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361 名前:220 1/3[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 10:05:44 ID:S9qxFL9v 「もう…はっきりしなさいょ…」 最後の方は涙声で聞き取れなかった。あのルイズが、泣いている。 さっきまではすごい剣幕だった。表情に怒りを漲らせてズイズイと進み、サイトを壁際まで追い込んでいた。 怒りの原因はいつもの「誤解」。サイトに全く下心が無かった訳ではないがまたルイズを刺激してしまったらしい。 追い詰められて必殺の一撃を喰らい体を痛める。そう覚悟してサイトは目を閉じた。だが…いつまで経ってもその一撃はこなかった。 「うぅ…ぐすっ…」 両手で必死に涙を拭っていた。いつもなら絶対に涙を見せない相手の前で。 「アンタが他の子のトコに行ってる間…私がどんな気持ちだったかわかるの!?」 ルイズの声は悲鳴に近い。激しい感情がその声には籠もっていた。 涙と怒り。それがサイトにどうしようもない罪悪感をもたらしている。 「アンタは私の使い魔でしょ!?アンタが…いる所は…私のぉ…」 そのまま声は消えていき、ルイズは小さな泣き声を上げ始めた。サイトはただ沈黙するしかなかった。 ごめん…ルイズ… 心の中ではそう言いたくても、今のサイトは優しい言葉すらかけてやれなかった。原因は自分。それがわかっている。 362 名前:220 2/3[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 10:07:10 ID:S9qxFL9v 傷付けてしまった。 ルイズの本心と自らの良心がサイトに痛い。後ろめたさを振り解き、やっとサイトは 「ごめん…ルイズ…」と謝罪の言葉を言うことが出来た。しかし、ルイズの涙は収まらない。 「アンタ…いつもそう言ってばっかりで…私が目を離したらすぐに他の子の所に行っちゃうじゃない…」 「…」 サイトには返す言葉が無い。 本気で ずっと 一番好きなのは お前 そう言いたいのに言えない。自分が原因なのに自分が慰めねばならない。 サイトの考えた限り、取れる行動は一つしか無かった。 後ろの壁に貼り付けていた腕をそっとルイズの後ろに回し、強い力で引き寄せる。 温かなぬくもりを感じて、ルイズはサイトの顔を涙で腫らした顔で見上げた。 その唇を、サイトは奪う。 「あ…」 ルイズは小さく呻いて、その腕の中で脱力していった。フレンチキスでは無い。 サイトは出来る限り本能を抑えて、ゆっくりとルイズの口の中に舌を這わせていく。ルイズが苦しくなって口を離せば、その後サイトは何度も唇をついばむように当てていった。 淫靡な水音が、数分間続いた。 気が付けばルイズの息が荒く、サイトの息も荒かった。この距離ではお互いの息づかいも聞こえる。 363 名前:220 3/3[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 10:08:11 ID:S9qxFL9v 「ひ…卑怯よ…私がそうされると黙ると思って…」 「好きだ。ルイズ」 ルイズの言葉を遮ってサイトはそう言った。真剣な表情をしての一言に、ルイズは戸惑ってしまう。 「ふん…だ…どうせそう言ってもまた…」 「お前が一番好きなんだ。ルイズ」 更に腕に力を込め、サイトは自分の胸元にルイズの頭を引き寄せ、載せた。 「…」 「…」 両方が沈黙してしまう。サイトは努めて男らしく、本心を言ってみたものの、その心臓が爆発しそうな程緊張していた。 どうしよう…これで機嫌が直らなかったら… 命の危険を感じる。その時、ルイズがポツリと呟いた。 「ホント…?」 「え…」 「私が一番好きなの?」 「う、うん」 「ずっと?誰よりも?」 「うん…」 「怒り」から「いじけ」位にランクダウンしている。