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249 名前: 無題で… ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/21(金) 23:27:31 ID:aeQ8U9qE 嬉しい。 そんな感情を自分が汲み取るのは一体何時以来だったろう。 数少ない友人であるキュルケに言われた言葉よりも強く感じた。 いや、もっと別の感情であったのかもしれない。 母が心を乱したあの日から自分で押さえ込んできた感情。 キュルケのそれは優しく溶かすように私の心に入り込んできた。 だけど、この人のそれは違った。ような気がする。 言葉で言い表そうとしてもとても難しい。 ただ一つはっきりしていることと言えば 彼は、私に感情を沸かせてくれた。 彼は、私に命をまた与えてくれた。 彼は、私に目標を抱かせてくれた。 目標、というのはもちろんこの命を彼にささげる事。 彼は私が命に代えても守ると決めた。 彼はきっとそんな事を承諾しないだろうが、それは関係無い。 彼は……私が…… 「……夢」 起き上がった拍子、頭に被った三角帽子の先っちょの丸いのが揺れる。 雪風の名に相応しいかのように、部屋は青色で統一されている。 寝なおす為、もう一度青色の毛布をかけなおす。 静まり返り、真っ暗な部屋の一角は双月の柔らかな光受け 昼間とは違った表情を伺えさせた。 先ほどの夢の意味を頭の中で反芻する。 映像は彼の胸で泣きじゃくる自分。 彼とは使い魔として召還された人間、平賀才人である。 あの時、母と自分をあの城から助け出してくれなかったらと思うと… …もぞもぞ… …もぞもぞ… 「……寝れない」 先ほどよりは早めに動いた為か、三角帽子の先っちょが暴れた。 のそっとベッドから降り杖を手に用を足しに扉を開ける。 ぽてぽてぽてぽて…… 歩くたびに帽子の先っちょは細かく揺れ動く。 用を足し終え、軽く口を濯ぎ来た道を戻る。 ぽてぽてぽてぽて…… ふと、足を止め窓から覗く双月をじっと見つめるタバサ。 雲が全く無い日の月見は何となく心が洗われるような気がするからだ。 250 名前: 無題で… ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/21(金) 23:28:03 ID:aeQ8U9qE 「よぉタバサ。」 彼、平賀才人は全く悪気は無い。 ただ、ただほんの少しだけ驚かしてやろうと思っただけなのだ。 ちょっとビックリしたようなリアクションを期待した才人だったが タバサからのリアクションは無い。 もう一度、次は名前だけで呼びかけてみると ほんの少しだけ、タバサの首が動いた。 …その目には安堵と恐怖が入り混じっていた。 「…サイト?」 「おお、どうしたんだ。こんな時間に。」 「……」 「…どうした?」 「…腰が…抜けた…」 一瞬の静寂の後、才人はただただタバサに平謝りしつつ 動けない彼女をお姫様抱っこし、部屋へと連れて行く。 「いや…そのスマン。まさかダメだなんて思わなくてさ…」 「……」 「た、タバサさーん…?…怒ってる?」 目と目が合う。 タバサの目は確かに怒気も含んでいた。 が、大半は「才人の胸に抱かれている」事による嬉しさで占められていた。 しかし、鈍感大王の才人はただ怒っている目としか認識出来ない訳で…… 扉の前でアンロックを唱え、才人にベッドまで連れていって貰う。 至福の時だった時間が終わってしまう。 そう考えたタバサだったが、良い案が思いつかない。 青色の毛布がかけられ、才人が声をかけ帰ろうとする間際 考える前に手が才人のパーカーを掴んでいた。 驚いた才人の表情で、良い案が思い浮かんだ。 「…驚かせた罰として、一緒に寝る…」 「あぁ…ってえぇ!?いやいや、それはマズくないか?」 「?、私は何もまずい事は無い。」 「いやまぁ、お前はそうかもしれないけどさ…」 「ルイズには、私から言っておく。」 251 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/09/21(金) 23:28:43 ID:aeQ8U9qE これから先にも押し問答があったが、結果として 今彼女の隣には背中合わせで彼が寝ている事となる。 彼女とて、何もこの先何が起こるか考えていない訳ではない。 少しだけ、ほんの少しだけ期待しそっと才人の方を向くと 彼は既に夢の中へと旅立ってしまったらしい… 少々ムっとしたが、逆に自分の好きな事が出来る。 そう思ったタバサは、才人の体を仰向けにし 右腕を枕にそっと、右手を体に這わせた。 自分とは全く違う体つき、その違和感に少しだけ心拍数が上がる。 そこまできて、という言い方も変かもしれない。 彼女は薄々気づいていたのだが、たった今確信した。 自分はこの男が好きなのだと。 そう確信し、頭を上げ少しだけ高い位置にある彼の顔を覗き見た。 徐々に上がる心拍数は冷静な彼女の頭をほんの少し熱くさせた。 その頭が取った行動は、ルーンを紡がない「コントラクト・サーヴァント」 ゆっくり、ただ唇をあわせるだけのコントラクト・サーヴァント それだけでも良かった。彼とこうしていられるだけでも。 その行為に満足し、ゆっくりと頭を腕枕に戻そうとしたとき 「コントラクト・サーヴァントを終えたなら、その印が欲しい」 そう思いまた少しだけ頭を上げ、首筋に唇を這わして強く吸った。 「…これで完了…この痕が消えるまで…あなたは…」 思ったことを言い終える前に、彼女の瞼は閉じられてしまった。 今夜は良い夢を見られそうだ。と意識を手放す前にそう思った。 後は…嵐が待っているだけ… 〜終わり〜

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