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111 :涼しい夏のすごし方/ルイズのばあい ◆mQKcT9WQPM :2007/09/03(月) 23:43:22 ID:JxU7ifkN ルイズは回っていた。 それはもう、景気よくくるくるくるくると。 数秒回って、気持ち悪くなって止まった。 そして、こんな事してる場合じゃないわ、と計画を練る。 そりゃもう、念入りに練りに練る。 練りに練った計画のシミュレーションも忘れない。 しかしシミュレーションと夢の見分けがつかなくなり、次の日の朝日が昇るなどとは当人も予想だにしていなかった。 「あーーーーーーっ!」 しかし時既に遅く。 容赦なく次の日の朝日は昇り。 ルイズは部屋で太陽に吼えていた。 時は一日ほど遡る。 授業が終わって部屋に戻ったルイズを、才人は出迎えた。 「あら珍しいわね。今日は騎士団の演習ないの?」 「さすがにこの暑さじゃな。みんな寮に篭ってるよ」 たしかにここ連日の暑さは異常で、外に出て運動しようなどと考えるのは、よほどの運動好きだけだろう。 実を言うと、ルイズだってメチャクチャ暑い。 ルイズは虚無の魔法は使えても、相変わらず普通の系統はてんでダメだ。 だから、彼女には涼をとるための『氷雪』系の魔法は全く使えない。 しかも、彼女はいつだってメイジの証たる黒いマントを脱がない。 これでは暑さもうなぎのぼりだ。 だから最近、ルイズは才人の前で服を脱がない。 もし汗臭いとか言われたら。 ルイズのガラスのプライドは粉々だ。 しかし。 それはつまり、才人とここしばらくご無沙汰というわけで。 ど、どうしようかしら、今からお風呂行って汗流して、それから…。 なんて才人の暇に合わせて夜のスケジュールを組み始めたルイズに、不意に才人が話しかけた。 112 :涼しい夏のすごし方/ルイズのばあい ◆mQKcT9WQPM :2007/09/03(月) 23:45:28 ID:JxU7ifkN 「な、ルイズ。  俺さ、水浴びにいい場所知ってんだけど、一緒にどう?」 ルイズは一瞬我が耳を疑った。 「え?」 間抜けにそう聞き返してくる主人に、才人はもう一度言う。 「一緒に水浴びいかねえか、って言ってんの」 「え、何それ。本気で言ってんの?」 信じられないような顔をしてルイズはもう一度尋ねた。 そんな風に言われると、才人は不機嫌になってしまうわけで。 「んだよ、行きたくないならいいよ、一人で行くから」 「ちょ、待ちなさいよ、誰が行かないなんて言ったのよっ…!」 言って真っ赤になって才人の胸倉を掴む。 「ほ、ほら、いつ行くか言いなさい、準備するからっ!」 物凄い勢いで組み付いてくるルイズに引きながら、才人は応える。 「じゃ、じゃあ明日にでも」 明日。明日。 やばいまずい時間ないじゃない! ルイズはそのままずりずりと才人を部屋の外まで押し出し。 「分かったわ!明日の朝学院の正門で待ってなさい!いいわねっ!」 言って、ばたん!と部屋のドアを閉じてしまう。 「えっと…今夜俺はどこで寝れば…」 その返事に応えてくれるはずの扉の向こうの住人は、いくらノックしても応えてくれなかった。 「しゃーねえ、シエスタんとこ行って、使用人の宿舎にでも泊めて貰うかぁ」 才人はぼりぼりと髪を掻きながら、厨房に向かったのだった。 こ、これはチャンス…! ルイズは部屋の中で燃えていた。 私の魅力と色気で、サイトを徹底的に悩殺するチャンス…! そう、釘付けにしてやるのよ! 出来うる限り魅力的な水着で!そしてこの私の色香で! そしてルイズは、自分の所有する水着ではその役割を果たさない事に気付き、新しい水着を買う決心をする。 新しい、魅力的な水着を着た自分と、才人のラブシーンを妄想して、夜が明けてしまうとも知らずに。 そして話は冒頭へと回帰する。 199 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:32:00 ID:P+stS7et ルイズは顔を伏せて言った。 「…やっぱり行かない」 次の日の朝。トリステイン魔法学院正門前。 悩みに悩んだ挙句、仕方なく手元の水着を紙袋に入れて正門まで出てきたルイズは、才人にそう言った。 才人は一瞬動きを止めたが、何言ってんだコイツ、とか思いながら手を差し出す。 