ゼロの保管庫 別館

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だれでも歓迎! 編集

392 名前:さんざむ[sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19:53:12 ID:p7dPqrvi 自分は今、目を閉じているはずなのに眩しいと感じた。 手で光を遮りながら才人はゆっくり上体を起こす。 最初に見た風景が自分がいた場所から明らかに違うと気づき、怪訝な顔つきになった。 どこだよ、ここ・・・・。 まいったな・・・・。 俺、確か、学院の広場で昼寝してて・・・・。 それから・・・・・・。 そっか、これは夢か、なんだ。 それから目を擦りもう一度周りを見渡す。 なんか大きな建物があるな。 まぁいいや。 才人は大きく欠伸をすると寝転がった。 暖かな陽光が気持ちいい。 これならすぐに寝れそうだ。 そんなことを考えながらまどろんでいると、ふいに暗くなった。 不思議に思い再び目を開ける。 涙で揺らぐ視界の先に、アニエスがいた。

「うわぁ!!」

才人は飛び起きようとしたが、前のめりに倒れた。 そして立膝になりアニエスに向き直る。 そのアニエスは才人が叫び声を上げたためたいそうご立腹だった。

「うわぁとはずいぶんな挨拶だな。サイト」 「え、あ、すいません・・・・」

アニエスに弱い、というか気の強い女性に弱い才人はとりあえず謝った。 それからあれ?と気づく。

「っていうかアニエスさん、何でここにいるんすか?」 「なにをいっている。わたしがここにいるのは当然だろう」 「え・・・・」

そこでようやく才人は気づいた。 自分が寝ていた場所は、アンリエッタがいる王宮だった。 正確には王宮の中庭だが。

393 名前:さんざむ[sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19:54:01 ID:p7dPqrvi 「あの・・・アニエスさん?」 「なんだ」 「これって、夢・・・ですよね・・・?」 「お前は夢と現実の区別もできないのか?」 「そんなこといわれても・・・」 「ならわたしが夢かどうか教えてやろう」

アニエスは才人の頬を張った。 そりゃもうすごい一撃だった。 吹き飛ばされた才人は地面に転がる。 ああ痛い、すごい痛い。 っていうことはこれ、現実・・・・。 現実とわかったことでもう一つ疑問が浮かぶ。

「アニエスさん、現実ってことはわかったんですけど、俺確か学院にいたんような・・・」 「知っている」 「さいですか・・・じゃあ何で俺ここにいるんですか?学院で寝てた後から記憶がないんですけど」

才人は痛む頬を擦りながら立ち上がる。 アニエスは腕を組むと説明を始めた。

「姫様の命令でな、お前を呼びにいったんだ。そしたら広場で馬鹿面をした男が眠っていてな、誰だろうと思って 近づいてみたらそれがサイトだったんだ。とりあえず起こそうとしたが起きなくてな。まぁ手間が省けていいだろう ということで連れてきた」 「つまりは拉致ったということですね」 「人聞きの悪いことをいうな、寝ていたから連れてきただけだ」 「それは立派な拉致ですよアニエスさん」 「まぁそんなことはどうでもいいじゃないか」

ぶっちゃけそれが一番最重要なことですよ、と言おうとしたが会話が終わらなくなりそうなのでやめておいた。 とりあえず当たりさわりの無い話題を持ち出す。

「それで姫様の命令ってどういうことですか」 「そのことは後から話す。とにかく今は・・・」 「今は?」

アニエスは用意していた木剣を才人に放り投げた。 それで十分といわんばかりに自分も剣を構える。

「久々に稽古をつけてやる・・・ってことですか?」 「そういうことだ!!」

そういいながらアニエスは才人に切り込んでいった。

394 名前:さんざむ[sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19:55:42 ID:p7dPqrvi 夕陽が差し込む王宮の無駄に広い広場に、一組の男女がいた。 男の方は地面に大の字で寝転び、女の方はその傍らに座っていた。 才人は喘ぎながら・・・

