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602 名前:妄想請負人[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 16:42:38 ID:JV9lddoA アレの続きっつーか蛇足。ホントに蛇足なので読まない方がいいかもね! そして。あれから5年の歳月が流れた。 「来られないって!明日何の日か知ってるでしょぉ!」 ノートパソコンの画面に向かって、桃色の髪の女性が怒鳴っている。 すらりと伸びた手足、長く美しい髪、整った顔立ち。ただ、圧倒的に胸だけがない。 豪奢な服を着ているせいで、余計に起伏がないように見えた。 彼女の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 彼の地の風習に則って名乗る場合には、『平賀ルイズ』と名乗っている。 『しょ、しょうがないだろ。俺もこっちで仕事があるんだよ』 ノートパソコンの画面は、不思議な光を放ち、ある青年の姿を映していた。 青年の名前は平賀才人。 ハルケギニア最強の使い魔、ガンダールヴにして、ルイズの夫。 そして日本では冴えないフリーカメラマンだった。 彼はあの日、結局日本に帰る道を選んだ。 何故なら、ハルケギニアとの道が閉ざされたわけではなかったからである。 サモン・サーヴァント。 この魔法を使えば、日本に帰った才人を、いつでも呼び戻すことができる。 ただし、帰る際には『門』を通る必要があるため、一度ハルケギニアに召喚されると、軽く1週間は帰れない。 また、才人の残したノートパソコンに魔法回路をつなぐ事で、なぜか才人のデスクトップとつながる様になった。 そして、二人の奇妙な夫婦生活が始まったのである。 「明日は娘の誕生日じゃないの!あなたそれでも父親なわけ!?」 『あのなあ、俺だってこっちで食ってんだよ。お前らみたいに遊んで食えるわけじゃねーの』 「私だって仕事してるわよ!子育て、社交界、政治とかいろいろ大変なんだから!」 『…子育ては半分シエスタ任せのクセに』 「…仕方ないでしょあの子がシエスタがいいって言うんだから」 『甘いな』 「サイトに言われたくない」 半分夫婦喧嘩の様相を呈していた二人だったが、娘の話題が出ると、その勢いも収まった。 『元気にしてるか?』 「元気よ。元気すぎて困るくらい」 『お前みたいなお転婆になっちゃうのかなやっぱり』 「誰がお転婆よ。立派なレディだったじゃない」 『ああ間違えた。「クソナマイキな」お転婆でしたねご主人様』 「こら犬!」 画面をはさみ、二人であははは、と笑いあう。 603 名前:妄想請負人[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 16:44:22 ID:JV9lddoA 『なんとか、都合つけてみるよ』 「ん。期待してる」 『誕生日プレゼント、買ってくわ』 「私には?」 『持っていくよ、もちろん。愛しのルイズ』 「お待ちしておりますわ、愛しのサイト様」 いつもの別れの挨拶を交わすと、ルイズは魔法回路を切る。 ノートパソコンの画面を支配していた光が消え、黒い画面に端正な女性の顔が映る。 たまに、じゃなくてずっとこっちにいればいいのに。ルイズはいつもそう思う。 でもサイトにも向こうの生活がある。 「踏ん切りがついたら、そっちに居つくことにするよ」とは言っているが、それがいつのことになるのか、わからない。 そうやって物思いにふけっていると…。 「ルイズママー!」 バタンと扉が開き、小さな女の子が飛び込んできた。 彼女こそが二人の愛の証。ルイズの愛娘であった。 「あらあらどうしたのおちびさん?」 先ほどとは打って変わり、優しい母親の顔で、ルイズは娘を迎える。 「シエスタママが怖いの、助けて〜」 どうやら、何かそそうをして乳母に怒られている最中らしい。 「ダメよ。何かそそうをしたのでしょ?きちんと罰を受けてらっしゃい。それが貴族の義務よ」 「うー、ルイズママのいじわるっ!」 そう言って、娘は部屋を飛び出していく。 援軍が得られないのなら、敗軍は敗走するのみだ。 まったく、わが娘ながら甘えんぼさんなんだから、と思いながらルイズがノートパソコンを片付けていると。 「失礼します若奥様」 黒髪のメイドが、部屋に入ってきた。ヴァリエール家の乳母にしてメイド長、シエスタである。 「お嬢様を見ませんでした?こちらに逃げてきたと思うのですけど」 「淫乱バカメイドに教える情報なんてないわよ」 たちまち凍る部屋の空気。 「ああああああらそうですか。その胸と同じく度量まで小さいんですのね若奥様は」 「でかけりゃいいってもんじゃないわよ。いい加減ウチの娘たぶらかすのやめてくれる?」 「「ウチの娘」?お乳の世話から教育まで一手に担ってきたのはこの私ですわ。言わば育ての親は私。あの娘は私の娘です」 「へええええええええ。知ってるわよ?アナタそそうするたんびにわざと娘逃がして、この部屋でサイトと連絡取ってるでしょぉ」 「ななななななな何のことですか?知りませんねえええええ?」 「娘のみならず夫にまで手出されて、ほっとけるわけないじゃない…?」 「あああああら。それなら久しぶりにやりますか…?」 「や ら い で か」 そして余りにも醜い女同士のバトルが始まった。 「まったく、なにやってんだか」 扉の外では、当の娘があきれ返っていた。 ハルケギニアは今日も平和だ。 一部を除いて。

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