウ○コも駄目です。」 (うんk…?…おわっ) 目線より少し上に突如現れたその文字を読んでいた彼女は、跳躍した自分の身体の 動きについていけず視線を揺さぶられる。慌てて意識を下に向けると3mほどの 広さの落とし穴が用意されていた。深さは全く見えない…そこをクイーンが飛び越えたのだ。 『これは表層から深層まで共有のゴミ捨て場だな。”外”―集合的無意識までの ダストシュートといったところ。準備もなく落ちたら自我をすり潰されて一生、 帰ってこれなくなるぞ。』 この台詞に内部意識ののもじが青ざめる。最後に見たのが「ウ○コという文字」とか まさに死んでも死にきれない展開だ。クイーンがぼやく。 『子供だましの視線誘導だぞ…。お前はどうもムラっけが多すぎるんだな…。 能力使えん以上、動作制御は全てわらわに任せろ。特に戦闘はな』 ――。 『今、領域に入った。すぐ「番犬」が来るぞ』 彼女らが着地をすると周りの風景は一変していた。そこは今までの寂れた御寺ではなく 白い十字架が均等に延々と並ぶ西洋式の墓地が続いていた。見渡す限りにおいて。 その数は優に数百m四方に及ぶ。 そしてその合間を縫うように飛来する影たち。墓場の人魂を思わせる発光物の正体は、 青白く光る少女の腕たちであった。 ”イグノアド・レジストリ”! 『…のイメージ体というところか。自分を殺しにかかった相”手”を番犬 代わりに使ってるとか中々いい性格してんじゃねぇか。一つ”手”合わせ願おうか』 クイーンが嗤う。 かつて、この地の主を襲った凶手―蒼く光る腕達が、牙をむき襲いかかった。 ††† 勝負はものの数分も立たずあっさりとついた。 現れたイグノアド・レジストリは4体。 クイーンは最初の襲撃を滑り込むように躱すと手元の鞭をふるう。 『なかなか速い、だが遅い。』 旋回しもう一度攻撃しようと反転減速したところをその鞭が捉える。 2体が捕捉され、あっさり四散する。 残り2体は、再突進したところを彼女の右手と左手でがっつり受け止めた。 各々2つが、手と手で組み合う形となる。彼女は1m近く身を後退させ つつもファイト一発、腕達の突進を綺麗に抑え込んだ。 停止と共に霧散するイグノアド。その”手ごたえ”を分析するクイーン。 (本当に手合わせしやがったよ、この人) 『実力を知るには直接接触したほうが早いからな。』 (で結果はどう?) 『オート操作だった。パワーは強いが侵入者撃退を命じられた”トラップ”の一種だ。 さっきの落とし穴の時と同じ原理。こりゃ十中八九、本人「寝てやがる」な。』 忌々しげにつぶやくクイーン。 『防衛特化で完全に要塞化してる。こっから下の階層に降りていくと多分 コイツの”お友達”の影がわんさか出てくるぞ。位置づけは各階のボスってところで』 (お友達?) 『旧生徒会陣営の主要メンバー…かな。たしか20名くらいいたらしいが…』 (…そうだね…キン肉まんの映画って丈の関係上、ブロッケンとウルフマンの 戦闘シーンはしょられされすぎだと私も思う! 出すキャラが多すぎるんだよ。) 人数を聞いて、のもじは素早く現実逃避した。しかも今回友情パワーはない。 単独踏破が前提となっている。できるだけ冷静にクイーンが言葉を続ける。 『2時間枠だしテリーマンも怪しいな。出口も隠されてるし、それも探さんと。 なにが”説得も”だ。アホ依頼人め。わらわもヤニナッチャってきたぞ。オイ』 が、速攻で切れた。 彼女も、まさかノーコンティニューで横スクロールの無理ゲーをやらされるなど とは全く予測していなかった。ここの「眠り姫(ピーチひめ)」はきっとサドの ブッタに違いない。きっと8-4まで用意してやがる。彼女は決断した。 『しょうがない…次善策といこう。端折る、つまり”ワープ”を使う。』 彼女の口から出た言葉は「WARP」―なんと宇宙人めいた心躍る台詞であろうか。 彼女は踵を返し、来た道を戻る。そして門のところで先ほど自らが蹴り倒した、 木扉を見聞。