「はぁっ、はぁっ・・・これだけやって・・・ほとんど当たらない・・・・」

それに対しアニエスが

「以前は一発も当たらなかったじゃないか。少しは進歩しているようだな」

そりゃどうもといいながら才人は体を起こした。

「それよりアニエスさん、いいんですか?姫様が俺を」

アニエスは才人の言葉を遮って答えた。

「ああ、そのことだがな。それは明日でいいんだ」 「えぇ!!!じゃあ何の為に俺を今日、しかも拉致してきたんですか!?」 「たまたま近くを通ったからな、明日迎えにいくのも面倒だからついでに連れてきた」 「ついでって・・・俺ルイズにちゃんと説明してないから帰った後が怖い・・・」 「なんだお前、まだ尻に敷かれているのか」 「悪かったっすね」

ふぅ、と才人はため息をついた。 まぁここまで来てしまったからには今更戻れないだろう。 それを言ったらアニエスさんに何されるかわかったもんじゃない。 そんなことよりも才人にはあることが心に渦巻いていた。

「そういやアニエスさん、俺今日飯とか寝るとことかどうすりゃいいんですか」

アニエスは、あ、と小さく呻き声を上げた。 あれ、もしかしてそこまで考えてないとか? そりゃないっすよ!!!アニエスさん!!!

「ちょ、じゃあ俺どうすればいいんですか?ここまで拉致られて野宿とか嫌ですよ!!」

才人の告訴ともとれる発言を聞き、アニエスはうーんと考え一つの答えを導きだした。

「そこまで言うならしかたがない、今日はわたしの部屋に泊めてやろう」

そっすか、それならあんし・・・・・。 じゃヌェーよ!! まずい、ルイズとの同居が長すぎたせいで女の人と一つ屋根の下が普通になり始めてやがる。 このままだと少し危ない人間になりかねん!!

「いや、それなら俺別に外」 「却下は認めんぞ」 「なんでですか!?」 「なんとなくだ」

395 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19:57:18 ID:p7dPqrvi あの後いろいろあったけど結局俺はアニエスさんの部屋に寝泊りすることになったわけで。 もう夜遅くなっちゃったけど汗かいたまま寝るのは嫌なんで風呂に入ることにして。 着替えはアニエスさんが男物の寝巻き貸してくれることになって。 なんでアニエスさんが男物の寝巻き持ってんですか?と聞いたら、

「こんな時のために用意してあった」

と返され、どう言葉を返そうか悩みながらも現在風呂に入っているのだが・・・・。

「いい湯加減だなサイト」 「そうですねアニエスさん(棒読み)」

あれ、なんで混浴? いや、後から入ってきたのはアニエスさんだよ!!言っとくけども!!! 俺がマターリしてたら急にアニエスさんが入ってきて、とりあえず「ちょwwおまwww」的な事言ったら

「何、気にする事はないぞ」

って適当に言い包められてこの現状です。 さらに悲劇は続いて。

「しまった・・・・・・」

才人は水面下にある己の股間の辺りを覗き込む。 水中にあるためよくは見えないが実は自分、タオル巻いてません。 だってしょうがないじゃん!! 俺一人で入る時タオル巻かない派なんだもん!! ちなみにアニエスも巻いてないため出れないし出させられないの状況が続いていた。 おまけにタオルはアニエスさんに盗られました。 そこらへんに置いてたら盗られました。 なんなんだよあの人チクショウ!!! 才人はなにか股間を隠せるものが無いか探した。 もう必死に探した。 石鹸・・・・ダメだ、はみでる・・・・・勃っちゃってるから。 手でなんとか・・・・いけるか?・・・・いや、何か恥ずかしい。ナニを握っているように見える。 となると・・・・・。 風呂桶・・・・そうだ風呂桶!!!! 日本にいたとき修学旅行で友達が風呂桶両手に持って交互に股間隠しながら裸踊りしてたことがあった!!! 関係ないけどいける、いけるぞ!!! 風呂桶は・・・・あった!!! ここからざっと30メートルほどか・・・・。 しょうがない、この際尻は見られてもしかたあるまい。 股の間からブラブラしてるのを見られるよりはマシだ。 よし、慎重に・・・・・・・。

