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368 名前:1/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:39:47 ID:V6/sy8A0 「えーっと、ここだな‥‥」  赤茶色に錆ついた鉄の扉の前で、サイトはそう呟いた。  地下一階にあるその場所は湿っぽく、カビ臭かった。おまけにかなり暗くて、 灯りがなければ足元も見えない。サイトは何度もつまづき、そのたびに手に持っ た小さな灯篭で足元を照らしながら、ようやくここまでたどり着いたのだった。 「それにしてもルイズのやつ、こんな場所に何の用なんだ?」  サイトは不機嫌そうに呟きながら、右手に持った紙を灯りで照らした。  サイトの世界で言うところの、わら半紙のような紙。そこには羽ペンで、短く こう書かれていた。 『サイトへ   今夜、消灯時間が過ぎたら、学院の地下室へ来なさい。   遅れたらおしおきだからねっ!                         ルイズ』 「‥‥ったく、勝手な御主人様だよなあ。少しはこっちの都合も考えろよ」  サイトは頭を掻きながら、頭上にある窓を見上げた。  60サント四方の小さな窓から、かすかな月明かりが入っている。二つの月が 互いに寄り添うかのように、空高く浮かんでいた。 「いよいよ明日なんだな‥‥」  二つの月を見上げながら、サイトは感慨深げに呟いた。 369 名前:2/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:40:46 ID:V6/sy8A0  明日は、数ヶ月に一度の日食の日だった。伝承によると、日食の日はこの世界 と異世界とを繋ぐ扉が開きやすくなるらしい。シエスタの曽祖父も、日食の日に 異世界から飛ばされてきたという。それを聞いたサイトは、シエスタの曽祖父が 乗っていたという「竜の羽衣」、すなわち零戦に乗って、元の世界に戻ろうとし ていた。  チャンスは一度きりなのだから、万が一にも失敗は許されない。そのため、サ イトは念入りに計器のチェックを行い、メンテナンスを実施した。そして、お世 話になった学院の関係者にお礼を言いに回った。そうこうしているうちに日が暮 れて、消灯時間になったのだ。  一日じゅう動き回ったせいで、サイトの身体はぐったりと疲れていた。明日に 備え、早いうちに寝てしまおうと思った矢先に、ルイズからの手紙を見つけたの である。  正直、今夜は早く寝てしまいたかったが、ルイズの命令を断るわけにはいかな かった。ルイズを怒らせたら後が面倒だし、いちおう寝場所と食事を与えてくれ た恩もある。サイトは眠い目をこすりながら、仕方なしにここまで来たというわ けだった。 (しかし、こんな場所に呼び出して、いったい何の用なんだ‥‥? ま、行って みれば分かるか)  サイトはノブに手をかけ、押した。扉を開けた瞬間、大量の埃が舞い上がり、 サイトは激しく咳き込んだ。  部屋に入ると、そこはかなり狭く、サイトの世界でいえば20畳ほどの広さし かなかった。見ると、錆の浮いた剣や傷だらけの鎧、割れた鉄兜などが、いくつ も乱雑に転がっている。どうやらここは、使用済みの武具を廃棄しておく場所の ようだ。 370 名前:3/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:41:29 ID:V6/sy8A0  サイトは机の上に灯篭を置いて、周囲に向けて呼びかけた。 「おーい。ルイズ、いるかー?」  だが、返事はなかった。サイトの声が、部屋の壁に反響するのみだ。 「あれ、おかしいな‥‥ルイズ、どこにいるんだー?」 「‥‥サイトさん」  サイトの呼びかけに応じるように、小さな声が部屋の隅から聞こえてきた。  だがそれは、ルイズの声ではなかった。ルイズよりやや大人っぽくて、落ち着 きが感じられる。そして何より、ルイズの特徴である高飛車な感じがなかった。  誰だ? と首をかしげるサイトの前に、一人の少女が現れた。