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161 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:43:31 ID:fQxib775 いつもと変わらない風体を保つトリステイン魔法学院。 最も、最近ではその日常にとある使い魔の悲鳴が混ざる事が珍しくない。

「あ〜らぁ、ヴァリエール。昨夜、いえ今朝方までずいぶんとお楽しみねぇ?」

サイレントも使えない訳じゃないわよね、とだいぶ皮肉めいた言葉をキュルケから頂いた。 実際問題、ここでキュルケに怒るのは筋違いだろう。 あの情事の際にサイレントをかけるべきだったのにしなかったからだ。 となると……その矛先は当然、己の使い魔たる平賀才人個人の喉元に切っ先を突きつける他無い訳で。

「ちょっ、まっ、落ち着け!落ち着けってルイズ!」 「こここここれが落ち着いてらららられるもんですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

部屋の中で炸裂する白い閃光。 ……本日も、本日がそうであるための日常がそこにはあった。

それから時はゆっくり流れ、致した虚無の曜日から数日が過ぎた。 その間、二人は目が合うと照れ臭そうにしたが、それも最初の内だけだった。 気づいたら、いつも通りの生活がその部屋には流れていた。

愛くるしいご主人様は未来の為のお勉強。 訓練をするにもまだ時間はある……となれば、彼の仕事である掃除洗濯を行うくらいしか時間を潰す方法は無い。 冬には敵と見なせるほど冷たい水も、初夏にかかりそうな今では親友の類だ。 悲しいかな、最早今では洗濯板を使った洗濯はそんじょそこらの主婦には負けない腕になってしまった。 仕上げとばかりに、最後の一枚に残しておいた下半身を覆う為の下着を優しく洗い上げ まるで美しい芸術品でも見るかのようにしげしげと見入っていた。

「俺……腕上がったよなぁ。英検4級より役に立つんじゃねーか?」

正に自画自賛。洗濯を芸術にまで昇華させようとする人間はハルケギニア、いや地球を探してもなかなか居ないだろう。 英検3級かぁ…そういやそんな資格もあったなぁと一人郷愁に浸る才人。 自分の世界に入っている才人を現実の世界に戻したのは、誰だ。

「あ、あのっ!」 「は、はひっ!?」

超高速で手に持った布を隠す。洗濯をしていただけなのでやましい事は無いのだが…… 声の持ち主は誰だろう、普段ならシエスタである事を疑うべきだ。 疑う、というのは語弊が伴うかもしれないがこの水場に来る貴族は滅多に居ない。 従ってシエスタという線が濃厚なのだが、そこに居たのは果たして

「え、えーと……君は?」 「あっ、あの…その……こ、これを!」 「へ?あ、え?って、あ、ちょっと!……行っちゃったよ」

見た事も無い女の子だった。といっても、学院の制服を着ていたため貴族だろう。 仮にも、あの7万の大軍をたった一人で止めた一国の英雄だ。 以前はもっと求愛されていたのだがまさかまだいるとは思わずただ突っ立っている。 その手に無理やり捻じ込まれたのは女の子らしく可愛く細工された一通の手紙だった。

「……俺、字読めないの知ってるのかな?」

(7万の大軍を止め、まだタバサから字を習っていない状態。 色々おかしいかもしれませんが、ご容赦を。)

だが、女の子からラブレターを貰って嬉しくない男はほとんど居ないだろう。 もちろん平賀才人も男、彼も多少なりとも舞い上がっていた。 とりあえず、封をあけても読めない事は分かっていたので洗濯物と共に持ち帰った。 162 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:44:21 ID:fQxib775 洗濯物を干し終えて、軽く掃除し机の上に置いた封筒に視線を落とす。 日本で生活していた時にはラブレターという物と全くと言って良いほど縁が無かった才人。 こちらに来てからは何通か貰ったがやはり何通貰っても嬉しい物である。 俺も捨てたもんじゃないな、と頬を綻ばせながら手に持っていた所