「お前昨日あんなノリノリだったじゃねーか。  それにその袋水着だろ?せっかく準備してるんだから行こうぜ」 しかしルイズは、差し出されたその手すらも払い除ける。 「…行きたくないんだもん」 才人は少しムッとする。 確かに誘ったのは自分だから断られてもしょうがないが。 昨日あんなにノリノリで、しかも自分を部屋から追い出しておいてこの態度は。 何様のつもりだっつーの。 才人は構わずに、ルイズの手を掴んで無理やり抱き上げる。 「ちょっ、いたっ…」 ルイズは抗議の声を上げようとするが、才人は聞かないフリで馬の上にルイズを座らせ、自分も飛び乗る。 そして、抗議の声を上げて降りようとするルイズを抱えるようにして、才人は言った。 「俺はお前と一緒に行きたいの。分かってる?」 言われてルイズは。 …ちょ、バカ、何恥ずかしい事言ってんのよっ…! 真っ赤になって俯いて。 「ば、ばか…。あ、あんたの都合なんて知らないわよっ…」 弱弱しくそう言うのが精一杯だった。 200 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:32:46 ID:P+stS7et 結局、抱きかかえられるような格好と最初のやりとりが決め手になって、ルイズは才人に連れられて件の洞穴まで来てしまった。 それでも、ふてた様な表情で顔を逸らし、不機嫌を露にするのを忘れない。 才人もそんなルイズを気にしてか、洞穴に着くまでルイズと話す事はなかった。 しかし。 洞穴の中を見たルイズは、感動の面持ちで、水面を見つめていた。 才人はそうそうこの顔が見たかったんだよ、と思ったが。 次の瞬間。 「た、たいしたことないじゃない!何よこんなとこで泳げっての?」 ついついルイズはそう口走ってしまう。 そして、ルイズに輪をかけて単純な才人は。 「あー、そーですか。貴族サマはこんなところじゃ泳げませんか。  じゃあ俺勝手に泳いでるから。ルイズはそのへんで待っててよ。じゃー」 怒ってそう言って、さっさと服を脱ぐと、一人でばしゃばしゃと泳ぎだした。 …やっちゃった…。 ルイズは自分の言動を、死ぬほど後悔した。 せっかくサイトが誘ってくれたのに。せっかく二人きりで水浴びなのに。 胸元の紙袋をぎゅっと抱き締めて、切なくなる。 …どうして、私、こんなに素直じゃないんだろ…。 そう考えると、どんどん悲しくなってきて。 「ふぇ、ふぇぇぇぇぇぇ…」 いつの間にか、ルイズは、紙袋を抱えたまましゃがみこんで、泣き出してしまった。 それを見た、やっぱりルイズが気になってちらちらそちらを伺っていた才人は、慌ててルイズの下に戻る。 「ど、どーしたんだよルイズ!」 「ひぐ、えぐ、うえぇぇぇぇぇぇぇぇ」 目の前にやってきた才人に、ルイズは。 泣き声を上げながら、濡れるのもかまわず、抱きついた。 才人はそんなルイズを、泣き止むまで優しく抱き締めていたのだった。 しばらくすると、さすがにルイズは泣き止んだ。 しかし、自分の行動を反芻して、今度は死にそうなほど恥ずかしくなる。 な、ななななななに泣いてんのよ私ってば! などと考え、抱き締める才人に、文句の一つも言ってやろうかしら、などと考え。 そして気付いて、自分で自分の考えを否定した。 …素直に、ならなきゃ…。 せっかく、サイトが誘ってくれたのに…。 201 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:34:12 ID:P+stS7et ルイズは、才人の腕の中で、小さく呟いた。 「…ごめん、サイト…」 才人は幻聴か、と思った。 しかし続いて聞こえたその言葉は、確かにルイズの声だった。 「ごめんね…せっかく誘ってくれたのに…私、私…」 そこまで言って、今までの自分の行為を振り返って、死にたくなる。 こんなんじゃ…私、サイトに嫌われても…仕方ない…。 水着とか、そんなの以前の問題よね…。 そしてまた、才人の腕の中で嗚咽を漏らし始める。 「ちょ、ルイズ泣くなよ」 言って才人は、もう一度ルイズを抱き締める。 「いいって、もういいって。  お前に泣かれるのが俺、一番イヤだからさ」 ルイズはその言葉にはっと顔を上げる。 才人は続ける。 「今からでも遅くないからさ。  一緒に泳ごうぜ?」 その言葉に、ルイズは再び涙を流す。 半分泣き顔で。半分笑顔で。 