それはメイド服 に身を包んだ、黒髪の少女だった。 「ようこそ、サイトさん。お待ちしていました」 「お前‥‥シエスタ? シエスタなのか?」  サイトの呼びかけに、シエスタはにっこりと笑って頷いた。その笑顔は、まる で花が咲いたかのように眩しく、美しかった。 「嬉しいです、サイトさん。わざわざこんな場所まで来てくれて‥‥」 「何を言ってるんだ、シエスタ‥‥? そうだ、ルイズを知らないか? あいつ、 オレをこの部屋へ呼んだくせに、姿が見えないんだ。あいつがどこにいるか、知 らないか?」 「ミス・ヴァリエールなら、ここにはいません。サイトさんがここにいることも、 ご存知ないはずです」 「えっ? でも、あいつはこの手紙を‥‥」 「それはミス・ヴァリエールが書いたものではありません。それは‥‥私が書い たんです」 「な、何っ?」  サイトは自分の耳を疑った。  まさかこの手紙は、シエスタが書いたというのか? わざわざルイズの筆跡を 真似してまで? シエスタはどうして、そんなことをしたんだ? 万が一ルイズ にばれたら、間違いなく罰を受けるというのに‥‥? 371 名前:4/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:42:10 ID:V6/sy8A0  あまりにもたくさんの疑問が浮かびすぎて、サイトは言葉を発せなかった。そ んなサイトに向かって、シエスタは言った。 「悪いとは思いましたが、ミス・ヴァリエールの名前を使わせていただきました。 サイトさんをこの場所へ呼び寄せるには、これしか方法がないと思ったんです。 あの方の命令なら、サイトさんも従わざるを得ないでしょうから」 「ど‥‥どうしてだ? どうして嘘をついてまで、オレをここに呼び出したんだ?」  その問いかけに、シエスタは何も答えなかった。代わりに切なげな眼差しでサ イトを見つめながら、シエスタは口を開いた。 「サイトさん。あなたは明日、異世界へ帰られるんですよね?」 「あ、ああ‥‥そのつもりだけど」 「私は今まで、何度もサイトさんに助けてもらいました。魔物に襲われたときも、 悪い貴族に売り飛ばされたときも、あなたは必ず駆けつけてくれて、私を守って くれました。今、私がここにいられるのも、みんなサイトさんのおかげです」 「いや、そんな‥‥大げさだよ」 「サイトさんには、とても感謝しています。なのに私は、サイトさんに何もして あげていません。このままお別れされたら、私はきっと後悔すると思います」 「そんな、気にするなよ。困ってる女の子を助けるのは、男として当然だろ?」 「いいえ、それでは私の気が済みません。サイトさんには、できる限りのお礼を したいんです‥‥だから‥‥」  シエスタは手を差し出し、サイトの両手を握り締めた。そして大きく息を吸い、 吐き出すと、はっきりとした声で告げた。 「私を、抱いてください」 「‥‥え?」 「抱いて欲しいんです‥‥あなたに、私の身体を」 「え、ええっ?」  サイトはまたも、耳を疑った。身体を抱いて欲しいって、まさか、そんな‥‥? 372 名前:5/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:42:49 ID:V6/sy8A0 「私は一介のメイドですから、財産と呼べるものはほとんど持っていません。た だ一つ価値のあるものといえば、この身体だけです。ならばせめて、この身体を、 サイトさんに捧げたいんです」 「ま、待ってくれ、シエスタ! そんなこと、軽々しく口にするもんじゃないだ ろ! そういうことは、好きな人に言うべきじゃないのか?」 「私はサイトさんが好きなんです。初めて会ったときから、ずっと」 「で、でも‥‥オレは、ルイズの使い魔なんだぞ? ルイズにばれたら、きっと ただじゃ済まないぞ!」 「構いません。サイトさんに抱いてもらえるなら、私はどんな罰でも受けます」 「だ、だけど‥‥」 「‥‥私では、サイトさんのお相手になれませんか?」  シエスタは、哀しげな声を発した。  サイトを見つめるシエスタの顔には、物憂げな表情が浮かんでいた。