「サイト、何をしている」 「いえ、ちょっと・・・・・」 「そうか・・・・・変なことは考えるなよ」 「考えてませんって!!」

396 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/21(土) 19:58:45 ID:p7dPqrvi 才人は時折アニエスの方をチラチラ見ながら、ゆっくりと湯から出ようとする。 アニエスさん凝視ですか・・・・。 俺をいじめてそんなに楽しいですか・・・・。 そこまで考えて才人は思考を止めた。 一気に湯から飛び上がり、ダッシュする。 止まるな、走れ、風になれ。 恥ずかしくないように違うことを考え、ひたすら走った。 しかし誤算があった。 床がかなり濡れている。 おまけに石鹸が一つ転がっていた。 それを踏んだ才人は見事に転んだ、まるでアニメのように。 更に勢いがよほど強かったからか地面を滑る。 痛だだだだだだだだだだ!!!!! ちんこ擦ってるちんこ擦ってるちんこちんこちんこぉおおおお!!!!! そしてそのまま期待通りに風呂桶がたくさん積み上げられた所へ突っ込んだ。 くどいが、アニメのように。

「サイト、大丈夫か?」 「はい・・・慣れてますから・・・・」

痛む股間を押さえながら才人は起き上がる。 運よくタオルが見つかったため体を洗うことにした。 石鹸でよく泡立て、体に擦りこむように動かす。 そんな時だった、背後から声が聞こえたのは。

「サイト、タオルを貸してみろ」 「あ、はい」

アニエスは才人の後ろに回り込み、ゴシゴシと背中を洗う。

「どうだ?」 「あ〜〜、ちょうどそんな感・・・・・」

あれれれれれれれれ?

「どぅわ!!アニエスさん!?ちょ、なんで!?」 「さっきからここにいるだろう」 「じゃなくていつの間に俺の背後に!?」 「いいから少し黙っていろ」

アニエスに怒られ、これ以上何か言ったらマジでヤバイかも知れないと才人は悟った。 よく考えてみれば別に変じゃないよな。 ぶっちゃけ俺童貞ってわけじゃないし、恥ずかしがる意味も無いよな。 考えすぎたんだ、うん。きっとそうだ。

531 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 22:57:24 ID:PEZ3zy4d それからはお互い洗ったり洗われたりして事は収まった。 才人は風呂から上がりアニエスの部屋でのんびりしていた。 そのアニエスは風呂から出ると、

『ちょっと行く所がある』

と言い残し去ってしまった。 つまり今女の人の部屋に一人ぼっちなわけで。

「・・・・・・・・・」

何だろうこの気持ち。 探究心というか好奇心というか。 ぶっちゃけアニエスさんの部屋気になる。 才人は立ち上がり、タンスの前までやってくる。 ダメだ。

「俺は他人の部屋を物色するドラクエの主人公みたいな男にはならない。 たとえそこに下・・・・もとい衣服があろうとも!!」

大袈裟に腕を上げ、才人は叫んだ。 誰もいないためつっこんでくれず、冷静になる。 ギーシュ・・・今ならお前も気持ちがわかる気がするぜ・・・・。 唯一反応を示してくれそうなデルフリンガーも今日はいない。 さて、どうするかな・・・・。 改めて見てみるとえらく殺風景な部屋だった。 ベッドに机に本棚にタンス。 そんな中だったからこそある物が目立つわけで。

「なんだこれ?」

才人が手に取って見たものは一冊の黒いノートだった。 まさかデスノート!? なんてな、そんなわけないか。 好奇心が強い才人はつい開けてしまった。 ホントに何も考えずに開けてしまった。

532 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 22:58:09 ID:PEZ3zy4d まず最初に才人の目に飛び込んできた光景は、変な文字がただひたすら羅列されていた。 よく考えたら俺文字読めなかったよな。 でも、これ、どこかで・・・・。 才人は記憶を探り、今目の前にある文字と結びつくものを探した。 四文字が組み合わさって、アルファベットに似てるようで似てない・・・・。 あっ・・・・・・!!

