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313 名前:1/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:08:11 ID:J37G4WVk  キュルケに厳重に言い含められたことがある。 「エルフが追ってきたら、あの二人が頼りなんだから、  二人そろって疲れ果てないように監視してて」  エルフと戦えるのがこの二人しか居ないのは分かるけれど。  ……疲れ果てる?  宿に泊まるのは、疲れを癒すためなのに。  不思議に思ったわたしはキュルケに聞いてみたけれど、笑うばかりで何も教えてくれなかった。  自分やモンモランシーだとルイズが部屋に入れないだろうからと、  キュルケがわたしを二人と同室にした。  それは良い。  何だかよく分からないけれど、皆の役に立つのなら。  ……でも、 「何やってるの、タバサ?」 「寝ないのか?」  二人そろってわたしをベットで待っている。  左端が空いて、どうやらそこがわたしの場所らしい。  ……あの、あのね、ここツインだよ?  ベット二個有るのに。  当然ルイズとわたしが同じベットだと思ったのに。  ルイズとサイトが同じベットに入った時、やっとキュルケの言葉の意味が分かって、  その場で固まっているわたしに、二人は布団を持ち上げてわたしの手招きした。 「夜更かしは駄目よ?」 「だめだぞー」  ……どうして当然のように三人で同じベットに寝ようとするの?    ――タバサは知らない。  サイトとルイズは三人で寝るのがすっかり習慣に成っていることを。    三人=同じベット  この二人の常識は、徐々に一般常識から乖離しつつあったが…… 「タバサ、ひょっとして寝付けないの?」 「そうか、大変な目にあったところだしな」  ……うん、今まさに大変な目に遭ってるよ? 「「三人で運動でもする?」」  ……ふぇ? 「寝る」  サイトとルイズの言葉に、ちょっぴり恥ずかしい妄想をしてしまったタバサは、  慌ててベットに飛び込んだ。 #br 314 名前:2/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:08:50 ID:J37G4WVk  お、男の子の身体だ……  狭いベットの上で触れるまでもなく感じられる、自分やキュルケとは密度の違う筋肉に、  タバサは緊張を隠せない。  ――ルイズの隣に寝かせれば良いものを、いつもの癖でサイトを中央に、  女の子二人で挟むような位置取りだった。  習慣というモノは実に恐ろしい。 「……布団が小さいわね……ちょっと詰めて」 「ん〜、タバサ、もうちょっとこっち来いよ」  ……わざと? わざとなの?  そう疑いたくなる位、二人は揃って天然だった。  ここまで無邪気に言われると、勘ぐる自分が恥ずかしくなって来て、 「…………ん」  思い切ってサイトに密着してみる。  ……うわ……硬い……  なんて言うか女の子より骨がしっかりしてて肉が厚い。  キュルケだって、わたしに比べたら筋肉あるのに。  ……サイトって逞しい。  後になって考えて、思わず取り乱してしまったことを、ごくごく自然に思う。 「…………タバサ? タバサ?」 「って、本名違うんじゃなかったかしら?」  いけない考え事に夢中で、二人が…… 「「シャルロット?」」  っ!  わたしの……名前。  耳元で優しく紡がれる、わたしの本当の名前。 「は……はい」  うれしくて、ついしっかりと抱きつきながら返事をする。 「あ、やっぱり名前間違えたの怒ってたのね」 「ごめんな、シャルロット」  ……ち、ちがうの。  恥ずかしくって、頭から布団を被ってサイトにしっかりと抱きつく。  暖かいね。  周りに誰か信じられる人が居るのは、何て素敵な事。 「もうねるの?」 「おやすみ、シャルロット」  顔を上げないわたしを置いて、二人は笑って目を閉じた。 #br 315 名前:3/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:09:31 ID:J37G4WVk  ……って、寝れるわけない。  どうしてこの二人は平気なの?  のんきにすぴすぴ寝息を立てている。  