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691 名前:1/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:33:41 ID:R+eNC1vG  部屋の中に誰も居ないことを確かめる。今見られるわけにはいかない。 「サイトー……シエスター……」  部屋に入った後、小声で呼んでみる。返事は無い。 「よし!」  サイトも最近騎士隊の事とかで立ち直りつつある。サイトが落ち込んでいたから、不謹慎で出来なかったこと……ずっとやりたかった事。 「い、いよいよっ……小さい頃からの夢がかなうのね」  戦争前にちいねえさまにお願いしておいたのだけれど、戦争から帰ったらサイトが居なかったり、サイトを連れて帰ったら落ち込んだりで…… 「延び延びになってたけどっ、今日こそっ!!」  実家から送られた、ずしりと重い箱を持ち上げる。  ついさっきまではベットの下に隠してた、サイトもシエスタも気付かない完璧な隠し場所っ!! わたしって天才。  杖を握って箱に向かう、心臓がドキドキ鳴ってるのが分かる。口の中がからからに乾く。 「ど、どうって事無いわよね、おもちゃなんて」  そう、この箱の中はおもちゃが沢山入ってる。ずっと……ずっと『シタカッタ』事をやっと……初めて出来るんだ。  そう思うと、うれしくて頬が緩む。  だって、ずっと出来なかったし。コレが手元についても三人部屋になったせいで、一人っきりになる機会なくなったし。 「誰かが見てると恥ずかしいし」  別に誰でってシテる事かもしれないけれど、恥ずかしいものは恥ずかしいのだから仕方ないよねっ。  っと、いけないいけない。こんな事をしている時間ももったいない。  じっとりと汗ばむ手で杖を握りなおして、震えながら箱を開ける。  小さく喉が鳴って、自分がどれだけ緊張していたのか分かった。 「これ……」  目の前に並ぶのは小さな頃の憧れ。 「今日こそ……」  一つ一つをベットの上に並べる。誰も居ないのは分かってるけど、ついきょろきょろ辺りを探る。 「シエスター、サイトー、居ないのよね?」  今出てこられても困るけど、もう少ししてから出てこられたら言い訳できない。 「よし、OK」  は、始めるわよっ。

 わたしはおもちゃに向き直る。

692 名前:2/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:34:14 ID:R+eNC1vG 「あっ、動いてるっ」  ミス・ヴァリエールの部屋から変な声が聞こえる。なにかしら?  ……よ、よもやっサイトさんとよからぬ事を? 「ゆ、許せません」  部屋には鍵が掛かっていたけれど、合鍵は貰っている。  サイトさんやわたしにとって都合のよい事に、この部屋の鍵は魔法製じゃないのです。昔はミス・ヴァリエールの為だったらしいですけれど。  音がしない様に、そっとドアを開ける。もちろん、こんな時の為に毎日ドアには油を注している。いつこっそり部屋に忍び込まないといけないか分かりませんもの。 「あは、いいよぉ……素敵」  ミス・ヴァリエールの声は止まらない。  細く開けたドアから中を覗くと、ベットの上で毛布かもそもそ動いていた、これならっ!  音も立てずに部屋に忍び込む、もう一度ドアを閉めなおして、部屋の隅まで移動。 「あ、こんな事も……するんだ」  毛布の持ち上がり方から見て、ミス・ヴァリエールは一人のはず…… 「素敵」  何が素敵なのかしら? 好奇心に駆られて、じりじりとベットに近づく。  よく見るとベットの周りには何か色々散乱していた。……誰が片付けるのかしら?  毛布の中でもそもそしながら、何かを喋っている事しか分からないから…… 「えいっ!」  いっその事と、いきなり毛布を引っぺがしてみる。 「……ふえ? あ? っっっきゃあああああああああ!!」  きょとんと周りを見回して、わたしと目が合った途端にミス・ヴァリエールが絶叫した。 「ななな、なんでっ? なんでシエスタが居るのおぉぉぉぉ」 「こんな昼間からベットの中で何なさってたんですか? ミス・ヴァリエール」  堂々と近づいて、ミス・ヴァリエールの手の中を…… 「おもちゃ?」  子供の貴族の方が……遊ぶ用の? 「わ、わるいっ? わたし小さい頃これ……動かせなかったから……」  あぁ、貴族の方のおもちゃって、魔法で動かすんでしたっけ? 魔法の練習にもなるからと、積極的に子供に与えるらしいですね。 「……この年になって、おもちゃって恥ずかしいから……こっそり……」  この間からベットの下にあった箱の中身かしら? でも……結構可愛い所も有りますね。 「……で、ミス・ヴァリエール」  怒られるとでも思ったらしいミス・ヴァリエールがビクンって震える。  なんで遊んだだけで怒られるのかしら? 貴族の方ですし、躾とか厳しかったのかもしれませんけど。 「それ、どうやって動かすんです?」  にっこり笑って聞いてみると、、弾かれたように説明を始めてくれた。 「あのねあのねっ、これは魔力を注ぐと、動くお人形でっ、これは無意味に浮かぶのっ」  うれしそうにおもちゃの説明を始めるミス・ヴァリエールも可愛い。 「動かして見せてもらえますか?」 「うんっ」  あら、いいお返事。

