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211 名前:どっちにするの? ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 00:29:36 ID:XZsjIayA これよ、ついに見つけたわ…! サイトにナイショで図書館通いを続けた甲斐があったってもんよ! 私は返却ワゴンに乗っかった一冊の書物に目を付けていた。 それは、『形態変化』の儀式魔術を集めた書。 計画を思いついてから捜してたんだけど、誰かに借りられちゃってて見つからなかった。 それを!今日!ついに!私は発見したのよ! そーよ、この書に記述されているあの術式さえあれば、あのバカメイドに見下されることも、わたあめ姫に後れを取ることもなくなるのよ! 私だってヴァリエールの血を引く者。そう、あと数年もすれば、ちいねえさまにも負けないくらいになるんだから! ふふふふふふ、覚悟しなさいよサイト、私の魅力でメロメロのギタギタにしてあげるんだからっ!


全く、ついてない。 あの書の貸し出し期限が昨日までなんて。 学院図書室管理委員の罰則は結構厳しくて、貸し出し期限を一日でも過ぎると、一ヶ月の貸し出し停止を食らう。 そして次は三ヶ月、と伸びていき、五回目には無期限の貸し出し停止が待っている。 私はまだ一度も期限を越したことはないけれど、一ヶ月もここの蔵書が借りられないのはこの学院の生徒にとっては致命的だ。 仕方なく私は昨日、あの書を図書室に返却して。 そして今日、もう一度借り出すために私は図書室へとやってきた。 もう一度、ちゃんと、将来の私の姿をサイトに見せ付けるために。 今は、こんなちんちくりんな私だけど…。 大きくなったらスゴいんだから!胸だってキュルケにも負けないんだから! 待っててねサイト、すぐに私に夢中にさせてあげるから…!

そして二人は、返却ワゴンから棚に並べられたその書物を同時に手に取り。 相手を認識するや否や、戦闘態勢に入ったのだった。


212 名前:どっちにするの? ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 00:30:20 ID:XZsjIayA 「アンタのせいで怒られちゃったじゃないのっ!」

さんざん司書のシュヴルーズに搾られた二人は、初犯ということで反省文原稿用紙三枚で済んだ。 そして件の書は、予約を取り付けていたことを思い出したタバサの手にあった。 当然ルイズの不機嫌はクライマックスなわけで。

「それになんでアンタがその本借りてんのよっ!」 「予約してたから」

端的にそれだけ応え、タバサはすたすたと廊下を歩く。

「そーじゃないわよっ! アンタがその本の術式で何を企んでるのかって事よ!」

タバサの横に並びながら、ルイズは喚く。 タバサは表情を変えぬまま、確固たる意思を視線に籠め、ルイズを睨みつける。

「大人になった私を、サイトに見てもらう」

その言葉には、『大人になったらあんたなんかメじゃないんだから! この絶壁胸!』というタバサの内心の叫びが 籠められていた。 ルイズはやっぱり、という顔になって、もう一度タバサに詰め寄る。

「ちょっと歳とったくらいで、ちんちくりんのアンタにサイトが靡くわけないじゃないの!」 「…人の事言えない」

詰め寄ってきたルイズの胸を指差してタバサはそう指摘する。 ルイズは一瞬うぐ、と唸ったが、

「わ、私はラ・ヴァリエールの血を引いてるのよ? あと3年もしたらそりゃもう凄い事になるんだから!」

それを聞いたタバサは。

ふっ。

鼻で笑った。

「ちょ、今鼻で笑ったでしょチビっこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

そしてまたタバサに詰め寄るルイズ。 そんなルイズに、タバサは突然書物を突きつけた。

「じゃあ、試してみる?」 「へ?」 「この書に載ってる、『成長』の術式を私とルイズで使う。  そして、その後の姿で勝負する」

タバサの申し出を、ルイズは一瞬考え、そして。

「わかったわ! 受けて立ってやるわよその勝負!」

勝算も何もない勝負に挑んだのだった。


213 名前:どっちにするの? ◆mQKcT9WQPM [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 00:31:08 ID:XZsjIayA そして場所はルイズの自室へと移る。 ルイズとタバサは珍しく協力しあい、魔法陣を完成させ、今その魔法陣の中心に、マントだけを羽織って並んで立っていた。 急激な成長をした場合、服で身体を締め付けないため、そしてその成長で服を損傷させないためだ。 二人はお互いに最後の睨みを交わすと、ほとんど同時に詠唱に入った。 この術式は、魔力の容量さえあれば、一度に最大三人まで成長させられる。 つまり、二人分の魔力を注ぎ込めば、二人が同時に同じだけ成長できるというわけだ。 そして。 青く輝く光が二人を包み、それが一旦魔法陣に吸い込まれ、紅い光に変換される。 そして、魔法陣の周囲に置かれた蝋燭の光が収束し、その紅い光が蝋燭を介し、二人に注がれる。 その光が爆発的に広がり、部屋を満たし、白い闇が辺りを覆う。 その光が晴れると…。 背の高い、桃色の髪と青い髪の美女が、裸にマントだけの格好で、そこに立っていた。 桃色の髪の女性…ルイズが、タバサをまじまじと見つめる。

…う!いっちょまえに綺麗になってんじゃないの…!

流れる長い青い髪。整った顔立ち。そしてその身には生まれながらにして持つ高貴さを纏わせていた。 そして何よりもルイズの目を引いたのは。 …で、でかい…! 成長したタバサの胸はでかかった。 バカメイドどころか、あのにっくきツェルプストーのそれに匹敵するほどのたわわな実りっぷり。 しかし、自分も負けていないはず。 むしろちいねえさまの事を考慮するなら、勝っているはず。 ルイズはゆっくりと自分の身体を見下ろす。 ない。 そこにあるはずのものが、そこにはなかった。 目をこする。もう一度確認。 やっぱりない。 そこに広がるのは、あまりに雄大な平原───────。

「ぷ」 「いいいいいいいいいいいいいいい今笑ったでしょ! 笑ったでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

そしてルイズが美しい髪をなびかせてタバサに掴みかかろうとした瞬間。 ばたんと扉が開いて。

「ただいまー」

才人が帰ってきて。

「い」

目の前の光景に凍り付いて。 二人はそんな才人を見るや否や。

「サイト!」 「犬っ!」

前がはだけるのも構わず、っていうかむしろわざとはだけさせて才人に詰め寄って。

「「どっちがいい!?」」

いきなり問い詰めたのだった。

14-281タバサにする! 14-426ルイズにする!