サイトは安堵した。 ルイズの方も安心している。ついにサイトからその言葉を聞けたのだ。 「一番好きだ」、と。 その言葉を聞いて同時に不安になった。 ずっとそのままの気持ちでいられるのかしら… サイトの気持ちが変わるのが怖い。ルイズはそれが怖い。 でも、今確かにサイトは自分の事を世界で一番好きな相手だと言ったのだ。 なら…私も… 意を決してルイズはサイトの顔を見た。 「も、もう一回だけ聞くわよ?私の事が世界で一番好きなのね?」 ルイズは平常心を保つ事を忘れ、震える声で聞いている。 「あ、ああ」 妙な迫力にサイトは圧され、戸惑った声で返した。 サイトにはルイズが何故動揺しているかがわからない。ただルイズの様子が尋常じゃない事だけわかった。 「じゃ…じゃあサイト?」 「は、ハイ」 「一生私を愛し続けるって誓えるのよね?」 「ち、誓います。ハイ」 「じゃ、じゃあ私も…そう言う事されてもも…いいわ…」 「ハイ?」 「い、一番好きな人とする最後の事って…決まってるじゃない?」 「え…と…それって?」 「もう!気付きなさいよ!」 続 444 名前:220 1/3[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 10:17:23 ID:bx4hiwDs ~>>363 半分呆れたような表情だが、その顔は真っ赤になっている。 薄々サイトも、何を言っているかわかって来た。 「そ、それはつまり…最後の一線を超えるという事でしょーか?」 「あ、アンタが一生私に尽くすなら…その…ちゃんとしてあげないといけないし…」 何を「ちゃんと」するのだろう?いや、問題はそこではない筈だ。 サイトは急にかしこまってしまった。 「あ、あのご主人様?」 「…何よ?」 「この犬が最初の相手でよろしいのデスか?」 「…だってアンタが…」 「いや、ご主人様はどう思ってるのデスか?」 「い…いいって…いってるじゃない…」 語尾は小さく消えて、また沈黙が始まる。 サイトの頭の中では漸く整理が出来た。つまり、 ルイズと、一つになる。(お許し付き) 少々極端すぎる気がするが、サイトの頭には血が上り、興奮を抑える事が出来なかった。 「じゃ、じゃあ今すぐベッドに…」と、先走った事を言えばルイズは、 「ちょ!ちょっと順序があるでしょ!」とサイトを制した。 「じゅ、順序って?」 「そ、それは…お風呂とか…母上様にお伺いを立てるとか…」 ルイズは既にもごもごとしか喋れていない。勿論、そんな仕草もサイトには魅力的なのだ。 445 名前:220 2/3[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 10:18:21 ID:bx4hiwDs その愛らしさに抱き締めてしまいたい思いに負けそうになりながら、サイトは何とか平静になろうとした。 「そ、そっか。順序があるもんな…」 「そうよ…女の子には沢山準備があるものよ…」 「じゃあ、先に(風呂に)入って来いよ」 「アンタは?」 「俺は後で…」 「ダメ!」 ルイズは譲らない。少しでも綺麗な体で行為に及びたいからだ。サイトを待っている間、平静でいられる自信もなかった。 「じゃ、俺が先…」 「ダメ!」 サイトが先に入れば長風呂をしてしまい、待たせてしまう。ルイズはそれも嫌だった。 「じゃあどうすりゃいいんだよ?」 「んむぅ…」 ルイズは黙りこんでしまった。右手など唇にあてていじいじしている。 その姿を見ればサイトは何もかも許してしまいそうだった。 …!… サイトに妙案(?)が浮かんだ。ただ、ルイズの了承が得られるかがわからない。意を決し、玉砕覚悟で聞いてみる。 「あの…さ…ルイズ?」 「ふぇ?」 「一緒に…入らないか…」 サイトは目をそらし、明後日の方向を向きながら言った。 「ななな、何考えてんのよ!」 「だって…俺だって入りたいし…」 「でも!私の裸見られちゃうじゃない!」 