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139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/01(金) 21:32:32 ID:GfRTBMcn 「ふぁ…ぁぁああぁ……んっ……」

ティファニアを無事王都に送り届けてから数日。 ルイズ達一行は魔法学院で平和な日々を過ごしていた。

「でかい欠伸ね〜。レディが大口開けるなんて、ヴァリエールの名が泣くわよ?」 「るさいわねー……」 キュルケは隣でぐったりしてる少女の反応に驚いた。 「ちょっとアナタ本当にどうしたの? いつもだったらもっと食ってかかるじゃない」 「あんたの相手をする程、ふぁぁ……暇じゃないのよぉ……」 ルイズは机に突っ伏したままである。 「ねぇ、キュルケぇ。次の授業、なんだっけぇ……?」 「我が愛しのジャンによる、系統別実践魔法学よ!!」 「あぁ……じゃあいいや……おやすみぃ……」 「ちょ、アナタ! ジャンの授業なのよ! コラ…って、もう寝てる…」 余程疲れてるのか、寝不足なのか。 「もう、なんなのよ、いったい」

 パリーンと厨房に何かが割れた音が響く。 「シエスタよぉ、本当に大丈夫なのかぁ?」 マルトーがやって来て、言う。今日三枚目であった。 「……はい」 「いや、大丈夫って面ァしてねーぜ。はっきり隈が出来てやがらぁ」 言われて水場の鏡を見れば、確かにひどい。 「その顔で貴族連中の前に出たら何言われるかわかったもんじゃねぇ、今日はもう休みな」 「……はい…すみません」 理由はわかってる。なぜならここ数日、ろくに寝てないんだから。

141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/01(金) 21:35:08 ID:GfRTBMcn  話は、サイト達がティファニアを送り届け、帰ってきたその日の夜に遡る。 サイトのルイズに対する態度に違和感を覚えたが、ようやく落ち着いて川の字になって寝れる事にシエスタは喜んでいた。 どことなく、二人は一緒の寝具に入ることに抵抗があるような気がしたが、結局は川の字三人仲良く床についた。

 サイトが寝ついたのを見計らい、シエスタはサイトにベタベタしようと試みる。 「っ!!!!」 「ぁ!!!!」 すると、反対側からちょうど同じことをしようと接近中の桃色貴族とバッチリ目が合った。 「(ちょっとバカメイドっ! 私の犬に何しくさろうとしてんのよっ!!)」 「(ミス・ヴァリエールこそ一体何のつもりですか!? 貴族の女性ってのは寝込みを襲ってナンボなんですか!?)」 サイトを挟んで不毛すぎる争いをしていた二人は、同時に異変に気付いた。 「……ッ…ぅ……っく…」 「サイ……ト?」 「サイト…さん…?」 ゆっくり彼の顔を見上げる。 「うっく……ッ…ふ……ぅぅぁ……」 「「えっ?」」 声が重なる。 彼は、寝ながら涙を流していた。 「ちょっ…サイト! どうしたのよ!?」 「…ひっ……ぅうぁぁ……母っ…さん……」 「…――――っ」 二人は、何も言うことが出来なかった。 それ以来毎夜、彼は彼の家族を想って泣いていた。 その声を、身を裂かれる思いで聞く二人は眠れるはずもなく、 かと言って本人にそれを告げるのははばかれるし、 何よりそんな彼を独りにしておくことなど、出来るはずがなかった。

142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/01(金) 21:37:20 ID:GfRTBMcn  そしてここ数日眠れぬ夜を過ごしていたルイズとシエスタ。二人は中庭のテーブルに二人して突っ伏していた。 「私、どうしたらいいのかしら……」 「ご家族、『この世界』にはいらっしゃらないんですよね……」 考えれば考えるほど、ルイズは自分が極悪人に思えてならなかった。 家族と引き離しただけじゃ飽きたらず、何度も危険な目に合わせ、あまつさえ一度は死なせてしまった。 しかも心を魔法で縛っていい気になって……あの時もしかしたらいの一番にサイトに殺されてしまっていたかもしれない。いや、死ぬべきだったのだ。

 シエスタは目の前の少女が、ガンガン絶望していくのがわかった。 そろそろ引き上げないと、また紐無しバンジーを結構しそうな勢いだったので、 『死ぬ気ならサイトさんを元の世界に返してから考えてください(はーと)』 と言おうとしたところで、ルイズの真後ろの人影に気付いた。

「策がある」 「わきゃあっ!!」 いきなり後ろから話しかけられ、椅子ごと後ろに豪快に倒れた。 まず見えたのは白いシルクのパンツ。さらに引っくり返ったまま視点を上げ(下げ)ると、水色の髪。 「ミス・タバサ……?」 「タバサっ!! あんたっ……え? 策!?」 タバサはこくりと頷き、

「ミソシルを作る」

「ミソシル?」 ルイズはキュルケにもらったちょっとアレな下着を、ま○ぐり返しの格好で惜しみ無く披露しつつ、聞き返したのだった。