幼い頃か らメイドとして働いてきたシエスタは、他人に喜ばれること何よりも好きな性格 だ。逆に、他人を失望させることは、彼女が最も嫌うことである。自分ではサイ トに喜んでもらえないのか、サイトを満足させられないのか‥‥そんな思いが、 シエスタにこんな表情をさせているのだろう。  そんなシエスタの表情を見たサイトは、意を決したかのように、小さく頷いた。  サイトはシエスタの手を振りほどいて、自分の両手をシエスタの肩の上に乗せ た。そして言った。 「一つだけ約束してくれ。このことは、絶対誰にも言わないこと。いいな?」 「はい。約束します」 「‥‥分かった」  サイトはシエスタの顎に指をあて、その顔を上げさせた。  15サントほどの距離を隔てて、二つの視線が重なり合う。二人はどちらから ともなく目を閉ざすと、顔を近寄せ、唇を触れ合わせた。 373 名前:6/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:43:32 ID:V6/sy8A0  シエスタの唇は、かすかに震えていた。緊張のためか、それとも好きな人と口 付けしているという悦びのせいか。それは分からないが、必死になって身体の震 えを抑えようとしているように思えた。その健気さが、サイトの心を打ち、胸を 熱くさせた。  サイトはいったん唇を離し、もう一度触れ合わせた。今度は少し力を入れて、 シエスタの顔に自分の頭を押しつけるような感じで。不意に圧迫感を受けたシエ スタは、かすかに口を開いた。サイトはそれを見逃さず、シエスタの唇の隙間か ら自分の舌を差し入れた。  侵入したサイトの舌が、シエスタの口の中でうごめく。柔らかく、生温かい舌 の先が、シエスタの頬裏や歯に触れ、口内を蹂躙していった。 「んんっ、ん‥‥!」  シエスタは自分の頭が、ボーッと痺れていくのを感じた。サイトの舌が動くた びに、身体の感覚が麻痺して、何も考えられなくなっていく。だがなんとか気を 取り戻すと、シエスタは自分でも舌を動かし、サイトの舌に絡めあわせた。  ざらついた舌の感触が、情熱の炎を燃え上がらせた。唾液が混ざり合うピチャ ピチャという音が、部屋の中に響き渡る。サイトの口から溢れる熱い吐息を感じ たシエスタは、喉の奥で艶っぽい喘ぎ声を発した。二人は夢中になって、互いの 舌や唾液をむさぼった。  サイトはシエスタの肩に乗せていた右手を、下のほうへ滑らせていった。そし て胸の膨らみの上で停止させると、掌を回転させるように撫でまわした。二度、 三度と撫でてから、サイトは手に力を入れ、服の上から胸を握り締めた。 「あっ、ああ‥‥!」  シエスタは全身をビクンと震わせ、唇を離した。二人の唇の間を唾液の糸が紡 ぎ、やがてプツンと切れた。  サイトは巧みに指を動かし、何度もシエスタの乳房を揉みしだいた。そのたび にシエスタは敏感に反応し、甲高い声を発する。眉根を上げて喘ぐシエスタの表 情は、今まで見たこともないほど艶っぽく、サイトの興奮をさらに昂ぶらせた。 374 名前:7/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:44:56 ID:V6/sy8A0  サイトはシエスタの上着に指をかけ、ボタンを外そうとした。だがそのとき、 なぜかサイトの指が動きを止めた。 「? どうしたんですか、サイトさん?」 「いや、その‥‥メイド服を着た子にこんなことをするのは、ちょっと妙な気分 だな、って思って‥‥」 「えっ? サイトさんの世界には、メイドはいないんですか?」 「いや、いるよ。ただ‥‥ちょっと特殊な店にしか、いないけどね」 「特殊なお店‥‥?」  シエスタは、それがどんな店なのか聞こうとしたが、やめておいた。サイトは 異世界の住人なのだ。話を聞いたところで、理解するのは難しいだろう。それに 今は、そんな疑問を持つべきではない。今はサイトとの行為に集中して、少しで もサイトに喜んでもらわなければならないのだ。  サイトの指が、上着のボタンを一つずつ外していく。一番下まで外し終え、合 わせ目を左右に広げると、シエスタの上半身が露わとなった。