才人は結局、困った顔でルイズが泣き止むまで優しくルイズを抱き締めていたのだった。 「もうそっち向いていい?」 「だ、だめ、もうちょっとだから待って!」 ルイズは慌てて才人を制止する。 ルイズは今、水着に着替えていた。 ただ、才人に凝視されていると恥ずかしいので、『…あっち向いてて』と、反対側を向かせている。 素直になって可愛さ五割増しのご主人様の命令を、才人が聞き入れないはずもなく。 こうして今、ルイズに背中を向けているのである。 「…いいわよ。こっち向いても」 お許しが出ました。 振り向くとそこには。 袖口にフリルのついた、桃色のワンピースに身を包んだルイズがいた。 「…えっと…ごめんね、体も水着も子供っぽくて…」 ルイズは申し訳なさそうにそう謝るが。 才人の反応は違っていた。 「いや、ルイズは何着ても似合うよ」 ぼむ。 ルイズの顔が軽く火を噴いた。 しかし、お世辞でもなんでもなく、その水着はルイズに似合っていた。 スレンダーなボディをぴったり覆う、桃色の水着。 そこから伸びる手足の付け根に施された、フリルのアクセント。 まさに『可憐』という言葉がぴったりと当てはまる。 202 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:34:54 ID:P+stS7et ルイズは才人の言葉になんだか気恥ずかしくなって、 「わ、私泳いでくるっ」 と、泳ぎだしてしまった。 しかし。 ばしゃばしゃ…どぽん。 ばしゃばしゃばしゃ! 「…え?…まさかアイツ!」 才人は慌てて飛び込んだ。 ばしゃしゃしゃしゃしゃ! 「泳げないのに深いとこ行くんじゃねえよっ!」 才人が気付いたのが早かったおかげで、ルイズは溺れずにすんだのだった。 「…ご、ごめんなさい…」 才人の腕の中で、物の例えではなく本当に小さくなりながら、ルイズは謝った。 「いいよ、気にしてないって」 「あ、あんな深いと思わなくって…」 「気にしてないから、もう」 そう言う才人だったが。 ルイズはもう、穴があったら入りたい心境だった。 なんだか今日は、全ての行動が裏目に出る。 それに、才人に迷惑をかけてばっかりだ。 普段のルイズなら、そんな事はカケラも気にしなかっただろうが。 さんざん打ちのめされたせいで、ルイズはとんでもなく弱気になっていた。 「あ、あのっ」 不意に、ルイズは才人を見上げてそう言った。 才人はそのルイズを見て。 誰これ。 本気でそう思った。 普段からは考えられないほど弱気な視線で、才人をじっと見つめるルイズ。 それはまるで、捨てられた仔猫のようだった。 そして、信じられない事態はまだ続く。 「き、キライになった?」 「へ?」 「わ、私のこと、キライになった?」 普段の、『アンタは私の事が好きなんでしょ?』な自信満々なルイズからは信じられない言葉だった。 「き、キライにならないで…」 泣きそうな顔のルイズと、信じられない台詞に、才人の頭はいよいよ混乱する。 203 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:35:54 ID:P+stS7et ルイズはさらに、才人の首に抱きついて、信じられない言葉を吐き続ける。 「サイトが、したい事全部していいからぁ…キライになっちゃヤだぁ…」 そして、才人の耳元で。 再び嗚咽を漏らし始める。 …ヘンだ。絶対ヘンだ。 才人の中の何かが警鐘を鳴らす。しかし。 耳元で泣いて『なんでもするから嫌わないで』と泣き続けるルイズを無視できるほど、才人の理性は強くはなかった。 才人は、すぐそばで震えるルイズの耳たぶを、甘噛みしたのだった。 「やんっ」 その行為に、ルイズの喉から甘い声が漏れる。 まだ震えを帯びているルイズの声に、才人は彼女の耳元で囁いた。 「キライになんかならないよ。  俺はルイズが大好きだ」 その台詞を聞いた瞬間、ルイズの震えが停まる。 そして、才人の首から腕を解き、じっとその瞳を見つめる。 その瞳は、涙で潤んで、いまにも零れ落ちそうだった。 「じゃあ、信じさせて…。  サイトが私を必要だって、言葉以外の方法で」 才人はその言葉に応えて。 ルイズの唇を、優しく塞いだのだった。 ルイズは、水着の股間の布をずらし、己を露にした。 そこは、零れ落ちたルイズの果汁で溢れており、前戯など必要とはしなかった。 