バキボキ、トンテンカンと何度か加工を連想させる音を立たす。 (女王?) 意図が読めず首をかしげる、のもじの意識。 そして向かう先は先ほどウ○コに誘われた「落とし穴」―意識外へのダストシュートだ。 焦るのもじ。 言葉では残念そうに次善策といってた。だが、この女王様のウキウキとした足取りは 一体なんだろうか、果てしなく嫌な予感がする。 『いや波乗りは久しぶりだなー。時にお前、サーフィンの経験あるか』 (2回くらいなら、いやそうじゃなくて…まさか…まさか) いかだに乗って大海原に乗り出す気じゃと言いかけた言葉を肯定するように クイーンが言葉を続ける。 『この穴、”たぶん”全階層と繋がってるから、こうザーっと落っこちていって 深層付近で”ひょい”とこっち側に飛び込めばいい。それでいっきに最下層までワープ成功だ。』 それは一般には「ワープ」とはいわないだろう。どちらかというと「地獄への 片道キップ」「世紀の大脱出」といったほうが適切なワードで有った。 『為せばなる為さねばならぬ何事も。 お前が信じるお前よりもオレが信じるオレを信じろ。という格言もある。 ”たぶん”大丈夫だ。大船に乗った気でいろ。ちなみに貴様に拒否権はない。」 (なんたるジャイアニズムッ) 『ってことで、”ひゃうい、ごー~。”』 (えええええええええええええええええええええええええええええええええ) そして、彼女は世界で一番有名な配管工ぽい、かけ声をあげると 罪と書かれた即席ボートに身を踊らせせ、そのまま穴の中に乗りこんでいった。 そして一組の少女と帽子は、その場から姿を消す。 DOKAN・WARP より深き意識の中にへと。 **「ごきげんようで始まるDP戦略-03b ~安全神話・消失事件~」 さて、危険なドサンコとの遭遇の後、のもじ達が朝食を終え、部屋に戻ると『荷物』が 届いていた。彼女自身が送った荷物ではない。外部からの配達であった。 「差し出し人名は【赤いバラの依頼人】…?」 『……。アイツかよ』 「しかも、これ差し出し人住所どころか消印すらないよ。どうやって届いたの。」 差し出し人も相まって、胡散臭さ大爆発の小包で有った。 「えーと、同封で二通手紙が入っている。まず女王様宛に一通。 『山吹色で表面に粉吹いたお菓子をお送りします。袖の下用、軍資金としてお納めください。」 だって。おお、これはエチゴヤ展開、エチゴヤ展開ではござらぬか?お代官様。」 『ふん、付け届けか彼奴もなかなか判っているではないか。』 とたんに機嫌が良くなる女王様。何がそんなに嬉しいのか、くくくくく、では中を 改めさせてもらおうかと悪の代官様ぽく、ほくそ笑む。 その言動に連動し、ハハーと平伏すると素早く中身を見聞、あらためる。のもじ。 パカッ。 そこには、みんな大好きな御菓子「うまか棒~コンポタージュ味~」が確かにぎっしりと 詰め込まれていた。山吹色で粉ふいてる!ヤッター!。 『…。』 「…。」 『ザケンナ燃やせ。』 切れた上司に即座に執り成し、助命を乞う部下。 「平に平に~。食べ物を粗末にしたのが、もし露見すれば我が母に折檻されます、 主婦オコラセルコワイ。ヨクナイ」 『はぁ、次。もう一通のほうは?』 「【読者への挑戦状】さて賢明なる読者は(中略)挑戦する。 私の今回の真のターゲットが一体何であったか、うんたらかんたら…あーこれってまさか誤配…」 途中まで読み上げたのもじはちらりと上目で女王の様子をうかがう。 女王はうっすら笑顔を浮かべたまま、指示を出した。 『そっちのほうは間違いなく燃やせ。異論はないな』 「イエッサー」 のもじは即答した。 ††† ―――――――――――――――――――――――― 『安全神話』(モア・エンディング・ストーリ) 蘇生対象、安全院ゆらぎの魔人能力。 「自分に都合の悪いことを拒絶しその世界から抹消する」能力。 常時発動タイプだが 意識して特定の行為に影響を及ぼすことも可能。