「ただいま。………何してんの?そんなカッコで。」

ルイズでなくても、この部屋を訪れた人はその言葉を口にするだろう。 あからさまに手を背中に隠し、更に顔は明後日の方向を向いている。 これで気にするなという方が無理だ。事、ルイズに関しては。

「……その手はなぁに?」 「え、えぇ?この手がどうしたって?ははは」 「嘘くさい笑いはいらないわ、出しなさい」 「だから出すものなんて」

言葉はそこで詰まった。ハルケギニアにどのような諺があるか知らないが 今のルイズを表すならば「鬼に金棒」 左手には愛用の鞭、右手には杖。そもそも、利き手じゃない手で鞭を操れる辺り 彼女にもガンダールヴとしての力が少しは宿っているのではなかろうか。 オーラを纏ったその姿を見た瞬間、コンマ1秒の速さで手に持っていた封筒を土下座しながら差し出した。

「……これは何?」 「私には良く存じ上げられませんが…その、恋文、ではないかと…お嬢様」 「気持ち悪い話し方はいいわ。で、誰から貰ったの?」 「洗濯してたらいきなり押し付けてそのまま…顔も見た事無い子だったし」 「ふーん……」

気まずい沈黙。 時計があれば秒針の音でさえ五月蝿いと思うような静けさだ。 一体何分、いや何時間経ったのだろうか。それほどまでに思える修羅場。

「で、あんたはこれを見てどうしようっての?」 「ど、どうするもこうするも俺字読めないし…そんなの貰ったの初めてだし…」

は、初めて!私の初めてを貰っておきながら…こ、ここの犬ってば…! それとこれとは関係の無いような気もするが、さすがはルイズといったところか。 言い様の無い怒りが沸いたと思った瞬間、目の前の犬は肉塊へと変化していた。

あぁ…またやっちゃった… ででででも、あの犬が悪いのよあの犬がぁ! 私の初めて、は、初めてを貰っておきながら…ブツブツ はぁ…でもラブレターねぇ。なんだってこの子はこんなに素直になれるのかしら。 そ、そのしちゃった私でさえ…ブツブツ あーあ、素直になりたいのかしらね。いや、あの犬が私の気持ちを察するべきなのよ!そうよ!そうだわ! 163 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:45:13 ID:fQxib775 肉塊は、来るのが遅い事に疑問を感じた隊長ギーシュによって引きずられて行き ただ部屋に残ったのはルイズ一人。 何時ものごとく、自分でやった事に対する反省、もとい素晴らしい逆ギレをかましている。

「どうしたぁ?娘っ子さんよ」 「何よボロ伝説の剣。」 「お前さん、ボロをつける位置が…ってまぁいいや。で、その手に持ってるのが相棒宛への手紙かい?」 「う、うるさいわね。あんたには関係ないでしょ!」 「たまには出番をくれよ…この作者俺を書くのが苦手らしいんだ。」 「そんなの知らないわよ。あんたいなくても成り立つし。」 「ひでぇ。まぁ、お前さんが悩んでる事は何で自分が素直になれないか。違うか?」 「……違うわよ。」

お前さんが素直にならなけりゃ、その子に取られちまうぞ?の一言で ルイズはその剣にしがみつき、教えを請うた。 寮の一室で、少女が剣と会話している。何と異様な光景か。 あぁでもない、こうでもないと論じているが一向に解決の糸口さえ見つからない。 ただ一言、お前さんが手紙をかけるくらい素直だったらね…と。

その瞬間ルイズは杖を握り締め戦闘体勢に入った。 最初こそ、肝を冷やしたデルフリンガーだったがその矛先は別の物に向かっていた。

可憐な口からは想像も出来ない怒気を含んだルーンが紡がれていく。 (こんな子なんかに使えない魔法を私は使えるのよ!?)

感情の高ぶりが魔法の威力に関係してくる。 そう、今のルイズは結構な怒りを溜め込んだので…正直オーラがドス黒く近寄り難い。 体の中のうねりがどんどん大きくなる。 そのうねりは止まる事を知らず、たかが一封の手紙なんかに放つレベルではない所まで来ている。

(あんたなんか吹っ飛んじゃえばいいのよぉぉぉぉ!!!)