「ど、どうせ最後にはそうなるんだろ!?」 無神経過ぎる返し方だ。 446 名前:220 3/3[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 10:22:20 ID:bx4hiwDs が、ルイズにも余裕はない。 「だって…だって…私の体って女の子っぽくないし…胸が…無いし…」 やはりルイズが気にしているのはそこだ。サイトが何度も触れてしまった、その膨らみの事。 今更そんな事関係ないのに… サイトはそう思うと、ルイズに諭すように言った。 「お、俺は胸が好きなんじゃなくて、ルイズが好きなんだ!」 実はフォローになってないが、「好き」と言う単語にルイズはやられてしまう。 瞳を爛々と輝かせて、 「ホント?胸なんか気にしない?」と、幼子の様に尋ねた。実際に誰よりもそのサイズを知っているのはサイトである。 「あ、ああ。胸なんか無くっても…その…肌とかすげぇ綺麗だし…」 「…」 一応慰めになったのか、ルイズは少し沈黙して、ポツリと呟いた。 「…いい…わ」 「え?」 「今日は特別に…一緒に入ってあげる…」 そういうルイズの声は震えている。 「ほ、ホントに?」 「あ、アンタも入りたいだろうし…でもお風呂の中は…ダメなんだから…」 一応欲望を抑えておくようサイトに釘を差し、ルイズはその旨を伝えた。サイトは喜びと戸惑いを隠せない。 モジモジとしているルイズを見て、サイトは一層愛情が募りルイズを抱き締めた。 首に腕を回されルイズは戸惑う。 「ちょっ、ちょっと!」 サイトの胸板が顔に押しつけられている中、ルイズは手で押しやり、そっとサイトから距離を取った。 「?」 一瞬嫌われたかと思い、サイトは焦ったが、 「お風呂あがりまでそれも待ちなさいよ…」 と言われ、感情を抑えられないでいる自分を恥じた。 「今は…おあづけよ…がっついちゃいけないの…ちゃんとアンタのモノになってあげるから…」 自分にも言い聞かせてもいる。 サイトも、自分も制限しなければルイズも理性を保つ自信がなかった。 続 553 名前:220[sage] 投稿日:2006/10/09(月) 11:15:53 ID:hbbrDSPc ~>>446より 湯を沸かし、先に入っているのはサイトだった。着替えを見られたくないと言うルイズの希望である。 「…」 二人位なら充分入る事の出来る、大きな湯船のど真ん中でサイトは沈黙していた。 通常ならたっぷりの湯に浸かり、疲れを癒やす。しかし今は状況が違った。何度も湯をすくい、顔を擦っている。 ど…どうしよう… 自ら提案したにも関わらずサイトは落ち着かなかった。 もうすぐルイズが来る。そう思うと脱衣所とこの場所を隔てている扉を見てしまう。 何度かその扉を見たとき、 「入るわよ…」 と、ルイズの声がした。サイトは緊張で気を失いそうになりながら、 「…ああ」 と、軽い返事で返す。 扉が開いた。 桃色の髪はタオルで束ねられ、胸元から太ももの半分までをバスタオルで包み、そっと脚を踏み入れる。 サイトは凝視してしまった。今まであまり見ていなかったが、ルイズの肌は眩しい程白く、綺麗だ。 そして、華奢だった。 腕も細いが、芸術の域に達する程、脚が美しい。 タオルの裾から覗く太ももなど、サイトの腕程も無いのではなかろうか?胸こそ気にしているが、ルイズの脚はサイトを悩殺できる程の威力を持っている。 「あ、余りジロジロ見ないで…」 554 名前:220 2/5[sage] 投稿日:2006/10/09(月) 11:16:47 ID:hbbrDSPc サイトの視線に気づき、ルイズは赤面して、少しだけタオルの裾を引っ張った。 「あ…ゴメン…」 「もう…」 そう言いながらも湯船に脚を差し、体を浸けていった。胸元のタオルを押さえながらサイトの隣に座る。 「…」 「…」 この場で会話など出来る筈が無かった。 