ゼロの保管庫 別館

16-267

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だれでも歓迎! 編集

267 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/06(水) 11:22:49 ID:8KiNDfP4 三人の魔女が視線で火花を散らす中、子供になった才人は怯えていた。 なんかこわい。 それが自分を巡っての事だとは露ほども思わず、才人は三人の脇でただ、怯えていた。 そして。 自分と最も近い、背の低い少女の背中に、隠れた。 青い髪の、眼鏡の少女の背中に。 タバサは驚いて、思わず背中にしがみついてきた才人を振り返る。 その顔に、優しい微笑みが浮かんだのを、才人は見逃さなかった。

「ちょ、なにしてんのよアンタ!」 「そうですよ独り占めなんてズルいですっ!」

ハブにされた二人は物凄い剣幕でタバサに詰め寄る。 その剣幕に、才人は怯え、タバサのマントをきゅっときつく握る。 その感触に、タバサの中に熱い何かが点った。 この子は、私が守る。

「…サイトが怯えてる」

詰め寄る二人に、タバサはずいっ、と杖を差し出す。 その視線は心の奥底までも凍りつかせそうなほど冷たく、二人の動きを止めるのには十分過ぎた。

「な、なによ」 「凄んだって無駄、ですよ」

しかし言葉とは裏腹に、二人は突き出された杖より前に進む事ができない。 タバサから感じる異様なプレッシャーに、足が前に進まないのだ。 タバサはそのまま、無表情に杖を振る。 すると。 二人の周囲の水分が一瞬で凍りつき、二人の身体を氷の衣が固めてしまう。 タバサは、二人から見えないように呪文を詠唱していたのだった。 文句を言う口も完全に塞がれた二人を置いて、タバサは才人に優しい笑顔を向ける。

「行こ」

そして、才人に手を差し伸べる。 才人はその手を握り、タバサに手を引かれてルイズの部屋を出て行ったのだった。

268 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/06(水) 11:24:05 ID:8KiNDfP4 「おしっこ」 「え」

私の部屋に向かう途中、サイトが急にもじもじしだしたと思ったら、そんなことを言ってきた。 え。

「もれるぅ〜〜〜」 「ちょ、ちょっとまって」

この寮の共同トイレは一階だ。 私の部屋は三階で、今いるのは三階の階段の踊り場。 ま、まずい、間に合わない! 私はサイトを抱きかかえると、フライの魔法を使って、丁度開いていた廊下の窓から飛び出して…。

「うわっ!」

サイトの驚いた声と。

じょぼろろろろろろ〜

液体の零れる音が同時に響いた。 私は空中で、サイトのおしっこを下半身に思いっきり浴びてしまった…。

「もれちゃった…」

申し訳なさそうに私の腕の中でサイトはそう言うけど。 …うわぁ、生暖かい…。 私は思わず顔をしかめてしまう。

「ごめんなさい…」

でも、しょんぼりと謝る小さなサイトを見ると、そんな粗相も許せてしまう。 …この暖かいキモチが、母性ってやつなのかな…。 私は一旦踊り場に戻ると、サイトを床に降ろした。 そして、そっとサイトの頭に手を差し伸べる。 サイトの身体がびくん!と震える。たぶん、怒られると思ったんだろう。 私はそんなサイトの頭を、くしゃくしゃと撫でた。 サイトは驚いた顔で、私を見上げる。 そんなサイトに、私は。

「ごめんなさいね、驚かせちゃって」

できるだけ優しい笑顔で、応えたのだった。

269 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/06(水) 11:24:54 ID:8KiNDfP4 部屋に戻ると、タバサは服を脱いだ。 才人のおしっこはタバサのワイシャツからスカート、果てはその下のショーツにまで被害を及ぼしており、全部脱いで着替えるしか方法はなかった。 才人はといえば、タバサのベッドですやすやと眠っている。おしっこを出してすっきりしたせいだろう。 全裸になったタバサはそんな才人を見て優しく微笑む。 …可愛い。 昔のサイトって、こんなに可愛かったんだ。 そこまで考え、ふとある事に思い至る。 …昔の私が昔のサイトに逢ったら、どうなるんだろう。 やっぱり、今と同じように、彼の事を好きになるんだろうか。 そして、タバサの目に、机の上に置いたあの本が目に入る。 『形態変化』の術式を集めた書籍。『若返り』の術式を載せた、あの書籍。 …試してみよう…。 そしてタバサは、マントだけを羽織ると、本を手に術式の準備に入った。 家具を退け、魔法陣を描くスペースを確保する。 半時間ほどかけて魔法陣を完成させる。 魔法陣の周囲へ、増幅装置となる燭台の設置。呪文の確認。 ささやき、いのり、詠唱…ねんじろ! そして術式は完成し、橙色の光が部屋を包む。 魔法陣の中心には、三歳くらいの、青い髪の少女が、ほけっと立っていた。