すっかり寝入った様子のサイトから少しはなれて溜息を吐く。 「どうして? 隣に好きな相手がいるのに、二人ともそんなに寝つきがいいのっ?」  答え   慣れてるから。  そんな二人に取り残されて、タバサ――シャルロットは一人悶々としていた。 #br 316 名前:4/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:10:04 ID:J37G4WVk  サイトには当人も自覚していない不満があった。  二人の女の子に添い寝してもらっておいて……  友人達に聞かれると、確実に撲殺されそうな不満。  寝返りが打てない。  ここ暫く寝ているサイトの両手が自由な日は一日も無く、  シエスタと別行動になるや、牢屋行き。  その後はタバサの救出に向かう緊張感で安眠どころではなかった。  ……つまり、タバサを助けてやっと熟睡できる上、  シエスタに張り合う必要の無かったルイズが密着しないため、  サイトは久々に快適な眠りにつけた。 「……ん……るぃずぅ…………」  ころころと、思うままに転がりながら心地よい夢に溺れる。  人としてこれ以上の幸せがあろうか?  夢の中のルイズは本物より優しくサイトを抱きとめて、  その手を優しく…… #br 317 名前:5/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:10:36 ID:J37G4WVk  サイトのほうを向いているのが恥ずかしくなったタバサは、  二人に背中を向けてうとうとまどろんでいるた。  眠りに落ちる寸前、背後からいきなりサイトに抱きつかれた。 「っ! だ……だめっ」 「……ん……るぃずぅ…………」  寝惚けてる?  背中から回されたサイトの手が、タバサの胸を這い回った。 「うん……ルイズだー」    えっと……それ、ちょっとわたし達に失礼だと……ひゃっ  ふくらみかけの胸は強く触られると痛みを覚えるが、寝惚けているサイトの力ない指は、  却ってタバサに丁度良い刺激となっていた。 「ちょっ……ダメっ……」  身体を捻って逃れようとするタバサの耳にルイズの声が届いた。 「ん〜、サイトぉ……」  タバサが暴れた所為で布団が引っ張られ、隙間風でルイズの眠りが浅くなったようだった。 (……ル、ルイズに見られたら……)  自分を助けてくれた二人の喧嘩なんて、見たくなかった。 「んっ……んんんっ……ん〜〜っ」  タバサは下唇を薄く噛みながら、必死で枕に口を押し付けていた。 #br 318 名前:6/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:11:08 ID:J37G4WVk (や……あっ……本当に……寝てる……のぉ?)    サイトの暴走は止まらなかった、背中から圧し掛かるようにタバサの動きを封じながら、  両足までタバサに絡ませる。  望み得る最高級の抱き枕。  足を引っ張られるお陰で、ぴんと張り詰めた上半身は更に敏感になり、  止まる様子の無い両手の刺激を効率よく伝える。  さらに後ろからサイトが組み付いたことで、  タバサのお尻にはなじみのない熱い塊が押し付けられ、ソレを悟ったタバサの羞恥を煽る。 「ルーイズー……むにゃ……」 「サーイトー……ぐー……」 (そーゆーのは向かい合ってやってぇぇぇぇ)  ルイズに気を使って、喋ることの出来ないタバサの悲鳴は誰にも届かず…… (だ、だめ……本当に、ちょっ……やあっ……とまってぇぇぇ)  執拗なサイトの手によって、じりじりと寝巻きが捲り上げられていく。  両手ごと抱きかかえられているため、抵抗らしい抵抗も出来ないまま  じりじりとタバサの胸が晒されていく。 (しまっ……これじゃ……)  サイトを起こすことは、今の自分の姿を見られることになる。  ……タバサの選択肢がまた一つ減った。 #br 319 名前:7/8[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:11:39 ID:J37G4WVk  タバサの耳にサイトの熱い息が掛かる。 「ひっ……」 (だ……めぇ……こえ……でる……こぇ、でちゃうよぉ……) 「ルーイズー♪」 「サーイトー♪」  サイトに触れられている所が、どこもかしこも熱かった。  