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164 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02:53:48 ID:+abDjoo7 「おはよー、お姉ちゃん」 「あ、おはようタニア」 朝もやに煙る水場で、二人はいつものように挨拶を交わす。 ウエストウッドの村では、この二人が一番の早起きだ。 家事を一手に担うティファニアと、それを手伝うタニア。 ずいぶん前から、水場で朝一番に顔を洗うのは、この二人になっていた。 しかし。 「今日は遅刻しなかったねー?」 タニアの言葉に、ティファニアの身体がぎしっ!と音をたてて動きを止める。 顔も耳まで真っ赤になる。 そう、最近ティファニアは朝一番に水場にこないことがある。 「やややややーねタニア、この前のはたまたまよたまたま」 ぎこちない動きで水場に置いてあるコップに水を注ぎ、赤い顔でそう言うティファニア。 しかしタニアは容赦しない。 「五回続いたらたまたまって言わないんじゃなーい?」 ばしゃっ! 勢い余って、ティファニアは手にしたコップに溜まった水を自分の顔にぶちまけてしまう。 「あ、ああああああれは疲れてたからっ」 「お兄ちゃんとこで寝るようになってからだよねー?遅刻するようになったの」 ぼんっ! タニアの指摘に、ティファニアの顔面が火を噴く。 「いやあのでもそれはえっとあのそのっ」 まるで伝承の巨人・ヘカトンケイルのように腕をあっちこっちに伸ばして、慌てて言い訳の言葉を捜すティファニアだったが、うまい言葉が見つからない。 そんな自称保護者にタニアはにやりと笑って言った。 「なんならもうちょっとゆっくりしててもいいよ?  朝の準備はしとくからさ」 「いいっ!ちゃんと起きられるからっ!」 どちらが保護者かわからないやり取りである。 しかしティファニアの台詞はこの先、あまり守られることなく終わる。 そう遠くない未来、ウエストウッドの朝餉の準備は、結局タニアの仕事になるのである。 166 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02:55:27 ID:+abDjoo7 たくさんの人数分の料理を作るのは、大変な仕事…というわけでもない。 汁物は前日に仕込んでおけばいいだけだし、サラダの類も野菜を切ればいいだけなので問題はない。 あとは、適当に切り分けたパンを各自の皿に盛り分けるだけだ。 とどのつまり、朝餉の準備はパンを切り分けることとスープを温めること、そしてサラダを盛り付けることである。 タニアはサラダを担当し、スープとパンはティファニアが担当する。 「ねえお姉ちゃん、今日はどうするの?」 サラダの野菜を細かく切り分けながら、唐突にタニアが聞いてきた。 今日?なんかあったっけ? 「今日?なんのこと?」 ティファニアは記憶を探ってみる。 誰かの誕生日?それとも何かの記念日だっけ? どうやら思い当たっていないらしい保護者に、タニアは深いため息をつく。 「今日は『聖女の日』だよ?  お兄ちゃんに贈り物しなくていいわけ?」 タニアの言葉に。 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」 ティファニアは思わず叫んでしまった。 忘れてた。完全に。 当然贈り物など用意してあるはずもなく、ティファニアは慌てる。 でも。 「で、でもあれって告白してない女の子のイベントだしっ」 とりあえず言い訳してみる。 だがタニアには通じない。 「…お兄ちゃん可哀そう」 「あ」 「楽しみにしてただろうなー。『聖女の日』にお姉ちゃんから贈り物されるの〜」 「う」 「最近は、恋人同士になってからのほうが『聖女の日』は大事だっていうのに〜」 「あうあうあうあうあうあうあうあう」 「お姉ちゃん嫌われちゃうかもよ〜?」 「ど、どうしようタニアっ!?どうしよ〜〜〜〜〜??」 泣きそうな顔で、自称保護者はタニアにすがりつく。 