サイトは腰に巻いた、ルイズは上半身に巻いたタオルを外せばお互い、「最後」の状況になってしまう。その覚悟は、まだお互いできていない。 埒が開かなくなり、ルイズが先に口を開いた。 「え…と…」 「何だ?」 「その…体洗うから…」 「あ、ああ…」 そそくさとルイズは立ち上がり、サイトから離れた。 ルイズが湯船から上がろうとした時、サイトは後ろから、タオルの裾に覗く白い膨らみを見た。ふっくらと、柔らかそうなお肉。サイトは股間に血が集まるのを感じ、かぶりをふって目をそらした。 ルイズは座椅子を取り出し鏡の前に座った。洗面器を使い、派手な水音を立てて湯を浴びていく。 サイトがあらぬ方向を向いているのを横目で覗きながら、 な、慣れさせてあげた方がいいわよね… と、思い、サイトに声を掛けた。 「ね、ねぇサイト?」 「な、何?」 「ここ、この後そーゆー事するんだから、み、見てもいいわよ?」 555 名前:220 3/5[sage] 投稿日:2006/10/09(月) 11:18:19 ID:hbbrDSPc 「い、いいのデスか?」 「べ、ベッドの上で鼻血なんか出されたら困るもの…」 「で、では…」 サイトはルイズの方に向き直った。その横顔が見える。湯と照れのせいでルイズは満面を朱に染めていた。鏡の方を向いているのだが、その極限の照れはサイトにも伝わっている。 ルイズは言った後で後悔した。 ど、どうしよう… 体を洗っている為、タオルは外してしまった。湯気のもやに隠れ、側面を見せているので余り「前」側が見られる事はないだろうが、それでも裸は裸なのだ。 サイトが見てる。 サイトに見られちゃう。 ちいちゃい胸…見られちゃう。 全部…見られちゃう… 体を擦るスポンジの動きが鈍くなって来た。「前」だけはまだ見せたくないのだ。何とかして他の場所に釘付けにしたい。 サイトに後ろ姿だけ見せる方法…使い魔… 軽く息を吸い、ルイズは賭けに出た。 「せっかく一緒に入ったんだから…」 「な、何でアリマスカ?」 「せ、背中位、流しなさいよ…」 ルイズの感情がサイトに向く前の仕事。使い魔らしい仕事。 でも今は…俺に惚れてるはず… イコール、ラヴ。 「…」 「どうしたの?」 「…あ、ありがとうございます…」 「な、何なのよ?」 「いえ、喜んでさせて頂きますデス」 556 名前:220 4/5[sage] 投稿日:2006/10/09(月) 11:19:04 ID:hbbrDSPc 要するに狂喜したのだが、錯乱状態だったので口調がおかしくなってしまった。今の一言にのぼせそうになりながらサイトはタオルを押さえ、湯船から上がってルイズの背中に回る。 しかし、一瞬でその高ぶった気持ちは消えた。 な、なんだよ…コレ… サイトは顔面を蒼白にし、始めてルイズの背中を目の当たりにした。小さくて、綺麗な筈の背中。女の子ならそれが当たり前だろう。 なのに、傷だらけだった。 大きな傷もあった。サイトは記憶を辿る。大きな傷には覚えがあった。 ワルド。 奴と戦った時だ。あのときルイズは「ウインド・ブレイク」で吹き飛ばされた筈。その時の傷だろう。 それだけではない、無数とまでは行かないが小さな傷は両手の指では数え切れない程あった。 切り傷、火傷、打撲。 自分自身にもそれ以上の傷があるのだが、サイトに自責の念がこみ上げる。 ルイズ…こんな… 女の子なのに。 ルイズを思えば、サイトは堪らなくなった。感情が爆発しそうだった。 俺は男なのに。 俺が…守らないといけなかったのに…! 激しい感情が渦を巻いて、サイトを責めていく。やがてそれが抑えきれなくなり、サイトは後ろからルイズを抱き締めた。 557 名前:220 5/5[sage] 投稿日:2006/10/09(月) 11:21:04 ID:hbbrDSPc 厚い胸板が背に当たり、ルイズは肩越しに振り向いた。目の前には、前髪で目元が隠れているサイトがいる。 その頬からは涙が伝っていた。 「ど…どうしたのよ!」 「ご、ごめんなルイズ…」 ルイズの肩に涙が落ちる。