少しでも早く、サ イトに自分の裸を見てほしかったのか、ブラは付けていなかった。  シエスタの肌は、絹のように滑らかで、おまけに雪のよう白かった。いつも家 事をしているためか、無駄な肉や脂肪はほとんどなく、ウェストが程よく締まっ て美しいラインを描いている。それに反するかのように、胸は豊かに膨らんで、 呼吸をするたびに上下に揺れた。そしてその頂きでは、薄茶色の果実がツンと屹 立していた。 375 名前:8/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:45:39 ID:V6/sy8A0  想像していた以上の美しさに、サイトは言葉を失った。そんなサイトに向かっ て、シエスタは囁くように言った。 「サイトさん‥‥私の身体、どうですか?」 「どうって‥‥すごく綺麗だよ。驚いたよ、シエスタの身体がこんなに綺麗だっ たなんて」 「ほ、本当ですか? 良かった、サイトさんに気に入ってもらえて‥‥」  恥ずかしげに顔をうつむかせていたシエスタは、サイトの言葉を聞いて、顔いっ ぱいの笑いを浮かべた。  その表情を見たサイトは、思わず苦笑いをしてしまった。これだけ美しい身体 のどこに、文句の付けようがあると言うのだろう? シエスタは自己主張をしな い性格だが、ここまで控えめな態度を取られると、サイトのほうが恐縮してしま う。もっともそれが、シエスタの魅力の一つなのだが。  サイトはシエスタの乳房の上に、そっと手を乗せた。指を動かすと、それに合 わせるかのように、シエスタの胸も形を変えた。ただ大きいだけでなく、マシュ マロのように柔らかくて、サイトにこの上ない心地良さを与えてくれる。さらに、 シエスタの胸はしっとりと汗ばんでいて、ちょっと触れただけで吸い付いてしま いそうだった。  シエスタの胸に指をうずめながら、サイトはもう片方の乳房に顔を近寄せ、そっ と口付けをした。  白く柔らかな乳房の上を、赤い舌が這い回る。サイトは乳房の頂きに唇を付け ると、小鳥が餌を啄ばむような仕草で、薄茶色の果実を吸い上げた。それから舌 先で、転がすように果実を舐めまわした。 376 名前:9/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:46:21 ID:V6/sy8A0 「んっ、あああっ‥‥サ、サイトさんっ‥‥!」  泣いているような声を発しながら、シエスタは首を激しく左右に振った。実は 彼女は、胸に触れられるとすぐに感じてしまう体質だった。その胸を重点的に攻 められ、今すぐにも全身から力が抜けてしまいそうだった。サイトの首に回した 両腕だけが、かろうじてシエスタの身体を支えている状態だ。  砂糖菓子を与えられた子供のように、サイトは飽きることなくシエスタの胸に 口付けをして、親指と人差し指で胸の果実をつまみ上げた。そのたびに敏感に反 応するシエスタの仕草が、たまらないほど可愛らしかった。  サイトは乳房をまさぐる手を止めて、下のほうへと移動させた。まだ身に付け たままのスカートの裾をたくし上げ、太股へと手を伸ばした。  シエスタの脚は、上半身同様に引き締まっていて、とてもしなやかだった。ほっ そりとしているけれど、か弱いという感じではない。カモシカのような脚とは、 きっとこんな脚のことを言うのだろう。  すべらかな感触を味わったサイトは、スカートの奥の下着に手を伸ばした。と、 「うっ、ああっ‥‥!」  サイトの手が下着に触れた瞬間、シエスタは身体を大きく震わせ、今まで以上 に大きな反応を見せた。それは、気持ちよいという感じではなく、何かに驚いた という感じの反応だった。  下着の上から秘部に触れたサイトは、シエスタの反応の意味を理解した。そこ は、布越しでもはっきりと分かるほどに、ぐっしょりと濡れていた。胸を触られ ただけで感じてしまったのか、粘り気のある液が下着の奥から染み出し、サイト の指にまとわりついていた。  サイトは、シエスタの顔を見つめた。シエスタは頬を真っ赤に染め、肩で息を していた。 