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345 名前:フラグクラッシャーズ?[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 03:20:05 ID:QW6KIXnq

「なあサイト」 「なんだマリコルヌ」 「君はいいよなあ。美少女のご主人様やいやらしい体つきのメイドとあれだけ仲良くなれてさあ」 「ふーっ」 「え、なんでため息?」 「だからお前は甘いってんだよマリコルヌ。そんなうまい話が世の中にそうそうある訳ねえだろ」 「どういうことだ? 影で相当な苦労をしてるとか言うんなら、そんなの僕には通じないぞ。そもそ  も話をするどころか目すら合わせてもらえないレベルだからな、僕は。可愛い女の子と仲良くなれ  るのならどんなに苦労したって」 「分かってねえなあ」 「なんだよその生温かい目は」 「距離が近すぎるのも問題だと言ってんだ」 「回りくどい奴だな。もっと具体的に言ってくれ」 「分かった分かった。それじゃ聞かせてやるよ。まずルイズ」 「おう」 「俺にな、抜かせるんだよ」 「何を」 「鼻毛」 「!!」 「遺伝ってやつかねえ。伸びるの早いらしいんだよあいつ。っつーか、全体的に体毛濃いっていうか」 「う、嘘だ! だって、それじゃスカートなんか履けないじゃないか」 「だからちゃんと処理してんだよ。さすがに毛がボーボーじゃ生足晒すのは無理だしなあ」 「そんな」 「前までは自分でやってたらしいんだけどな。俺という使い魔が出来たのをいいことに、暇があると  『サイト、ちょっと来なさい』と特注のピンセットを俺に渡す訳だ」 「あ、あああ」 「で、俺の前に鼻突き出して『穴からはみ出してる分だけ抜きなさいよ』と」 「や、止めてくれ」 「『お前男にそんな顔見せて平気なのかよ』って文句言うと『男? あんた使い魔でしょ。要するに  人間以下の犬猫と同じなの。そんな奴に何見られたって恥ずかしいもんですか。いいから早く抜き  なさいよ。あんまり痛くしたら食事抜きだからね』なんて言ってな」 「もう沢山だ!」 「想像できるか、マリコルヌ。俺の前に顔突き出したルイズが思い切り鼻穴広げて、しかもそこから  大量の鼻毛がぼうぼうにはみ出してる。で、俺は最高に嫌な気分になりながら一本一本ぷちぷち鼻  毛を抜く。でも鼻毛なんか抜くもんだから一本抜くたびにルイズの鼻穴から鼻汁が飛び出して、お  まけにたまに盛大にくしゃみかますもんだからその内俺の顔は涎でベトベトに」 「分かった、もういい、もう喋るな」 「おいおいマリコルヌ、こんなんで音を上げてたらルイズの相手は務まらんぜ。むしろここからが本  番だ。一日中歩き回ったりした後は自分で足の臭い嗅いで顔しかめたあとに『ねえ臭い?』とつま  先を俺に突きつけて臭いチェックを強要して」 「もういい、ルイズはもういいから、次頼む」 「シエスタか」 「そうそう、あの清楚なメイドの娘だ。彼女ならさすがに」