「…なーにー?」

それから少しして。術式の音と光に、眠っていた才人が目を覚ます。 その目の前に、青い髪の小さな女の子が、全裸で、才人の顔を覗き込んでいた。

「だーれ?」 「だーれ?」

二人は同時に同じ言葉を漏らす。

「ぼくはさいと。ひらがさいと」 「わたし、シャルロットっていうの」

二人はお互いに紹介しあった。 そしてシャルロットが才人に尋ねる。

「ねえ、ここどこ?」 「しらないー」

言って才人も首をかしげる。 二人で首をかしげていると、扉が開いて事情を知っていそうな大人がやってきた。

「おねえさまー!おなかすいたのねー!」

青い長い髪を揺らしながら、扉を開けてシルフィードが現れた。 そしてその目が点になる。

「あ、おとなのひとだ」 「おねえちゃん、ここどこー?」

シルフィードは完全に固まった。 誰コレ。どこの子。 そしてシルフィードのおつむは、最も可能性の高い答えを導き出した。

「いつのまに生んだのねおねえさまーっ!?」

確かに目の前にいる二人は、タバサと才人にそっくりだった。

326 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/09(土) 01:22:38 ID:tH05Iyw+ 「と、とりあえず落ち着くのね。  大きく深呼吸なのね」

シルフィードは自分に言い聞かせ、大きく深呼吸をする。 ベッドの上の二人は、そんなシルフィードをきょとんとした目で見つめる。 そんな二人の視線などお構いなしに、シルフィードはすぅはぁと数回深呼吸する。 よーし落ち着いた。 シルフィードは落ち着いて、目の前の謎の二人に質問する。

「パパとママはどこ行ったの?」

やっぱり落ち着いてないかもしれない。 ベッドの上の青い髪の少女と黒い髪の少年は、互いに顔を見合わせると、声を合わせて言った。

「「しらないー」」

二人の即座の返答に、シルフィードは頭を抱える。

「あの色ボケバカップルー!またどっかにシケこんでるのねー!」

その色ボケバカップルなら今目の前にいるのだが、シルフィードは完全にこの二人を才人とタバサの子供だと思い込んでいた。 そもそも、二人が出逢った時期を考えればこんな大きな子供がいるはずはないのだが、人間の常識を風韻竜に求めるのがそもそもの間違いといえるだろう。 それ以前に常識をシルフィードに求める事自体が間違いなのだが。 シルフィードはそのバカップルを探し出しに行こうと外に出ようと振り向く。 その背中に、二つの重低音が響いた。

ぐうぅ〜っ。

これは。このよく身に覚えのある音は。

「おねえちゃん」 「おなかすいたー」

やはり。腹の虫。 シルフィードがその音と声に振り返ると、毛布に包まった二人が、期待に満ちた目でシルフィードを見つめている。 …う。

「おねえちゃーん」 「おなかすいたー」

きらきらと期待に満ちた目で、二人の子供はシルフィードを見つめる。 そ、そんな目で見られても困るのね…!