693 名前:3/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:34:46 ID:R+eNC1vG  父さまに買ってもらった頃は、まったく動かなくって泣きそうだったおもちゃが、今は簡単に動く。コモンが成功するようになったから、ひょっとしてと思ってた。 「ほら、見なさいシエスタ」 「わぁ、凄いですね、ミス・ヴァリエール」  しかも、シエスタが毎回誉めてくれる、魔法を使って誉めてもらう……うれしい。 「ミス・ヴァリエール、これは? これはなんですか?」 「これはねー」  説明は何度も読んだから、何が起こるか皆覚えてる。子供のおもちゃだから、皆詠唱も何も要らない、基本魔力を注ぐだけで良い。 「ほら、シエスタ、モンスターよー」  空のコップだったものから、むくむくと透明の粘液があふれ出す。 「きゃぁぁぁ」  コップを握ったままのシエスタが、悲鳴を上げて部屋の隅まで逃げ去った。 「あははは、スライムよ」  子供用に無害に調整されたスライム、間違っても怪我とかさせないように、厳重に加工されているらしい、小さい頃さんざん友達に自慢された。 「これはね、魔力を注げば注ぐほど大きくなるの」 「ななななな、なんなんですかぁぁ」  慌てるシエスタを見て、少しイタズラしたくなる。わたしの魔力をありったけ注いでみる。  みるまに大きくなるスライムに、シエスタが部屋の隅で震えていた。  子牛くらいまで大きくなったスライムが、ぷるぷると震えている。 「だ、誰が掃除するんですかぁぁぁ」  ……そこか? 突込みどころはそこなのか? 「大丈夫よ、スライムは時間が経てば気化するらしいから」  自慢されるうちに雑学ばっかり増えた。 「でも……これ……」  まだ不安そうなシエスタを手招きすると、恐る恐る近づきながら、説明を一生懸命読んでいた。 「品質保持期限、数年前に過ぎてますよ?」  へ?  シエスタの言葉が耳に届くかどうかの瞬間に、スライムがわたしに圧し掛かってくる。 「っきゃーーー」  なんなのよーーー 「えとえとっ、『お子様の魔力を注がれたスライムは、注がれた魔力の質によってさまざまな特性を持ちますが、当方において厳重な検査を経てますので、危険は一切ございません』って、うそばっかりー」  ……質って……わたし……虚無。 「そ、それくらいチェックしとけぇぇぇぇ」  使い手が数千年居なかった以上不可能かもしれないけどっ。  この不気味な成長と、圧し掛かってくる行動って、やっぱりわたしの所為なのかしらっ? 伝説ってつらい…… 「あ、ミス・ヴァリエール『スライムは厳重に改良されておりますので、決して怪我をさせることは有りません、気管に詰まるような時でも、自動的に呼吸口が空きます。圧し掛かられても、怪我をしないように加減をします』だそうですっ、ラッキーですね」  ……重くて動けないんだけど?  だめだ……どうしよ 「誰か呼んできますか?」  シエスタが言ってくれるけど……恥ずかしくてこんなところ誰にも見せられない。 「説明をもうちょっと読んでみて」 「はいっ、『スライムが逃げ出した場合、数日で気化しますが、探す場合は冷暗所、若しくは湿った場所を好みます』だそーです、数日の我慢ですね」 「よかったー、って、無理っ、数日って何よおぉぉぉぉ」  どうしよう……困り果てるわたしの上で、スライムがもぞりと蠢いた。