涙で震えた声でサイトは話し掛けた。 「こんなにちっちゃい背中なのに…こ、こんなにちっちゃい体なのに…」 「…」 「お、俺もっと強くなるから…もう絶対、こんな傷付けさせないから…」 「…」 「だから…ごめんな…ルイズ…」 首に回された腕が暖かかった。どこまでもサイトは優しかった。 こんなに自分の事を思ってくれていた。ずっと私を守る気で居てくれた。 その気持ちを嬉しく感じ、更にルイズはサイトを愛おしく思った。 妙な安心を覚え、サイトの震えた唇をルイズは自らの唇で塞いで、 「ありがと…」 と囁いた。サイトが泣き止むまでルイズはその微笑みを、少年に向けていた。 「何よ…アンタだって傷だらけじゃない…」 「俺は男だからいいんだよ!」 「強がっちゃって…」 呆れた様にルイズは言う。サイトが背中を流した後、今度はルイズがサイトの背中を流すことにしたのだ。 時折触れるルイズの柔らかな指が、傷だらけの背中に心地よい。 「案外似てるのかもな?」 「え?」 「俺とお前」 「…そうかもね」 「なぁ、この後は…」 「…うん…」 またもルイズは、サイトの背中を擦る手を鈍らせてしまった。 鼓動が早くなる。 ホントにしちゃう。 サイトとしちゃう。 私は貴族なの。ヴァリエール家の乙女なの。ホントは、ちゃんと旦那様にするまではだめなの。 じゃあサイトが将来の旦那様? 「も、もうあがりましょ!」 「あ、ああ」 ルイズの迫力に圧され、サイトは風呂場を出た。ルイズがそれに続く。 私は貴族…私は貴族…私は… 湯のせいで回らなくなった頭で、今度は葛藤が始まる。 「どうしたんだ?」 「う…何でもないわよ…」 先にサイトをベッドに行かせ、ルイズは気持ちを整理する事にした。 続 649 名前:220 1/3[sage] 投稿日:2006/10/11(水) 07:44:07 ID:UQkfImaR ~>>557 サイトが待ってる… 脱衣所でバスタオルを外し、全裸のままルイズは固まってしまった。 湯を拭き取ったばかりの肌からはまだ湯気が出ている。急に気になって、洗面台に身を乗り出して鏡を見た。 桃色の髪はいつもの様に淡い輝きを放ち、滑らかだ。それでも指で梳いてみる。 顔。間違いなく美人。ちいねぇさまに似ているから美人の筈。それを根拠に自信を取り戻す。しかし、 鏡にも写るその胸。抱えあげる事ができないので触れる様な形になってしまう。 だ、大丈夫よね…サイトは胸なんか関係ないって言ってたし… それを思い出しても不安なのか、少しだけその乳房を揉んでみた。やっぱり小さい。 「はぁ…」 軽く溜め息をついたが、ここまでくれば覚悟はせねばならなかった。 出来るだけ清潔な下着を着て、その上にいつもの寝間着を羽織る。この後の事を考えると、何故か両親に悪い気がして、心の中で謝っておいた。 父様…母様…すみません…私は結婚より先に乙女を捧げます… 手を組み、目をつむってそう唱える。頬には朱が差していた。 あと…ちいねぇさま…ごめんなさい… 大好きな姉に、順番が違った事を詫びてルイズは少しだけ罪悪感を覚えた。 650 名前:220 2/3[sage] 投稿日:2006/10/11(水) 07:49:23 ID:UQkfImaR 私どうなっちゃうのかな… キスだけで全て許してしまいそうになるのに、それ以上の事をされたら自分はどうなるだろう?サイトは何をするのだろう? 僅かながらルイズにもそういう知識はあった。それを想像してみる。 いつもより沢山キスして…可愛がって貰って… 裸で抱き合って… お互いの大事なトコ…こすりつけあって… 最後に… ダメ。私死んじゃう。サイトに殺されちゃう。 既に妄想の時点でルイズの頭は爆発寸前だった。誰もいない脱衣所でダン!と洗面台の縁を叩き顔を真っ赤に染め、この後の事で頭を埋め尽くしていた。 私が…サイトのモノになる… それでもいい。 そんな結論も出される様になる程、ルイズはキテいた。