ゼロの保管庫 別館

21-178

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だれでも歓迎! 編集

178 名前: fell 投稿日: 2007/09/28(金) 01:50:55 ID:LjiEbMRR サイトと仲良く腕を組んだタバサがいた いや 絶対にいや サイトが楽しそうに笑い、タバサも楽しそうに笑う。私とサイトじゃ絶対にあり えない。楽しそうに笑い合うそんな光景 サイトを盗らないでよ サイトは私の使い魔なんだよ? そしてサイトと腕を組んだタバサが振り向き私を見て …あの人は使い魔なんかじゃない。貴方と同じ その時のタバサの口の動きがやけにはっきりと見えた …ニンゲン タバサがそう楽しそうに言った 貴方はサイトに何をした? 床で寝かせた?御飯抜きにした?鞭で叩いた?七万の大群に置き去りにした? …ニンゲンにやる事じゃないよね? 嫌らしくタバサはそう言った 私の1番忘れてしまいたい過去、サイトにしてしまった…酷い事 いくら後悔してもどうしようもない過去 私はいつの間にか零れていた涙に気が付いた ……私は馬鹿よ。後悔するくらいなら…しなければよかったのに ぐすっと溢れて来た涙を拭いて私は思った …ごめんね、サイト 何も言わずサイトはタバサだけを見て…そして離れていく いつもよそ見ばかりしているのに…サイトは私ではなくタバサしか見ず、振り向 きもしないサイトに私はただその場で立ち尽くしていた …謝るから!だからこっちを向いてよ!サイト!!サイト!!! サイトは振り返らず歩いて行き…そして消えた サイトが見えなくなっても私はしばらく叫び続け…そして私はその場でしばらく 泣いた

179 名前: fell 投稿日: 2007/09/28(金) 01:52:19 ID:LjiEbMRR 「ミス・バリエール?」 「…あれ…?」 気がつくと私は授業中のクラスにいた 涙が出ていて目元が濡れている …夢…? そしてはっとした 「ミス・バリエール、居眠りをしていてはいけませんぞ?」 優しく笑いながらコルベールは言った …授業中の居眠り… 「ご、ごめんなさい!」 私はすぐに謝った。授業中に居眠りするなんて… 昨日の寝不足が原因…しかし私は直ぐにコルベール先生に謝った コルベールはそれ以上追求せずにただ笑って直ぐに授業を再開し始めた …授業中に居眠りするなんて… 初めての事だった。いつもは真面目に授業を受けているので居眠りなんてしない …これも…あの馬鹿犬のせいなんだから… 昨日馬鹿犬はタバサと二人で何かをしていた 何をしていたか教えてくれなくて腹が立ったのでサイトを虐めた …構って欲しくて…ちち違うわ、サイトを…あの青髪娘から守る為よ! タバサから何を守るのかさっぱり解らなかったが…きっとサイトはタバサに危な い目に合わさせられているだろうと思った 「…ばかいぬ…」 私はそう呟いた

