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154 名前:使い魔体験アンビリーバボー ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 23:55:40 ID:kTFwTdyS  ゆったりとした風とポカポカとした陽気が差し込むここ魔法学院は、今日も… 「この…あんたって奴はぁあああ!!」 「ま、まって!誤解だよモンモ…」 「問答無用ぉおおっ!!!」 「ぐぎゃぁぁああああああああああああああ!」  …平和である。

「…ったくギーシュったら、どうしていつもいつも…」  ぶつぶつ呟きながら、乱暴にガラス容器の準備をするのは、モンモランシーだ。  先ほど、性懲りもなく下級生を口説いていたギーシュを痛めつけたばかりだった。 「…今度こそ…」  モンモランシーは惚れ薬を再び作って、今度こそはギーシュに飲ませようと画策していたのだった。  以前ルイズに邪魔されたときに材料はある程度揃えてある。  貴重なものは細心の注意を払って取り寄せた。  今度こそ失敗は無い…はずであった。 「…よし、最後にこれを混ぜ……きゃっ」  モンモランシーが薬品を混ぜると、紫色の煙が混ぜたところから大量に発生した。 「けほけほっ…あれぇ?」  やたらとむせっぽい煙を手で払いながらモンモランシーは手元の資料を読み直した。 「……あ、いっけない!さっきの入れる順番逆だったわ…」  はぁ、と大仰に溜息を吐き、手の中にある不可思議な色の薬を眺める。  薬の調合は、順番が狂っただけでまったく別の薬になってしまう難しいものなのだ。 「どうしよう、これ」  手の中の物がどんなものなのか分からないため、無闇に捨てるわけにもいかない。 「とりあえず…後で調べて、処分しましょ」  密封性の高い容器に詰め、扉の外に薬を置いておく事にした。  部屋には他の薬品もあるため、下手に置いておくとまたややこしいことになる。  モンモランシーはきょろきょろと左右を確認するとパタンと扉を閉めた。

155 名前:使い魔体験アンビリーバボー ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 23:56:30 ID:kTFwTdyS  …と、向こうから鼻歌交じりで近づいてくる影がある。 「おさんぽ、おっさんぽ、楽しいの〜きゅいきゅい♪」  …学院きってのトラブルメーカーだった。 「…ん?この瓶は何なのね〜?きゅい」  あ、それダメだよ。 「捨ててあるみたいだし、貰ってくのね〜きゅいきゅい」  言うが早いか、とっとと瓶を持ってどこかに行ってしまった。  ……あ〜あ。

 才人は目撃していた… 「…全く、最近のメイドってのは、犬をたぶらかすことしか能がないのかしら?」 「あら、ネコ耳つけていやらしく誘惑するどこかの貴族様よりはまともですわ」  …人間史上最凶の戦いを。  二人はしばらく、ホホホ、とか、うふふ、などと笑いあい、お互い突き合っていたりしたが、 やがてエスカレートして、取っ組み合いに発展していた。 「……でかけてきま〜す…」  自分にしか聞こえないような呟きを置いて、才人はゆっくりと姿を消した。  ルイズの部屋では未だ怪獣が暴れているかと思うほどの音が響いている…

「ったく…女ってのはこえーよなあ…」  ここは中庭の才人が以前に立てたテントの中だ。 「なぁおめえもそう思うだろ〜モグラ〜」 「きゅるきゅる」  部屋の中が怪獣大戦争の舞台と化しているため、才人はテントに非難していたのだった。 もちろん、いつもの通りにヴェルダンテを引っ張りこんで。  既に失敬してきた酒が回っているらしく、才人はべろべろである。  ヴェルダンテはもぐもぐとおとなしく才人に抱きかかえられている。 「はぁ〜どうすっかな〜あ〜」  ぐびぐびと才人が酒をあおっていると、テントの入り口が急に開いた。 「あ〜なんか声がすると思ったらサイトなのね〜きゅいきゅい」 「お〜シルフィードじゃね〜か。おめえものめ〜」  才人は手招きしてテントの中に呼びこむと酒のビンを突き出した。 「ん〜私はお酒のめないのね〜きゅい」  え〜、とあからさまにがっかりする才人。

