※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

684 :コインに隠された真実:2007/08/31(金) 01:10:44 ID:FxsN43qS 「それで、サイトの従者になりたいから、わたしの許可がほしいと」 ルイズは目の前の自分よりも小さい少女、タバサを睨む。 いきなり部屋にきたタバサは、これまたいきなりそんなことを言いだした。 「だめ?」 「ダメに決まってるでしょ!」 「そう」 何日か前に起こった水精霊騎士隊と空中装甲騎士団との喧嘩で サイトは女性からの評価が暴落した。 ルイズは密かにそのことをとても喜んでいた。 ライバルが減った、これはとてもよい結果だった。 なのにいま目の前には、最も恐れている相手のひとりがいる。 しかもなんと自らサイトの従者になると言ってきているのだ。 これはまずい! なんといってもタバサは小さい女の子なのだ。 そう、自分の唯一の武器である『小さい女の子』と見事にかぶる。 「そういうことだから早く帰ってちょうだい」 ここでいままで黙っていたサイトが口を出してくる。 「まあ、別にいいじゃないか」 「サイトは黙ってて!」 「タバサの話だと、困ったことがあったら助けるとか その程度だっていうし、いいんじゃね」 ルイズは「人の気も知らないで…」と、ワナワナと身体をふるわせた。 「それにいまだって、字の勉強教えてもらってるし 従者になってもならなくても、あんまかわんねーしさ」 「いまなんつった!」 「ん、だからかわんねーしって」 「違う」 そこでサイトはハッと自分のミスに気づいた。 「ふ〜ん、そうなんだ。 まだ、タバサに字を教えてもらってたんだ〜」 「あ、いや…図書館にいくと、よくタバサがいるからさ… それで教えてくれるって言うから、ひとりでするよりも効率いいだろ」 必死に弁解する。 「図書館で毎日…ででで、デートしてたんだ」 すでに妄想が混じり、こちらの話はきこえていない。 サイトは「あー、この前の怪我がやっと完治したのに…」と思いながら すぐ襲ってくるであろうお仕置きを覚悟した。 ルイズが怒りにまかせて杖を振りかざして叫ぶ。 「なら、いっそタバサの部屋で寝泊りすればいいじゃない!」 ルイズにとっては痛恨のミスであった。 「なら、今日からサイトはわたしの部屋で寝泊りさせる」 「へ?」 「はい?」 ふたりはタバサを注目する。 「いま『なら、いっそタバサの部屋で寝泊りすればいいじゃない!』と 言ったから、そうすることにする」 「ち、違うの。今のは、なんていうか…ほら、その…」 しかしタバサの行動は迅速だった。 ルイズが返答に困っているなか、サイトの手をとってすぐさま部屋をでていく。 「あ、ま…」 右手を扉へと向けるがバタンと閉じる音がして、部屋に自分ひとりだけとり残される。 「あれ…あれ…?」 この急展開に頭が混乱し、ルイズはその場で座り込んで呆然となる。 それは洗濯を終えたシエスタが戻ってくるまで続いた。

685 :コインに隠された真実:2007/08/31(金) 01:12:09 ID:FxsN43qS 「つまり…サイトさんをとられちゃったと」 戻ってきたシエスタは、扉をあけると床で座り込むルイズをみつけ 事情をきくなり彼女を叱りだした。 「だって…だって…」 オロオロするルイズの両肩に手をおいてシエスタは言った。 「かならず今日中にサイトさんをここに連れ戻しますよ」 「ど、どうして今日中なの?」 さすがに今日「やっぱりサイト返してください」と言いにいくのは どうかと思うルイズだったが、シエスタの次の言葉で事態の深刻さを理解した。 「サイトさんはどこで寝るんですか?」 まさか床で寝かせるなんてことはないだろう。 するとタバサと同じベットで寝るのは必然。 ルイズの顔から血の気がひいていく。 「それだけじゃないんですよ」 「そ、それだけじゃないの…」 これ以上なにがあるのだろう、ルイズには想像もできない。 「ミス・タバサのベットを見たことがありますが…」 「うん…」 「あのベットはシングルなんです」 「だ、だから…?」 まだ気づかないルイズにシエスタが苛立ちながらも答える。 「つまりシングルベットでふたり寝ると、そりゃもう…とっても密着しちゃうんですよ!」 「はうっ…」 ルイズはヨロヨロと後ずさりしてベットへ倒れこむ。 「し、シエスタどうしよう」 それからふたりはサイト奪還作戦に花を咲かせたのであった。

