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413 名前:涼しい夏のすごし方 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/08/26(日) 01:42:31 ID:+MLV39lt 「うぁち〜」

うだるような暑さに、机の上で突っ伏しながら才人はそう呻く。 ここは水精霊騎士団のたまり場と化している、ゼロ戦の格納庫。 才人は一時涼を求め、この場所にやってきたのだが。 たしかにそこは日陰になっているせいで外よりは涼しかったが、まだ『涼しい』には程遠かった。

「だらしないぞサイト。この程度の暑さで音を上げていては水精霊騎士団副隊長の名が泣くぞ」

涼しげにそう言うギーシュだったが。

「…ギーシュも暑いんだろ?ガマンすんなよ」

才人の指摘するとおり、ギーシュは読んで字の如く滝のような汗を流していた。 流れた汗で上着はぐっしょりと濡れ、服のあちこちが汗を吸ってへたれている。 それでもギーシュはなお構わずに続ける。

「はっはっは。なんのこれしき」

流れる汗をぬぐおうともせずに、ギーシュは笑う。 大したもんだよ、と思いながら才人ははたと気付く。

「んなに暑いなら魔法でなんとかすればいいじゃん」

しかしギーシュは才人の指摘に笑いながら答えた。

「はっはっは。この僕に土系統以外の魔法が扱えるとでも!?」 「…自信まんまん言うなよ…」

まあほっとけば脱水症状でぶったおれて、モンモンが介抱してくれるだろう。 才人はそんなギーシュに背を向け、席を立つ。

「あれ?どこへ行くんだいサイト?」 「…野郎とこんなとこでダベってても暑くなるだけだからな。ちょっと外の空気吸ってくる」

言って才人は『外』へと向かう。 ギーシュはそんな才人を笑顔で見送り。 そして才人の予想通り、脱水症状を起こしてぶっ倒れたのだった。

414 名前:涼しい夏のすごし方 ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2007/08/26(日) 01:43:31 ID:+MLV39lt 才人が馬に乗って向かったのは、学院から馬で小一時間ほど行った場所にある、小さな洞窟だった。 とは言っても、その入り口は茂みに隠されていて、茂みを掻き分けないと入れない。 才人は馬を手近な樹に繋ぐと、その洞窟の中に入る。 その狭い穴ぐらを進んでいくと、不意に視界が開ける。 そこには、幻想的な光景が広がっていた。 どういう原理かはわからないが、壁が青い光を放ち、周囲を照らす。 その足元の岩室は、ひどく透き通った水で満たされていた。その広さは、魔法学院の共同浴場くらいあった。 その水の中には、わずかな藻と、それを食べて生きているらしい小魚しかいなかった。 そしてこの岩室の中は、外に較べて、ずっと涼しかった。

「さーて、涼むかなー」

言って才人は服を脱ぎ、手近な岩の上に置いた。 そしていつものように、ざぶざぶと水を掻き分けて天然のプールへと入っていく。

「うひゃっ、ひゃっけえー」

笑顔でそう言いながら、すっかり肩まで水に浸かってしまう。 そしてそのまま、ざぶざぶと泳ぎ始める。 この場所は、才人が偶然見つけた、お気に入りの場所だった。 ちょっと馬で遠出をしようかな、と思い立ったはいいものの、このへんの地理に詳しくない才人はどこに行っていいかわからなくなった。 そこで偶然入った森の中で、この洞窟を見つけたのだ。 ほんとに、いい場所だよなあ、と才人はまるで風呂に浸かるように岩にもたれながら思う。 ここには、洞窟にイメージされるような、気味の悪い生き物の類もいなかった。 ここに住んでいたのは、足元を泳ぐ小さな魚と、細い藻くらい。 まさに、涼を取るのにうってつけのプールと言えた。 しかし。

「俺一人だけ使うのはもったいないよなあ」

誰に言うとでもなく、才人はそうひとりごちる。 確かにここは、一人で利用するには広すぎる。しかし、そう何人も誘っては、すぐに満員になってしまう。 そうだなあ。とりあえず、女の子一人誘ってみるかあ。 才人はそう考え、帰ったら誰かを誘おうと心に決めたのだった。


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