156 名前:使い魔体験アンビリーバボー ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 23:57:20 ID:kTFwTdyS 「あ、でもでも、面白いものもってるのね〜きゅい!!」  そういうとシルフィードは先ほどの瓶を取り出した。 「ん〜?なんだそりゃあ〜」 「分からないのね〜分からないから飲んでみるのね〜きゅいきゅい」  そういうと、どぼどぼと酒のビンの中に注いでいく。 「あ〜〜!!なにしてんだよ〜!」  すぐさま、なんともいえない感じの液体が出来上がる。 「さ、のむのね〜サイト、きゅいきゅい!」 「飲めね〜よ!!…しょうがねぇ、飲んでみるか?モグラ」  才人が置いてあった皿に注ぐとヴェルダンテは恐る恐る飲み始める。 「お〜結構いける口だな、おまえ」 「でも、何の薬だかよくわかんないのね〜きゅいきゅい」 「え…薬って…わっ!お、おいモグラっ」  皿のお酒を飲み干したヴェルダンテがいきなり苦しそうに暴れだしたのだ。 「ちょ、落ち着けって!」 「―――――――!!」 「だ、大丈夫か?…わっな、なんだ!?」  才人がヴェルダンテから離れるとヴェルダンテの周りに煙が現れた。  煙はすぐにヴェルダンテの身体を包み隠すが、瞬間で晴れていく。 「お、お〜い…っ!?」 「わ〜すっごいのね〜きゅい」  煙が晴れるとそこには… 「ん、んん…」  三つ編みの女の子が横たわっていた。

157 名前:使い魔体験アンビリーバボー ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 23:58:12 ID:kTFwTdyS 「ん…あ、あれ?」 「あ、目覚めたみたいだ。大丈夫か?」 「はい、有り難う御座います。あ、あなたはご主人様のご友人の…」  ヴェルダンテはそこまで話すと、今自分に起きている有り得ない事に気が付いた。 「…あら?言葉が通じ…きゃあ!か、身体が!?」  そこにいるのは茶色い巨大モグラなどではなかった。  明るいこげ茶色の三つ編みに頬に少しそばかすの乗った、田舎生まれの田舎育ち といった風の素朴な雰囲気のある女の子だった。委員長タイプである。 「あ〜そのことなんだけど…」  才人はシルフィードと一緒に先ほどやらかした事のあらましを説明した。  信じられないような顔をしていたヴェルダンテだったが、全ての説明を終えられると 楽しそうな微笑と一緒に頷いた。 「なるほど…そう言う事でしたか。分かりました」 「いや〜悪いね、びっくりしたろ?」 「いえ、大丈夫です。本当は私、一度こうして皆さんとお話してみたかったんです」 「そ、そうなの」 「はい、いつもご主人様たちを見てて、あぁ、たのしそうだなぁ。と」  そう朗らかに笑うヴェルダンテ。  しかし、才人の顔はヴェルダンテの目を見ていなかった。

 …さて、思い出して欲しい。  シルフィードがイルククゥに変身したとき、服を着ていただろうか?

 否。

 そう、今ヴェルダンテは生まれたままの状態なのだ。  どちらかというと大きめの胸に、ほっそりとしていてもそれなりに肉の付いた身体のラインに 才人が反応しないことが無いだろうか、いや無い。  才人は会話をしながらも、笑うたびにゆれる胸に釘付けだった。  …まあ、ルイズもいないものなぁ。 「君って…メスだったんだね…」 「そうですよ?まぁ、いつもの姿じゃ判別はできませんね」  ヴェルダンテは、あはは、と本当に愉快そうに笑う。