うねりはまるで津波のように出口である杖の先…手紙に向かって飛ばされた。 そして、耳をつんざくような爆音! …は、いつまで経ってもやってこなかった。 そんな事に疑問を感じられるほど今のルイズには余裕が無かった。

な、何よこれ…すごい…気持ち悪い… 視界が…回る…よ、横にならないと…

自分のベッドへと倒れるようにではない、ルイズは倒れた。 襲ってくる吐き気に潰されるように意識は遠のいていった…

ご主人様に、その様な災難が襲い掛かったとは露知らず

「ただいまー…って、ルイズ?」

もちろん、ルイズからの返事は無い。 寝るにはまだ早すぎる。夕飯すら食べていない。 とりあえず、近づいて起こそうとした才人だったが、ルイズの姿を完璧に捉えた瞬間固まった。

以前、アルビオンの宿屋で見せたあの黒い猫耳がぴょこっと桃色の髪から飛び出ている。 それだけで、才人の思考を奪うには十分だったのだが スカートが揺れた。それは体が揺れたときの動きではない。 何かが顔を出す……果たしてそれは尻尾だった。しかも本物のそれのように動いている。 寝ているルイズと同調するかのようにゆっくりと揺れている。

は?何で?いや、意味わかんねぇ。 落ち着け!落ち着け俺!まずルイズは寝てる! てか、猫耳!?尻尾!?あぁもうだめだ、神様ありがとう! 164 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:46:06 ID:fQxib775 全くもって落ち着けてなかった才人だったが、とりあえずルイズを起こさなくては何も始まらない。 トントンっと軽く方を叩くと一瞬体がビクっと硬直したがすぐに元に戻った。 もう少し強めに叩くと、まだ夢うつつといった様子だが薄く目を開けこちらに視線を移す。 ふわぁ…と軽く欠伸をし、身体を伸ばし背中をあたかも本物のネコであるかのように弓なりにしならせた。 ネコ耳と尻尾をつけた状態でも高貴さを失わないその絵はまさに見る物の心を奪うようだった。

「ふにゅ……」 「あ、あのー…ル、ルイズさん?」 「んぅーっ……」 「ル、ルイズさー」 「サイト」

才人がまだ全部を喋り終えていないのに、ルイズが口を挟む。 しかし、その口調は決してキツさだけがあった訳ではない。 むしろどこか甘さを感じられる喋り方だ。 最も、語気が少しだけ強かったので

「は、はひ。」 「こっちきて。」 「はひ?」 「いいから、こっち来る!」

もう何が何だか分からない。 いきなりルイズがネコルイズになって、更に何かした訳でも無いのに(勘違いではあるが)怒ってる……? 理不尽きわまり無い言動だが、今ここで反抗すれば何が飛んでくるか分からない…… ルイズはベッドの上でお姫様座りをしながら、自分の隣の布団をぺちぺち叩く。

「ここ、足伸ばして座んなさい。」 「え、いや、何で?」 「文句あんの?」 「喜んで座らせて頂きます。」

理不尽がどうとかもうどうでも良くなってしまった。 まずネコ耳。何これ。魔法かなんかで動いてんの? 見た感じ、アルビオンでのルイズの格好に似てるんだけど 近くで見ると……毛質が全然違う。本物のソレじゃねーか? 動きがもう…尻尾も…これは…!

「撫でて」 「はい?」

最早意味不明なんですけど… 怒られるかと思ったら、撫でてってどういう事?