この行為でサイトと愛を深められるのだ。そう思うとルイズは意を決し、洗面所を後にした。 ベッドルームに近づく頃には気持ちが緊張に戻っていたのは言うまでも無い。 サイトは落ち着かない様子でベッドの前をウロウロしていた。着ているのはTシャツとパンツだけである。 男である以上覚悟は出来ていた筈だが、やはりその状況が目前に迫ると畏縮してしまうのだ。 こ、こんなことしていいのかな… 651 名前:220 3/3[sage] 投稿日:2006/10/11(水) 07:50:45 ID:UQkfImaR まだ早いかもしれない。 サイトは思った。しかし、後には引けない。かぶりをふって臆病な自分を打ち払った。 腹をくくり、ベッドの縁に腰掛けて待つ事にした。二つの月光が明るすぎる位に部屋を照らしている。ルイズが嫌がるかもしれないと思い、カーテンを閉めようとしたそのとき、ノックの音が聞こえた。 トントン 「は、はいってこいよ…」 無言でその扉が開く。 何故かいつもより魅力的に見えた、その相手。 月光が未だに入っているからだろうか、体から淡い光が出ている様に見える。その妖しい感じとは裏腹にルイズの顔は満面に赤みを帯びて、少女の表情そのものだった。 「き、来たわよ…」 「あ、ああ…」 返事を受け取ると、窓際のサイトを尻目にベッドに向かっていった。 「先に待ってるけど…」 「うん…」 「服は…もう脱いだ方がいい…?」 必殺の一撃。 大好きな女の子がベッドの上で、裸で待っている。 おそらく理性が保ちません。そう判断し、サイトは即座に拒否した。 「じゃ…じゃあ…」 「はい?」 「あ、アンタが脱がせてね?」 続く 919 名前:220 1/5[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 00:01:37 ID:Ll4cWXFn すぐにサイトは、全力で首を横に振る。 「わ、私だって恥ずかしいのよ!」 「な、なんで俺が…?」 「こ、こういう時は…アンタがリードした方がいいと思って…」 当然、ルイズは自分主導で行為に及ぶ自信が無かった。 サイトにリードして欲しい。そのためのきっかけを作りたい。 「アンタがしないんなら…私が脱いで待つから…」 俺にはそんな事は出来ません… 結局サイトは首を横に振り続けた。 後ろを向きルイズの支度を待つ。自分で脱ぐからにはその姿を見られたくは無いらしい。衣擦れの音がする。 「いいわよ…」 か細い声を聞いて振り向く。 シーツが割と薄いせいか、ベッドはルイズの体に沿って膨らんでいた。膝を抱える様にして入っている。 やっぱり…緊張するよな… 少々震えている様にも見えた。サイトはサッと全ての衣服を脱ぎ、その横に入っていく。 まだ体温が通ってないのか、肌寒い程ベッドの中は冷たかった。 お互い相手の温もりが欲しいが、すぐに肌を触れあわせる勇気も無い。 ルイズはサイトに背を向けていた。 早くしなさいよ…寒いじゃない… 背中側にいるサイトに、心の中でそう告げて暖かい腕を待つ。 920 名前:220 2/5[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 00:02:21 ID:Ll4cWXFn やっぱり待ってるのかな… サイトは天井を向いたまま、横目でルイズを見た。シーツの端から覗く小さな白い肩が、自分を待っているような気がしてならない。 背中にそっと近付いて、ルイズの上半身を肩越しに、丸ごと包むよう抱き締めた。 「…」 「…」 沈黙は続く。 サイトの体ってこんなに広かったんだ… 回された腕から与えられた温もりと、背中に当たる体温を感じながら、ルイズはそう思った。少しだけサイトの息が首にかかる。 柔らかい… ルイズの肌に触れ、思ったのはサイトだ。今までにこれだけしっかりとルイズの素肌に触れた事があっただろうか? それが今、胸板が当たっている。 