686 :コインに隠された真実:2007/08/31(金) 01:14:07 ID:FxsN43qS 「殺風景な部屋でごめん」 「いや、そんなことないぜ」 タバサの部屋は本棚がある以外は、必要最低限のものしか置かれていない。 「好きな場所に座って」 サイトはとりあえずベットに腰掛ける。 で、サイトは気づく。 「タバサ…この部屋ってベットこれだけだよね…」 「うん」 「それで俺はどこへ寝ることになるのでしょうか?」 「ここ」 タバサはサイトを指差す。正確にはサイトが座っているベットを。 「で、でもふたりで寝るには窮屈じゃないかな? 俺、床で寝ようか? 慣れてるし」 タバサは首を横に振るとサイトにベットへ横になるように促す。 サイトが横になるとタバサもベットに横になった。 「大丈夫、ふたり寝れる」 たしかに大丈夫である。 しかしサイトは「俺は大丈夫なのか?」と別の心配をかかえる。 みごとにタバサと密着している。 (この状態で一晩耐えられるのか俺は…否、無理だ!) 即決で結論を導き出す。 (タバサには悪いけど隙をみてコッソリかえるか) タバサはティファニアとは対を成す禁断の果実である。 もし彼女に手を出せばルイズがどんなに怒り狂うか。 ティファニアに手を出せば「やっぱり大きい胸がいいんだ」と怒る。 タバサに手を出せば「自分よりも小さい子に!」と怒るだろう。 だが目の前に一緒に横になるタバサをみると、どうしようもない気分になった。 なんか今すぐに襲いたくなってくる。 (俺の理性よ、いまこそ奮いたて!) 「サイト」 (はうっ…無理です…ごめんなさい…) タバサの純真無垢な瞳で見つめられたサイトはついに彼女を抱きしめてしまう。 「あ…」 「た、タバサ…」 そのとき、サイトの服からコインがひとつ床に落ちてチャリーンとなる。 それは先日買い物をしたときのお釣りのお金であった。

687 :コインに隠された真実:2007/08/31(金) 01:15:37 ID:FxsN43qS ルイズとシエスタはタバサの部屋の前にやってきた。 結局のところ、とにかく現地行ったほうがいいという結論に達したからだ。 ルイズとシエスタはタバサの部屋の扉に聞き耳をたてる。 それを目撃した女生徒たちから不審な目を向けられたが ふたりは全力で無視して中の様子に集中した。 『へへっ、どうだ? 思ったよりも楽しいだろ』 『うん』 どうやら中ではなにかが行われているようである。 『やっぱりタバサなら素質あると思ったよ。もうこんなに上手くなってさ』 『サイトの教え方が上手だから』 ルイズとシエスタが顔を見合わせる。 「な、なにの素質があると言ってるんでしょうか?」 「し、知らないわよ」 ふたりは顔を赤くする。 『うっ、た、たんま…タバサ許してくれ! そこをせめられたら俺…』 『ダメ、これで終わり』 『はぁ〜』 サイトはなんとも切なげにため息をつく。 『しかし、続けて五回はさすがに疲れたな』 『もう一回』 『げ、元気だなタバサ…そんなに気に入ったのかコレが?』 『うん、大好き』 扉の前のふたりは限界が近づいていた。 「ごごご、五回ですって! なにが五回なのよ!」 「それにミス・タバサはまだまだ元気だそうですよ。 しかもおねだりまでしちゃって…なにがそんなに気に入ったんでしょうね!」 ルイズの目に嫉妬の炎が宿る。 シエスタも突撃体制を整える。 次の瞬間、ふたりは扉を蹴飛ばして中へと突入した。 「サイト! あんたタバサ相手になにをしてるのよ!」 「サイトさん酷いです! わたしというものがありながら、きゃ」 シエスタの言葉が気に入らなかったルイズはシエスタの足を払って転ばす。 「なに…やってんだお前ら」 サイトとタバサがこちらをみている。 ふたりは床に座っていた。もちろん服もきちんと着ている。 「あれ…」 「な、なにもしていませんでしたね…」 床に座るふたりの間には一枚の紙とコインが何枚か置かれているだけだった。 「あんたたちなにしてたの?」 「オセロしてたんだ」 「オセロ?」 「そっ、俺の国のゲームさ」 そういうとサイトはオセロのルールを教えだした。 「ふーん、交互にコインを置いて、両端を挟むことでひっくりかえせるのね」 「わー、なんか面白そうですね」 ルイズとシエスタはオセロにすっかり夢中になる。 「これから早速部屋に戻って勝負よ!」 「お、おい…」 「わたしとも勝負してくださいね、サイトさん♪」 サイトはルイズとシエスタに引っ張られて部屋の出口へと引きずられていく。 「タバサ、また今度な」 「はい」 タバサはサイトに向かって笑顔をつくり手を振る。 結局は一晩どころか数時間しかサイトと一緒にいられなかったが タバサはとても満足した気分に包まれていた。

688 :コインに隠された真実:2007/08/31(金) 01:17:02 ID:FxsN43qS ひとりとなった部屋でタバサは床に置かれた紙とコインと拾い上げた。 その後ベットの前にやってくると、じっと一点を見つめ続ける。 そこにはタバサが『女』となった証の真っ赤な血のシミが残されていた。 手で首筋に触れる。 そこにはサイトにつけられたキスマークがあった。 「シーツかえなきゃ」 タバサはそうつぶやくとベットに倒れこむ。 「でも…今日だけはこのまま寝よう」 ベットに残ったサイトの温もりに抱かれてタバサは眠りについた。