「お、おねえちゃん用事があるのね…!」

とりあえず嘘なんぞこいてみる。 しかし、二人は聞かなかった。

ぐうぅ。

「おなかすいたぁ」 「ごはんー」

シルフィードはぐぅ、と唸って、考える。

327 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/09(土) 01:23:30 ID:tH05Iyw+ そ、そうだ、棚にリンゴがとってあったのね! そのリンゴは本来タバサのもので、食べたらお仕置きだから、と言い含められていたのだが。 背に腹は換えられないのね!ていうかおねえさまの子供にあげるんだから問題ないのね! シルフィードは棚からリンゴを出すと、近くにあったナイフで不器用にリンゴをざく切りにした。 そして、そのへんにあった紙の上にのっけて、二人に差し出す。

「コレ食べて待ってるのね!おねえちゃんはパパとママを捜しにいくのね!きゅい!」

リンゴを受け取った二人を尻目に、シルフィードは部屋の外へと駆け出した。 子供ほっぽってどっかしけこむなんてお姉さまもヒジョーシキなのね!見つけたらオシオキなのね! 激しく勘違いなどをしながら。

部屋に残された二人は、あっというまにリンゴをたいらげてしまった。 お腹がすいていれば当然である。 そして、リンゴ一個では当然ものたりないわけで。

「おなかすいたねー」 「ねー」

言って二人はきょろきょろと部屋を見渡す。 他に食べ物はないか捜しているのだ。 才人は様式を含めてこの部屋は自分の全く知らないものだと思っていたが、タバサはなんとなく、この部屋を知っている気がしていた。

「サイトはここでまってて。たべものさがしてくる」

言ってタバサは毛布だけを体に巻きつけてベッドから降りる。 才人はそんなタバサを手を振って見送った。

「がんばってねー」

大人の才人なら自分から率先して食べ物を捜しに行くところだが、子供の才人はある意味ものすごく図々しかった。 さがしてくれるっていうなら、さがしてもらおうっと。 そして自分は、ふかふかのベッドの上で飛び跳ねてみたりなどしてみる。 才人がベッドの上で遊んでいる間に、タバサは先ほどシルフィードがリンゴを取り出した棚に目をつけた。 ここなら、何かあるかもしれない。 しかし、シルフィードが開けていた扉は高い位置にあり、自分の背では届かない。 仕方なく、一番下の開きの扉を開ける。 そこには、様々な形と色の、ガラス瓶が並んでいた。

「のみもの、かなあ」

しかし、中には黒いインクの入った壷や、銀色のどろりとした液体を満たしたものもある。 どうやら、飲んではいけないものもまじっているようだった。 どれがのめるんだろう、と考えながらタバサが飲めそうなものを捜していると。 一本の、小さなガラス瓶が目に留まった。 それには、小さな青いリボンが巻きつけられていて、そのリボンの先端に『とっておき』と書いてあった。

「これ、のめそうかも」

中には赤い液体が満たされている。 ぱっと見、飲んでも大丈夫そうだ。 タバサはこれを持っていく事にした。

328 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/09(土) 01:24:30 ID:tH05Iyw+ タバサがベッドに戻ってくると、才人がベッドで跳ねていた。

「なにしてるの!」

タバサがその歳に見合わない声を出す。 才人は思わずびくっ!として身体を縮こまらせる。 タバサはよっこらしょ、とベッドの上に登ると、才人の鼻先に指をつきつけた。

「ベッドのうえでとびはねたらだめって、おかあさんにいわれたでしょ!」

才人は憮然とその指を見つめて、言い返す。

「…ウチのおかあさんは『マットがこわれてなかったらはねていい』っていってたよ」

…どういう教育をしていたのだろうか。 しかし、その言葉にタバサはさらに反撃する。

「いうこときかないなら、のみものあげません」

言って、手にしたガラス瓶を抱き締める。

「えー」

才人は一度、不満そうにそう言ったが。

「しょうがないなー」

タバサのいう事を聞く事にした。 お腹もすいていたし、喉も渇いていたからだ。 今も昔も、才人は欲望に素直な性格だった。 才人がいう事を聞くというので、タバサは手にした瓶を才人に差し出した。

「これ、そこのたなでみつけた」 「なにこれ?」 「わかんない」

才人は受け取った瓶を傾けたりして、中身を確かめる。 赤い液体が、そのガラス瓶には満たされていた。 才人は自分の知識の中から、その中身を予想してみる。

「いちごじゅーす?」 「イチゴなのこれ?」

タバサの疑問に、才人は首をかしげる。 この中身がイチゴだという保証はどこにもない。 しかし、中身を確かめる方法はあった。

「のんでみる」

言って才人は、瓶の蓋を開ける。 くんくんと匂いをかいでみるが、これといった匂いはしない。 のんでもだいじょうぶそう? とりあえず、飲んでみることにした。

329 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/09(土) 01:25:10 ID:tH05Iyw+ 才人は瓶に口を付けると、その液体を一口、飲み込んだ。