694 名前:4/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:35:18 ID:R+eNC1vG 「いやっっっ」  ミス・ヴァリエールがいきなり悲鳴を上げる。 「どうしました?」 「ど、どうもしないっ、シエスタは説明をもっとよんでっ」  逃れようと真っ赤になってもがいているミス・ヴァリエールに睨まれた。 「えと『上質な魔力な場合は、スライムがお子様に懐く時が有りますが、側から離れない程度で問題はありません』そうですっ」 「大有りよーーー、ひっ」  ? さっきからミス・ヴァリエールの様子がおかしいような?  気になってしばらく見つめていると、必死に身体を捻ろうとしているけれど、何故かしら? 「湿って……ないもん」  何のことかしら?目に涙を浮かべながら……って。 「ミス・ヴァリエールだめっ!」  わたしの警告は一瞬遅かった。涙に気が付いたスライムはミス・ヴァリエールの顔を覆う。 「んんんんっ、んーーー」  スライムに顔を覆われたミス・ヴァリエールを見て思わず側に有った枕をスライムに叩きつける。  ぷるんと震えただけで、何の効果も無かった、ミス・ヴァリエールが窒息しちゃうっ。慌てるわたしの前で、聞きなれた声が響く。 「んぐっ、やあっ、くる……しっ……」  ……声が響く? 一応注意書きどおり空気穴は開いてるみたいだ。一安心……してる場合じゃないけれど。 「やぁぁぁ、うごっうごいちゃやぁっ」  えと? 助けに行ったら駄目なのかしら?  疑問の持ったわたしは、スライムを注意深く見てみる。ミス・ヴァリエールの上で止まっているように見えたけれど、スライムに飲み込まれたミス・ヴァリエールの服が結構な勢いで動いている。  止まって見えるのは表面だけで…… 「結構動いてます?」  思わず呟いたわたしに向かって、ミス・ヴァリエールが必死になって頷く。 「湿ったり、暗い所を求めて?」  ちょっと意地悪な気分で確認。赤くなったミス・ヴァリエールが顔をそらす。  多分結構なスピードで動くスライムに擦られて、少し濡れてしまったのだろう……でも、そうなると…… 「中に?」  ますますミス・ヴァリエールが赤くなる。……てことは。 「人……呼べないですかね?」  ミス・ヴァリエールの目はそんな時ばかり力強かった。

695 名前:5/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:35:53 ID:R+eNC1vG 「『付属の魔石を当てると、スライムにさまざまな効果が有るよ、試してみよう』『スライムはお水があれば、長生きできるよ頑張って長く遊ぼうね』だそうですよー」 「んんんー、んっんんっ、んんー」  多分、なかよくしたくないわよー、でしょうか?  スライムが不定期に口の中に入るせいで、喋れたり喋れなかったりですね。 「これ、一つ一つ試してみますね?」 「んんでん、んんぁん、あぁんー」  何でも良いから早く、だと……まずこの赤いのから、火って刻まれてますね。  とりあえずスライムの中に投げ込んで…… 「ひあぁぁぁぁ、中っ、なかぁぁぁぁ、熱いっ、熱いのっ、やぁぁぁっっ」  あーなんか駄目っぽいですね。  あ、でも少しは身動き出来る様になったミス・ヴァリエールが何とか出ようとしてますね。 「次っ、シエスタ、次ぃっ、もっと、もっと頂戴っ」  確かに一個で少し動けたのなら、二個三個と足していけば、そのうち出れるかもっ。 「もう一個赤行きますか?」 「やぁぁぁっ、温かったり、熱かったり、気色悪いっ」  どうやら、熱いって言っても、火傷するほどでは無いようですね。さっきはどこが熱くて騒いだのかしら? 「黒いのと、水色のと、透明なのが有りますけど?」 「どれでも良いからっ、早くしてぇぇぇぇ」  魔法の事なんか分からないわたしが適当に選んじゃってもいいのか不安は有りますけど、とりあえず黒いのから……土?