378 名前:10/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:47:08 ID:V6/sy8A0 「ごめんなさい、サイトさん‥‥こんなはしたない姿を、見せてしまって‥‥」 「謝ることはないよ。女の子なら、こうなるのは当たり前だろ? それに、シエ スタがどんな反応を見せたって、オレは気にしないよ。オレは素のままのシエス タが、一番好きなんだから」 「あ、ありがとうございます‥‥ふあ、ああっ‥‥!」  シエスタの声が、よりいっそう大きくなった。サイトの指が下着の端から侵入 し、シエスタの秘部を直に触れてきたのだ。  サイトが指を動かすと、クチュッという音が鳴り、透明の蜜がまとわりついて きた。蜜は滾々と溢れ、シエスタの太股をつたい、足元へと流れ落ちていく。し かも指の動きに合わせるかのように、次から次へと溢れ出てきて、シエスタの股 間を濡らし続けた。まるで、尽きることを知らない水の泉のようだ。  サイトは手首に力を入れ、亀裂の間から内部へと指を侵入させた。充分に潤っ ていたそこは、あっけないほどあっさりと指を受け入れた。  指先でシエスタの温もりを感じながら、サイトは愛液で濡れた秘部を攻め立て た。亀裂の隙間から二本の指を出し入れするごとに、蜜が滑るいやらしい音が響 く。そしてそのたびに、シエスタの喉奥から、あっ、あっ、という切なげな声が 漏れた。 「だ、だめ‥‥そんな、強くしないでっ‥‥!」  か弱い声でシエスタは懇願したが、サイトは気にせず指を動かし続けた。言葉 とは裏腹に、シエスタの快楽はどんどん大きくなっていき、蜜が溢れ続ける。そ れが潤滑油となって、サイトの指の動きをいっそう激しくしていく。サイトを抱 きしめるシエスタの腕に、シュッと力が込められた。 「ああっ、だめ、本当にだめっ‥‥いや、あっ、あああーっ!」  シエスタは全身を痙攣させ、絶叫に近い声を発した。  背中が反りかえった体勢で、シエスタの身体が硬直する。直後、シエスタはそ の場に崩れ落ち、両膝を床につけた。 379 名前:11/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:47:54 ID:V6/sy8A0 「はあっ、はあっ‥‥はあっ‥‥!」  裸のままの胸に手をあてながら、シエスタは苦しげに何度も息を吐いた。それ を見たサイトは、慌ててシエスタの肩に手を置き、言った。 「シエスタ、大丈夫か? ごめん、オレ、つい調子に乗っちゃって‥‥」 「‥‥‥」  シエスタは何も答えなかった。肩を大きく上下させながら、呆然とした表情 でサイトの顔を見上げるだけだった。  二人の間を、奇妙な沈黙が覆った。だがその直後、シエスタは不意に膝を立 てると、サイトの腰に手をあてた。細く美しいシエスタの指が、ズボンのチャッ クに添えられた。 「な‥‥何、シエスタ?」 「今度は私の番です。サイトさん、そのまま動かないでください」  そう言うとシエスタは、サイトのズボンを脱がし、下着をずり下ろさせた。 屹立したサイトの分身が露わとなり、その先端がシエスタの目の前に突き付け られた。 「凄いです、サイトさん‥‥とても硬くて、逞しくて‥‥」  シエスタはサイトの分身にそっと指を添えると、口を開けてそれを包み込ん だ。そして上下の唇に軽く力を入れ、丁寧になぞるように、ゆっくりと出し入 れし始めた。 「うっ‥‥!」  サイトの喉から、声にならない声が漏れた。  口を使ったシエスタの奉仕は、例えようがないほど心地良かった。温かな口 に包まれながら、先端部を舌でチロチロと攻められる。その力加減は絶妙で、 すぐにでも達してしまいそうだった。だが、こんなに早くイッてしまっては、 男として格好が付かない。サイトは下半身に力をこめ、必死になって耐えた。 380 名前:12/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:48:32 ID:V6/sy8A0  シエスタはいったい、どこでこんな技術を覚えたのだろう? 