言葉につまり逸らしていた視線をルイズに向けると 耳と尻尾は待ちきれない、といった様子でせわしくピクピク動いている。 が、目だけは(もちろん勘違い)怒っているように見える。 ここで手間取ってご機嫌を損ねる訳には行かない才人は どこを撫でていいのか分からなかったが、とりあえず頭を撫でてみる事にした。

さわさわさわ……

さわさわさわ……

165 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:47:38 ID:fQxib775 尻尾が今の気持ちを代弁しているかのようにしなやかに動く。 が、その尻尾の動きが一瞬止まった。 止まったと同時に隣にしおらしく座っていたルイズの身体が代わりに動く。 流石に驚いた才人は手を止めたが気に留める事も無い様子。 最も、動いた距離は1メイルも無い。 動いた先は……才人の身体の上だ。 胸に頭を預けるようにくるっと丸まって綺麗に収まっている。

驚いた才人が目をしぱしぱさせていると

「続き」

何だ何だ何だ何だ。 猫?え、猫?本物?モノホンなの? うわー……撫でてやると何この顔。俺死んじゃうの?

先ほどまでと違い、ようやく幾分かの冷静さを取り戻したので 撫でている手から伝わってくる耳からの温もりに それが作り物ではないとようやく分かった才人だが……

何というか、先ほどは位置の関係でよく見えなかったルイズの顔が 自分の胸に移動したことによりよく見えるのだが うっすらと頬を上気させ、うっとりと瞼を瞑り口元がやや上向きになっている。 ルイズがこんな顔を見せる事があっただろうか、と自問する必要すらない。 なぜなら今自分の目の前で起こっているのだから。

しばらく撫で続けていると口元が気持ち下がり 寝息が聞こえる。一定間隔なのでほぼ堕ちたのだろう。 なんというか、勿体無いので撫で続けたまま剣を呼ぶと鞘から少しだけ刀身を表し答える。

「なぁデルフ。」 「なんだいね、相棒。俺ぁてっきり出番が無いもんだと…」 「まぁ出番が無いってか必要ないみたいだな。」 「……バッサリいくね、相棒。まぁいいや。その娘っ子だろ?」 「そうなんだよね…これ、どしたの?マジで」 「相棒が貰ってきた手紙に虚無をぶっ放したのさ。」 「…の割りには部屋が荒れてないんだけど?」 「正確には、ぶっ放そうとした。かね。発動しなかったのさ。」 「発動しなかった?」 「あぁ、んでフラフラしてそのベッドに倒れてお前さんが来る前に生えた、と。」 「生えたって…んなアホな…しかもこの行動は…」 「お前さんの世界にも猫はいたんだろ?猫ってどんな生き物だ?」 「自己中心的で…わがままで…」 「そういうこった。つまり、完全にでは無いが猫化して自分の欲望に忠実になったって事さ。」

「…でもよ、相棒。」 「うん?」 「嬉しいんだろ?」

それに対する返答は満面の笑みでのサムアップ。 デルフリンガーはそれで満足したのか、相棒らしいや、と笑いながら言い残し鞘に戻った。 それからどれくらい経っただろうか、10分も経ってはいなかっただろう。 ぼんやりと目を開けこちらの瞳を覗いてくる。 次の瞬間、才人は信じられない物を目にした。

166 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:49:02 ID:fQxib775 笑みである、それも満面の。 あぁ…俺もう死んでもいいや…とどこか別の世界へ飛び立つ寸前に世界が反転した。 一瞬、自分の世界に入り周りが見えなくなった才人には良く分からなかったが 端から見れば何のことはない、ただルイズに押し倒されたのだ。 満面の笑みは壊れていない。その笑みがどんどん近づいてくる。

ぺろっ

な、舐められた?と思った次の瞬間には 頬を自分の頬に寄せられすり寄せられたかと思えば 顔を全体的に執拗に嘗め回す。才人が本能で取った行動は唯一つ。 自分の唇でルイズのそれを塞いだのだ。 一瞬、動きが止まったが顔を嘗め回すときと同じ様に咥内もペロペロしている。

その甘い空気の中、突然耳がピクン!と跳ね起き、辺りを警戒している様子だ。 トットット…と廊下から歩く音が聞こえる、それを聞き取っているようだ。 最も、動いているのは耳と二人の唇だけでそれ以外の行動は取らなかったがノックの音で才人の瞳が扉を見る。 が、時は既に遅かった。