346 名前:フラグクラッシャーズ?[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 03:20:50 ID:QW6KIXnq 「甘いよねぇ、坊やは」 「なに!?」 「メイドか。確かにあの娘はメイドさんさ。だがマリコルヌ、肝心なことを一つ忘れてないか」 「肝心なことだって」 「シエスタだって、最初からメイドさんだった訳じゃねえんだ。あの娘の生まれを思い出してみろ」 「ま、まさか」 「そう……あいつはメイドさんである前に、一人の村娘! しかも朝から晩まで泥まみれ土まみれ、  人手不足のために家畜の糞を始末したり平気で野糞したりせざるを得ない、農家の娘なんだ! こ  の意味は、俺よりもむしろお前の方がよく分かってるはずだと思うがな」 「く、くぅ……」 「農家は基本的に無教養だ。農家の娘と言えば、その教育方針は良く言えば奔放悪く言えば適当かつ  下品! 貴族の娘なら、生まれた頃から礼儀作法を叩き込まれるために、所作の一つ一つに上品さが  垣間見える。だが農家の娘にそういった要素は皆無だ! まさに天と地の差、月とスッポンのにら  み合いだ」 「だ、だが、彼女はあれだけお淑やかじゃないか。下品という言葉からはずいぶんかけ離れている  ぞ! 確かに普通の村娘が少々品に欠けるということは認めるが、彼女は学院つきのメイドになる  べく教育を受けているんだ。そんな娘に限ってお下劣な真似は」 「甘い、甘いよチョコレートより!」 「チョコレート!?」 「マリコルヌよお。お前だってお貴族様だろうが。モテないとかそういう理由で少々暴走することは  あっても、最低限の品は失わないはずだ。育ちってのはお前が思ってるよりもずっと重要なものな  んだぜ。意識して多少誤魔化すことは出来ても、無意識の内に仕草の端々にその人間のルーツが現  れるもんさ。否応なしにな」 「と、いうことは、まさか彼女も」 「ああ、もちろんさ。時にマリコルヌ、お前農家の食事風景がどんなもんか、知ってるか」 「よくは知らないが、騒がしそうなイメージはあるな、何となく」 「騒がしい、ね。ふっ、そんな生易しいもんじゃあないぜ? そもそも農家ってのは忙しいもんだか  らな。食事にじっくり時間をかけてる暇なんてないんだ。となると、お貴族様みたいにナイフと  フォークで優雅に肉を切り分け、ちょっと汁が飛んで服が汚れただけで大騒ぎって訳にはいかない  よなあ?」 「そ、そうだろうけど」 「教えてやるよ。農家の食事は基本的に手づかみだ! だって余計な食器買うほど金ないもん!」 「!!」 「お椀に入った汁物も皿の上の脂ぎった肉も、ひたすら手でつかんでばりぼり貪り食う。もちろん布  巾なんて上等なものはないから、手が汚れたら服で拭う。会話するのも大急ぎだから、口に物詰め  込んだまま喋ったって誰も文句は言わねえ。こうして飛び散る食いカスがさらに食卓を汚していく  んだ。そして人数が多くて競争率が高いから、食うことそのもの以外に目を配ってる余裕なんかあ  る訳もねえ。ゲップが出ようが屁をしようがお構いなし、口に指突っ込んで歯に挟まった食いカス  取ったって、文句言う奴は誰もいねえ。こんなところじゃ尻もチンコもかき放題だ。不潔だとか行  儀が悪いだとか、そういった言葉は奴等の辞書には微塵も存在しねえのさ!」 「そんな馬鹿な!」 「認めろマリコルヌ、これが現実だ。現に、俺がシエスタと食事したときなんか」 「ま、まさか、彼女がそんな下品な振る舞いを!?」 「いいや、シエスタの礼儀作法は完璧だったさ。さすがは貴族の学院付きメイドとして躾けられたこ  とだけはある。むしろ俺が見習いたくなるぐらいの見事なテーブルマナーを見せ付けてくれたよ、  あいつは」 「なんだ、そうなのか」

347 名前:フラグクラッシャーズ?[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 03:22:35 ID:QW6KIXnq