効果範囲5m。 他人の敵意や警戒心を奪ったり(自分も含め)都合の悪い記憶を消すことも可能なため 彼女はこの力を用いて、学園内の不穏分子の『洗脳』『抹消』『懐柔』をひそかに行っていた。 表向きは『お茶会』の開催と言う形で。 学園側の能力通称は「ATフィールド(after tea field)」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― ―空手部― 彼女たちが最初に訪れたのは真野一族の寡黙な少女だった。 真野彼方。 質実剛健、実直有言な彼女は決して多くを語らない。 (最初インタビューすら断ろうとしたが彼女は「うまか棒コンポタージュ味2本」で手をうった。) だが、安全院の親しい友人であったらしい真野片菜の同族であり、生徒会メンバーであり、 そして彼女はいまだ行方不明のままの真野片菜の失踪の『真相』を知る数少ない一人である。 「アンゼンイン=サン?知らないな。」 タオルで汗を拭きつつ、それが彼女の言葉だった。 そして彼女は稽古に戻る。 彼女は安全院ゆらぎの親しい友人である真野片菜の同族であり、 現在の生徒会メンバーであり、 そして彼女はいまだ行方不明のままの真野片菜の失踪の『真相』を知る数少ない一人である。 彼方が生徒会に属しているのも、その彼女の代わりという側面もある。 片菜の不在の学園を自分が守る。彼女が守れなかった…10110を今度は守る。 守る。 それが彼女が自分に課したルールだった。 「え?ちょ、知らないの~」 それが皮切りだった。 以下午前中のインタビュー・ダイジェスト。 Q:安全院さんって知ってますか? A; 「いたような居ないような何してた人でしたっけ?」 「ああ、安全院電力ですか。昔、重大事故起こしたという」 「よく御菓子貰いに行きます! え、口舌院さんではなくて?」 「ふむところでその彼女はメガネをかけているのかね?なら探すのに協力するのにやぶさかではない」 「でっかいネジさしてる人」 妃芽薗関係者、誰も彼もが彼女のことを記憶に留めていなかった。 仮に覚えていたとしても名前だけ知っているというものや校内文章で見たという程度のもの 二人はこの予想外の事態に顔を突き合わせ、作戦を練り直すことにする。 ― 妃芽薗中庭 lunchtime― 購買部で買ったサンドイッチを齧りながら、のもじは午前中のインタビューを纏める。 「情報ゼロ。うわぁ、きれいさっぱり過去の人になっている。」 『いや、もはや過去の人というレベルじゃないぞ…資料とアンサーが全然喰い違っている。 依頼人からの資料だと半年前まで生徒会メンバーで”困った時の安全院さん”という 駆け込み無敵バリアーポジだったはずだ。この資料間違っている可能性は?』 「資料に報道部の印入ってるよ。妃芽薗方面なら塩素さんが情報元だと思う。」 なら”誤情報”と言う線は消える。あの小野寺塩素ならば間違うはずがない。 無論。その彼女が意図的に情報操作しない限りという前提ではあるが。クイーンは頷く。 『なら安全院が自身の能力で干渉して”都合の悪いもの”として記憶を消していったか 学園上層が”都合の悪い存在”として存在自体を抹消したのかどちらかになりそうじゃな。」 「学校がそんなことする必要あるの?」 首をかしげる少女に黒帽子が上から言葉を重ねる。 『資料が正しければない話ではない。資料の能力のところ見ろ、貰った段階で気になってたんだが、 コイツの能力、他の学園生徒と比べ明らかな差異があるんだ。『矛盾』と言っていいレベルで」 「差異?異常なまでの評価点数の低さとか―今回の安全院さん枠ですね!見たいな!」 『…違う。こいつの常時発動型能力「安全神話」。学園生活において発動していない時がない。 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 学園の最大の売りの『高二力フィールド』を常に打ち消している。』 