お互い肌が溶け合いそうな感覚を覚え、しばし二人は沈黙を続けていった。 「なぁ…?」 「なに?」 「こっち…向かないか?」 腕の中にルイズを収めたまま、サイトは背中から声をかけた。そろそろ次のステップに行こうと言うことなのだろうか。 ルイズは体をくるりと回し、サイトの方へ向き直って頭を胸の中に入れた。 「ルイズ…」 「ん…」 サイトが何を求めたかわかったらしい。 ルイズは顔をサイトに向け、唇を待った。サイトはすぐに自分の唇を重ねていく。 921 名前:220 3/5 [sage] 投稿日:2006/10/15(日) 00:03:13 ID:Ll4cWXFn 今からする事を象徴する様に何度も、激しくサイトはルイズを貪っていく。 ルイズも徐々に止まらなくなってきたか、細い脚をサイトの脚に絡めた。 「ぷ…は…」 息苦しくなり、唇を離す。月明かりが微かにお互いの顔を照らしだした。 自らの唾液でルイズの唇が濡れているのを見てサイトは興奮し、すぐにまた唇を浴びせていく。 止まらねぇ… もっと…ゆっくり… サイトは自らの下半身が反応するのを感じながら、片手をルイズの胸に触れさせた。 「あ…」 今までの様に手で払われたりはしない。それどころか、その手に自らの手を重ねてきた。 柔らかな手と、胸にサイトの片手が挟まれる。手のひらに突起を感じて、それを摘んでみた。 ルイズも興奮してるみたいだ… やだ…私ったら… 膨らんでこそいないが柔らかな胸を楽しんだ後、やっとサイトは唇を止め上体を起こした。 横に寝ているルイズを見た。瞳を潤ませ、続きを望んでいた。もう胸を見せない事も無かった。 残るシーツを全て剥がし、ベッドの上にルイズの全身を出す。 丸みのある下腹部と割れ目を隠す桃色の茂み。ルイズは脚を閉じているだけで、それ以上隠そうとしない。 好きにしなさいよ… そう、目が言っていた。 922 名前:220 4/5[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 00:06:39 ID:Ll4cWXFn サイトはルイズの脚を開かせ、そこに腰を入れる。 肌の色が白いせいか、綺麗な「女性」をしているな。とサイトは思った。 誰にも見せていないタテスジを、指で割る。水音をたててその場所はサイトに姿を見せた。 これが…女の子… 「あんまり見ないで…恥ずかしいんだから…」 ルイズの声を聞き、サイトはそこに口づけた。 「あっ!」 思わず大きな声を上げてしまう。両手を使いサイトをソコから離そうとするものの、サイトは離れない。 一番恥ずかしいトコなのに… サイトがソコに口付けている。そう思うだけでルイズには耐えられなかった。 「…いいん…だよな?」 「…サイト?」 「何だ?」 「約束して?」 「何を?」 「アンタがこの世界に居る間は、ずっと私の側にいるって…」 「…うん。帰るまではお前と一緒に居る」 「ありがと…」 自らのモノを構え、サイトはそう言った。その先にはルイズの「女性」が当てられている。 サイトは顔をルイズの顔に近づけた。ルイズはその首に腕を回し、サイトを抱き締める。 「ご主人様を泣かせたら許さないわよ?」 「…努力する…」 ルイズを見下ろしたままサイトは、自らをルイズの中に入れていった。 923 名前:220 5/6[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 00:10:34 ID:KjuIrP/V 「ひゃうん…」 「や、やっぱり痛いのか?」 「ば、バカね。痛い訳…」 そういうルイズの目尻には涙が浮かんでいた。 「痛かったらやめる…」 「ダメよ!やっと一つになれたんだから…」 ルイズの意地を感じ、サイトは奥まで突き入れた。お互いの息が荒い。 「…入ってる…」 「ルイズの中に…」 「私の中…気持ちいいの?」 「…最高だよ。ご主人様…」 率直な感想を告げ、サイトは腰を動かしていく。 「サイト!