控えめでおと なしい性格の彼女が、こんな大胆な行為に及ぶなんて、信じられない。もしか したらシエスタは、サイトに喜んでもらおうと思い、密かに勉強していたのだ ろうか? もしそうだとしたら、こんなに嬉しいことはない。シエスタみたい な可愛い子が、こんなに尽くしてくれるなんて‥‥。  そんな考えを巡らせていたサイトは、下半身に生じた感触に、我を取り戻し た。シエスタがくわえている己の分身が、今にも暴発しそうな勢いで膨らんで いたのだ。 「シ、シエスタ‥‥オレ、もう‥‥!」 「出してください、私の口に‥‥」  シエスタの言葉とともに、サイトの亀頭が跳ね、熱い粘液がほとばしった。 それはシエスタの咥内に飛び散り、喉や舌を汚した。  絶頂に達したサイトは、その場で崩れ落ちるように尻もちをつき、床に両手 の掌を付けた。 「ん、んっ‥‥」  シエスタは懸命に喉を動かして、サイトの放った液を飲み込んだ。唇の端か らこぼれ落ちた液も、舌を使って舐め取り、最後の一滴まで飲み干した。  全てを吸い込んだシエスタは、無言のままサイトの身体に覆いかぶさった。  シエスタの身体の下には、露わになったままのサイトの分身があった。たっ たいま放ったばかりだというのに、そこはまだ屹立していて、先っぽから透明 の液を滲み出していた。  シエスタはスカートの裾をめくり上げ、サイトの分身の先端に自分の花弁を あてがった。そこは充分に濡れていて、受け入れる準備は整っていた。 381 名前:13/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:49:11 ID:V6/sy8A0 「動かないでくださいね、サイトさん」  シエスタの問いかけに、サイトは無言のまま首を縦に倒した。それを見たシ エスタは、そっと静かに腰を落とした。 「ふあ‥‥あああっ‥‥!」  股間から脳天にかけて、痺れるような刺激が走った。弦のように身体を仰け 反らせると、シエスタの二つの乳房が、跳ねるように揺れた。  根元まで挿れると、無数の襞がサイトの分身にまとわりついてきた。シエス タの温もりが全身に伝わっていくような感じがして、身体中にゾクゾクと鳥肌 が立つような感覚が走った。 「サイトさん‥‥私の中、どうですか‥‥?」 「き、気持ちいいよ‥‥すごく締まって、絡み付いてきて‥‥!」 「私も、こんな感じ‥‥は、初めてっ‥‥!」  シエスタはサイトの胸板に両手を置きながら、身体を上下に動かし始めた。  猛々しく膨張した肉棒がシエスタの身体を串刺しにして、下から突き上げて いる。身体中に浮かんだ汗の滴が、二人の動きに合わせ、周囲に舞い散った。  シエスタはサイトの腕をつかんで、その手を自分の胸に導いた。幼げな顔に 似合わぬ豊かさを持った二つの乳房を、サイトはせわしなく揉みしだく。指先 で果実を弾くと、シエスタは敏感に反応して、両手をギュッと握り締めた。 「あっ、ん、はっ、ああっ‥‥サ、サイト、さんっ‥‥!」 「ううっ‥‥シエスタっ‥‥!」  二人の動きが、しだいに激しくなっていく。サイトは全力で突き上げ、シエ スタはそれに応えるように、肉襞でサイトの分身を締め付ける。気持ちよすぎ て、もう何も考えられなかった。二人は頭の中が真っ白になるのを感じながら、 本能のままに腰を振り、互いの身体に指を滑らせた。 382 名前:14/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:49:53 ID:V6/sy8A0  サイトの身体の奥から、熱いものが込み上げる。それは下腹部に集まり、今 にも暴発して溢れ出しそうだった。 「シエスタ‥‥オレ、もうっ‥‥!」 「私も‥‥もう、だめっ‥‥!」 「うっ、ああっ‥‥!」 「イクッ、イッちゃうぅっ‥‥あっ、あああーっ!」  シエスタが絶頂に達すると同時に、サイトの分身から情欲の証が放たれた。 さっきシエスタの口に放った以上の量の精液が、シエスタの膣内に飛び散り、 子宮まで届いた。  ドクッ、ドクッ、と波打ちながら、白濁した粘液が幾度も飛び散る。サイト 自身も経験したことのない量の射精が、シエスタの体内を汚した。