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流血少女エピソード-哀川ベラドンナ-





妃芽薗3年、哀川ベラドンナ――――演劇部『舞台監督』。
妃芽薗女学院には、一般生徒には知られざる講堂がある。
校舎の奥、普通ならば誰も立ち寄らぬ森の中にそれは確かに存在した。
通常ならば国の指定文化財に登録されるほどの、美しく、歴史ある建築物。

しかしその門は現在閉ざされている―――
理由は単純“危険だから”。
その価値を上回る危険性ゆえ、妃芽薗旧講堂は魔人講師数人の犠牲を払い、封印された。
曰く。
その講堂にある舞台は生きており。意思を持ち。邪悪であり。
―――血を啜るのだという。
哀川ベラドンナ。
不運にも彼女は、旧講堂の存在を知ってしまった。
演劇を志す者として、そのような舞台の存在を知ってしまえば好奇心は尽きない。
彼女は探してしまった。そして、見つけてしまった。
裏の林、その茂みの奥に。
既に廃棄されて久しいはずなのに、真新しさすら感じるその講堂を。
鍵は何故か開いていた。
独りでに扉は開き、静謐な雰囲気を漂わせる講堂に侵入する。
そして一人、舞台に立つ。
――――彼女は、血を啜る舞台に見初められた。
『貴女には、道具も照明も音響も、演出すらも必要ない。ただ一人で劇を構築するセカイを与えよう』
『貴女は道具であり、照明であり、音響であり、演出である。舞台そのものである』
『私を呼べ、私はどこにでも現れる。貴女の選ぶそこが舞台であり、悲劇であり、地獄だ』
『私は血を啜る、貴女の狂気の舞台で。さあ、契約を結べ』
――――そして彼女もまた、狂気に身を委ねた。
『私は道具であり、音響であり、照明であり、演出である』

『我が血肉を捧げ、貴方に誓おう』
『次の公演は、最高の舞台となるだろう、と』
演劇部『舞台監督』哀川ベラドンナ。誕生の瞬間である。