180 名前: fell 投稿日: 2007/09/28(金) 01:53:22 ID:LjiEbMRR …授業が終わりコルベールに寝ていて聞いていなかった所を聞いてから火の塔を 出ると雨が降っていた きっとこの雨は…私に神様が罰として与えた雨なのかもしれないと思った 小雨ではなく確実に走って帰ったらびしょ濡れになる大雨 誰か知り合いで傘を持っている人に入れてもらおうと思ったが私はクラスで最後 に出来たのを思い出して…もちろん誰もいない …なんでこんなめに… 服が濡れるのは嫌だった、しかしこのままだと帰れない …誰か迎えに来なさいよ…! そう怒っても誰も来ない、自宅なら誰か召し使いが来てくれるだろう。でもここ は学校、召し使いなど一人もいないのだから…どうしようか悩んでいた。何も考 えず走るか…止むまで待つか そこでふと私はメイドを思い出した 今日は人手が足りないらしくので厨房にいると言っていた。多分今もだろう 使い魔は? 私と二人で傘をさし相合い傘で帰るサイト… 考えただけで顔が赤くなるのを感じた …あああの犬が一緒に入りたいなら… しかし私はそれは絶望的だと思った あの犬とは昨日喧嘩したのだから それで生命の危険を感じたのかサイトはどこかに消えてしまい、今日は顔を合わ していない 私が謝らないといけないの…? サイトはあんまり悪くないだろう。ただ単にタバサと会っていただけなのだから しかしタバサにとってはそうじゃないかもしれない …正直羨ましかった 自分から何も言わずにサイトが来てくれる 凄く羨ましい、でもサイトは来てくれない。だから…私はサイトに意地悪をする もういい加減にサイトも私に愛想を尽かしたかもしれない。嫌いになったかもし れない。嫌な女だからって会ってくれないかもしれない…話してもくれないかも しれない…… また再び涙が溢れて来て…ぐすぐすと泣きながら私は雨の中を走りもせずに歩い ていく 「…ごめんね、サイト」 私は呟いた それで私がした事が許されるとも思っていないけど…どうしても口に出したかっ た 「…何が?」 びくりとして私は前を見た。 181 名前: fell 投稿日: 2007/09/28(金) 01:54:35 ID:LjiEbMRR 傘をさした…サイトが前にいた 「……」 本当にびっくりして私はサイトを見て固まってしまった …なんでいるの? …私と喧嘩したじゃないの? 「ほら、風邪引くぞ」 と言ってサイトは持っていた傘を私に差し出してくれた 「……」 …何を言ってるのよ? 喧嘩したじゃないの?私の事嫌いじゃないの?なんでこんな酷い女の子なんかに 気を使うのよ…? 「今日は帰って三人で星見ながらお茶飲むんだろ?…風邪ひいたら見れないぞ」 …私がすっかり忘れていた、私とメイドとサイトでした約束をサイトは思い出さ してくれた いや、本当はとても楽しみだった。けれども…喧嘩して…すっかり忘れていた …この馬鹿犬は… 私はぶわっと涙が出るのを感じた 嬉しかった こんなに酷い女の子に優しくしてくれるのは…きっとサイトだけ 「…な、なんで泣くんだよ…」 と言ってサイトは私を傘に入れてくれた 「な…泣いてないわよ…」 私は顔を手で隠して震える声で言った 「…泣いてるじゃん、桃髪脳天気」 なんで泣いているか理由はわかっていないだろうけど…サイトは私を抱きしめて くれる …あんたが悪いのよ… 右手は傘を持っているから左手だけで私を肩の辺りで抱き寄せるだけ。それでも 十分濡れた私の体には暖かい 「……濡れるわよ…ばかいぬ…」 強がるように私は言ったけど…声が震えていた 「いいよ、お前が泣き止むまでこうしててやる」 私の耳元でサイトはそう優しく言った …私は嬉しくて…いや、嬉しくなんかないけど…使い魔がして欲しいみたいだか ら…と私はしっかりと理由を付けてサイトを抱きしめる 「どうせ、またゼロとか言われたんだろ?」 全く検討違いの事をサイトは言ったが…私は聞こえなかった事にしてサイトの胸 に頭を埋めた だがこれは聞こえなかった事には出来ない 「一個貸しな」 楽しそうにサイトはそう言った 「何よ…それ」 私は抱き着いたままサイトを見上げ尋ねる 「タバサに言われた。傘がなくて困ってからそう言って何かして貰えって」 楽しそうに笑いながらサイトは言った 「…こ、この馬鹿犬…」 やっぱりこいつは馬鹿犬だ。ご褒美目当てで尻尾を降って来た馬鹿犬 ぶん殴ってやろうと思い私は手を離して… やっぱり止めた

182 名前: fell 投稿日: 2007/09/28(金) 01:55:12 ID:LjiEbMRR …こいつの言う通りご褒美をやろうではないか 「ねぇ、サイト」 「なに?」 二人で寄り添いながら歩いていく、夢の中で見たタバサとサイトの様に 夢と違い私は楽しそうに笑っていないしサイトも楽しそうに笑っていないけど… サイトは満足そうだった 「ご褒美あげるから耳貸しなさい」 私は真っ赤になりながら言った 不思議そうな顔をしてそして耳を私に近付けたサイトに私は 「大好きだよ」 そう呟いた 私は恥ずかしかったけど呆気に取られたサイトを見て私は笑った おしまい

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