ルイズは仰向けに岩の上に寝転がると、才人に言った。 「サイト、して。  いっぱい、愛して…」 ルイズは膝を立てて左手で己を割り開き、才人を待ち受ける。 そんなルイズを見て、才人がガマンできるはずもなく。 「じゃ、いくよ…」 「うん…きて…」 ルイズにのしかかり、蜜を滴らせるその狭い穴に己を押し当てて。 ぶちゅ…! 卑猥な水音をたてて、ルイズの割れ目を貫いた。 204 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:37:18 ID:P+stS7et 「あっあっあっあっ…!  あったかいよぉ…!サイトぉ、だいすきぃ…!」 貫かれながらルイズは才人に抱きつき、貪欲に才人を求める。 「俺も、好きだよ、ルイズっ!」 愛を囁きながら、才人は容赦なくルイズの中を削る。 ずぷっ、ぐぷっ、じゅぷっ。 リズミカルにルイズの蜜壷がかき回される音が洞穴に響く。 高められるままにルイズは才人の腰に脚を回し、より深く才人を求める。 才人はルイズの奥を突き上げ、際限なくルイズを高めていく。 ぶぷっ、ぶちゅっ、ぐちゅぅっ! 密着する性器の奏でる水音が激しくなり、二人はお互いをきつく抱き締めあう。 「サイトぉ、だしてぇ、中にいっぱいだしてぇ!」 「出すよっ、中に全部出すよっ!」 ごぶ、ごぶぶぶぶぶ…! 二人の果てる声に遅れて。 ルイズの中に子種の注がれる低い音が、洞穴に反響した。 205 :涼しい夏のすごし方/ルイズの場合 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/07(金) 01:37:50 ID:P+stS7et 「わわわわわわ、忘れなさいっ!全部っ!」 洞穴から出て水着から着替えたルイズは、真っ赤になって才人にそう言った。 なななななななななんで私あんな事!いくら罪悪の念があったからって! ルイズは、洞穴での自分の行動が信じられなかった。 いくら気弱になってたからってアレはないわアレはー! そして、いきなり『忘れろ』とか言われた才人は。 「…い、いや確かに洞穴ん中のルイズおかしかったけどさ」 才人も、洞穴の中のルイズに違和感を覚えていた。 弱気になったからといって、ルイズがあんなに素直になるだろうか? まるで別人と話しているようだった、と才人は思っていた。 しかし。 「でも、可愛かったぜ、さっきのルイズ」 その言葉に、そっぽを向いたルイズの顔がどかん!と爆発する。 真っ赤になって言い返せないまま、ルイズはなんでああなったのか考えてみる。 …そういえば、水着着てからなんかヘンになったのよね…。 水着?チョットマッテ? ルイズはふと思い出す。 そういえば。 この水着は、随分前にカトレアにもらったもの。 『この水着には、ちょっとした魔法がかかってるのよ』 カトレアの言葉が、ルイズの頭の中でリフレインされた。 …まさか、ちいねえさまの言ってた魔法ってこういうこと…? 真っ赤な顔でルイズは考えたが。 「素直なルイズ、めっちゃ可愛かったのになあ」 アホ面でそんな事を言う使い魔に、そんなことはどうでもよくなった。 ルイズは、真っ赤な顔を見られたくないので、顔を逸らしたまま言った。 「ふ、ふん!そこまで言うなら忘れなくてもいーわよ!」 「へ?」 間抜けな顔で応える才人に、ルイズは振り向いて、それでもやっぱり赤い顔で直視はできなくて、そっぽを向いて。 「ちゃ、ちゃんとご主人様だけ見てたら、その」 そこまで言って、口ごもる。 「何?」 「ま、またちょっとは、素直になってあげるから…。  だ、だから、覚えておきなさい!」 言って、くるんと振り向いて、真っ赤な顔で才人に指を突きつけて、言った。 「世界で一番可愛いのは、アンタのご主人様だってこと!」 「ぷ」 「ちょ、笑ったでしょ!今笑ったでしょぉこの犬ぅぅぅぅぅ!」 真っ赤な顔をして殴りかかってくるルイズ。 そして才人は、いつものようにお仕置きされる。 しかし、才人はなんだか満足していた。 やっぱり。 素直なルイズもいいけど。 こういうふうに、ご主人様風吹かせる、生意気で天邪鬼なルイズが、俺は一番好きだな。 魔法で吹っ飛ばされて遠のく意識の中で、才人はそんなことを思っていた。〜fin

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