「これ、俺の名前!?」

なるほど確かにそれは才人の名前だった。 ハルケギニアの文字で正確にはわからないが、前にシエスタが編んでくれたマフラーに書いてあった文字と一緒だった。 才人はまじまじとノートを見つめる。 なんで俺の名前が? しかも、これ・・・。 才人は自分の名前であろう文字を目で追った。 一番上の段の左端から始まり、右端で終わる。 才人は目を戻し、二段目を見つめた。 するとなぜか二段目からは文字が変わっていた、左端から右端まで続いているのは一緒だったが。 それから三段目からは才人の名前、二段目の文字、才人、二段目と続いている。 あれれーー? なんかへんだよおじさん。 じゃなくって!! 才人は普段使わない頭を存分に使って考えた。 あーでもないこーでもないと考えていると―――

「何をしている、サイト」 「うわぁ!!アニエスさん!!!」 「なぜ驚く」

才人は咄嗟にノートを隠す。

「なにか見られてまずいことでもしていたのか?」 「いっや全然そんなのちゃいますよ!!っていうかねぇ、まぁ、男の秘め事っていうか、ハハhahaha」

アニエスは才人を怪訝な顔で見た後、視線を机に向けた。 やべっ、ばれたか?

「なぁ、サイト。ここに置いてあったノートを知らないか?」

そういって振り返ったアニエスの顔は不気味な雰囲気をかもし出していた。

533 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 22:59:30 ID:PEZ3zy4d 才人の全身から冷や汗が吹き出る。 好奇心でノートを見たことに激しく後悔する。 だが今となっては後の祭り。 才人はできるだけ表情を真顔にした。

「さぁ、しりゃ、知らないっすね」

やっべ噛んだ。

「そうか、ならその後ろに隠した物はなんだ?」

ヒィッ!! ばれてるぅううう!!!

「いいいいいや、なんにも隠してないっすよ、これ本当」 「そうか、そこまで言い張るのなら信じてやってもいい、だが・・・」 「だ、だが・・・?」 「もし嘘だったら・・・・・覚悟はいいな?」

悪魔と鬼を足して二で割ったような表情でアニエスは呟いた。 才人に中に安心感とそれを上回る恐怖心が植えつけられた。

「ところでサイト、疲れてはいないか?」

はぃ? この人すごい唐突に話題変えてくるな。 えーと、そりゃ疲れてるし、特になんもなさそうだから正直に言っとくか。

「はい。今日はいろいろあって結構疲れてるっすね」 「ならこれをやろう」

アニエスは掌ほどの大きさのビンを才人に投げた。 いきなりだったため少しふらつきながらも才人はそれをキャッチした。 手の中にあるビンの中を覗いて見ると、綺麗な空色をした液体が入っていた。

「これなんすか?」 「疲労回復薬と栄養剤が混ざったものだ。飲んでおけ」

才人は再びビンの中の液体を睨んだ。 色は綺麗だし、アニエスさんなら変なものは入れてないだろう、たぶん。 こういうポーションチックな物には苦い思い出がある才人だったが、意を決して一気に飲み干す。 別に変な味はしないし確かになんか疲れがとれた気がする。 常識的にありえないのだがあえてそう思う事で才人は嫌な想像を打ち消していた。

534 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/24(火) 23:00:17 ID:PEZ3zy4d 「ふぁああ〜〜〜〜〜」

