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番長GSS8

累積点数 点



■ネタに詰まったらトーナメントしとけ■


「さて、いよいよ長かった夢オチ上等番長陣営最大トーナメントも決勝戦を残すのみとなりました!
この特番では本日の決勝を前に、これまでの戦いを振り返って行きたいと思います。
お相手は、1京の魔人能力を取材した夢世界の報道部員、モブ子と!」

「未来探偵紅蠍。蠍座の名探偵――。」


【1回戦Aブロック:虫花地獄】
  • カップ焼きそば 142倍
  • 三二一 零 5.5倍
  • 神足 輪加 1.3倍

「1回戦Aブロックは今大会最高のオッズ142倍が飛びだしましたね!」

「無機物であるカップ焼きそばの敗退の予想は妥当なところだろう。」

「実際その予想を裏切らず、開幕直後に虫にたかられてカップ選手は敗退…。
残るパッシブスキル高速移動を持つ二人の戦いは最終的にかけっこに発展。
陸上を統べる部活動『陸上部』の全スキルを開放してかけっこに勝利する三二一選手でしたが、レギュレーションに規定されていた場外による反則負けとなってしまいました。」

「ボクの推理によれば勝ち進んだ神足君はまだ奥の手を残している。
次の回戦でも活躍してくれるだろう。」


【1回戦Bブロック:豪華客船】
  • 二魁堂 白鹿 3.8倍
  • 棟城 センナ 2.2倍
  • 獅子口 チギリ 2.7倍

「番長陣営のアタッカーが集結したこのリーグ!
優秀な洞察力と戦闘力を持つ棟城さんに人気が集中しましたが…!」

「蓋を開けてみれば二魁堂君のワンマンショーだったね。」

「開幕直後、船内を探検していた獅子口選手と二魁堂選手が会敵!
何故かびしょびしょに濡れている二魁堂選手の『お前も一杯飲め』という勧誘に『わかったー!』と答え強襲を加える獅子口選手。
咄嗟の酔拳により致命傷は避けたものの負傷した二魁堂選手に対し、謎のスリップ&ダウンをおこした獅子口選手!」

「あれは体が接触した時に、二魁堂君が能力で獅子口君の血液の一部をお酒に変えたんだね。
ボクじゃなきゃ見逃しちゃうよ。」

「あ、はい。
そしてこの戦闘を影から窺っていた棟城選手は二魁堂選手の能力を接触即死と判断!
遠距離からの攻撃での撃破を狙います。
慧眼により乾坤一擲の一撃を放たんとした瞬間揺らぐ視界! 僅かに逸れるシュート!
眩暈の正体は空気中に多量に含まれていたアルコールによる酔い。
実は、開幕直後能力を使って太平洋全体をお酒に変えていた二魁堂選手!」

「EFB能力以外の何ものでもないね。」

「この後も激戦が続きますが、この試合は1回戦ベストバウトに選出されましたので、詳しくは後ほどの特集でお伝えします!」


【1回戦Cブロック:爆雷地獄】
  • 阿鼻 狂華 12.1倍
  • 怒璃瑠 萌絵 1.7倍
  • 佐々木“ツヴァイヘンダー”貫子 2.7倍

「666つの地雷がひしめき、触れれば即大爆発の有刺電流鉄線がとりまくこのステージ!」

「なんだってこんなところを戦場にしたんだい…?」

「全てはダイス様の思し召しなのです。
運悪くこの地に割り振られた3人の選手には合掌ということで、序盤、対人地雷が仕掛けられる深度以下に潜り地中からの攻撃を目論む怒璃瑠選手に対し、地上に残された二人のうち阿鼻選手が共闘を申し出ます。
それに対し、自分一人だけで殲滅できると踏んだ佐々木選手は能力を発動、エネルギードレインにより敵対する2者同時の殲滅を狙います。
怒璃瑠選手より体力の劣る阿鼻選手は、ギリギリまで怒璃瑠選手の行動不能を待つも、ついには堪えられなくなり能力を発動し、佐々木選手を凄惨に窒息させ、エネルギードレインを停止させます。
こうして1対1となった阿鼻選手と怒璃瑠選手。
地下からの突撃に備え、能力により足元に無数の陰茎による肉の防御壁を構築する阿鼻選手。
これでいつ下方向からの打突が来てもカウンターで能力をお見舞いしてやると意気込む阿鼻選手は、直後、巨大な落とし穴に防御陰茎もろとも落下!
こうして怒璃瑠選手の勝ち抜けとなりました。」

