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630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 21:24:04 ID:2KhDM5Em 森の中で拾った彼の熱はまだ引かない…… 「ル……イ…ズ、……にげろ……ルイズ…」 ずっと……うなされている。 (かわいそう……) 指輪の魔力も尽きてしまった…… わたしにこの人を助ける力はもうない…… (ごめんなさい……) 熱を測るために、額に手を当てる。 まだ……熱が高い。 「……ルイズっ」 「きゃっ」 いきなり抱き寄せられる。 小さいときのお父さんやお母さんとは違う、私より逞しい腕。 恥ずかしくって動けなくなる。 彼の腕が、何かを探すように私の胸を探る。 (あっ、あうあうあうあうあうあう) 声にならない悲鳴を上げていると。 「……ち、……がう……ルイズ……じゃない……」 ? どういうことかしら? また何かを探すように、腕が虚空を彷徨う。 ……私にできること……ないの…かな? ちょっと寂しくなって立ち去ろうとした。 「あっ」 また捕まる。 「……ル、イズ……良かった……」 今度は何か安心したように、息が静かになる。 (よかったぁ……) あ、でも……私の服を掴んだままだ…… (もうすこし、このままでいてあげるね) 不思議なことに私の背中を掴んで安心した彼の側に、私は暫く居る事にした。

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