言動だけなら、どっちが保護者か分からない。 ホントに、どーしょーもない保護者だこと…。 半分呆れて、タニアは言った。 「どうするもこうするも、今から準備して間に合う贈り物を用意するしかないんじゃない?」 タニアの指摘は的確であった。 もとよりそうするしか他に道はない。 167 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02:56:03 ID:+abDjoo7 「そ、そうよね…。  うん、頑張ってみる」 とりあえず思い直し、ティファニアは贈り物を思案する。 しかし。 「考えるのはいいけどさ。  スープ焦げるよお姉ちゃん」 冷静なタニアの突っ込みに、ティファニアは慌ててスープをかけていた火を消したのだった。 その日の朝食のスープは、ほんの少し焦げ臭かった。 結局半日考えて。 どーしよー! 思いつかないよー! すぐに用意できるもので、サイトが喜びそうなもので、しかも贈り主書かなくても私だってわかるものなんて! 用意できるわけないじゃないのっ! 私はお昼の用意をしがてら、台所でぐるぐる回る。 すぐ準備できるものの候補って言ったら。 お料理…くらいしかない。 でもでも、料理が贈り物だって気づいてくれるかなサイトは? …あれで結構鈍感だし…。 そうこうしていると。 「おねえちゃーん、おなかすいたあー」 エマが、台所の入り口からそう声をかけてきた。 外を見ると、日はすでに傾き始めている。 あ、まずい、お昼出さなきゃ! 「はいはい待っててね、すぐ準備するから」 私は慌ててお昼のシチューをお皿に取り分ける。 うー、こんな事してる場合じゃないのにっ! 結局お昼の後片付けが済むまで、サイトへの贈り物を考える暇は、私にはなかった。 なるほど、こっちのバレンタインみたいなものなのか。 俺は、タニアが口にした『聖女の日』の解説を、タニア自身から受けていた。 「ほーんと、なんにも知らないんだねお兄ちゃんてば」 呆れたようにタニアがそう言う。 …そりゃそうだ。俺元々こっちの世界の人間じゃないんだし。 そんなタニアに俺はいつもの言い訳をする。 「俺の故郷じゃそんなイベントなかったしなあ」 とりあえず万能の言い訳だ。 でも、今日のタニアは何か不満そうだ。 「…知らなかったらスルーするとこだったね?」 顔は笑ってるが目が笑ってない。 …まあ、知らなかったら贈り物が目の前にあっても、その贈り主を当てようなんて思いもしないわな。 まあいいや、とりあえず。 「そうだな。教えてくれてありがとな、タニア」 俺はタニアのブルネットの髪をくしゃくしゃと撫でると、薪割りの仕事に戻ることにした。 タニアはまだ何か言いたそうだったが、俺が鉈を手にして薪割りを始めると、ふてた様な顔をしてどこかに行ってしまった。 168 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02:57:34 ID:+abDjoo7 その夜。 才人が仕事を済ませ、部屋に戻ると。 寝室の円卓の上に、小さな紙が置いてあった。 この数ヶ月の間、才人はティファニアに、読み書きを教えてもらっていた。 ロサイスに買い物に行く際、読み書きができなくては何かと不便だからだ。 「ん?どれどれ」 そこにはこう書いてあった。 『贈り物があるから、寝ないで待ってて』 差出人の名前はないが…。 「思いっきりテファの字じゃん…」 このウエストウッドでまともに読み書きができるのは、ティファニアとタニアくらいだ。 そして、この丁寧な字は、間違いなくティファニアのもの。 字を習いたての才人でも、それくらいはわかる。 夕食の後にでも、贈り物を渡すつもりなのか。 しかしそれでは。 「…聖女の日の贈り物って、贈り主が直接渡したらたらダメなんじゃ…?」 昼間タニアに聞いた聖女の日のルールを思い出す。 …ひょっとして。 才人の頭脳は一つの可能性を導き出す。 「この手紙が、贈り物の代わり、ってイミかなぁ?」 呟きながら才人が手紙を手にしていると。 ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。 この時間にこの部屋のドアをノックする人物は一人しかいない。 ティファニアだ。 才人はいつものようにドアを開けて、ティファニアを部屋に招き入れる。 「あ、あの、サイト」 ティファニアは料理をテーブルの上に置くと、急にもじもじし始める。 あ、そうか。 才人は聖女の日のルールを思い出す。 贈り主を当てないと、いけないんだっけ。 「この手紙、テファが?」 才人のその言葉に、それまで俯いていたティファニアは顔を上げ、笑顔になる。 「う、うん」 そして頷いた。 しかしその直後、少し申し訳なさそうな顔をして。 「でも、ごめんね。時間なくて、大した贈り物、用意できてないの」 謝った。 169 名前:聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02:59:12 ID:+abDjoo7 しかし才人は、そんなティファニアの様子を気にすることもなく。 「いいよ、テファが贈り物してくれるってだけで嬉しいし」 にっこりとティファニアに笑いかける。 優しいね、サイト…。 ティファニアはそんな才人の態度に、想い人への愛しさを募らせる。 そして二人は、いつものように夕食を採り…。 「ごちそうさま」 「お粗末様でした」 夕食が終わり、ティファニアは夕食以外に持ってきていた、陶器の小瓶を持ち出す。 ティファニアはその小瓶を持ったまま、ベッドの方へ歩いていき、そして腰掛ける。 ランプの明かりに照らされたその頬は、少し赤くなっていた。 「サイト、贈り物渡すから…こっちきて」 才人は言われるまま、ティファニアの前に立つ。 ティファニアは陶器の小瓶を両手で持ったまま、赤い頬で才人を見つめている。 …なんだろう?あの小瓶がプレゼントなんだろうか? 疑問に思う才人を尻目に、ティファニアはその小瓶の蓋を開ける。 その口から香る、甘い香り。 「これ…チョコレート?」 才人は驚いたように言う。 カカオの実を焙煎して作るチョコレートは、ハルケギニアでは高級食材だ。 日本ではポピュラーなおやつだが、栽培技術も流通経路も発達していないこの世界では、高級な食材だった。 才人はそれを、ロサイスへの何度かの買出しによって、知りえたのだ。 「これね…私が自分で作ったの…。  ほんとは、自分でこっそり食べるつもりだったんだよ」 言って、いたずらっぽく舌をぺろりと出す。 「そんな、悪いよ…テファも楽しみにしてたんだろ?」 しかし才人の心配をよそに。 ティファニアはとんでもない行動に出た。 いきなり夜着の前をはだけ、規格外に大きな胸を晒すと。 小瓶に溜まった茶色い液体を、その白い柔肉の双球に、まんべんなくふりかけたのだ。 息を呑む才人に、ティファニアは言った。 「これ、全部、サイトが…。  サイトが、食べて、いいから…」 211 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/26(月) 02:01:29 ID:eGt1Dt65 こ。 これがホントの。 チョコパイってやつですかーーーーーーーーーーーーーーー!? 俺の視線はチョコ塗れのテファの胸に釘付けになる。 鼻息の勢いがマックスになり、俺のホームランバーがズボンが邪魔だと言わんばかりに起き上がる。 やばい限界。もう辛抱たまらん。 俺はそのまま一気にテファを押し倒 「まって、サイト」 ?テファの両肩を掴んだ俺の手を、テファ自身が掴んだ。 「ちゃんと、贈り物、食べてから…ね?」 言って、恥ずかしそうに胸の下に両手を入れて、俺のほうに大きなチョコパイを差し出してきた。 すいません私がわるうございました。 「まずはそのけしからんチョコパイを成敗してからですネー!?」 あ、いかん声が。 思わず叫んだ俺を、テファが変な目で見てる。 …ヤベ。やっちゃった。 しかしテファは、くすりと笑うと。 「けしからんかどうかはわかんないけど…。  