「うわ、本当だ。」 今更ながらの指摘に驚くのもじ。しかも当時も「安全院さんだから」「お茶会!幸せです」 という理由から誰も疑問に思ってない。恐らく禍々しい認識操作のジツの結果に違いなかった。 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 『転校生すら抑え込む無力化結界がコイツにはまるっこ通じていない。裏を返せば、 コイツの能力の範囲内なら、現れうる。ここではキャンセルされる”あの連中”が。 今回の蘇生の一件も、欲しいのは恐らく安全院本人ではなく奴の能力が目当てだろう。』 ―そして学園側から見れば『高二力フィールド』が通用しない事実があることは非常に よろしくない。記憶操作と言う形で存在自体もみ消しにかかっても不思議ではないだろう― クイーンのこの推理にのもじは考え込む。そうだろうか?確かにこの理由なら後半増援 オンリーという設定をも活かしきることになるだろう。だが― そして彼女は視界のはしに映った生徒を見つけると、そこで考えるのを辞めた。めんどい。 「あ、あんなところに銅(あかがね)さんだ。ちょっとあの人にも聞いてみること にしよう。塩素さんの右腕だし。」 『てめぇ。ちったは自分の頭で考えろ。』 てこてこてこ。 「…。」 「流石、塩素さんの懐刀せいが出ますね!」 「……。」会話中。 「………。」会話中。 ―3分後― 「じゃ、今の話を参考に午後は[ココ]で話を聞いてみましょう。うほーこれは楽しみ」 『まあ、異論はない。そこなら生徒会の資料残っている可能性もあるし、お前が言うように 「本職」の意見を聞きに行こうではないか?』 のもじがさし示した構内地図。 指さした先にはこうあった ―「妃芽薗探偵部」―と。 追記。 100面ダイズにてランダムエンカウント「33」番 真野彼方さんを借りしました。次回は探偵さんです(注:ランダムではありません) ---- **「ごきげんようで始まるDP戦略-03-A ―深層世界― シロイコユキ・テンプル ― 」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。 「ドウモ侵入者サン。ヤモト=コキです。ここは通行ドメです。ヨソアタレ。」 『ドウモ、ヤモト=サン。アキカンクイーンです。否、ユラギ起こすべし。」 睨みあう両者。 イヤー! イヤー! 戦いの火ぶたが切られた! ††† はげしいイクサがあった。 その勝者が大股で、城の通路を進む。 だがその様子に勝利の余韻はない。 『何がサヨナラだ。』 影法師が呻く。その身体には大量の折り紙が刺さったままだったが彼女は気にする様子はない。 『アイツ自爆しやがった。ふざけやがって!』 (・・・・。) 『主のほうは安全なところに引きこもって、悲劇ヒロインぶっておいて、オトモダチは特攻? ハッ、そういう上から目線が一番気にいらねぇんだ。 蘇生前にハラパン一発かますぞ。いいな?』 (いや、上から目線に関しては女王も全く…ハイ沈黙します。) 鋭い怒気を浴び、沈黙を選択するのもじの思念。 正直何がこの女王様の逆鱗に触れたか全く判らなかったが、触らぬ神に祟りなしだった。 やがて大きな扉の前に行きつく。 本来は堅固に閉ざされているだろう扉は彼女が軽く突きだしただけで大きな音を立てて開く。 何の抵抗もなかった。 手の中の何かを宙に一度投げ再び握りこむ。 彼女の手にはそれぞれ文字が書かれた将棋の駒大の小さな木片が2つあった。 文字は「罪」「罰」。 『お前が、この2つから眼をそむけ向き合ってない以上、それを握っているわらわ達の道を 塞ぐことなどできない。初手から間違ってんだよ。さて。』 赤絨毯が敷き詰められた部屋中央にはガラスの棺が安置されている。 中には白いワンピースを着た少女が一人。今回の「眠り姫」(スリーピングビューティ)。 クイーンの『記憶』にある安全院ゆらぎだ。 (ようやくゴール?) 『まだだ。本陣は抑えたが最後の敵将が残っておる状態。次で終りだ。次で詰めだ。 手こずらされた礼に心だけでなく身ぐるみも全部綺麗に引っぺがして、素っ裸にして全国津々浦々に晒してやんよ。 さあ、 お前の「罪」と「罰」みせてみろ。』 蘇生の押し売り始めましょう。彼女は自らの腕を振り下ろした。 ††† 探偵は話を聞き終えるとほぅと息を吐いた。 「なるほど、お話はだいたい判りました。 結論からいいますと”消失”は学園側による工作ではないと思われます。 ”その”彼女、安全院ゆらぎさんの能力『安全神話』の可能性が高いですね。」 そういい、ティーカップのスプーンをかきまわす。 「ただし、説明をしようとすると途中で『証明』も入りますし 少し長いお話になると思います。それでもよろしいですか?黒帽子のお嬢さん。」 相手の同意を得、彼女は微笑む。 「よかった。実は不安で。では順を追って行きましょう。 今回は恥ずかしながら、わたくしの魔人能力の面目躍如となりそうです。」 **「ごきげんようで始まるDP戦略-04-B ~afternoon tea~」 1) ―妃芽薗探偵部― その部屋は個人事務所という態をとっていた。 そこからはハードボイルド小説の探偵にみるような乱雑さは欠片も感じない。 あるのは知性を感じられる整頓された道具、そして入れたての紅茶と砂糖菓子の匂い。 妃芽薗学園潜入生徒・阿野次のもじは午前に判明した学園全域記憶喪失事件の「解説」 (注:解決ではない)を依頼すべく妃芽薗の探偵部を訪れていた。 彼女を出迎えた、この部室の主、現役女子高生探偵加藤・佐藤は話を聞き終すと 自らがいれた砂糖を一杯、二杯…依頼人がどんだけ入れるんだと見守る中、9杯まで目入れ 優雅にかきまわす。そしてそのままごきゅと一口紅茶を飲む。 おお小さく感嘆の声を上げるのもじ。奇人だ、変態でなく奇人さんの部類だと。 それから彼女は席を立ち後ろの棚からファイルを何枚か取り出し中身を確認すると 「所謂”組織”による犯行ではありませんね。恐らく後者の『安全神話』の影響でしょう」 そう断じた。 「守秘義務に反するので詳しくは申し上げれませんが、生徒会関連のファイルの中に その方の名前が存在します。半年前、生徒会関係者だったという痕跡がそのまま 残っているんです。組織的犯行ならザルすぎます。 記録を改ざんするほうが全員の記憶を消して廻るより、容易いですから。」 次にご自身の御手持ちの資料を見てください。 のもじは指さされ、自ら持ちこんだ”極秘資料集~NO13どこまでいっても13”を広げる。 微妙なラインで自己主張してくる秘密結社である。 無論、そんな秘密結社の存在など一般生徒が知っているわけがなく、両者ともに綺麗にスル―される。 「報道部、この場合、小野寺さんが作られた資料になりますか。安全院ゆらぎさんに関する 情報が持ちだされています。これをみても学園側は『ATフィールド』(「安全神話」の学園側 通称)に関してそれほど注目していなかったと見るべきでしょう。能力原理も完全に誤解してたよう ですし、生徒会側は戦略上、かなり重点をおいていた能力みたいですが…」 ここで加藤は一つの重大な見落としに気づいた。箇所は生徒会のファイル、探偵部への依頼人の 名前は……酷い。自らのセンスのなさに苦笑しつつもひとまず続ける。 2) 「問題はむしろ、小野寺さんが記憶を失っていない点です。」 ??と首をかしげる依頼人に言葉を重ねる探偵。 「”失っていた”のなら、言い換えれば彼女に少しでも危害が及んでいる可能性があるなら、 彼女の狂信的信奉者である古谷さんが、貴方を無条件で放置したりはしませんよ。 今頃は質問が拷問に変わっているはずです。ですので彼女の身には何も起こっていないのか、 逆にその件に関しては問題解決済みと見ていいでしょう。 そして塩素さんの入れ替わりで学園に入った古谷さんも記憶を失ってないご様子ですが… これは後者の説に立てば問題ないですね。