才人は大きな欠伸をした。 今にも瞼がくっつきそうだ。

「そろそろ寝るか?もうすることも無いしな」 「そうっすね・・・・・」

アニエスはベッドに入り、自分の横の掛け布団を持ち上げた。

「ほら、早くしろ」 「へーい」

持ち上げられた布団とベッドの間に才人は入り込んだ。 そこでやっと気づく。

「うわわわわわjfひえgbcjふじこww」 「なんだ、騒々しい」 「なんだじゃないっすよ!!ちょ、まずくないですか!?」

才人は慌ててベッドから飛び降り正座する。 アニエスはなんだか不機嫌そうな眼で才人を睨む。

「なにがだ」 「だって、同じベッドって・・・・」 「安心しろ、別に私はお前のことをどうも思っていない」

才人は少しムッ、とした。 いや、わかってたけどさ、面と向かって言われたらちょっと傷つくな。 男として見られてないような。

「それにお前は毎日ミス・ヴァリエールと一緒に眠っているんだろう?」 「そ、そりゃそうっすけど・・・」 「それとも何だ?お前は私に夜這いでもするつもりなのか?」

アニエスの言葉を聞いた瞬間才人の顔は真っ赤に染まった。

「んな!?そ、そんなコトするわけないじゃないですか!!何言ってるんですか!?」

アニエスはしばし笑った後、

「なら、そういうことだ」

と電気を消してしまった。 しょうがなく才人はアニエスの隣に寝転ぶ。 薬を飲んだからかすぐに意識が朦朧としたため、アニエスが囁いた言葉を聞くことはできなかった。

「それに・・・夜這いをかけるのはこっちだからな・・・サイト」 620 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 21:20:47 ID:3qM7AWWZ 胸元を何かが這いずり回る感触に才人は目を覚ました。 さらに妙な重力感も感じる。 完全に意識が覚醒していないためそれが何かはわからない。 生温かい・・・?何・・・・・? 再び眠ろうとした目をこじ開け、辺りを確認する。 最初に目に入ったのはアニエスの頭だった。 アニエスさん・・・?意外と寝相悪いのかな? 上に乗られているのは少し気持ちよかったがさすがにこのままでは寝れないため アニエスをどかそうとする。 そこで気づく。 あれ・・・・? 自分の腕は大きく持ち上げられ、頭の上の方にある。 さらに動かそうとしても動かない。 視線をずらし、どんな状況になっているのか確認した。

「な・・・!!」

才人の両腕は手首の辺りを縄で縛られ、なおかつベッドに括り付けられている。 なんでこんなことに!? 錯乱する思考回路に新たな刺激が加わる。

ピチュ・・・・チュク・・・・・

「うっ・・・!?」

再び感じた生温かい感触に才人は身をよじる。

621 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 21:21:38 ID:3qM7AWWZ 「なんだ、サイト。起きたのか」

アニエスは才人の顔を除きこむようにし、そのまま口付ける。 その時才人の視界に露になったアニエスの乳房が飛び込んでくる。 アニエスさん・・・服・・・着てない!? そんな考えもアニエスの口付けに中断せざるを得なくなる。 アニエスのキスはひどくねちっこく、才人は全てを持っていかれるような錯覚さえ感じた。 しばらくしてアニエスが口を離すと二人の間に銀色に輝く糸が現れた。

「アニエスさん・・・?なに・・を・・」

才人の頭はいまだ混乱しているためどう追及したらいいのかわからなくなった。 アニエスも答えようとはせずにじわじわ才人を責め立てる。 口元から首筋へと舌を這わせ、さらに胸元へと持っていく。 強く吸い、赤い痕を才人の体中に残していく。 乳首を舌先で刺激し、甘噛みする。

「っん・・・・・・」

アニエスは留まることを知らず、才人のズボンに手を掛けた。

「うわっ、ちょ、ストップ!!アニエスさん!!!」

抵抗する術が無いため才人は体をよじらせて避けようとする。 しかしアニエスはそんな些細な抵抗をものともせずにズボンを一気にずらした。 そこから現れた才人のモノは大きく天へそびえ立っていた。