「うえ」

まずい。変な味がする。

「これいちごじゃない〜〜」

眉をへの字にまげて、才人は顔全体でまずさを表す。 その顔が滑稽で。

「ぷ」

思わずタバサは笑ってしまう。 才人はあまりの後味の悪さに、まだ顔をしかめている。

「ねえ、そんなにまずい?」

子供は、とにかく好奇心が強い。 たとえそれが否定的なものだとしても、経験した事のないものには興味を示すものだ。 タバサはまずいまずいと言われるその飲み物を飲んでみたくなったのだった。 そして。

「なにこれ。まずい〜」

口に含んで文句を言って。 二人で顔を見合わせて、大笑いしたのだった。

361 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/10(日) 13:52:10 ID:DumVqh2V 二人はその後、なんとなく眠たくなって、ふかふかのベッドに二人で潜り込んだ。 さすがに裸に近い格好では、夏が近いとはいえ、寒気を感じずには居られない。 二人でシーツに潜り込むと、お互いの体温で布の中はぽかぽかと暖かかった。

「あったかいねー」 「だねー」

二人は向き合って、裸のまま見つめあう。 もう少し歳を取っていたなら恥ずかしがるような場面だが、性というものに無頓着な年齢の二人は、そんな事は気にも留めていなかった。 そうして少しすると、タバサがぶるっと震えた。 何故か、寒気がしたのだ。

「さむいの?」

震えるタバサに、才人が語りかける。 才人の質問に、タバサは頷く。

「うん。…そっちいってもいい?」

才人は目の前で震える少女を可哀想に思い、頷く。

「いいよ。くっついてたほうがあったかいし」

その言葉と共に、才人もタバサの方へにじり寄る。 お互いに寄り添った結果、二人は向き合う格好になった。 お互いの顔が正面に立ち塞がり、吐息がお互いの顔にかかる。

「あったかいね」 「…うん…」

異変に気付いたのは才人が先だった。 タバサのカンジがおかしい。 吐く息が荒く、頬は真っ赤に上気し、目がとろんとして潤んでいる。

「どうしたの?」 「なんか…へん…」

そう言って、タバサはゆっくりと手を才人の方へと伸ばしてきた。 どくん。 才人の心臓が一回、異常に大きく脈打った。 それは痛みさえ伴い、才人の動きを完全に止める。 その隙に、タバサの伸びてきた小さな手が才人の顔を挟む。 熱っぽい視線で才人を見つめ、タバサは言った。

「キス…してもいい?」

そしてそのまま返事も待たず、タバサは才人の唇を奪った。

362 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/10(日) 13:53:03 ID:DumVqh2V キスの意味すらわからない幼い才人は、タバサの行為にされるがままになる。 タバサは己が内でうねる熱い何かに促されるまま、才人の唇を吸い、そして舌でその唇を舐めまわす。 最初は抵抗しようと思った才人だったが、タバサのキスが気持ちよくて、その意思はすぐに鳴りを潜めた。

ちゅぱ…ちゅぱ…

シーツの中に、幼い子供が立てるとは思えない、淫靡な水音が鳴り響く。 その音と、湿った空気と、タバサの牝の温もりが、才人の鼓動を早める。 そして才人の中にも、異変が起こり始めていた。 下腹部が熱い。尿意を堪えている時のそれに近いが、今彼の膀胱はからっぽだった。 キスを貪るタバサの下腹部が、才人の下半身に密着する。

びくん!

その瞬間、才人の背筋に恐ろしいまでの電流が走り、彼は仰け反った。

「うあっ!」

才人の反応に思わず手を離し、タバサは心配そうに尋ねた。

「だいじょうぶ?」 「う、うあ、うあっ…」

しかし才人は応えられない。 猛烈な尿意に似た『何か』が、彼の下半身を襲っていた。 才人はその感覚に恐怖を覚えていた。 だしたい。でも、だしちゃだめ。 彼の中で、二つの意思が必死に戦っていた。 それは三歳の少年にはけして起こりえない生理現象であった。 射精である。 彼の陰茎は三歳にはありえないほどに勃起し、先端からピンク色の中身と先走りを露にしていた。 彼の中の自然と、彼の中に芽生えた異変が、その行為を否定し、肯定していた。 そしてその均衡は、タバサの行為によって崩れ去る。