「失礼しまー……きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

五月蝿そうに声の方向へ顔を向けるルイズ。 その顔に甘さはもう漂っていない。敵を警戒する顔だ。 言わずもがな、声の主はシエスタである。

「お、お二人とも何してらっしゃるんですか!  お夕飯に来られないと思ったら…こ、こんな破廉恥な事っ…!」

才人はただおろおろするばかりだ。 ルイズは上に乗っかったまま。 恥ずかしさと怒りが混じったシエスタはとりあえず二人を引き剥がそうと近づく。 すると、ルイズは身体全てシエスタに向け威嚇し始めた。

「フーッ」 「ミス・ヴァリエール?冗談はお止めください。」 「何が冗談よ、あんたこそ才人に近づかないでくれる?」 「…ミス、またアルビオンでのあの格好ですか?そんな物で才人さんをたぶらかそうとしてるんですね!?」

メイドvs貴族 一般の人から見たら、メイドの負けは火を見るよりも明らかだが ここルイズの部屋に限ってはそれが当てはまらない。 と、言っても今は状況が違う。ルイズは猫化してしまっているのだ。

「あ、あのさ。シエスタ」 「才人さん、騙されないで下さいね。私が助けますから。こ、っこんな破廉恥な…」 「ち、違うんだ!これ、本物なの!」 「才人さん……ミス・ヴァリエールの毒気に当てられてしまったのですね…」 「いや、マジなの!ちょっ、おいデルフ!シエスタに何とか言ってくれ!」

デルフの話は割愛。 半信半疑といったシエスタではあるが、動く耳と尻尾を目の当たりにすれば一応は信じざるを得ない。

「才人さんのお話は信じがたいです。」 「そんなこと言われてもなぁ…」 「ちょっと!何時まで話してんのよ。早く出て行きなさいよ。」

167 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:50:23 ID:fQxib775 一瞬の思考の後、シエスタは髪を結ってるリボンを取り外し ルイズの目の前でひらひらさせ始めた。

ひらひら……

ルイズの視線は揺られているリボンの先へ。

ひらひ、シュッ!

「……」 「……」

ひらひらひ、シュッ!

「……本物、ですね…」 「……こ、ここまで猫化しているのか」 「どうしたら元に戻るんでしょうか…」

ぼっこぼこにしてやんよと言わんばかりに尻尾を左右に振りながら 猫パンチならぬルイズパンチを繰り出そうとしている。 敵意丸出しなルイズとシエスタをここに置いたらどうなるか分からない。 そのため、シエスタは渋々メイド仲間の所に止めて貰う事に決めた。 後でサイトさんを貸してもらうかしらね…と呟きながら。

「んふふふふ…」 「…お前、いつまで猫のまんまでいるつもりなんだ?」 「ねぇ、サイト」 「へ?」 「シエスタなんかに付いてったらどうなるか分かってるんでしょうね…?」 「いや、その…俺の話…」 「あんたは私の物なんだからね!誰にも渡さないわっ!」

正に自己中の塊。 己に必要無い会話は全てスルー。完璧としか言いようが無い。 もうダメか、と才人が諦めてルイズの顔に目をやると これまた満面の笑み…なのだが、その笑みの根底に何か違う物がある。

「分かったわ。」 「戻る方法かっ?」 「あんたをシエスタに渡さない方法よ!」

才人が猫ルイズを見つけた時はまだ陽は全部落ちきっていなかった。 今ではもう辺りを暗闇が包み始めており、灯りが必要なほどだ。 不意に、才人の下半身を手が這う。 位置関係的というか、この部屋には才人とルイズしかいないため必然的に…

「る、ルイズっ!?」 「そーよねー、あんたこういうの好きだもんねー。」

正に小悪魔的な笑みを浮かべつつ才人のソレを重点的にイジる。 大きくなる度にその笑みは小悪魔から悪魔のそれへと変わっていく。 ていうか、ルイズの服装がいつの間にかネグリジェに変わっている。なんという早業だろうか。 168 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:51:07 ID:fQxib775 「あんたには他の女なんか目に入らないくらいに私が骨抜きにしてあげるわっ!」 「え、いや、はイ?」