「あ・・・・アニエスさん・・・・・」

才人は羞恥のあまりアニエスの顔が見れなくなってしまった。 だがアニエスはそうではないようで、数回手でしごいた後深く銜え込んだ。

「つあっ・・・・・」

622 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 21:22:38 ID:3qM7AWWZ 口の中の温度、アニエスの顔、舌、騎士とは思えないぐらい綺麗な身体。 その全てが才人の快楽を高めていく。 才人のモノ全体にキスを浴びせ、音を立てながら吸い上げる。 才人の匂いを感じているうちにアニエスの中の牝の部分が疼き始めた。 右手を動かし、自分自身を慰めながら行為を続ける。

「アニエスさんっ・・・俺、もう・・・」

下半身から込み上げる快楽に才人は爆発しそうになった。 しかしその時アニエスは急に行為を中断する。

「えっ・・・・」

寸止めされ素っ頓狂な声を上げた才人を他所に、アニエスは自分自身では抑えきれなくなった秘所を 才人に見えるように身体の位置を変える。 才人の目に突然飛び込んできたアニエスの女の部分は既に濡れそぼっていた。

「サイト・・・・わたしも、頼む・・・・」

アニエスから発せられる牝の匂いと甘い囁きに才人の理性は崩壊を始める。 もともと我慢があまりできなかったため、崩れ去るのは早かった。 頭を少し起こし、アニエスの秘所に舌を這わせる。 ちゅ・・・ぴちゃ・・・・

「んぅっ、はぁっ・・・・」

普段聞く声とはまったく違う声に才人の興奮はますますヒートアップしてきた。 アニエスの腰から力が抜け、才人の顔に秘所を押し付けるようにして座り込む。 それが好機と才人は激しくアニエスを責め立てる。 さっきのお返しと言わんばかりに音を立てながら吸い付き、淫核を舌や歯を使って快楽を与える。 しばらく身体を震わせ感じていただけのアニエスだったが、自分の行為も再開させる。 今度は自らの胸で才人を包み込み、谷間の間から出た才人の先端を啄ばむようにキスをする。 負けず嫌いな二人は相手を先にイかせることを勝利と思っていた。 赤旗はアニエスに上がりそうだ。 アニエスは才人の太もも辺りから手を滑り込ませ、才人の中へ指を進入させた。

「うぁっ・・!!」

才人は思わず声を出してしまった。

623 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/27(金) 21:25:02 ID:3qM7AWWZ 「随分と可愛らしい声を出したな、サイト」 「だ、出してませんっ!!」

アニエスは才人の顔を覗き込み、微笑んだ。 一瞬気を抜いてしまった才人に蓄積された快楽は暴走を始める。 才人のモノがビクビクと痙攣する。 それが何を物語っているのかは自分が一番わかっていた。

「アニエスさ、ん・・・俺・・・も、ダメですっ・・!!」

才人の全身が一瞬震える。 それからすぐに射精が始まった。 二度、三度と吐き出された精液は、アニエスの口の中に大半送り込まれる。 それに連動するようにアニエスも絶頂を迎えた。 アニエスの秘所から透明の液体が溢れてくる。 さすがに全部入りきらなくなったアニエスは口を離した。 顔に降り注ぐ熱いモノを感じながら才人を口の中でゆっくり味わう。 少し苦いけど、これくらいなら・・・。 ごくりと音を立てながらアニエスは精液を飲み干した。 身体の位置を元に戻し、才人の顔を見つめる。

サイト・・・顔真っ赤だ・・・・。 たぶん私も・・・いや、間違いなく・・・・。 しばらく二人とも動きが止まった、サイトも同じ気持ちなのだろうか?

