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283 名前:モンモランシーの呟き[sage] 投稿日:2006/08/28(月) 17:57:04 ID:puxStZJL
「はーあ」
自室で鏡に向かい溜め息一つ。緩く巻かれた金髪は胸元までかかり、軽く浮かんでいた。水色に近い瞳には憂いの色を帯びらせ、寝間着に着替えてお風呂上がりに鏡と挨拶。最近の日課である。この溜め息までも。
「ギーシュったら…」
一応の恋人の事を考える。間違いなく二枚目のプレイボーイ。貴族の二枚目は今までに付き合った女の数がステータスなのだろうか。今宵も他の女子と逢い引きをしているかも知れない。その癖こちらが冷たくすると犬の様に泣きついてくるのだ。
「ゼロ」の使い魔と変わらない。いっそのこと私の使い魔に出来たら…最近はそう思ってしまう。
「私ってそんなに魅力ないのかしら…」
ちょいちょいと髪をいじってみる。が、見慣れない自分を見て嫌気が差した。
「ゼロほどじゃないけど…私も胸がないのよね」
自らの胸に触れてみる。明らかに発展途上の隆起、自分より大きなバストの同級生が目に付き始めたのは最近だ。
「キュルケ程もいらないけど…せめてもうちょっと欲しいな」
あまり触れると気持ちが高ぶるので程ほどにしておく。今考えるとゼロに飲まれたあの薬が惜しい。あれほどの効き目なら当分ギーシュを虜に出来たであろう。
284 名前:モンモランシーの呟き[sage] 投稿日:2006/08/28(月) 17:59:35 ID:puxStZJL
彼女の目論見はこうだった。
ギーシュに薬を飲ませる→虜にしてギーシュにある程度好き勝手にやらせる→その内正気に戻す→今までにしたことを突きつける→後に引けないギーシュ→私の物。
自分が大変な事をしたと思えば幾らあの男でもハッキリすると思っていた。結果的にはお互いの愛を深める事が出来たのだが劇的な変化が見られない事に苛ついていたのは事実だ。
「私もバカかもね…」
鏡台の引き出しを開ける。中に入っているのは妖しい色の液体。
様々な手段を講じて手に入れた新たな惚れ薬だが、何故か実際に使うのは躊躇した。あの二人を見ていて気が変わってしまったのだ。
ぼーっと鏡を眺め、時間が経った。
「くしゅん!」
どうやら湯冷めしたらしい。軽い寒気を感じベッドに向かう。肩の上に乗った新たな存在は、使い魔のロビンだった。本音で語れる数少ない相手である。
「ロビン。あなたも大好きよ」
軽く口づけてやる。しょっちゅうしている事なので何の違和感も感じない。
この時はロビンが新たなキッカケを作ってくれるとは思わなかっただろう。
「お休み…」
灯りを消して呟く。モンモランシーは眠る事が余り好きではない。何故か淋しさを感じるからだ。
自らの故郷では眠る時に人の気配があった。それに安心感を覚え寝ていたものだが寮に入ってからは人の気配がなく、結果不眠気味となっている。お陰で夜に強くなっていった。
「ギーシュ…」
あくまで寝言なのだが、淋しい時に彼の名前が出るのは彼女の本当の姿なのかもしれない。
続く?
流れぶった切って投下したけどまずかったか…?
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