彼女は安全院ゆらぎさんと面識がない― 『安全神話』に一度も”接触していない”―からという理解で済みます」 ここで依頼人も気がつく。なら小野寺塩素が例外となる理由はなんなのか。 探偵も頷く。 「なんなんでしょうね。 魔人能力での事件を考える上に置いて重要なファクター『原理』『効果』『制約』『範囲』 などがあります。これらを順番に丁寧に追っていけば必ず辿りつけるというのがわたくしの 持論なんですが、今回は対象が故人で有り、そして事件が過去。 しかも”過去を知る者が誰もいない”状態です。 手持ちの情報では、ここまでが限界でしょう。正式な御依頼があれば改めて― ――などとといえればよかったんですが。…気づいてしまいました…」 何故か息を吐いて、前言を翻す探偵。 テーブルに手を伸ばし角砂糖を数個ほうばる。 まるでこれからの困難に立ち向かう覚悟を決めたかのように、戦略的咀嚼を行う。 「生徒会のファイル読みなおして『過去』を証言できる人物の心当たりが出てきました。 続行です。なんというか『大当たり』かもしれません。」 盛り上げに欠けますが。 ††† 彼女は幾つかのファイルと資料、 そして彼女個人の過去の手帳・ノ―トなどテーブルに順においていく。 「探偵部は生徒会から受けた調査の仕事も請け負っていたのですが、当時の生徒会長、 外渉面で色々と問題がある方でして、多くは周囲の人たちが実務を分担して担っていたんです。 でこの名前を見かけました。」 依頼人名:銭由良・凪 「生徒会側の依頼人(クライアント)として銭由良・凪という名前あります。 ただこの名の生徒は生徒会どころか学園どこを探してもいません。架空というか単純な アナグラムです。ええと、こう並びかえれば誰を指してるかは一目瞭然ですね。」 銭由良・凪 =zeniyura nagi ⇒ anzenin yuragi  -n 「安全院ゆらぎとなります。 彼女は毎日お茶会を開いていたとのことなので、この手の折衝にはうってつけだったん でしょう。1文字足りませんけど、 そうですねNが足りません。だと、どこかで補わないといけない。ああ、ありました。 … … …で、これがNです。」 彼女が持ちだして来たのは依頼人ファイル『な行その他』。 ちなみに依頼人のリアクションはちょっと薄い。盛り上げようと頑張っているのだが なかなか上手くいかないようだ。 開けると。そこにはセロテープで止められた金平糖。 そして ―恨むな、受け入れろ、わたくし― 彼女自身が書いたであろうメモ。 ”都合の悪い記憶を奪ってしまう”能力者に対して”記憶を物質化して保存する”能力者。 彼女は事実を嚥下する。 わたしたちの相性はよかったのだろう。そう彼女は推測する。 そう、わたくしは彼女の個人的な依頼も受けていた。 探偵ファイルに工作し、記憶の保険をかけておいたのも自分自身だ。 このことを予期していたからだ。 探偵・加藤は安全院ゆらぎの学園における協力者だったわけだ。 そしてそのことを今まで”忘れていた”。だが今は― 探偵・加藤は再び席に着く。 「さて、話の続きをしましょう。ご期待に答えれればいいですが」 3)『秘密の花園』 クイーンが降り立ったのは名もない花が咲き乱れる、小さな御花畑だった。 それは彼女の小さな御花畑。 「貴方はだあれ?」 そこには10歳に満たない一人の少女がいた。 4)「流れよ泪と探偵はいった」 探偵は時代を回顧する。 ―あの頃の安全院さんは事態の鎮静化に躍起でしたね。 模倣犯、便乗犯が学園を跋扈し、風紀治安、生徒たちのメンタルも最悪。 風紀委員や自警団も頑張っていましたが表からの力ではどうにもならない状態でした。 なので彼女は「裏」方を選択しました。 ただそのやり方は非常に悪辣で、道徳的には眉をひそまれる行為でした。 まず学院生徒全員、能力の影響下に収めつつ、問題点を”都合の悪いもの”として 片っぱしから消し去りました。