696 名前:6/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:36:25 ID:R+eNC1vG  体中に当たる感触が変わった。  液状だった中に、何か硬い物が混ざり、ごりごりと全身を擦り上げる。 「あれ、変化有りませんね? これはずれですね」  シエスタの声が遠くで聞こえる……スライムが……動き…… 「ひあぁぁっぁぁぁ、だめっっ、きついっぃぃぃぃ、やぁぁぁぁ」  無数の硬いものが、敏感な所を狙うかのようにぶつかる。さっきまでのベタベタするものにひっぱあれる感触に別の刺激が加わるだけで……イヤなのに…… 「ひ……あっ……うそ……ょ……サイト……助けてっサイトぉ……」  気持ち良い。認めたくない。でも…… 「えっと、次いきますね?」  シエスタが次の魔石を構えている。……それを見たわたしの身体が小さく反応する。恐怖に……だ、絶対に恐怖に。 「あれ? ミス・ヴァリエールどうしかました?」 「なんでもないからっ、……早くしてっ」  期待……なんか……してない。  不思議そうなシエスタが透明な魔石を投げつけた瞬簡に、スライムが泡立つ。 「な、何?」  怯えるわたしの前で不規則に踊り始める泡が、身体に接触した瞬間。 「ひぅっ、やっ、吸っちゃやぁぁぁぁ」  無数の気泡が触れたところは、粘り気のあるスライムの身体を吸盤の様にして、私の身体を吸い上げた。そして……それはスライムの中に無数にあった。 「う……そ、だ、だめ……よ?ねぇっ」  話が分かるはすも無いのに、思わずスライムに話しかけるほど錯乱してしまう。  もちろん、スライムがわたしの話なんかか聞くはずも無く、一斉にかつ無慈悲に泡がわたしに近寄ってくる。 「あぁあぁあっっっっ、やだっやだっやだぁぁぁぁぁぁあ」  目の前が真っ白になった。苦しくて息も出来なくなる。泡が見えないところには相変わらず小さな不可視の塊が有って……その硬度を生かして人の中に押し入ってくる。 「ひぅ、いやっ、きちゃ、きちゃうっ、らめっ、うそっ……いやぁぁぁぁぁ」  サイトにもまだ触ってもらったことが無い所に、小さな塊が次から次に侵入して、入れ違いに同じ数だけ出て行く。  泣き喚くわたしを見て、戸惑うシエスタを他所に、スライムは執拗にわたしを狂わせる。 「やっ、痛いっ、いらぃぃぃぃっ、そこっ、ちがあぁぁっぁあ」  本能のみで動くスライムは、暗い所を求めて、本来は入るはずの無い所に硬いものを押し付けて……みちりという音と共に、内臓が捲り上げられる。 「ひあぁぁぁぁぁっっ、いた……ひ……よ……サ……イ……」  目の前がチカチカする。全身に絡みつくスライムはわたしを逃す様子は無く、オロオロするシエスタの横で、休み無く動き続けた。

 なにもかも……どうでもいい……や、気持ち良いから……

「さ、さいごの一個いきますっ」  あーしえしえがなにかいってるぅ

697 名前:7/7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03:36:58 ID:R+eNC1vG  最後の魔石を投げ込んだ瞬間、スライムの表面が小さく波打つ。……正確には波打ち続ける。 「ひぅっ……にゃぁぁぁっっ、なに?うそっ、まだっっっ」  えっと、事態が好転した様子はありませんね? 「ひ、ひんどう、ひんどうしてぅぅぅ、らめっ、ゆれるの、らめぇぇぇぇ」  ミス・ヴァリエールに吸い付いたままのスライムが、小さく細かく震え始めていた。  正気を失い始めた目が、ゾクリとするほど淫蕩にわたしを見つめる。 「ねぇ、シエスタぁ、おい……でぇ、こっち……いい……よ?」

 その目に押されるように……わたしは一歩……踏み出した。

「ルイズ、シエスタ、無事かっ?」  サイトが何か叫んでる…… 「相棒……こりゃあ……」  棒っ切れが……魔法吸ったの……?  わたしを包んでいたスライムが綺麗に消えていた。 「おいっ、二人ともっ……何とか言ってくれよぉっ」  肩を掴んだ揺さぶられる振動すら気持ち良い。  スライムの刺激が止まっても、わたしの……多分シエスタも、身体は熱くなったままで…… 「サイ……ト」 「サイト……さん」  ゆらりと起き上がるわたし達を見て喜ぶサイトに、二人がかりで圧し掛かる。 「ちょっ……二人ともっ?」 「「続き……シテ♪」」  スライムより巧みに二人かがりでサイトを……朝まで責め抜いた。

「……な、なにがあったん……だ?」 「災難だーね、相棒」  燃え尽きたサイトは、その日から数日騎士隊に顔を出せなかった。