そう言い終るや否や、才人のズボンを脱がしにかかる。 が、暗闇なのでいかんせん脱がし難い。

「…ちょっと、コレ脱ぎなさいよ。」 「いや…その…」 「私が脱ぐって言ったら脱ぐの!ほら!」

いくら暗くなったとは言え、まだ薄っすらと周りは見える。 そんな中で好きな女に自分の息子を凝視されるなぞ羞恥の極みであろう。 しかし、断ったら何をされるか分かった物ではない。意を決してズボンを脱ぐ。

「…へぇ〜、こうなってんのね…」 「そんなにマジマジ見ないでくれよ…はずk」

言い終わる前に息子は温かい場所へ拉致されてしまった。 二度目のルイズの咥内へと招待され、才人は抗えない。 いや、元より抗うつもりなぞこれっぽっちも無いのだが…

以前はどこか遠慮さが伴う行為だったが、今ではそれがなくなっている。 それが猫化による物か、愛読書のおかげかは知る由も無い。

むぐっ…んっ…んぐっ…

部屋の中には才人のくぐもった声と、ルイズが舌を暴れさせた時にする音で満たされている。 才人の声を聴くかのようにルイズの耳は才人を正面に捕らえており、尻尾は艶やかに空中に弧を描く。 時折、ルイズは自信ありげに才人の方へ視線を移すが才人はそれを見る余裕すらない。 もちろん、そんなに快感を与えられてしまえば

「で、出る!」

来るべき快感に向け準備をした才人だったがその快感はやってこなかった。 なぜならば、ルイズが息子を解放したからであるが息子は大層不満そうだ。 にへらーっと小悪魔笑みを浮かべながら才人のほうへ顔を近づけてくる。

「自分だけキモチよくなるのぉ?さいとぉ」

ルイズはネグリジェを脱ぎ去った。 既に太ももには一筋の光が見えており、尻尾は待ちきれない様子で蠢いている。

「私もキモチよくしてくれないと…してあげないわよ?」

今宵の双月は妖しく光る…ルイズを艶やかにライトアップしながら。 その光景を目の当たりにしてしまえば、最早理性を保ってなぞはいられまい。 まだ体勢変えていない才人の顔へ立ったまま自分のそれを近づける。 こうなってしまえば才人はただむしゃぶりつくだけだ。

「んぁ!それそれぇ!そこぉ!」

既に濡れていたそこを、才人の唾液で更に濡らす。 舐め、挟み、甘噛みし、舌でつつく。 才人が今もてる全ての性技を尽くす。 何か行動をする度ルイズは可愛らしい嬌声を上げ、耳はビクビクしている。 169 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:53:06 ID:fQxib775 「にゃ、もっと!もっと吸ってぇ!」

次第にルイズの膝に力が入らなくなってきた。 代わりに、才人の後頭部に廻されていた手に力が込められてきてる。 つまり、ルイズが昇りつめるのも時間の問題だろう。

「ひぃっ、も、らめぇ!」

才人が窒息しようなぞ考えてもいないくらいの力で股間を口へと密着させる。 ビクビクと身体が軽く痙攣し、才人の体の上へと力なく腰を落とした。

「はぁ…はぁ…んふふ…頑張ったご褒美…上げるわ…」

まだ少し震える腰を持ち上げ、まだギンギンの才人の息子の上へと体を動かす。 尻尾は獲物を狙う時の弧を描きつつ腰を下ろしていく。

「んふふふ…入れたい?さいとぉ?」 「う、うん…」 「んふふ…どーしよっかなぁ…?」

しかし、ここまで来てしまえば才人にだって考えはある。 ルイズの腰は自分の息子の真上。

「そーねぇ、どーしてもって言うな、きゃっ!」

腰を掴んで重力に従うまま腕を下ろせば…ホールインワン。 才人の唾液とルイズの愛液で既にとろとろに濡れていた秘所は何の抵抗もなく飲み込む。 掴んでいた手を背中に廻し、才人は腰を打ち上げる。

