流血少女エピソード-ゆらぎTHEアキカン・クイーン・ヘッドごきげんよう-




プロローグSS≪ ごきげんようで始めるDP戦略01 ≫
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『どう生きるか……
どう闘うか……
それはお前次第だ。その花、好きに勝手に-saki-散らすがいい。』
                    (ア・キカーンX)
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【「DP不思議空間」―遡ること3か月前―】

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。

『ふん、わらわに挑もうとはいい度胸だ。よかろう。お前がわらわに
勝てばお前の「依頼」とやら受けてやろうでないか。ただ負ければ…
その時は判っているだろうな。』

その言葉に対応するよう突如現れる黄金に輝く四角いボード!戦いは苛烈を極めた。

PING!
PON!(注;効果音です。)

PING!
PON!(注;効果音です。)

(…!うおぉ、女王の負け…)
『なんだっっと、貴様この戦い、ヤりこんでいるなッ!!』

【妃芽薗「薔薇の園」――ハルマゲドン1か月前―】

妃芽薗学園の見所の一つに庭園迷宮(ラビリンス)がある。
無論、本当の迷路ではなくそれを模した造りで視界を遮る程度の通路、
その先に少し開けた中庭をおいてある少し凝った庭園といったところだ。
そして中庭にはそれぞれ百合の園、薔薇の園と名をつけられ、観賞やお茶用に各々テーブルと席が設けられている。
その一つ「薔薇の園」では過去、毎日のようにお茶会が開かれていた。
過去…かつて開かれていた催し『午後の陽だまり優雅な御茶会』も、主、
不在の中、人々の心の奥にのみ残る存在になりつつあった。
その閑散とした雰囲気の中、過去幾度も使われたであろうテーブルの横
に佇む少女が一人。

妃芽薗学園の制服に変なアキカン黒帽子を被った、その少女の名は
阿野次のもじ。希望崎学園の生徒であり、現在は妃芽薗学園への転入者。
彼女は場にそぐわないお気楽な口調で呟く。

「むう本当にFS抑えこまれてる。私の場合、事前に能力使ってきたから
関係ないけど、なんというレア経験。さてと”ここ”で正解かな?」
周囲のどこからも返事の声はない。ただ、少女の独り言でもない「返答」
はしっかりと返ってきているからだ。彼女が被る帽子さんから、彼女の
脳内に言葉が直接流れ込んできているのだ。
『…計算上はここだな。資料通り”死亡時点”のここがパワーポイントと
見ていいだろう。』
妃芽薗死亡した学園生徒「安全院ゆらぎ」を”彼女の能力を利用して”蘇生させること。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
ただし本人自体は蘇生を拒絶している。その説得も依頼内容に含む。
ウルワシ製薬の手芸者との戦いの後、彼女たちを訪れた謎の人物が彼女
たちに依頼した内容はそういったものだった。
現在、彼女らは阿野次のもじの能力≪フルソンブリンク≫で一般生徒
(おじょうさま)になり済まし、学園に潜入している。
もっとも転入手続き、その他諸々は全て正規のモノだ。これは彼女らに
仕事を回してきた相手の手配だ。

『高二力フィールド、本当にメンドクセー環境だな。これでは転校生
クラスはまず実体化できんだろうし。しかし…』
ここで一旦言葉を切る。人間であればため息といった感であろうか。
『まさか『連中』が、わらわの吹き飛んだパーツの一部を押さえている
とはな、アレを出されては今回の話を受けざるを得ない。』
そう、口約束の勝負に負けたからといってそんな死地メンドクサイ依頼を
受ける義理はない。彼女たちが今回依頼をうけたのはむしろ其のあと
提示された「成功報酬」によるところが大きかった。
「…ぅぁ。ですよねー」
その言に微妙なリアクションをとるのもじ。現在クイーンが頭部のみなの
は過去起こった宇宙事故が原因なのだ。詳しくはダンゲロスSSの彼女の
項かヤッターマンの最終回を見てほしい。
『お前の能力を「調律した件」も把握していたしな、完全に手を読まれ
ている。いや”あまりに読まれすぎている”か、さて、この落とし前、
どうしてくれようか。』
突如、言外に何やら不穏な空気を漂わせる女王。その様子にのもじは
一瞬、顔をひきつらせるが、当初の目的を思い出したか、徐に自らの胸
に手を入れ、胸元から一つの『お守り』を取り出す。
連載復帰祈願とかかれたそのお守りを開けると中から金平糖のような
塊が幾つか転がりでる。
「使用法は砕いて妖精の粉のように振りかけること…あれ意外と美味しそう?」
『ソレ間違えても喰うなよ。能力暴走するぞ。』
高二力フィールドを一時的に中和する厨二結晶というアイテムだ。
これで瞬間、能力発動が可能となる。なお瞬間、垣間見えた彼女の胸は平坦であった。

『さて、久々のダイブと行くか。いっきに潜るぞ、準備はいいか?でこ娘。』
「ハイDO。いつでもどうぞ。女王陛下。」
帽子に手を当て敬礼をするのもじ。頷く女王。
『では鬼と出るか蛇が出るか。
行ったきりがMYWAY。今回も気張って、DP戦略、はじめましょうか。』

♪ROCK ♪ ROCK  ♪

♪ ROCK in the herat~~♪

そして一組の少女と帽子は、その場から姿を消す。

DEEP・FOREST・
より深き森の中にへと。
                   (『ごきげんようで始めるDP戦略01』了)



最終更新:2012年08月25日 11:55