「サイト、私は・・・もう・・・」 「はい、俺も・・・そろそろ・・・」

それは私の秘部にサイトのモノを挿れるということだ。 性交では当たり前の行為が少し怖かった、だけどそれ以上に性欲が強い。 サイトを拘束している縄を解き、サイトの手を握る。 サイトが逃げようとしなかったことがとても嬉しい。 サイトに跨り、少しづつ腰を下ろしていく。

「んんぁああ!!!」

全部入った。 ブチブチッっと何かが破れる音とともに、凄まじい痛みが全身を駆け巡る。 壊れそうだ。自分が壊れそうだ。意識がコワレソウダ。 それでも、サイトの全てが欲しい。 そして、私の全てを貰って欲しい。 私に残った、女の全てを。

658 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 20:15:41 ID:iTuAXZ7s 「んふぅ、はぁん!!」 「アニエスさん、大丈夫なんですか!?」 「少し痛いけど・・・大丈夫だ・・・」

嘘。 とてつもなく痛い。 いっその事神経が無い方がマシだろう。 でもそれは嫌だ、サイトを感じられなくなるから。

「ああっ、ひぅっ・・・・・」 「アニエスさん・・・・可愛い・・・・」

痛くて喘いでいる姿をサイトは可愛いと言ってくれた。 それだけで痛みが全て快楽へと変わった気がした。 あくまで、気がしただけだ。

「あ……はぁ……はぁ……ふぅ…はぁ、はぁ」

サイトのモノを私の膣内に入れる、ただそれだけの行為。 痛みと体力には自信があった。 だが実際には呼吸が乱れ、意識が弾けそうになる。

「休憩しますか?アニエスさん」

サイトは優しくそう言う。 だけど私は首を横に振る。 痛いけど、続けたい。 痛いけど、気持ちよくなる。 痛いけど、それが快楽へと変わる。 痛いけど、サイトにも感じて欲しい。

659 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 20:17:16 ID:iTuAXZ7s サイトの手が留守になっていた私の胸に伸びていた。 サイトは大きいのが好きらしい、私はどうなのだろうか? 正直そんな事はどうでもいい、今私はサイトに胸を触られてる事で余計感じてしまう。 秘部は既にビチョビチョだ、処女膜が破れたこともあり血が流れている。 お互いの肌がぶつかる音、それは水音に近かった。

「んっ。あっ、はぁ、はぁ」

不思議なことだ。 さっきまでの腰を動かすスピードではもう痛くない。 だからより快楽を求めてしまう。 痛みより最早快楽の方が強い、―――――スキだから。

「んはぁ、んぅん、あっ、あっ」

厭らしい音に、厭らしい声。 両方共自分が出していて、とても恥ずかしい。 だけど聞いて欲しい。それでもっとサイトに気持ちよくなって貰いたい。 声で、体で、心で感じて欲しい。私の全部を感じて欲しい。

「ぁ・・・んはぁ!!ふぅ、ん!」

私の膣はサイトの剛直を、きつく締め付ける。 まるで飲み込むような、そんな感じで、不思議な感じだ。

「あん、はぁ、ひぁん、ふあぁ! んん!」

恥ずかしい。 普段サイトの前では男の仮面を被っていたため喘いでいるのを見られるのが恥ずかしい。 だけど声が漏れる、気持ちいいから漏れる。 サイトは私を可愛いと言ってくれた。 だから恥ずかしくても可愛くならなくては。 男にとって女の喘ぎ声は可愛い、サイトも例外では無いだろう。

660 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 20:18:40 ID:iTuAXZ7s 「んんっ!!」

サイトの剛直が大きくなるのがよくわかる。 当たり前だ、自分の膣内に在るのだから。 その大きいのが私の膣内で動いている。上下に、とても厭らしい音を立てて。 そんな行為の真っ最中にサイトと目が合う。 それにより赤面してしまう。・・・・いや、既に赤かったから変わらないだろう。

「ん!あ、あ、あ、あ、あ!!」

サイトが腰を動かすのに合わせて、私も腰を動かす。 この際だからサイトの感じている顔を拝ませてもらう。 サイトの感じている顔・・・・すごく厭らしい。 しかし、私も負けてはいないだろう。