「ちょ、らめ、強、強いのぉ!?」 「お、俺だって、我慢できねーっつーの!!」 「だ、だあらって…激し、あうっ!」

皮膚と皮膚がぶつかる音。 激しく出し入れを繰り返す事による水音。 そして二人の嬌声。 尻尾はもうだらしなく垂れ下がってしまっている。

「やらっ、深い!奥まできれるのぉっ!奥まれぇ!」

声の高さからしてルイズの絶頂はもうじきだろう。 ここまで才人がルイズの事を観察できたのは経験を積んだからである。 と言っても2回目であるが…、初めてと2回目の壁は大きいのだろう。

不意に才人の動きが止まった。 後少しで絶頂を迎えられるはずだったルイズは怪訝そうな顔で才人を覗き込む。 170 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:53:48 ID:fQxib775 「な、なんれとめるのぉ…?」 「だって今ルイズ、やだっていったでしょ?」 「そ、そんなのいいから動かしなさい!」

俺、もう腰がね…とわざとらしく才人は答える。 少し怒った様子で目を吊り上げ、尻尾で抗議している。 が、また結合部分から水音がし始め才人を快楽の波が襲った。

「わ、私がぁっ…んふっ、動けば…いいんでしょぉっ」

初めての行為なため、たどたどしく腰を上下させている。 才人は先ほど見れなかったルイズの顔や髪の動き そして、いつまた見れるか分からない耳と尻尾の動きにも注意してみていた。

ただ、いくらたどたどしいとは言えルイズは後少しという所でお預けを喰らってしまっている。 一心不乱に腰を振り、快楽を貪ろうとしている。 そのため、才人は次第に見る余裕を失ってしまった。

「はぁ…はぁ…ねぇんっ、さいとぉ…動いてよぉ…」

その時の光景で、才人は理性を失いかけた。 瞳に少し涙を溜め、月の光を浴びた桃色の髪。 力無く垂れ下がっている猫耳。すがるように足を撫でる尻尾。 ここまで揃ってしまえば…本能に従うしか無くなるわけで。

その本能に占拠される前、才人は唇に軽くキスをし微笑んだ。 それにつられてルイズも微笑んだが、すぐにその顔は崩れた。 理由は至極簡単だ、才人が動き始めたからである。

自分で動くのとはやはり違う。 力強くルイズの中を抉ってくる。 自分では行けなかった頂まであっという間だ。

「らめ、もぉいくぅっ!」 「俺ももうっ!」

ルイズの中が温かい物で満たされていく。 その温かさと、才人に包まれている幸福感、そして自分で動いた事による疲労がルイズを夢へと誘った。 才人は余韻に浸りつつ、その幸せそうな寝顔を覗いていた。 ルイズが寝たのに寝ない理由はもう一つ。 しっかりとこの猫耳、尻尾を心に刻んでおくためだ。 だが、その頑張りもすぐに睡魔と仲良くし始め… 171 名前: 一通の手紙 ◆CSTs7hoBww [sage] 投稿日: 2007/09/27(木) 01:54:21 ID:fQxib775 ルイズが朝方目を覚ますと、筋肉痛のような痛みを感じたがそれほど苦痛ではなかった。 それはもちろん、初めて才人の胸の中で寝れたからだろう。 昨日の記憶が少しあいまいな部分があるが、今はまだこの温かさを感じようとまた瞼を閉じ才人が待つ夢へと旅立った。

それから少し経った後…メイドの登場により修羅場だったのは言うまでもないことだ。 その時、ルイズの猫耳、尻尾は共にどこかへ消えてしまっていた。 才人はそれを心底悔やんだ、メイドにフルボッコにされようとお構いなしに。

また、今回はルイズは杖を握っていなかった。 つまり、過ちは繰り返されてしまった。

その怒りの矛先は…神のみぞ知る。のか?       〜オワリ〜