誰それへの殺意なら殺意ごと吹き飛ばしましたし 痴情の縺れなら「恋愛感情」ごと痴情吹き飛ばしましたし、 不安を抱える生徒には、不安を消し飛ばしお茶会と言う安心空間を与え、疑似的な 精神安定―依存症ともいいますか―を、構築していったんです。 治安悪化の原因となった踊り場事件の犯人探しも同様で。 生徒教員関係者、虱潰し。”安全院さん”がお茶会で相手の警戒心を奪うと ぽろっと犯人が過去の犯罪の殺害動機とか滔々と談笑(じはく)しだすんだから そこのところ探偵稼業は楽で良かったですが― 「”死亡者・行方不明者を除き”当時の生徒はほぼ全員にあたりました。ただ、 それでも血の踊り場事件の真犯人は見つからない。引っかかるのは模倣犯ばかり。 そのうちに彼女は学園側が何かを画策していること、そして学園地下にあるという 『施設』の存在に行きつきいたんです。」 高二力フィールド発生の施設。 その調査を依頼されたのが、加藤佐藤、自分だったという。そしてその過程で 依頼人は自身の変調に気づく。 「切っ掛けは高二力フィールド。彼女は『安全神話』の欠陥に気がつきました。 彼女の能力特性が「消去」でなく「廃棄」だと気が付いたのです。 臨界点を迎えれば今までためた力がなだれ込み爆発する。それが彼女の結論でした。」 ハルマゲドンの混乱に乗じて施設に侵入、高二フィールドに突っ込み自爆する 計画を立てたようだが、これは小野寺塩素の策略の影響で未発に終わった。 「後の事件の鎮静化を考えると、結果的にはよかったかもしれません。」 彼女は冷静に告げる。 「残りの問題は死後の後始末です。 安全院さん死亡による虚構『安全神話』ブランド崩壊による学園秩序の悪化。 もしくは学園内での彼女の記憶を丸ごと消去しての混乱。 『崩壊』『喪失』どちらがダメージが大きいか。」 選択はどちらだったのかは言うまでもない。 「懸念はあったんです。 例えば古谷さんが塩素さんのことを喪失した場合どうなるか想像もつかないでしょう? 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 そういう子もいたので心配していたのですが、実際の影響は驚くほど薄かったです。 ほとんどの人にとっては『安全院さん』は代替の効くモノだったんです。 話し相手が代わったり、憧れの君が代わったり、全幅の忠誠対象を学園に替えて 模範生になったりと色々でした。 わたくしはそれを見届け、或いはフォローした後、自身の『記憶』を吐き出した のです。それが…わたくしへの彼女の最後の依頼でしたから。」 以上。ご質問はありますか?探偵はここで初めてにっこりと笑った。 ††† わたくしへ。 すべきことを一つ、思い出しました。 ††† 「どう?ヒント見つかった。」 『ああ判った。安全院さんという娘が、かなりのドジっこキャラというのがな。 本人は「消しさる」と認識していたが、依頼人の内容に照らして見ると奴の能力特性は 「奪う」でなく「循環」だ。要するに排出する部分が故障して吸い込んで貯めに貯めた 力の処理に困っているだけだ。 テメエの能力内容取り違えるとか、普通ねぇぞ』 「おお、砂糖と塩間違っちゃった感じ。ドジ娘萌え!」 その箇所を調整し、貯めた力を一気に利用すれば蘇生も可能。依頼通り”彼女の能力を コントロールして”蘇生させることが可能になる。 クイーンはそう結論付けた。 『あの探偵からガイシャの新鮮(?)な「記憶」も貰ったしな。こっちもデカイ。 前準備としてはボチボチ及第点。突入するぞ。夜、抜けるから準備しておけよ』 「アラホラサッサー」                                (「エピソード」へ) **謎SS「ごきげんようで始まるDP戦略-04-A ~genocider~」 唯野アキカンが、スタメンにクイーンがいないことにうちしがらていた頃 学園、水面下では恐るべき事態が進行していた… ―精神世界~ゆらぎさん・心境~― 「半年?3年でなく、たった半年ですか。