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335 名前:モンモン×ギーシュ[sage] 投稿日:2006/08/29(火) 10:14:49 ID:VA8NY7DZ 「うーん…」 朝日を感じて目を覚ますも、体にけだるさを感じる。そう言えば寒気がする。これは… 夕方 「モンモランシー!」 いきなり部屋のドアが開け放たれた。 来たか。 「愛しの君が学校を欠席したと聞いて飛んできたんだよ!」 このテンション、病人には辛い。何の事はない。昨日の湯冷め、そしてロビンに口づけた時に悪い菌をもらったようで風邪を引いたのだ。 同じクラスのギーシュの耳に入らない訳がない。簡単に愛などと語れるのは彼らしい所だが今は鬱陶しくて仕方がなかった。 「うるさい。ギーシュ」 上半身を起こして彼を見る。本心としてはとても嬉しいのだが私のメンツもある。この男には悪魔でも厳しい態度で望んでやらなければ。 「ご、ごめんよモンモランシー…」 しゅんと縮こまる。手にしているバラもしなびてみえるこれで私のメンツは保たれた。 「何しに来たの?」 「あの…その…見舞いに…」 「ふうん」 「す、少し位ココにいてもいいかな?」 時計を見る。まだ日が落ちきってはいないがこの時間は… 「ギーシュ?」 「はい?」 「今は夕食の時間じゃないの?」 そう。本来なら食堂に集まっての食事の時間である。 336 名前:モンモン×ギーシュ[sage] 投稿日:2006/08/29(火) 10:15:52 ID:VA8NY7DZ 「抜けてきたんだ」 「え?」 「その…食事も喉を通らなくて…」 少し照れた表情は彼の本心の証である。良くも悪くも長い付き合いなのだ。彼が悪い人間でない事位はわかっているし、今回の言葉は口説き文句ではない。その健気さに免じて許す事にした。 「まあ…少し位なら居てもいいわよ」 「ほんとかい?」 「ええ。私は寝てるけど」 「構わないさ!」 つくづく上下が激しい男である。しかし居ても悪い気はしない。再び上半身を横にした。 「あ、ギーシュ」 「なんだい?」 「薬がその引き出しに入ってるの」 「これかい?」 指されているのは豪奢な鏡台。ギーシュの部屋にあるものより立派である。幾つかの引き出しが存在しているがギーシュは一番使い易そうな引き出しを開けてみた。中には水色の小瓶が二つ。 「モンモランシー、この小瓶かい?」 「ええ、私の体に合わせて調合したの」 調合?だとしたら両方混ぜるのか。 とんでもない勘違いである。 「水薬だから、そこの水差しに混ぜて」 「ああ」 適当にコップに水を注ぎ、数適垂らしていく。 「ではモンモランシー」 「?」 ! ギーシュの顔が眼前に迫る。 どうやらこの体でも平手打ちのキレは落ちてないようだ。 337 名前:モンモン×ギーシュ[sage] 投稿日:2006/08/29(火) 10:16:44 ID:VA8NY7DZ パシッ 「ぷウッ」 「何考えてんのよ!」 「いや、口移しで…」 案の定下心が、いや、ギーシュの悪い癖が始まったようだ。彼は粋な演出を好む。例え相応しくない時でも。 やっと良くなりかけた体調が台無しになった気がした。 「もう…」 仕方なく自らコップに手を伸ばし飲み干す。 最早伝家の宝刀となった平手打ちはギーシュの頬を正確に打ち抜き、簡単にのびさせる事ができた。 大の字になって目を回す彼を見る。 確かに良いムードなら許してもよいがもう少し遠慮が欲しい。 そう思って再び横になる。何故か高鳴って行く胸の鼓動を感じて。 「イタタタ…」 体を起こせば自分の方向とは逆に向いて横になった彼女の姿。痛い頬をさすりながら近づく。 「すまないモンモランシー。少しふざけてみただけだ」 彼女は沈黙している。窓を見れば既に薄暗く、夜の到来を象徴していた。最早彼女の返事は期待できないと思い、ドアに向かう。 「また明日来るよ」 ドアノブに手を掛けたその時だった。 「行かないで」 ? 聞き慣れないセリフ。ベッドの方に再び目をやる。 「モ、モンモランシー?」 338 名前:モンモン×ギーシュ[sage] 投稿日:2006/08/29(火) 10:17:51 ID:VA8NY7DZ 「また他のコのトコに行くの?」 彼女はやきもちを持ったとしてもそれをおおっぴらにしない。彼女の言葉は今までに聞いた事のない言葉だった。 「まだ僕にココにいて欲しいのかい?」 勿論冗談半分の言葉。いつもなら厳しい言葉が返ってくる筈。 「うん」 明らかに通常とは違う様子だ。 おかしいと思い彼女のベッドの傍らに立った。 戸惑いを感じながら彼女の様子を伺う。 「寝られないの」 「どうしたんだ?気分が悪いのかい?」 「ううん」 「どうして寝られないんだい?」 「一人ぼっちじゃ寝られないの」 「…モンモランシー?」 「ギーシュ。寒い」 布団から伸びて来た手に引きずり込まれる。大きめのベッドは二人で寝ても充分な広さがあり、ギーシュの全身はスッポリとその中に入った。 何故こんな状況なのか。モンモランシーはこんなに大胆だったのか。心落ち着く暇もなく、モンモランシーは頭を擦り寄せてくる。自分の胸元に見えるのは金髪。仄かなシャンプーの香りがギーシュを誘惑していく。 「こうしたら…よく眠れるわ」 まるで子供のように頭を胸の中に預けている。その表情は安心しきった安らかな顔。 「私の…ギーシュ…」 そう呟くと彼女からは寝息しか聞こえなくなった。 「一体…何なんだ…」 今後ギーシュはサイトと同じ体験をしていく。 続けてみたいけどベタすぎるか?実は少しだけ惚れ薬を飲んじゃったギーシュはその内襲って…ただのデレデレだな。

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