158 名前:使い魔体験アンビリーバボー ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 23:59:29 ID:kTFwTdyS  土の中の事など他愛もない話をしていると、足音が一つ近づいてきた。 「お〜い、ヴェルダンテや〜い…全く、どこに行ってしまったんだ僕の愛しいヴェルダンテ!!」  一人芝居をしながら、ギーシュは才人のテントを覗き込んできた。 「なぁサイト、ヴェルダンテを知らな…おわっ!!」 「あ、ご主人様ぁ〜!!わっ…きゃあ?!」  慕っている顔を見つけたヴェルダンテは思わず立ち上がるが、上手くバランスをとれずに転んでしまった。  それはちょうどギーシュにしだれかかるような格好になった。 「わ、わわ!?な、なんなんだね君は!?」 「なんだって…分かりませんか?ご主人様?」 「分かるも何も…ええい、いったいどう言う事だね、サイト!」 「あ〜実はだな…」  説明二回目 「じゃ、じゃあ君は本当にヴェルダンテなのだね?」 「さっきからそういってますよ?ご主人様」  ヴェルダンテは小さく首をかしげる。  ちなみにヴェルダンテはすでにギーシュのマントを羽織っている。  ギーシュの顔には赤い二筋の線が引かれていた。  裸が目に飛び込んできたときに噴いたものだ。 「さ、最高だぁぁぁあああああああっ!」  ギーシュは確認を行った後、おもむろに叫び才人の手を握った。 「全く、魔法というものは素晴らしいと思わないかねサイト!」 「ああ!全く同感だ!!」 「男ってのはあほばっかなのね〜きゅきゅい」  お前が言うかお前が。    こうして男同士(+使い魔)の宴会が始まった。

159 名前:使い魔体験アンビリーバボー ◆yJjGBLHXE6 [sage] 投稿日:2007/03/29(木) 00:00:23 ID:kTFwTdyS  …が、そこに忍び寄る悪魔の影… 「ちょっと〜どこいったのよ!!犬〜」 「サイトさ〜ん、いらっしゃいませんか〜」 「ギーシュ〜?ちょっと飲んでみてほし…あらどうしたの?二人とも」 「あら、モンモランシー」  それぞれの探し人を求めて偶然にも三人は中庭に集合していた。  そして、騒ぎ声が聞こえるテントを見つけた。  当然、中を覗き込む。 「「「へぇ…」」」  そして、空気が凍りつく。  ………………。

「さて、何をやってるのかしら?犬?」 「お、俺は別に…」 「じゃあ、そこにいるマントだけの女の人は誰なんです?サイトさん」  顔には笑みを貼り付けているが、自然さがむしろ怖い。 「あんた、こんなところでまたっ…」 「ご、誤解だよっモンモランシー」 「あ、そう?白を切るつもりね?」  ちなみにシルフィードは早々に逃げ出している。  おろおろしていたヴェルダンテはよせばいいのに口を開いた。 「あ、あのっ皆さん、いつも私のご主人様がお世話になっております!」 「「「…ご主人様ぁ?」」」  三者三様に怪訝な表情になる。 「サイト…ほんっっとうに、何もしてないでしょうね」 「だから、してねーよ!!」 「…ギーシュ?」  「ぼ、ぼくもやましいことは何もしていないよ!」  三人が疑念を深くする中、さらにヴェルダンテが地雷を踏んだ。 「そうですよ?酔っ払われたサイト様にテントの中に引きずり込まれてちょっと嫌がっても出してくれなかったり、 ご主人様に呼ばれて出て行くたびに抱きつかれて頬ずりされる事があるぐらいです!!」  そして、世界は破滅を迎えた。  才人とギーシュは確かに聞いた。世界が割れる音、というものを。  ルイズとシエスタとモンモランシーは、才人とギーシュをテントの外に引きずりだすと、 それぞれ念入りに準備体操を始めた。  二人は抱き合って恐る恐る尋ねた。 「「さ、三倍?」」 「ううん…」 「「「き・ゅ・う・ば・い♪」」」 「「た、たすけっ…ぎやぁぁぁぁぁああああああああああっっ!!!」」   「あ、あの、えっと…あら?」  再びヴェルダンテを煙が包むと、元のモグラに戻っていた。 「きゅるきゅる」 (し、失礼しま〜す)  こっそりとテントを抜けると、地面に潜っていった。  血の惨劇を背中に残して…                           <おわり>