あんだけ大騒ぎして即ハルマゲドンだなんて                ちょっとみんな頭冷やそうか?          」 三三三三ニ≠三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三=\ 三三三ニ≠三三三三三三三_,.-、 f=|´|三三三三三三三三ニf!三三三r‐‐ュ、 三三ニ≠/三三三三ニ_,..-'´   | | |_,.!: : : : : : : : : : : : : : : : :| {: : : : / ィ ヘ \ 三三/|//三三三r‐'´    _,..-! |:`¨:__,..--レ' ̄~7: : : :\: : : ヽヽ: :(='==! ̄!=\/ 三r-、/ヘfー‐、: : :|  _,..-'´: : : | |: : ::j  | |;  /: : : : :__,ヽ::ノ! } }: : :==キ fニニ、ハ ニニフ rュ、) f! !_fl: レ'´: : : : : _,..'  |: : : |__j--7 /、: : : :{ f´:!.ヽ`¨ro': :=r==、 r、_ィ=ニハ ニァ=f |=ノ===、¨: : : :__,.-‐'´   |: : : |: : : ゝ≠}. .:i!ト、ゝ、'⌒V__ノ: : :=、=キ=、| i! /ニハ ニ: / ,. r、_) v く: : : :/_     _,..: :': : : :|ヽⅥj.. :i!l. ..:i!:.:!(   (: : : : ::=ゝノレ'=| iK三ニヽ ニゝ'^|_|__,ィ ヘ、__ァ: : : :!  ,..: :'!: : : : : : : ::! Ⅵ|.. :!|. :.:i!_.jゝ‐、 ノ::r、: : :|`¨rュネ| f!ヽ三ニ ニi:、___コ`ヽ=、:Ⅶ|: ::レ': : : ::|: : : : : : :i: !..::..Ⅵ_j レ'リ´ |: ムノ/ |/ ∨: |__,=、__j__j=='三ニ 三ヽ=テ= {‐‐': :Vj: : : : : : : : ト.:.、: : : : !: i..::...Ⅵ斗≠リ㌣!. /卞、≧j: : : : :∧三三ニr、ヽ 三!: : {ゝ' }: : : : :Ⅵ: : : : : : : :!、..、 、: : :ハ: !::..::!| フセイ: : _:ソハ  心 |: : : :∧三三三ハ 三: 、__ノ_ノ: : : : : :Ⅵ、: : : : : : ト、 \、: : 、:|  レ' i! i、ゝ'_ノ |  ソ. |: : :/ |三三三|ハ 三ニ` ̄=、r=、: : : : Ⅵ\: : : : :',..:...::::\: : 、    ゝ、 `  ノノ // ,:/  /三三=|ⅵハ 三三} /:.| /: : : : :.ヽゝ'\: : : :\.: \`ヽ     `¨ ¨    / |  /三三三|  リ 三三|_/: :|_/: 、丶、: : :ヽ‥'`ー  ヽ                  .レ'三=ト三リ 三ハr=、 r=、、: :\\ゝ: : 、::'     `                 /三≠V∨/ 三!、ゝ': :ゝ'\`ヽ:\ :.: ̄`        ,              ∧三≠ |/ Ⅵl \三三∧:: :: :.,:'            `             / /ノ 敵も味方も、ぶっ生き返して 全部 ゴッ 倒す!           (ごきげんようで始まるDP戦略~てんぱい~そくり~わーいわーい編 缶~) ----

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