成敗して♪」 言っていたずらっぽく舌をぺろりと出してみせる。 その仕草に、俺は即座にクライマックスに達した。 「テファーっ!」 俺はチョコ塗れのテファの胸にむしゃぶりついた。 しかし流石は胸革命。一口では収まりません。 するってえと、口に入る範囲を順番に舐め取っていくしかないわけで。 最初は理性がぶっ飛んでいきなり右のてっぺんにいっちゃったけど…。 やっぱここはアレですね。 周りから攻めるべきデスネ! 212 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/26(月) 02:02:06 ID:eGt1Dt65 な、なんでサイトっていっつもこうなの…? 私は、いつまでたっても終わらないサイトのねちっこい責めに、辟易していた。 「さ、サイトぉ…」 サイトは私の胸についたチョコを、舌で舐めたり、吸い付いて吸い取ったりして、食べてるんだけど…。 最初の一回以外、一度も、その、一番敏感なところを責めてこない…。 私はたまらなくなって、サイトの頭を捕まえて、一番感じるところに導こうとする…。 でも。 サイトはそんな私の思惑を見越してか、私の両手をがっしり握って、両手を封じてきた。 「酷いよぉ…サイト…」 涙が出てくる。 じわじわ感じさせられ続けて、私の身体はもう限界だった。 胸の先端で、乳首が千切れそうなくらいはれ上がってる。 股間はもう、お漏らししたみたいにべとべとで…。 「じらさないでよぉ…もう、つらいの…」 私は必死に訴えるけど…。 「テファ、じらされるの好きだろ?」 イヤらしい笑顔でサイトがそんなこと言ってくる。 そ、そんなことないもん…。 私は否定の言葉の代わりに、俯いて頭をふるふると振る。 そんな私の顎を、サイトが軽くつまんで上を向かせた。 「そう?いきなりするより、じっくりじらしたほうが…」 言って、両手で胸を挟み込んで、揉んでくる。 やだぁ…こんな、地味な刺激じゃやぁ…。 そしてサイトは続ける。 「スゴい逝き方してるみたいだけど?」 その台詞に、私の顔は真っ赤になる。 …た、たしかにそうだけど! で、でもそれはじらされた反動なんだもん…。 じらされるのが好きなんじゃないもん…。 私の中で、何かがキレた。 そんな、意地悪言うんだったら…! 私は油断しきっているサイトの両腕を掴みかえして、無理やりベッドに押し倒した。 「サイトのいじわるっ!」 「えっ!?」 一瞬の早業に、サイトが驚いた顔をする。 ふんだ。もう許さないんだから! 私は膨らんだサイトの股間に目をつけると、一気にズボンを引き摺り下ろして彼を引っ張り出した。 「サイトも、じらされてみればいいのよっ!」 そして私は。 まだチョコの残っている胸の谷間で、彼を包み込んだ。 213 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/26(月) 02:02:52 ID:eGt1Dt65 うひょおおおおおおお? こ、コレは正直たまりません! チョコがローションの代わりになって、テファの胸の谷間を出入りする俺の息子を包み込む。 ぬるぬるとした感触と、テファの柔らかい胸の感触に、愚息は一気に頂点に…。 行かなかった。 「…おしおきなんだから」 ちょっとまってええええええええええええ!そこで止めないでえええええええ! テファは俺の息子が限界に近いと見るや、胸の谷間を全開にして、刺激を止める。 チョコに完全にコーティングされた俺のホームランバーは、テファの前で切なそうに震えている。 う、うわ、こ、腰が勝手に動いて…。 テファの胸に吸い寄せられるううううううううう。 しかしテファは身体を引いて、ホームランバーから遠ざかる。 「少しは身をもって反省しなさい!」 半眼でそんなこと言ってくる。 イヤちょっと待ってマジでツラいんですけどこれっ! か、かと言って自分でコスるわけにもいかないしっ! しょ、しょうがないここは…。 「ご、ごめんテファ!もうしないから!じらしたりしないからっ!」 情けないけど、謝るしかない。 「ホントにぃ?」 