「おっと、ほっとするのはまだ早いぜマリコルヌ。そん時ちょうど、騎士隊の奴が来てちょっと席を  外すことになったんだ。食事中に席を外すの自体マナー違反だが、そこはまあ許してくれな。で、  ちょっとした好奇心で、俺がいなくなったあとのシエスタがどんな風に食事を続けているもんだか、  こっそり陰から覗いてみた訳だ。そしたらな」 「そ、そしたら!?」 「いやあショックだったね。あのシエスタが尻をぼりぼりかいたりゲップかましたり鼻ほじりながら  食事してるんだもんな。俺の前じゃあ我慢してたんだろうねえ。シーシー息吹いて歯に挟まったカ  スを取ろうとしてたときなんか、実に満ち足りた表情だったぜ」 「嘘だ!」 「これが現実だ、認めろマリコルヌ! 他にもまだあるぞ。ルイズは乗馬が趣味だから基本的にがに  股だし、シエスタはああ見えて結構筋肉ついてて体硬いし、さらに」 「頼む、サイト、もう止めてくれ! 後生だから」 「……ようやく分かったみたいだな、マリコルヌ。俺たちに突きつけられた残酷な現実がよぉ」 「ううう、出来れば知りたくなかった……」 「ああ、俺だって知りたくなかったさ。おかげで今やすっかりやさぐれちまった。夢と希望で一杯の  童貞君に、この仕打ちはあんまりだと思わないか、なあ」 「……」 「お、どこ行くんだマリコルヌ」 「ちょっと、風に当たりに行ってくるよ……君の突きつけた現実は、僕にとってあまりに辛すぎた……」 「そうか」

348 名前:フラグクラッシャーズ?[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 03:23:56 ID:QW6KIXnq

「……サイト」 「おおギーシュ。ひょっとして今の聞いてたのか」 「ああ。君、ちょっとひどいんじゃないかい。今の話はずいぶん誇張されてただろう」 「さて、何の話だか」 「とぼけたって無駄だよ。確かに昔の農村は君の言った通りの有様だったかもしれないが、近年街道  が整備されて人の行き来が盛んになったり、農具の性能向上や農産物の生産方法の改善なんかで生  活に余裕ができた結果、彼らの生活水準はそれなりに向上しているはずだ。間違っても手づかみで  食事なんかしてないはずだし、食事時間に全く余裕がないって訳ではなくなってるはずだよ。大体、  僕らが彼女の生家に泊まったときは、普通に食事していたじゃないか。それに何より」 「何だよ」 「ルイズのこともあのメイドのことも。君、マリコルヌに言ったほどには気にしてないだろう、実際」 「ばれたか。さすがだなギーシュ」 「見ていれば分かるさ。まあマリコルヌには見抜けなかったようだが」 「あいつからかうの楽しくてよ。ついつい誇張しちまったな」 「純真ってことにしておいてやりなよ。で、実際どうなんだね。ルイズたちは本当にあんなんなのかい?」 「さっき言ってたほどひどくはないけど、実際あんな感じだったぜ。最近はそうでもないけど」 「最近、と言うと?」 「ルイズ、無駄毛処理とか俺の前じゃやらなくなったしな。俺がたまに『おいルイズ、鼻毛抜かなく  て大丈夫か』とか心配そうに言ってやると、真っ赤な顔して『今度言ったらぶっ飛ばすわよ』とか  言ってくんのよ。その照れた顔がたまんねえんだよな。それにシエスタだって、俺の前では頑張っ  て上品な女の子演じようとしてるって辺りがもう可愛くて可愛くて」 「なんだ、結局大歓迎なんじゃないかね」 「当然だろ。それに夜の楽しみも増えるしな」 「ほほう。それは興味深いな」 「聞きたいか」 「参考までにね」 「ルイズのは羞恥プレイやら言葉責めやらのネタに使えるし、シエスタだって農家の娘だけあって締  め付けの強さとか持久力とかが半端じゃねえ。実際ああ見えて羞恥心が薄いから毎晩毎晩そりゃも  う獣のようにだな」 「なんだ、結局心底から楽しんでるんじゃないかね君は」 「当然。大体あの程度で汚いなんて言ってたら、俺の世界じゃ到底やっていけねえしな。汚ギャルっ  て言葉もあるぐらいで」 「君の世界?」 「ああまあこっちの話さ。ま、ともかくだ。結論として」 「結論として?」 「男は包容力ってところかね」 「いや、包容力とはまた別の問題のような気がするが……」

 マリコルヌが生涯童貞を貫いたのは、この会話が一因と言っても過言ではないだろう。

<終わり>