私死んじゃう…」 「ごめん…止まらない…」 ルイズの喘ぎ声を聞きながら、サイトは何度も出し入れを繰り返した。 やがて限界を感じる。 「お願い…サイト……」 「ああ…一緒に…」 お互いの顔が見えると安心した。 それから程なくして、二人の意識は消えた。 「好きよ…サイト…」 横にいる相手に囁いてみる。 「サイト…?」 「…くー」 なんてヤツだ。 先に眠りについていた。 「もう…」 それでも指はしっかりと絡められ、回された腕はそのままだ。 「ご主人様が好きっ、て言ってる時に限って…これなんだから…」 股間に違和感を感じると、流れている乳白色の液を確認した。 心なしか嬉しそうな表情をし、そのまま瞳を閉じた。 夜の寝室にやっと静寂が戻った。 924 名前:220 6/6[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 00:12:11 ID:KjuIrP/V 翌朝 「うーん…」 先に目を覚ましたのはサイトだった。ベッドから上体を起こす。 「う…ん」 横を見ればまだ目覚めていない様な愛しい人。 サイトが起きたせいで剥がれたシーツを被り直している。 「寒い…」 寝言がどうかはわからないが、そう言ってサイトに頭を寄せて来た。 ちょっと可哀想かな… 体温を求めているルイズを見て、サイトは再び布団に潜り込んだ。腕の中の存在が温かい。 もう少し…このままでいいよな… その後、二人の体液で汚れたシーツによって、一悶着起きるのはまた、別の話。 ー完ー 354 名前:220 ルイズ×サイト[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 23:24:18 ID:LFAwhiUB 「ふぁ…」 いつもの様に上体を起こし、伸びをする。外からは小鳥の囀り、窓からは柔らかな朝日。 正に理想的な起床の筈…だが… 「ぐー…」 「…せっかくの寝起きが台無しじゃない…」 少し残念そうに呟いて、隣で眠っているサイトを見た。 「たまには私より早く起きなさいよね…」 大抵、交わった日はこうである。相手より早く目覚めてしまう。 朝起きた時、 まぶたを開けた時に髪など撫でていてくれたら愛の言葉を囁けるのに。 とは言え、ルイズに非がない訳では無かった。自分もシーツの下は全裸である事を思い出し、勝手に赤面してしまう。 その自分の姿を見て、夕べを思い出してしまうのだ。 回想 「はあっ…あはっ…」 「ルイズ…俺…」 「わ…私より早かったら…許さないんだから…」 「そんな…お前の中良すぎるのに…」 サイト限界 「あっ……」 「ごめん…」 「…許してあげるから…」 「?」 「もう一回…ね?」 「…わかったよ…」 「好き…好きぃ…」 何度も鳴り続ける水音。 「私以外の子はみちゃダメよ…ちゃんとご褒美あげてるんだから…」 「ん…わかってる」 「…もっと沢山あげるわ…だからサイトも頂戴…」 「俺も沢山…あげる…」 夕べ自分が何をして、何を喋っていたか。 それを考えると、ルイズは赤面せずにはいられなかった。 「ま、まあしょうがないわよね…アンタだけのせいじゃないし…」 クルリと寝返りを打ち、サイトがこちらを向いた。 一瞬サイトが起きたかと思い、ドキリとしたが、寝息が規則正しい事に気づき、ほっと胸を撫で下ろす。 その寝顔にルイズは何故か魅力と、愛しさを感じてしまった。 「私も欲張り…ね…」 髪をかき上げて、顔を近づける。 目を閉じて何度も唇を当てた。唇の先にサイトの体温を感じて。 その後は遠慮なく、サイトの胸の中に体をねじ入れ、その広い背中に手を回した。 小さな胸がサイトの胸板を押し、サイトの「男性」が股間に当たる。 「もう…起きたらまた…止まらなくなっちゃう…」 二人がお互いの大事な場所を一つにしてしまうのは間もなくである。 完

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