「おちんちんが…穴に…!
これは大事件の予感だね。」

【1回戦Dブロック:風殺紅蓮地獄】
戦闘領域:半径1kmほど
  • 哀川 ベラドンナ 3.2倍
  • 墨江 翌桧 2.7倍
  • 外内 切絵 3.4倍

「非戦闘員が集ったこのブロック!
殴る蹴る等の戦闘行為は行われませんでしたが、全ブロックを通して一番の凄惨さを持つ試合内容となりました。」

「この知的な戦闘は名探偵である私に解説を任せて貰おう。」

「あ、はい」

「ベラドンナ君の能力で墨江君を生贄とし暗黒舞台を形成、二人は死亡と戦線離脱。
結果だけ見れば1行で済むこの戦いだが、―――――」

「はい、要約ありがとうございます! では次!」


【1回戦Eブロック:夏祭り】
  • 裸繰埜病咲 風花 8.8倍
  • 神霧 翔兎 3.5倍
  • 時宮 遅過 1.1倍

「番長陣営最強の矛と称される時宮選手に人気が集まったこのブロック。
期待に応えた時宮選手の圧勝となりました。
開幕直後から大人げなく(?)能力を連続発動し時間を止め、周囲のモブや屋台を暴風のように吹き飛ばして行く時宮選手!
脳筋の極致とも言えるその戦法の前に成す術無く残り2名の選手は敗退!
風花選手が速攻性の対人ウイルスを散布していたようですが、試合開始から完全決着まで12秒という今大会最速の試合運びの中では有効に働かなかったようです。」

「SSダンゲロスでは票の入らない戦法だが、爽快だね。
流石はボクの見込んだ遅過君だ!」


【1回戦Fブロック:糞尿地獄】
  • 七種 しちみ 2.1倍
  • 一 八七二三 1.4倍
  • 水泥 姿見 7.6倍

「極アタッカーと極ブロッカー因縁の対決!
軍配は極ブロッカーに!
終始攻め調子の一選手に対し、鉄壁を誇る七種選手が受けにまわります。
数百数千の攻防の末、七種選手が謎の覚醒を経て白髪に!
OSRを稼いだ七種選手が押し切り、このブロックの勝者になったかと思われた次の瞬間、白髪の色がより薄くなり、七種選手は水泥選手に変貌。
こうして七種選手をとり込んだ水泥選手がブロック代表となりました!」

「ステータス合計36+魔人能力2つとは優勝が期待できるスペックになったな。」


【ここで一旦CMです! CMの後、ついに決勝のステージが公開!】



『ペリー神崎の脅威。スズハラ機関の闇』



 番長陣営の顔合わせが終わってから、意志乃鞘はある人物に呼び出されていた。
「ふむ、また珍しいところで会うものだね?」
 彼女を呼び出したのは頭の上に妙な缶を被った少女――阿野次のもじ。
 だが、実際に用があるのはのもじではないだろう……というのが鞘の推測であった。
 事実その通りで、のもじは自分が被っているアキカン・クイーン・ヘッドに言われて行動を起こしたのだ。
「やー、本当そうっすね。個人的には鞘さんが転校生になってるのが一番の驚きっすけど」
「その点に関しては私も驚いたよ。……環境によるところが大きいのだろうね」
(『環境か。……要因さえ揃えれば転校生クラスの力を得ることができるとは、やはりヒーローはわらわの最後の敵となりそうじゃな』)
(はっはっは。ヒーローが敵となるなんて穏やかではないね?)
(『こやつ、直接脳内に……!?』)
 ひとり思考していたクイーンの脳内に鞘の声が響く。しかし目の前の鞘は実際にはのもじと他愛ない会話を続けたままだ。
 つまり、思念を直接飛ばしてきたことになる。
(『おぬし、いつの間にそんな力を……』)
(転校生と認識されてからだな。尤も万能ではなく、今のところこうして思念で会話できるのは君だけのようだ)
(『わらわだけ?』)
(あぁ、例えば――)
 鞘が視線をついと遠くへ向ける。そこには数人の少女達が1羽の鶏と戯れていた。


「な…、なんだ?」
「どこからにげてきたんだ? おまえ」
『ボク(ピー)ちゃん。(ピー)ちゃん』
「へ…。こいつ、しゃべるぜ……」
「おれ、ノンベエ、天才! 天才!!」
「酒が強いだけがとりえ」
『ノンベエ、ノンベエ…。サケ…ツヨイダケ…』
「わははは…!」
「あはは」
「ププッ」
「ち! かわいくねぇ鳥だぜ」