テファは俺の脚の間から、不信の視線を向けてくる。 …うっわ俺信用されてねー。 「ホント、ホントだからっ!」 …ちゃんと逝かせてください。マジつらいっす。 「…しょうがないなあ」 テファはそう言って、にっこり笑うと。 また胸の谷間で、いまかいまかと待ち構える俺のホームランバーを包み込んだ。 おおう…なんか一旦間を置かれると…。 さらにキモチイイですネ! そして、テファはいつものように俺の愚息を胸の谷間でしごきはじめる。 「くぅっ…テファっ…」 そして俺はすぐに限界を迎え…。 なかった。 俺の限界を悟ったテファは、またしても俺のブラックバスをキャッチ&リリースしやがったのだ。 「て、テファぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ」 「…おしおきですっ」 結局、テファの『お仕置き』は、4回ほど続いた。 …情けないことに、4回目のお仕置きで、俺は空中で逝ってしまったのだった。 214 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/26(月) 02:03:32 ID:eGt1Dt65 「たーしーかーに、じらしたほうがスゴいのは認めますっ」 「ふぁい」 行為のあと。 ベッドの上で、裸のまま、珍しく才人はティファニアに叱られていた。 あのあと、才人はさんざん焦らされた後、特濃のホワイトチョコをティファニアの中にぶちまけたのだった。 そして今、才人はいままでの事をさんざんティファニアに叱られているのである。 「でも、焦らされるのはすっごいつらいの。わかる?」 「わ、わかりましたぁ…」 それはもう身をもって思い知らされた。 自分がティファニアにどんなことをしてきたのか、才人は理解したのだった。 「今度から、『焦らさないで』って言ったらじらしちゃダメよ?」 まるで出来の悪い生徒をしかる女教師のように、ティファニアは才人をしかりつけた。 「…でも、言わなかったときは焦らしていいんだよな?」 才人はそんなティファニアの言葉尻を捕らえる。 ティファニアは一瞬考えた後、赤くなりながら応えた。 「…いいけど…」 ちょ、ちょっとは、ほんのちょっとは焦らされるの好きだし…。 そんなことを考えながら、ティファニアは目の前で無闇に頷いている恋人を見つめる。 そして思い出した。 もう一つ、贈り物があったことを。 「…あのね、サイト。  もう一つ、贈り物があるの」 ティファニアは優しい声でそう言った。 その言葉に、才人は驚いた顔をする。 この上何をプレゼントしてくれるというのだろう。 ティファニアは、そっと下腹部に手を沿えると、言った。 「あのね。  今月、女の子の日が来てないの」 それはつまり。 種の入っていない卵が、排出されていないという意味で。 「え?それってテファ…」 驚く才人に、ティファニアは続ける。 「…名前、どうしよっか?」 母親の優しい笑顔を湛えるティファニアを、才人は優しく抱きしめたのだった。 215 :聖女の日〜ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/26(月) 02:04:38 ID:eGt1Dt65 そこは、才人が薪割りをしている場所だった。 タニアはそこで、星空を見上げて、手にした毛糸の手袋を広げていた。 それは、ウエストウッドの村で、一番大きな手の持ち主に合うように編まれたものだった。 「ま、最初の『聖女の日』はうまくいかないっていうのが普通みたいだしね」 そう言ってタニアは、空を見上げたまま、その手袋を才人が普段薪を割っている切り株の上に置いた。 「ほんと、貧乏籤よね、私ってば」 言いながら、空を見上げたまま、家のほうへ歩いていく。 「そろそろ寝ようかな。  …明日早起きしないと、テファお姉ちゃん完全に遅刻だろうし」 空を見上げたまま、タニアはそう呟いた。〜fin

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