「んぁ・・・はぁ・・・アニエスさん・・・俺、もう・・・」

ビクンと震える。もうすぐ果てるという前兆だろう。 腰をもっと速く動かす。果てるまで、快楽を得るために。

「んぁぁ!! ひぃ!! 膣内に、膣内に頼む!!」 「えっ!?」

サイトは一瞬戸惑った表情を見せた。 だけどすぐにいつものかわいい顔に戻る。 覚悟を決めくれたのだろうか? 私はサイトが好き・・・いや、愛している。 サイトがどうなのかはわからない。 だけど、だからこそサイトを膣内で感じたい。 私をサイトでいっぱいにして欲しい。 こうなったら、無理にでも膣内に出してもらう。

「アニエスさん!俺、もう出る!!」 「来てくれ!! 私の膣内にぃ!!」 「くっ、うぁぁっ」 「あはぁっ……ふぁ、ひぁぁぁん!!」

お互いに絶頂を迎えると同時に私はサイトの胸に倒れこむ。

「はぁ、はぁ、はぁ」 「サイ、トのが・・・・たく、さん・・」

熱い、お腹の中が熱い。 だがそれが心地いい。

「んっ、ふむぅ」

最後にもう一度、深いディープなキスをする。 そして私の意識は薄れていった。

661 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 20:20:07 ID:iTuAXZ7s 後々わかったのだが、姫様が俺を呼んでいたというのが既に嘘だったらしい。 次の日の昼ごろに俺はルイズの所へ帰ることにした。 アニエスさんが手紙を書いてくれたらしいが、やはり少し後ろめたい。 昨日あんだけ派手にやっちゃったし、おまけに朝からもやっちゃったし。

「ただいま・・・」

そっと部屋のドアを開ける。 待っていたのはもちろん、ルイズ・・・・?とシエ・・・・スタ?

「あら、お帰りサイト」 「お帰りなさい、サイトさん」

あれ、なんでだろう、二人の後ろに悪魔が・・・・。

「アニエスから手紙が来たわ、ずいぶんお疲れのようね?」

さらに二人は二人一組となりストレッチをしている。 それが何を意味しているかすぐにわかった。 経験上・・ね?

「ちょ、ちょっと待てよ!!俺が何を!!大体、俺は拉致られたんだぞ!!! それなのになんで!!!」

才人の問いにルイズは机からある物を取り出した。 一つはアニエスが書いた手紙。もう一つは、丸く、うすい紫色の水晶玉のような物。 そして最後に、あの黒いノート。

「なに?ソレ?」

ルイズは無言のままそれらを才人に向かって投げつける。 文字は読めないため、水晶玉を手に取る。 その瞬間――――――。

「アニエスさん!俺、もう出る!!」 「来てくれ!! 私の膣内にぃ!!」 「くっ、うぁぁっ」 「あはぁっ……ふぁ、ひぁぁぁん!!」

ガシャーーーン!!!!!

水晶玉が砕け散った。 シエスタの手によって。

662 名前:金の誘惑[sage] 投稿日:2007/04/28(土) 20:21:05 ID:iTuAXZ7s なるほど、あの水晶は音声を録音する道具か。 謎がすべて解けたっ!!!! そして人生オワタ!!!!!

「覚悟は・・・・いいんでしょうね?犬?」 「サイトさん、浮気はいけませんよ、浮気は・・・・・」

ヒッ・・・・ヒィィィイ!!!! 助けてくれぇえ!!

「「問答無用っ!!!!!!」」 「ぎぃやぁああああああああ!!!!!!!」

まぁ、大体こうなることはわかってたさ。 余談だが、あのノートの文字をデルフに読んでもらったらこう書かれていたらしい。

サイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイト 愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している サイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイト 愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している サイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイト 愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している サイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイト 愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している愛している サイトサイトサイトサイt(ry

                                      

終わり

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