(――試しに彼女らに「からあげくんください」と思念波を飛ばしても通じなかったからな)
(『それは通じなくて正解だと思うがな』)
 いや、それ以前に、
(『あれ、放っておいてよいのか?』)
(ん? 別に構わんだろう。青春ドラマならよくあることさ)
 よくあることなのだろうか。
(……まぁ、君にだけ通じるという状況はそう不思議でもないだろう)
 何せクイーンでありアキカンである。
 鞘はクイーンの成り立ちをよく知らないが、それでも通常の魔人……アキカンとは大きく異なることは分かる。
 異常存在であれば、異常が通じるのも当然ではある。
(ふむ。では、そろそろ本題に入ろうか。呼び出したからには用があるのだろう?)
(『……用、か』)
 実のところそんなに用といえるものは無い。
 鞘が能力によって転校生化したという事実を確かめる為、適当に力でも振るってもらおうかと思っていたのだが、最早その必要はないだろう。
 先までの会話で鞘が通常から逸脱した存在になったことを知るには十分すぎた。
(『そういえばおぬし。この学園を覆うフィールドに気づいておるか?』)
 高二力フィールド。
 中二力を打ち消し、魔人能力を発動させないために学園が用意したものである。
 発生源は学園のどこかに眠るという蓮柄円。尤もそれを知るものは学園関係者の中でも極少数だ。
 クイーンもこれに関しては薄々感づいているだけで、この時点ではまだ確信には至っていない。
 ただ、この力がクイーンの任務を阻害するだろうことは理解していた。
(……あぁ。妃芽薗の魔人はすっかり慣れているようだがな。外から来た私達にとっては少々やりづらい)
 恐らく、番長陣営でフィールドによる重圧を最も感じているのが鞘とクイーンだろう。
 だからこそクイーンは鞘へと問う。

(『おぬし、転校生として力を振るうことをフィールドで制限されぬのか?』)
(されないようだ。私は厳密には転校生ではなく、自分の能力で存在がそこまで引き上げられたに過ぎないのだから)
 そう思念を飛ばしながら、鞘は胸元にあるクーゲルシュライバーを引き抜き、剣へと変化させる。
 剣を振るうと、衝撃波が次元を切り裂きマイクロブラックホールを発生させて、辺りに生えていた木々を一瞬にして消滅させてしまった。
 転校生としての尋常ならざる力を見せ付けられて、のもじも「おー」と歓声を上げて拍手する。
 これだけの能力、通常なら高二力フィールドで発動することはできない。
 だが鞘の理屈でいうならば、『HERO DESTINY』自体が封じられない以上、この力は結果に過ぎず、制限外なのだという。
(『待て待て待て。それはバランスブレイカーにも程がありやしないか?』)
 ならば、今回のハルマゲドンは鞘1人が暴れたら終わりやしないかという危惧。
(それがそうでもなくてな。私の能力はあくまでも補正によって力を得る能力。転校生クラスを得る為にはやはり転校生としてのルールに従わなくてはならない)
 転校生としてのルール。
 今回の場合、中二力が蔓延し、高二力フィールドが薄まってからではないと活動できないというものだ。
 つまり、結局のところ高二力フィールドで制限されずとも、自らの能力で同じ制限をかけなくてはいけないことになる。
(『しかし、今のおぬしは苦労することなく力を振るっておるが――』)
 そこまで言ってから、クイーンは気づく。
 そう、今はあくまでも盤外。ルールが力を持つ状況ではない。
 転校生ならフィールドで縛られるが、ルールで縛られる鞘は盤外でも転校生と同じだけの力を発揮できる。
(『なら、今のおぬしが生徒会陣営を奇襲すればそれで終わるのではないか?』)
 身も蓋も無い提案をする、が。鞘は首を横に振る。
(それはヒーローらしくないな)
(『えぇー』)
(それに、だ。……生徒会には“あの”ペリー神崎がいる)
 ペリー神崎。
 生徒会陣営の守護神! ポジションはレフト!
(彼の能力は『ペリカン』。発動すればスタメンを確実に戦場へと送り届ける力)
 ……その力が発動してしまえば、最早転校生でも決して介入することはできない。
 転校生すら凌駕する力。それがペリー神崎のペリカン――!!
(『そうか。そういえば居たな――ペリカンが』)
 脅威の存在を指摘され、クイーンも唸る。そう、生徒会陣営最強戦力といっても過言ではないことはクイーンも理解している。
(『だがやつは……何者なのだ?』)
 あまりにも強力な力を持つペリー神崎。しかし、その存在は表には公開されていない。
 彼女らのように裏を探るものだけを知っている人物だ。
(分からん……。これだけの力を持つのだ。もしや――)
 ――スズハラ機関。
 紅蠍を送り込んだ謎の機関。
 やはり、
(今回のハルマゲドン――彼らが関わっているのか?)


 スズハラ機関。その闇の濃さを、ペリー神崎そのものが語っていた。


(終わり)