にゅる。

タバサはなんと、濡れた股間を、才人のソレに押し当てたのだ。 タバサの体にもまた、異常が起きていた。 キスによって高められた彼女の牝は、ありえないことにそこに牡を受け入れるための、潤滑油を分泌していたのだった。

「うあっ、うあぁぁぁぁぁーっ!」

才人の堰は容易く崩れた。 幼い身体をがくがくと痙攣させ、ありえないほどの精液がシーツの中に飛び散る。 その飛沫の大半はタバサの下半身から胸の付近までを白く汚していった。 そしてタバサもまた。 びくびくと射精を続ける間も固さを失わない才人の肉棒に己自身を擦りつけ、そして精液の熱さに酔いしれながら。

「ふぁっ…あぁぁぁぁぁぁっ…!」

脳髄を焼くありえない感覚に身体を震わせていた。 そして二人は抱き合い、泥のように眠ったのだった。

363 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/10(日) 13:54:20 ID:DumVqh2V 目が醒めると。 裸のサイトの腕の中にいた。 ぼやけた視界の中で、術式を行ってからの記憶がないことに気付いた。 …結局あのあと、どうなったんだろう…。 この状況を見てみると、けっこう仲良くしてたみたいだけど。 たんにシーツの中でじゃれあってただけって可能性も…。

どくん。

あれ…なんだろ…この匂い…。 急に脈打った心臓も気になったけど、私はこの嗅ぎなれた匂いの方が気になっていた。 サイトの…におい…。 シーツの中をあらためると。 シーツの中と…私のおなかの部分に…白いのがいっぱい…。 え?え?なんで? 三歳くらいになってたはずなのに…。

どくん…どくん…。

やけに大きく脈打つ心臓の音が気になる。 そしてそれよりも。 目の前で眠る…サイトの事が…。 ま、まさか、これって…。 私は必死に理性を振り絞って、サイトから目を逸らしてベッドの周囲をあらためる。 そして、ベッドの脇に、開いた小瓶を見つけた。 あれ…!こないだ買ってきた『オーガの血』…! まさか…。子供になった私とサイトが…飲んじゃった?それで…。 そこまで考えるのが精一杯だった。

「ん…ん?シャルロット?」

目覚めた彼の言葉を聴いて、私の中の牝が完全に目覚めた。 私は、起きたばかりのサイトの唇を乱暴に奪うと、そのまま彼を押し倒した…。

364 名前:タバサと小さな才人 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/06/10(日) 13:55:40 ID:DumVqh2V シルフィードが二人を捜して、あっちこっちもののたとえではなく本当に飛び回って、ヘトヘトになってタバサの部屋に帰りついたのは、夕方のことだった。

「なんなのねもう!あの色ボケバカップル!もうしらないのね!」

憤慨しながら扉を開けて部屋の中に入る。

「もういいのね!子供達はシルフィが立派に育ててみせるのね!」

妙な決意に燃えながら、シルフィードが部屋の中に入ると。

「ぐえ」

部屋の中はものすごい異臭がしていた。 ていうか、この臭い。 シルフィードはつかつかとベッドの上で盛り上がっているシーツに近寄ると。 がばぁっ!と勢いよくシーツを捲り上げた。 そこには。 すやすやと満足そうに眠る、どうみてもヤっちゃった後の才人とタバサがいた。

ぷっちん。

シルフィードの中で何かが切れた。

「こらこの色ボケ夫婦ー!子供ほっぽってナニしてるのねー!?」 「うわっ、なんだよシルフィードかっ?」 「…五月蝿い」 「うるさいじゃないのねー!子供おいといてさんざん交尾!?何人作れば気が済むのね!?」 「な、なんだよ子供って?」 「…煩い」 「サカるのもたいがいにしないとおばかになるのねー!セックスは週に三度までなのねー!」 「う る さ い」

暴走して意味不明なことを喚き散らし、暴れまわるシルフィードを止めたのは、結局タバサの杖の一撃だった。〜fin

*追記* シルフィードの誤解はしばらく解けず、説明に三時間を要したという。

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