そしてよう やく止まると、サイトは全身の力を失って床の上に横たわり、そこへ折り重な るようにシエスタが乗りかかった。  行為の激しさを物語るかのように、二人の顔や背中には大量の汗が浮かんで いた。荒々しく息を吐きながら、二人は放心状態で寝転んだ。一瞬のような、 永遠のような沈黙の時間が、二人の間に流れた。  そして‥‥シエスタは不意に起き上がり、床に散らかった服を身に着け始め た。無言のままでスカートを履き、ブラウスを着終えたシエスタは、まだ横た わったままのサイトへ向き直り、言った。 383 名前:15/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:50:30 ID:V6/sy8A0 「サイトさん、もう一度だけ聞きます。あなたは明日、異世界へ帰られるので すね?」 「ああ、そうだけど‥‥?」 「‥‥‥」  シエスタは無言のまま、口を真一文字に結んだ。  何かを考えるような感じで指を口元にあててから、シエスタは唇を歪めて笑 顔を浮かべた。だがそれは、無理矢理につくったような、極めて不自然な笑み だった。 「‥‥そうですよね。誰だって、自分の生まれた世界で暮らしたいですよね。 それを邪魔する権利なんて、誰にもありませんよね‥‥」 「シエスタ‥‥お前、何を言って‥‥?」 「離れ離れになっても、私は絶対にサイトさんのことを忘れません。こんなに 男の人を愛したのは、初めてですから。だからサイトさんも、私のことを忘れ ないでください。たまにでいいですから、私のことを‥‥思い出して‥‥」  ふと、シエスタは言葉を詰まらせた。両手で口元を覆い、顔を逸らせたシエ スタは、急に立ち上がって部屋の扉のほうへ走った。  ドアノブに手をかけたシエスタは、サイトの背を向けたまま言った。 「サイトさんと一緒に暮らした日々、本当に楽しかったです。すごく短かった けど、私にとっては何年分もの価値がある日々でした。サイトさんに出会えて、 私、本当に良かったです‥‥それでは私、そろそろ行きますね‥‥」 384 名前:16/16[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:51:09 ID:V6/sy8A0 「お‥‥おい! 待ってくれ、シエスタ!」 「最後に私を抱いてくれて、ありがとうございました。それでは‥‥さような ら、サイトさん!」  シエスタはそう言うと、部屋から走って飛び出していった。  その両目に涙が浮かんでいるのを、サイトは見逃さなかった。きっとシエス タは、愛する人に泣き顔を見られたくなくて、部屋を飛び出したのだろう。 「‥‥シエスタ‥‥」  一人、部屋に残されたサイトは、無言のまま天井を見上げた。薄汚れた灰色 の天井から、小さな埃が舞い落ちていた。  予定通りに事が運べば、自分は明日、元の世界へ帰ることになっている。ル イズや学園の関係者たちにも、そう伝えた。でも、本当にそれでいいのだろう か? そんなことをして、自分は後悔しないだろうか?  たぶんシエスタは、サイトにこの世界へ留まってほしいと思っている。彼女 は控えめな性格だから、そのことを口に出せないでいるのだ。そんなシエスタ の思いを無視してまで、元の世界に帰っていいのだろうか? それが本当に、 自分の望んだことなのか‥‥?  サイトは窓の外の夜空を見上げた。二つの月が浮かび、星が幾つもまたたい ていた。  日食が起こるのは、今からおおよそ半日後。そのとき自分は、どんな結論を 出しているだろう。予定通り、元の世界へ帰っているか。それともシエスタの 願いを受け入れ、この世界で生きていくのか‥‥。  その答えは、誰にも分からない。サイト自身も、まだ。 386 名前:覆面士 ◆d3ZM6glXx. [sage] 投稿日:2006/10/07(土) 12:53:52 ID:V6/sy8A0 終わりです。アホみたいに長くなってしまい、すみません。

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