タバサの身体は今やすっかりサイトの玩具にされていた。  小さく軽い身体はサイトが抱きしめたまま打った寝返りによって、  サイトの上に抱き上げられている。 「……っ……っ……ふ……あっ……」 (ひゃぁあっ、びくってしたっ、熱いのがびくってしたぁっ)  ぐいぐい押し付けられるサイトの形を、タバサはすっかり覚えてしまいそうだ。  タバサを抱き上げるように身体に乗せたサイトが、剥き出しの先端に触れるたびに、  噛み締められていた唇からは、血が滲んでいる。 (だ……め……こんなの……だめ……)  既にどれだけの時間が経ったのか、タバサには分からなくなり始めていた。  もどかしい刺激だけが止まる事も無く送り込まれ続け、  ルイズの存在が無ければ、とっくに嬌声を上げていた。  強い熱と淡い湿り気を始めて感じ始めた自分に、  戸惑いを隠せないまま声だけを抑えているタバサは、  自分の身体がサイトの腕から逃れようとはしなくなっている事を自覚した。 (……ど、どし……て? にげられないよぉ)  浅い寝息を立てるサイトの顔が、すっかり全身の力が抜けたタバサの目の前に有った。  ……少しだけ……少しだけなら……  タバサは始めて自分から行動を起こす。  恐る恐るサイトの唇に触れ、起きる様子が無いことを確認した後、  ゆっくりと自分の唇を合わせた。 #br 320 名前:8/9[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:13:25 ID:J37G4WVk  胸がどきどきした。  優しい気分で顔を上げると、  眠るルイズが見えた。  ……わたしを助けてくれた友達が……そこに居た。 「ぁ……っ……ご……ごめんなさっ……」 「んっ……」  サイトの腕がまたわたしを捕らえる。  どんな抵抗も出来なくなったわたしは、成されるまま抱きしめられる。  ごめんなさい、ルイズ。  謝る事しか出来ないわたしを……許して。  ぽろぽろと涙がこぼれる。  サイトがまたわたしを甘く抱き寄せる。 「い……や……も、だめ……だめだ……よ?」  逃れようとするわたしの上で、動きを止めたサイトの重さを心地よく感じてしまうわたしが、  どうしようもなく切なくて、悲しくて…… 「ごめ……さっいっ……も……やめ……てぇ……」  涙がどうしても止まらなかった。 #br 321 名前:9/9[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 03:14:03 ID:J37G4WVk  みゅ?  いつの間にか布団が無い。  寒い。 「もー、またシエス……タ……?」  って、ここにシエスタは居な……いんだっけ?  身体を起こして、周りを…… 「ごめ……さっいっ……も……やめ……てぇ……」  ……は?  サ、サイトに圧し掛かられて、半裸のタバサが泣いてる?  ……ゆ、夢よねー? 「もう……だめ……これ以上は……ルイズに……」  ……ルイズの全身から不可視の怒りが噴出された。  ――サイトはルイズの殺気に敏感だった。  一瞬で目を覚ますと…… 「へ?」  ちっちゃい胸が剥き出しのタバサが腕の中で泣いて…… 「え? え?」  サイトは恐々と回りを見回した。  ――サイトの目が自分を捕らえた瞬間引きつる。  ……ルイズの目には浮気を発見されて、怯えているように見えたし……  二人の唇には、揃いの朱が入っていた。  ……少なくともキスはしたのね? 「こぉぉの、いぬぅぅぅぅ」 「な、なんだか分からんがごめんなさぁぁぁぁいっ」 「……っく……ふぇ……ごめ……ごめんなさい……ルイズ……」 「謝るって事は認めるのねぇぇぇっ」 「ち、違っ……」 「わ、わたしの所為……わたしの……」  まともに話を聞くものは誰も居なかった。 「おっきいのが好きなんじゃなかったのぉっ!」 「う、迂闊に返事できねぇ事聞くなぁぁぁぁ」 「ルイズと間違われるような、ちっちゃい胸のわたしがわるいのぉ……」 「……なんですって?」  ルイズの狂乱は物音に宿中の人間がおきだすまで……  正確には、取り押さえられるまで止まらなかったとか…… めでたくなしめでたくなし。

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